日記「今日見た映画 2017」73『ブランカとギター弾き』 | やりすぎ限界映画入門

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ダイナマイト・ボンバー・ギャル @ パスタ功次郎

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■『ブランカとギター弾き』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

2015年/イタリア映画/77分
監督:長谷井宏紀
出演:サイデル・ガブテロ/ピーター・ミラリ/ジョマル・ビスヨ/レイモンド・カマチョ

■2017年 劇場公開作品 73本目

まず僕に「フィリピン」の知識は「皆無」。殆ど何も「知らなかった」のに、突然『ブランカとギター弾き』を知ったのは、「東南アジア」に超詳しい「友人Y」のお薦めだった。何も知らない状態で「見てしまった」が、「ショック」「衝撃」を受け「かなり」「泣かし」に追い込まれた。有名な「フィリピン」の国名は知ってても、実際行ったことは一度もないし、「知らなかった」ことばかり。「また」とても勉強になった。

この世は知らないことばかり。「ストリートキッズ」という「孤児」が何でこんな大勢いるのか、「まず」「おしっこ垂れ流し」。日本では考えられない光景に「震撼」「驚愕」「絶句」。「フィリピン」について今日まで「無関心」「他人事」だったことに「反省」「懺悔」「償い」。これは「フィリピン」について「もっと知れ」と言う、仏様のお導きだと感じた。

見終わってから「多少」調べると、戦争による「スペイン植民地」「アメリカ植民地」となった政策で、貧富の差が拡大していったことを思い知る。「農地解放」以外、貧富の差をなくす方法がないことを「今頃」思い知った。小作人が、地主に年貢を収めねばならない制度から逃れ、ストリートに住みつくようになったなど「何一つ殆ど砂粒ほども知らなかった」。フィリピンの格差社会の実情を見せた「背景実話系映画」だった。

「母親をお金で買う」という発想が、日本人にはまず「絶対考えられない」。もうこれだけですでに「やりすぎ」。「幸せ」は絶対「当り前」ではない。日本でどんなに貧乏でも、日本の政策ではここまで貧乏になることはない。「また」「僕の貧乏」など大したことないと思い知らされるしかなかった。

「将来」、恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” に「なるであろう」、恐るべき資質を持つ「サイデル・ガブテロ」「ブランカ」が、「孤児」で、ダンボールの家に殆ど「野宿」なの見てさらに「おしっこ垂れ流し」。貧困状態の壮絶さ、光景を見て、イスラエルの「パレスチナ」「ガザ地区」を思い出した。「苦しみ」が大きい国がたくさんある現実に、「日本」が「かなり」「幸せ」だと思い知るしかなかった。

「掏り」「盗み」なんか「当り前」。「悪いこと」でも、それしか生きれないフィリピン「貧困層」の現状を思い知るしかない。「その日の食べ物」を手に入れることで精一杯の生活に追い込まれながら、「サイデル・ガブテロ」は「母親をお金で買う」ためのお金を貯めてく。

「15歳」と言うが、本当は何歳か解からない。盲目の「流し」「ピーター」の「やさしさ」に惹かれ、親子のようになっていくが、「良いこと」「悪いこと」があって人生。一度は歌手として「大成功」の光を浴びるが、悪人に陥れられ全てを失う。あげく子供なのに大人のヤクザと変わらない「ジョマル・ビスヨ」「レイモンド・カマチョ」、「3万ペソ」の匂いを嗅ぎつけた悪人に「人身売買」で「売春宿」に誘拐される。「背景実話系映画」が見せる「フィリピン」「貧困層」の現実、「怖さ」にビビって「泣きながら」大きい方を漏らす以外なす術はない。

「フィリピン」の『万引き家族』に見えた。他人同士が、血が繋がった実の家族を超える絆で結ばれる話。いろいろ調べて「ピーター」役の「ピーター・ミラリ」が、完成後亡くなったことも「ショック」「衝撃」だったが、『ブランカとギター弾き』を撮ったのが、「日本人」「長谷井宏紀監督」だったことにも大きい方を漏らした。

イタリア映画で日本人監督でフィリピンの話。現代のグローバル化が「当り前」を強く感じた。僕の「勝手な私見」で、日本人が撮った映画はもう「日本映画」に見えてしまう。製作が決まった経緯にも大きい方を漏らしたが、ベネチア国際映画祭での受賞を知り、日本人の名をまた外国に残した「長谷井宏紀監督」の「偉業」に、ビビって震え上がるしかなかった。




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画像 2020年 12月