こんにちは。
個性を強みに変えるプロ、個性心理學研究所認定講師の小嶋です。
夏休みが終わり、新学期が始まる頃になると、親御さんから増えてくる相談があります。
「友達とケンカばかりしてしまいます。」
「仲良く遊んでいたと思ったら、急に仲間外れにされたようです。」
「うちの子だけ、いつもトラブルに巻き込まれている気がします。」
そんな話を聞くたびに、多くの親御さんは「どうしたら友達とうまく付き合えるようになるのだろう」と悩みます。
もちろん、友達との関係は子どもの成長に大きく影響します。
だからこそ、親として何とかしてあげたいと思うのは当然です。
しかし私は、これまで個性心理學を通して数多くの親子と関わる中で、一つ感じていることがあります。
それは、
友達トラブルの多くは、「悪い子」がいるから起きるのではなく、「違い」を知らないことで起きている。
ということです。
今日は、その「違い」について、一緒に考えてみたいと思います。
「どっちが悪い?」だけでは解決しない理由
子ども同士でトラブルが起きると、大人はつい原因を探したくなります。
「どっちが先に言ったの?」
「誰が悪かったの?」
もちろん事実を確認することは大切です。
しかし、それだけでは根本的な解決にならないことが少なくありません。
例えば、一人は「思ったことをすぐ口にする子」。
もう一人は「言葉を深く受け止める子」。
前者は悪気なく言った一言でも、後者には強く傷つく言葉になってしまうことがあります。
また、一人は「みんなで遊びたい子」。
もう一人は「一人の時間も大切にしたい子」。
片方は「なんで一緒に遊んでくれないの?」と思い、もう片方は「少し一人になりたいだけなのに…」と感じてしまう。
どちらも悪くありません。
ただ、お互いの「当たり前」が違うだけなのです。
親が良かれと思ってやってしまうこと
友達トラブルが起きると、多くの親はすぐに解決してあげようとします。
しかし、その優しさが、かえって子どもの成長の機会を減らしてしまうことがあります。
例えば、
「ちゃんと謝りなさい。」
「もうあの子とは遊ばない方がいいよ。」
「相手の子が悪いね。」
こんな言葉をかけた経験はありませんか?
もちろん、その場では安心するかもしれません。
しかし子どもは、
「どうして相手はそう思ったんだろう。」
「どうすれば伝わったのかな。」
という大切な経験をする前に答えを与えられてしまいます。
友達との関係は、勉強と同じです。
失敗しながら、人との距離感や思いやりを学んでいくもの。
親がすべて解決してしまうと、その学びの機会まで奪ってしまうことがあるのです。
本当に必要なのは「相手を理解する力」
では、親は何もしなくていいのでしょうか。
もちろん違います。
子どもが困っている時には寄り添い、安心できる場所になってあげることはとても大切です。
ただ、その上で育てたい力があります。
それは、
「自分と相手は違う」ということを理解する力です。
私たちは、大人でも
「どうしてあの人はそう考えるんだろう。」
と思うことがあります。
職場でも、家庭でも、夫婦でも同じです。
実は子どもの世界でも、まったく同じことが起きています。
だからこそ、
「相手が変われば解決する。」ではなく、
「違う考え方がある。」
という視点を持てる子どもほど、人間関係を築く力が育っていくのです。

個性心理學で見ると、人との関わり方にはこんなに違いがある
個性心理學では、人それぞれに物事の受け止め方や、
人との距離感、安心できるコミュニケーションの取り方に違いがあると考えます。
同じ出来事でも、
「楽しかった」と感じる子もいれば、
「怖かった」と感じる子もいます。
同じ遊びでも、
「みんなで盛り上がりたい子」もいれば、
「仲の良い友達と静かに遊びたい子」もいます。
つまり、友達トラブルは「性格が悪い」から起きるのではなく、
それぞれの個性がぶつかることで生まれるケースが非常に多いのです。
では実際に、12タイプの子どもたちは友達との関わり方にどのような特徴があるのでしょうか。
まずはMOONグループの4タイプから見ていきましょう。
🌙MOON(ひらがな)
こじか
こじかの子は、とても繊細で相手の表情や雰囲気を敏感に感じ取ります。
そのため、友達に少し強い口調で言われただけでも、「嫌われたのかな」と不安になってしまうことがあります。一方で、自分の気持ちをうまく言葉にできず、一人で抱え込んでしまう場面も少なくありません。
親は「気にしすぎだよ」と励ますよりも、「そう感じたんだね」と気持ちを受け止めてあげることが大切です。安心できる場所があることで、少しずつ自分の思いを伝える力も育っていきます。
黒ひょう
黒ひょうの子は、人との関わりが上手で友達もできやすい反面、自分のプライドをとても大切にしています。
みんなの前で注意されたり、からかわれたりすると、強く反発したり、その場では平気そうに見えても心の中で深く傷ついていることがあります。
