《金満自慢は悪魔の囁き》

 人は『富める者』を崇める傾向にある。だから『金持ちは偉い』といっ勘違いが絶えない。そして、お溢れにあやかるべく接近を計るが、その結果として富める者が富み、貧しき者がより貧しくなる構図だけが浮かび上がる。この季節、恒例の付け届けなどは、その典型であろう。「世話になったから」ならいざ知らず、「世話になりたい」一心で貢ぐ者が如何に多いことか。

(画像は県警データより)

 ネットの世界ならどうだろう。何せ顔が見えない。実在の有無すら分からない。頼りは文体から導き出される連想だけである。いや妄想というべきか。しかも、この妄想が恐ろしい。仮想空間の中では期待値をより大きくしてしまうからだ。

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《こうした自慢話を目にしたことはないだろうか》

 私こと騙野魔央(仮名)は数々の事業を手掛けて莫大な財を築いてきた。だから人望もあり社会的地位も高い。国内のみならず海外の一等地にも別荘を所有。車も、ロールスロイスにフェラーリと、もう数え切れない。好きなブランドは○○○といったように、こうした講釈が延々と続く・・。

〈特殊詐欺の年次別推移〉

(警察庁データより)

 これでは誰もが怪しむかと思いきや、そうでもない。こうした胡散臭い記事に限ってフォロワー数も桁違いに多い。コメント欄にまで溢れる賛辞の数々。返コメでもあろうものなら、もう天にも昇る心地である。あたかも憧れのハリウッドスターと連絡が取れたかのように。

【間もなくして、こうした案内が届く】

 これは私が敬愛する友人にだけお送りしています。この度、騙田魔央グループは新たな事業を立ち上げることになりました。本来ですと出資者は公募するところですが、これでは希望者が殺到して収拾が付かなくなる恐れがあります。そこで、突然ではございますが、こうして○○様のような信頼に足る方のみに限定してお知らせした次第です。

 無論、元本は保証します。年利100%も確実な状況にあります。手持ち資金が僅か数年で何倍にもなるんですよ。どうですか、一緒に夢を叶えてみませんか。貴方も誰もが羨む大金持ちになれるんですから。いつしか○○○ヒルズの別荘でお隣さんになる日を楽しみにしています。

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 これがネット社会の落とし穴とでも言うべきか。普通なら怪しむような内容であれ、夢心地の中で妄想を膨らましているだけに、それがない。実在を疑うこともなく「理想の人物像」創り上げてゆく。あくまで『未だ見ぬ憧れの教祖様』なのだ。

 現在、詐欺までが『騙すならネットで』になりつつある。結婚詐偽とて相手を知らぬままに引っ掛かってしまう時代だ。捕まってビックリ! 若くて美人(イケメン)のはずが、実は70代のキモ悪オヤジだった、では笑い話にもならない。ITとは『Ikasama technique」の略称だったのだろうか。

《日本の巨額詐欺事件》

 因みに、悪は景気の後退期ほど栄えるもの。巨額詐欺事件も、失われた30年といわれる、この僅かな期間に集中している。ことに、バブル崩壊や株価の急落時に増える傾向にある。損失の回収、貧困からの脱出を焦る余りに、より騙されやすくなってしまうようだ。『なけなしの、銭をお布施に、神頼み』、、どこかの新興宗教のようではあるが。

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《余談》

〈これも詐欺??〉

 昨日、久しぶりに地上波(フジTV)で巨人戦(主催はヤクルト)の中継があった。だが、これがまた酷い。午後2時30分からの放送であったが、なかなか始まらない。延々とCMを垂れ流して、その合間にタレントを介した野球談義である。やっと始まったかと思いきや、途中経過をチラッと見せる程度で、それも僅か数秒ではなかったろうか。結局は、ヤクルト対巨人戦でなく、こうした邪像を30分近くも見せられたことになる。

〈地上波から消えたプロ野球巨人戦〉
(本日(6月26日)の下野新聞より)

★〈中継はあっても、パ・リーグか、巨人戦を除くセ・リーグばかりだ〉

 巨人戦が地上波から消えて久しい。ラジオ(TBS)すらない。稀にはあるが、これとて『バラエティー』に過ぎない。それも親会社(日テレ)の定番に成り下がっている。芸能人を並べて行う『クイズ形式』の野球談義に何の意味があろうか。もう野球中継に興味がないのか、凋落の巨人戦では誰も見ないので仕方なく路線を転換したのか、何れにせよ、こうした中継自体が明らかに『詐欺』だと思うが。

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《《おまけ》》

〈カモにならない方法〉

「お前達も絶対にネギだけは背負っちゃいけませんよ」「カモ(鍋)にされてしまうんだからね」

鍋・・??」