「 転生―古代エジプトから甦った女考古学者 」

 

久しぶりにワクワクする本に出会いました。なんと3,000年前古代エジプトファラオの愛人だった女性が現代に転生して、エジプト考古学者として活躍するです。まるで映画のようです

 

本の内容を要約しました。

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 1907年、3歳のドロシー・イーディーはロンドンの自宅の階段から転落しました。慌てた母親が抱き上げ、医者を呼びましたが、すでに息はなく、医者がお嬢さんは亡くなりましたと告げました。死因は脳しんとうでした。  
 
 医者は死んだ少女を寝室に寝かせ、納棺や死亡診断書の用意に帰り、戻ってくるとベッドの上でチョコレートを食べている金髪の少女を見て唖然としました。父親は医者の早とちりに激怒していましたが、医者は「娘さんは、たしかにさっきまで死んでいたのです」というと、そそくさとその場をあとにしました。

 この事故からまもなく、ドロシーは同じを繰り返し見るようになりました。それは円柱の立ち並ぶ巨大な建物で、果物や花でいっぱいの庭や、そのそばに立つ高い木を見ました。そして、「おうちに帰りたいとシクシク泣くようになりました。

 ドロシーが4歳のとき、一家は大英博物館に出かけました。一行が古代エジプト室に足を踏み入れたとたん、ドロシーは両親の手を振り払い、狂ったように走り出し、展示されていた彫像という彫像の足にキスをしはじめました。そして、ミイラのそばに座り込んで、「この人たちはみんな私の仲間なのよ」と動かなくなりました。

 数ヶ月後、父親は通りかかった本屋で「子供百科」という本を見つけて買い求めました。その中に、偶然古代エジプトの写真やイラストが載っていて、ドロシーはこれこそ自分が探していたおうちだと直感しました。 

 母親が文字を教えると彼女は瞬く間に文字の読み方をマスターしてしまいました。本の中にロゼッタストーン(古代エジプト文字が刻まれている石)の写真があり、ドロシーはいつもそのページを虫眼鏡で見ていました

「あたし、この言葉、知ってるわ。ただ忘れているだけ。書き写したら思い出せるかもしれない」

 

【アビドスのオシリス神殿にあるセティ1世のレリーフ】

 
7歳の頃、父親が持ち帰った雑誌の中に「アビドスにあるセティ1世の神殿、上エジプト」と書かれている写真を見つけました

「これ、あたしの家よ!あたし、ここに住んでいたのよ!」
と叫びました。でも、どうしてみんな壊れているの。お庭はどうなったの」と悲しそうにつぶやきました。

父親は言いました

「ドロシー、ウソをつくのはいけないよ。これは古い建物の写真だ。それも何千年も昔のものだ。ここは砂漠だから庭もない。あるのは砂だけだ・・お願いだから、もうウソはつかないでおくれ」

 
それからまもなく、ドロシーは別の写真を見つけました。それは第19王朝のファラオ、セティ1世イラでした。保存状態が良く、まるで生きているかのようでした。

 興奮していてもたってもいられなくなったドロシーは、父のもとに走ると言いました。こんどこそ誓って、私はこの男の人を知っているわ。やさしくてステキな人なの。

 
がまんできなくなった父親は大声で叫びました

「おまえはこのミイラ男を知るわけはない、このミイラは昔の王様で、3千年前に死んでいる。やさしい人なんかであったはずはない。バカなことを言うのは金輪際やめてくれ!

 
両親は、幼い頃の事故が影響したのだと考えました。エジプトに対するこだわり以外は、おませで頭の良い一風変わった女の子でした。やがて、両親は一人娘のエジプト狂いに慣れっこになってしまいました。

 教会でも、キリスト教よりエジプトの宗教のほうが古くて真の教えだと言い張るので、追い出されてしまいました。

 やがて、10歳の時、退屈な学校を抜け出して、近くの大英博物館エジプト・ギャラリーで遊ぶようになりました。そこへ、ずんぐりした白髪の紳士がやってきて、

学校はどうしたのかねとたずねました。ドロシーは学校は自分の知りたいことを教えてくれないのと答えました。

「本当に知りたいこととは、何なのかな?」
「ヒエログリフです!」
「それなら、きみの知りたいことを私が教えてあげよう」


こうして、ドロシーに助けの手をさしのべた白髪の守護天使こそ、高名なエジプト学者のウォーリス・バッジでした。

 驚いたことにドロシーはあっという間に、ヒエログリフ書き方を覚えて、「死者の書」の解読もできるようになりました。バッジはドロシーの習熟の速さに喜び驚きました。

どうして、これほど短期間にヒエログリフの解釈について理解や知識を深めることができたのかなとたずねました。ドロシーはこともなげに言いました。

じつは自分はずっと昔、ヒエログリフを知っていたのです。それを忘れていただけで、先生のおかげで、いまその記憶が蘇ってきたのです。

 

それからまもなく第一次世界大戦が始まり、大英博物館は閉鎖され、ドロシーは田舎へ疎開しました。14歳で戦争が終わり、ロンドンに戻ってからは退屈な日々でした。そんなある日、ドロシーは撃的な体験しました。このことを信頼する友人に打ち明けたのはそれから50年後のことでした。

 

眠っているときに胸に重みを感じたの。
つぎの瞬間、すっかり目が覚めたわ。

男の人の顔が私に近づいてくるところだったからよ。
その顔は何年か前に写真でみたセティ1世の顔だった。

驚きとショックで私は声をあげた。でも、じつはうれしかったの。
それから、彼は私のナイトドレスを引き裂いたの。

母は隣の部屋から、私の叫びを聞いて飛んできて、どうしたのと言った。
そして、どうしてナイトドレスが破れているの?と聞いた。

私は、わからないわ、きっと自分でやったのよと答えた。
でも、自分でやったのではないとわかっていた。

ねえ、セティその人が私の前に現れたのよ。
どうやって、母に説明すればいいの。

つづく

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面白くて夢中になって読み、駅を乗り過ごしてしまいました。簡単にあらすじを書こうと思っても、ついつい書きすぎてしまって、肝心のところまですすめませんでした。また、つづきを書きます。

恋人はファラオ2. エジプト人との結婚 につづきます。

 

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