親は「あなたにも原因があるでしょ」と結論を急ぐよりも、まずは子どもの話を最後まで聞いてあげましょう。その上で、「相手はどう感じたと思う?」と一緒に考えることで、相手への理解も自然と育っていきます。
たぬき
たぬきの子は、周りとの調和を大切にし、相手に合わせることが得意です。
そのため、大きなケンカは少ないものの、本当は嫌だったことを我慢し続けてしまうことがあります。そして、我慢が限界を超えた時に突然気持ちがあふれ、大きなトラブルになることもあります。
親は「優しい子だね」で終わらせるのではなく、「本当はどうしたかった?」と気持ちを引き出してあげることが大切です。我慢だけではなく、自分の意見を伝える経験も人間関係を築く上では欠かせません。
ひつじ
ひつじの子は、仲間とのつながりをとても大切にします。
だからこそ、「みんなと一緒」が安心につながり、グループの雰囲気に大きく影響を受けます。友達同士の空気が悪くなると、自分まで不安になってしまうこともありますし、仲間外れになることを何より怖がる傾向があります。
親は「気にしなくていいよ」と励ますだけではなく、「あなたはあなたのままで大丈夫」と伝え続けてあげることが大切です。周囲に合わせるだけではなく、自分らしく人と関われる力が少しずつ育っていきます。
🌍EARTH
狼
狼の子は、自分の世界をとても大切にします。
友達と仲良くできないわけではありませんが、「みんなと同じ」を求められ過ぎると窮屈さを感じます。一人で遊びたい日もあれば、自分のやり方を貫きたい場面もあります。その姿を見て「協調性がない」と誤解されることもありますが、本人には悪気はありません。
親は「みんなと合わせなさい」と無理に同調を求めるのではなく、「一人の時間も大事なんだね」と個性を認めてあげましょう。その上で、「友達にもいろいろな考え方があるね」と少しずつ視野を広げていくことで、自分らしさを失わずに人との関わり方を学んでいけます。
猿
猿の子は、明るく行動力があり、誰とでもすぐに仲良くなれる魅力があります。
しかし、思いついたことをすぐ行動に移すため、相手の気持ちを考える前に冗談を言ってしまったり、勢い余って友達を傷つけてしまうことがあります。本人には悪意がないため、「なんで怒っているの?」と戸惑うことも少なくありません。
親は頭ごなしに叱るのではなく、「その言葉を言われた相手はどう感じたかな?」と一緒に想像する時間を作ってあげることが大切です。持ち前の明るさに思いやりが加わることで、周囲からさらに信頼される存在へと成長していきます。
虎
虎の子は、責任感が強く、約束やルールをとても大切にします。
そのため、ルールを守らない友達を見ると、「どうして?」という気持ちが強くなり、注意したり厳しく接してしまうことがあります。正しいことを伝えているつもりでも、相手には強く感じられ、言い争いになるケースもあります。
親は「正しいことを言ったから大丈夫」と終わらせるのではなく、「伝え方でも受け取り方は変わるんだよ」と教えてあげることが大切です。正しさに優しさが加わることで、周りから頼られるリーダーへと成長していくでしょう。
子守熊(コアラ)
子守熊の子は、自分のペースを大切にしながらも、人との関係をじっくり築いていくタイプです。
一度信頼すると長く付き合いますが、反対に「この人は苦手」と感じると距離を置くことがあります。また、自分なりの考えを持っているため、納得できないことには簡単には動きません。
親は無理に「仲良くしなさい」と言うよりも、「どうしてそう思ったの?」と理由を聞いてあげましょう。子どもの考えを尊重しながら、人との違いを認める視点を育てていくことで、安定した人間関係を築く力が育ちます。
☀SUN
チータ
チータの子は、好奇心旺盛で行動が早く、新しい友達ともすぐに打ち解けます。
その一方で、気持ちの切り替えも早いため、昨日まで仲が良かった友達と今日は別の子と遊んでいることも珍しくありません。その行動が「冷たい」と誤解されることがありますが、本人には深い意味はないことがほとんどです。
親は「もっと一人の友達を大切にしなさい」と決めつけるのではなく、「相手はどう感じるかも考えてみようね」と伝えてあげることが大切です。行動力に思いやりが加われば、多くの人に愛される存在になります。
ライオン
ライオンの子は、自信を持って行動し、周囲から頼られることが多いタイプです。
しかし、その責任感やプライドの高さから、自分の考えが正しいという思いが強くなり過ぎると、友達に指示を出し過ぎたり、自分の思い通りにならないことへ強いストレスを感じたりすることがあります。結果として、「命令されている」と受け取られ、友達との距離ができてしまう場合もあります。
親は「リーダーなんだから頑張りなさい」と期待だけをかけるのではなく、「リーダーは人の話を聞ける人でもあるんだよ」と伝えてあげることが大切です。自分の意見だけでなく、相手の考えにも耳を傾けられるようになると、周囲から信頼され続ける本当のリーダーへと成長していきます。
