気象庁によると、2017年8月に始まった黒潮の大蛇行は未だ衰える気配なく、この7月で丸5年になるという。これは観測開始(1965年)以来の最長記録だそうだ。黒潮の流路異変は、船舶の運航や漁業が深刻な影響を受けるだけでなく、地形によっては沿岸にも浸水などの被害を及ぼす恐れがあるとして注意を呼び掛けている。

〈長い間、大きく蛇行する黒潮〉
(ネットより引用)

 黒潮大蛇行は今回も含めて6回発生しているが、その影響は水産の分野だけにとどまらない。気象変動を齎すことから、天候不順に加えて迷走台風も多く、農業、強いては経済活動への影響も計り知れない。コロナ、ウクライナと続く問題山積の社会にあって、この先には一体、何が待ち受けるのだろうか。

〈黒潮大蛇行の年代〉
(気象庁の観測データより)

 もう一つ忘れてならないものがある。地震のことだ。偶然なのか必然なのかはともかく、こうした只中に限って地震も多い。それも大地震ばかりではないか。黒潮の大蛇行年代と重ねてみても下記の如くである。

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《黒潮の大蛇行年代》

★期間中に発生の主な地震

△参考、火山噴火


《1975年08月~1980年03月》

★1978年01月14日、伊豆大島近海、M7.0
★1978年03月07日、東海道南方沖、M7.2
★1978年03月23日、択捉島南東沖、M7.0
★1978年03月25日、択捉島南東沖、M7.3
★1978年06月12日、宮城県沖地震、M7.4
★1978年12月06日、択捉島付近、M7.2

△1977年08月07日~有珠山噴火
△1978年07月29日~桜島噴火
△1979年06月13日~阿蘇山噴火

《1981年11月~1984年05月》

★1982年03月21日、浦河沖地震、M7.1
★1982年07月23日、茨城県沖で地震、M7.0
★1983年05月26日、日本海中部地震、M7.7
★1983年06月21日、青森県西方沖、M7.1
★1983年08月08日、山梨県東部地震、M6.0
★1984年01月01日、三重県南東沖、M7.0
★1984年03月06日、鳥島近海で地震、M7.4

△1983年10月13日~三宅島噴火

《1986年12月~1988年07月》

★1987年03月18日、日向灘で地震、M6.6
★1987年05月07日、日本海北部、M7.0
★1987年12月17日、千葉県東方沖、M6.7

△1986年11月15日~三原山噴火(全島避難)
△1986年11月23日~桜島噴火

《1989年12月~1990年12月》

★1989年11月02日、三陸沖で地震、M7.1

△1989年07月13日~伊東沖海底火山
△1990年05月頃~雲仙岳噴火

《2004年07月~2005年08月》

★2004年9月05日、紀伊半島南東沖、M7.3
★2004年10月23日、新潟県中越地震、M6.7
★2004年11月29日、釧路沖で地震、M7.0
★2005年03月20日、福岡県西方沖、M7.0
★2005年08月16日、宮城県沖で地震、M7.1

△特になし 

※《2013年07月~2014年04月》=小蛇行?

★2013年04~三宅島近海群発、最大震度5
★2013年10月26日、福島県沖地震、M7.1

△2013年08月頃~桜島噴火
△2014年09月27日~御嶽山噴火

 《2017年08月~現在・・》

★2018年06月18日、大阪北部、震度6弱
★2018年09月06日、胆振東部地震、震度7

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 このように、黒潮大蛇行の年代には、僅かな期間に集中して発生している。しかも、伊豆諸島周辺のみならず、東海道南方沖、三重県南東沖、紀伊半島南東沖といった「厄介」な場所にも及んでいることが分かる。厄介とは『南海トラフ型の巨大地震』が危惧される領域のことだ。

 また、火山活動との関わりも否定できない。黒潮の異変が、地震活動に加えて、火山活動まで活発化しているようにも見える。火山噴火の年代、噴火被害の時期まで一致するのだ。

 大蛇行は、1944年にも(秋頃まで)あったとみられる。この年は、12月07日に南海トラフ型たる昭和東南海地震(M8.4)があり、その後、三河地震(1945年01月13日、M6.6)、昭和南海地震(1946年12月21日、M8.4)へと続いてゆく。やはり、黒潮の大蛇行と、地震・火山は繋がっているのだろうか。

 因みに、明日(6月20日)は、首都直下型地震の典型とされる明治東京地震(1894年)から128年目でもある。当時、湾岸一帯は未開であり人口も少なかったことから事なきを得たが、この現在ならどうなることやら。今や埋め立て地を含めて300万人近い人々が居住している。大地震は黒潮が大蛇行する年代に多い。しかも蛇行する領域で発生する傾向にある。これが『南海トラフ型巨大地震』の呼び水にならないことを願うばかりだ。

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《余談》

〈人手不足深刻、移民争奪戦の世界事情〉

 コロナの影響が止まらない。感染のことではない。労働者不足のことだ。ことに先進各国で足りない。現業を移民に頼る国家ほど深刻な状況にあるという。入国制限も解除され、やっと賑わいを取り戻したかと思いきや、バス・タクシーの運転手不在から開店休業にあるフランスの観光事業。介護士不足から高齢者の孤立が取り沙汰されているドイツなど、その影響はとどまるところを知れない。インフラ部門などは最たるもので、どこもかしこも激しい争奪戦にあるという。

(外国人就労者数の年次別推移)
(画像は厚労省データより)

 日本だって同じだ。いや実態は遥かに深刻かも知れない。地元の果樹や野菜農家では生産の断念が相次いでいる。コロナによる入国制限だけではない。金銭的魅力も失せてしまったのだろう。外国人が消えた工事現場では、80歳を超えた高齢者にさえ頼らざるを得ない悲しき現実。しかも、135円にまで下がった円安が拍車をかける。最早、この国は出稼ぎ先としても、とうに過去完了形でしかないのだ。

 バブル崩壊で失業が溢れた時代であれ、現業部門だけは3Kと称して嫌い、どこもかしこも深刻な人手不足であった。それが、この体たらくである。外国人就労に期待しようにも、これだけ衰退著しい日本に、どうして来ようか。しかも(各国の)メディアでも大きく取り上げられるように待遇までが劣悪である。帰化が認められないことから、各種保険は適用されず、年金とてびた一文出ない。ケガしたり病気にもなれないだけでなく、勤め先から解雇(リストラ)でもされれば、その時点で『不法就労』と見なされ投獄の対象でしかないのだ。これでは国家ぐるみの詐偽といわれても仕方あるまい。豊かな先進国は遠い昔。生涯現役が虚しく聞こえる。

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【父の日特集】

〈今日は父親に感謝する日〉
(ピュ〜〜〜〜🌪️🌪️)

「日々、頑張っているんだから、今日ぐらいは家でのんびりしてね」

〈そして母子は豪華な外食へ・・〉

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