日記「今日見た映画 2014」54『リアリティのダンス』 | やりすぎ限界映画入門

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ダイナマイト・ボンバー・ギャル @ パスタ功次郎

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■『リアリティのダンス』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

2013年/チリ=フランス映画/130分
監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
出演:ブロンティス・ホドロフスキー/パメラ・フローレス/イェレミアス・ハースコヴィッツ/アレハンドロ・ホドロフスキー/バスティアン・ボーデンホーファー/アンドレス・コックス/アダン・ホドロフスキー/クリストバル・ホドロフスキー

■2014年 劇場公開作品 54本目

■第2稿 2020年 6月12日 版

「とんでも映画」の「先入観」を抱いてきた「鶏」は、「完全無意識スルー」で「アレハンドロ・ホドロフスキー監督」から逃げてきた。だがいい歳になってだんだん逃げるのも苦しくなった。『リアリティのダンス』が、とうとう「初めて」見た「アレハンドロ・ホドロフスキー監督」の映画だった。

過去の作品は一切知らず、いきなり「自伝」の映画を見てしまった。「とんでも映画」という「噂」を聞いて「鈴木清順監督」に近いイメージを想像してたが、「かなり」「映像美」で「反省」「懺悔」「償い」を感じた。

「美術」「衣装」など、「ファンタジー映画」のように「幻想的」「非現実」に見せてるが、話の内容に恐るべき極限のくそリアリズムを感じずにいられなかった。「アレハンドロ・ホドロフスキ―監督」がどんな「父」「母」に育てられ、どんな幼少期を過ごしたかは興味深かった。「臆病」「弱虫」「気弱」で世の中の「怖さ」に震えてる子供だったのが「他人事」に見えず、「男らしくなかった」ことに「親近感」を感じた。

「アレハンドロ・ホドロフスキ―監督」に比べれば、僕の幼少期など全然大したことない。1920年代の「軍事政権下のチリ」ほど危険な環境ではなかったし、父親も恐るべきスパルタではなかった。父に暴力を振るわれたことがなかったので、かなり恵まれてたと自覚した。「イバニェス大統領暗殺」に出かけた父親が、指が開かなくなる後遺症を背負って帰ってくるほど壮絶な人生ではなかった。

どこまで「実話」か知らないが、人間を殺すことなど実際ビビッて震え上がりできないように思う。僕もきっと同じだろう。あれほどスパルタで「強気」だった父親が、いざ暗殺の瞬間「怖さ」で殺せない恐るべき極限のくそリアリズムが凄かった。

「スパルタ」の「父」に対し「愛」の「母」がまた凄かった。子供の「恐怖」「不安」を取り除こうと体を張って守る姿に「ガン見」。「すぐ」「全裸」になったりはしないが、僕も幼少期はかなり母親に守られてたことを思い出し「居た堪れない」「感謝」の気持ちで一杯になった。あまりに「いいお母さん」な恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「パメラ・フローレンス」を見て僕の母親を思い出さずにいられなかった。

「息子」「妻」に散々強く当たってきた父親が、最期「廃人」になって帰ってきて、「生きてる」こと、「幸せ」なことに「感謝」して「反省」「懺悔」な姿が「泣かし」だった。「軍事政権下のチリ」で、普段感じる「当り前」の「幸せ」が、「当り前」ではないほど大きな「幸せ」だったことを思い知る、「アレハンドロ・ホドロフスキ―監督」の「幼少期」を見て、大きい方を漏らして「震撼」「驚愕」「圧倒」「尊敬」「絶句」する以外なす術がなかった。




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画像 2017年 8月