ゾウ
ゾウの子は、誠実で努力家、一度決めたことは最後までやり抜こうとするタイプです。
だからこそ、友達との約束も真面目に守ろうとします。しかし、自分が当たり前だと思っていることを相手にも求めやすく、「どうして約束を守らないの?」と強く感じることがあります。また、自分の中に不満をため込みやすく、限界まで我慢した後に一気に感情があふれてしまうこともあります。
親は「我慢することが偉い」と伝えるのではなく、「困った時は早めに話していいんだよ」と日頃から声をかけてあげましょう。そして、人にはそれぞれ事情や考え方があることも一緒に伝えていくことで、真面目さと柔軟さの両方を持った人へと成長していきます。
ペガサス
ペガサスの子は、自由な発想と豊かな感性を持っています。
楽しいことが大好きで、周りを笑顔にする力がありますが、自分の興味が変わると行動も大きく変わります。そのため、「気分屋」「約束を守らない」と誤解されることもあります。また、自分の世界観を理解してもらえないと、急に距離を置いてしまうこともあります。
親は「もっと普通にしなさい」と型にはめるのではなく、「あなたらしい考え方も素敵だね」と認めながら、「友達はどう受け止めるかな?」という視点を少しずつ育てていくことが大切です。自由な発想に相手への配慮が加わることで、多くの人を惹きつける魅力へと変わっていきます。
同じ出来事でも、受け止め方はこんなにも違う
ここまで12タイプそれぞれの特徴をご紹介してきました。
読んでみると、
「うちの子、そのままだ。」
「友達のあの子は、このタイプかもしれない。」
そんな風に感じた方も多いのではないでしょうか。
同じ出来事が起きても、感じ方や考え方、行動の仕方はこれほどまでに違います。
だからこそ、友達トラブルは「どちらが悪いか」という視点だけでは解決できないことが少なくありません。
相手にもその子なりの理由があり、自分の子にもその子なりの感じ方があります。
個性心理學は、「相手を決めつけるための学問」ではなく、「違いを理解するための学問」です。
子どもたちがお互いの違いを受け入れられるようになるためには、まず大人がその違いを知り、認めることから始まります。
では、その視点を持つことで、親子の関わり方はどのように変わっていくのでしょうか。
子どもは「友達付き合い」の中で、人との違いを学んでいる
友達トラブルは、できれば避けたいものです。
親としても、子どもが悲しい思いをする姿は見たくありません。
しかし、考えてみてください。
大人になってから出会う人が、すべて自分と価値観の合う人ばかりでしょうか。
職場でも、家庭でも、地域でも、考え方や感じ方の違う人と関わりながら私たちは生きています。
子どもも同じです。
友達とのすれ違い、ケンカ、仲直り…。
その一つひとつの経験を通して、「自分とは違う人がいる」ということを少しずつ学んでいきます。
だからこそ親にできることは、トラブルをすべて取り除くことではありません。
子どもが安心して話せる場所になり、一緒に
「相手はどう感じたのかな」「あなたはどうしたかったのかな」と考えられる存在になることです。
その積み重ねが、子どもの人間関係を築く力を育てていくのです。
まとめ
友達トラブルは、決して悪い出来事ではありません。
もちろん、いじめや暴力など見過ごしてはいけないケースは別ですが、
多くのすれ違いは「個性の違い」を知ることで見え方が変わります。
「どうしてこの子はこう考えるんだろう。」
そんな視点を親が持てるようになると、子どもへの声の掛け方も変わります。
そして、その関わり方は、友達関係だけではなく、兄弟、夫婦、職場など、人生のあらゆる人間関係にも生かすことができます。
子どもに「人との違い」を教えるためには、まず大人が「違いを認める姿勢」を見せること。
それこそが、子どもへの最高の教育なのではないでしょうか。
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次回予告
次回は、
「自己肯定感が高い子を育てる親は何が違うのか?
〜才能を伸ばす家庭に共通する習慣〜」
をテーマにお届けします。
「自己肯定感を高めたい。」
そう願う親御さんは多いものです。
しかし実は、自己肯定感は「褒めること」だけでは育ちません。
親の関わり方や、その子の個性に合った言葉掛けが大きく影響しています。
次回も個性心理學の視点から、タイプ別の具体例を交えながら、子どもの才能を伸ばす関わり方についてお伝えします。
どうぞお楽しみに。
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小嶋 款(こじま まこと)
個性心理學研究所 総本部認定講師
講師スキルアップ委員会委員長
株式会社ニーズコネクト代表取締役


