『くせ毛』悩みに大特化【木村石鹸 12/十二 シャンプー&コンディショナー】成分や使用感を解説! | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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今日はこちらのアイテムを解説していきたいと思います!

 

 

 

 

老舗洗剤メーカーの【木村石鹸】さんのクラウドファンディングにて開発された製品で、SNSでもとても話題になっていたものですね!

 

ちょうど成分解析のご依頼もあったのでシャンプーとコンディショナーを同時に見ていきたいと思います💡

 

 

 

◎「12/十二(JU-NI)」の製品コンセプト

 

このヘアケアは「12/十二(JU-NI)」という特徴的な名称になっています。

 

こちらのインタビュー記事によると

 

髪の適切な水分量が「12%ぐらい」だったり、髪の悩みから「自由に」なるという意味でつけられた

 

とのことで、名前にも特別な意味が込められていて素敵ですね!

 

 

 

製品の背面の説明を読んでもかなり拘りを感じますね!

 

そもそも自社の商品に

 

「かなり偏った処方になっているため、髪質によっては合わない方もいます。」

 

なんて普通は書かないですよね😂💦

 

いろいろなところから拘りの強さがにじみ出ていますね…。。笑

 

 

 

そして、今更説明するまでもなく、この12シャンプーとコンディショナーのコンセプト

 

【くせ毛ケア】

 

ですね!

 

 

 

くせ毛の悩みをお持ちの方はとても多いと思います。

 

特の湿気の多いこの季節は、どれだけ朝にバシッとセットしても数時間でうねうねしてしまう方も多いことでしょう…。

 

かずのすけは今では開き直ってパーマヘアですが、

 

中高生の頃はそれはそれはくせ毛と格闘した毎日でした😅

 

 

アイロンで毎日ストレートにセットしてガッチガチにスプレーで固めてたのですが、梅雨時期はすぐにうねりが戻ってしまって最悪でした。。

 

 

縮毛矯正も安くはないですし、かけてもすぐ伸びてしまうので結局悩みから開放されるのはほんのひとときです。(上手な美容師さんにかけて貰えば違うんですけどね😥そんなプロはそうそういません…)

 

 

そんな悩みを、もしシャンプーやトリートメントで解決することができたとしたら…


とても魅力的ではないでしょうか?



木村石鹸さんではこの悩みの解決のために本製品の開発に心血を注いだ、ということを

 

公式ホームページなどで熱弁されております!

 

 

 

 

◎くせ毛ケアに最も効果的な成分とは?【ヒートアクティブコラーゲン】について


12シャンプーとコンディショナーには、いずれも

 

【ヒートアクティブコラーゲン】と呼ばれる成分が配合されています!

 

どの成分かというと、

 



主なものは成分表の中腹辺りに記載されている

【加水分解コラーゲンPGプロピルメチルシランジオール】

 

という成分です!


これは有名な毛髪補修成分の一つなのですが、

 

メーカー的な説明をすると、

 

親水部であるペプチド部分が毛髪の損傷部位に選択的に収着し、“ヒートアクティブ効果”により、毛髪表面を保護します。
損傷によって、もろく、弱くなった毛髪の強度を回復させ、しっとり、しなやかな感触を付与します。

※ヒートアクティブ効果
隣り合うシラノール基中の水酸基同士がドライヤーやヘアアイロンなどの加熱処理により脱水縮合し、シロキサン結合鎖を形成することで、毛髪表面に被膜を形成する効果。

 

こんな感じです。(参考サイト



何を言っているのか分からない!!!

 

という方が大半だと思いますので😅、

 

簡単に図示してみましょう。

 

 

←が髪の毛   →がヒートアクティブコラーゲン(以降「HAC」と略します)。

 

 

まず「R」部分がコラーゲンなので、タンパク質同士の相互作用によってHACが髪に吸着します。

(後に解説しますが、この吸着は【ダメージ毛】ほど起こりやすいです)



次にHACが毛髪の表面に並んで配列していきます。


シャンプーやトリートメント後はこの状態になっています。

 

 

その後、ドライヤー等によって「加熱」処理を行うと、

 


隣り合った図の○部分で「脱水縮合」という反応が起こり

 

簡単に言うと【合体】します。

 

 

 

 

すると毛髪の表面で【シロキサン結合】というものでつながっていき

 

シリコーンと同じような撥水性被膜を形成するというわけです!

(シロキサン結合はシリコーンと同じ結合です)


 

コラーゲン部位が毛髪に吸着しつつ、さらに表面で皮膜形成を行っていますので、

 

ある程度髪の毛の形状を維持する力が働きます。

 

 

ちなみに普通にシリコーンで皮膜するだけでは、表面を覆っているだけなので

 

髪の形状を維持するまでの効果はありません。

 

 

 

しかもシリコーンの結合をしている部位は水に馴染みにくい疎水性になっているので、

 

水を吸収しにくくなり、湿気にも強くなるというのがこの成分の面白いところですね!

 

 

 

 

つまり、毛髪に吸着したHACがドライヤーやアイロンによって固まり

 

その場で撥水皮膜を作るため、

 

 

 

ドライヤーやアイロンの力で付けた形状をより長く維持できるようになる

 

というのがこのHAC(ヒートアクティブコラーゲン)の効果の実態なのです!

 

 

そんなわけですから、

 

『くせ毛』悩みに特化しているからといって、

 

「くせ毛がストレートになる」というものではないのでその点はご注意下さい😅

 

 

 

またドライヤーやアイロンを使わないと、全くその効果は得られないのでご注意ください🙏

 

 

 

ちなみに、この撥水皮膜はタンパク質の吸着がそんなに強い結合ではないため一応洗うと取れる(なので皮膚についても大丈夫)のですが、髪の毛の場合は内部に浸透して吸着した部分とかは意外と簡単には外れないので、

 

継続して使うことでダメージ部位の補修が進んでいくという特徴もありますね!

 

 

◎【12/十二 シャンプー】の成分特徴と使用感

 

というわけで、大まかな製品のコンセプトが分かったところで、

 

シャンプーとトリートメントのそれぞれの成分と使用感について解説していきましょう!


 

 

       洗浄力:★★★☆☆
     補修性能:★★★★★           
      しっとり感:★★★★★

    ハリコシ感:★☆☆☆☆
     サラサラ感:★★★★★       
     ふんわり感:★☆☆☆☆      
      さっぱり感:★★☆☆☆
       泡立ち:★★★☆☆     
ダメージヘア適正:★★★★★               
    敏感肌適正:★★★★☆- 
      価格適正:★★★★☆(500ml:3000円)

 

 

まずシャンプーの洗浄成分を見ていきましょう。

 

水、アシル(C12,14)アスパラギン酸TEA、ラウリルベタイン、グリセリン、コカミドメチルMEA、ヤシ油脂肪酸PEGー7グリセリル、ココイルアラニンTEA、ペンチレングリコール、加水分解コラーゲンPGプロピルメチルシランジオール、ハチミツ、ジグリセリン、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、(加水分解シルク/PGプロピルメチルシランジオール)クロスポリマー、ポリクオタニウムー10、BG、サガラメエキス、ポリクオタニウムー47、クエン酸、水酸化K、エチドロン酸4Na、香料、フェノキシエタノール、エチルヘキシルグリセリ

ン、ピロクトンオラミン

 

ベース成分に使われているアシル(C12,14)アスパラギン酸TEAはあまり聞き慣れない成分かもしれませんが、

 

「ラウロイルアスパラギン酸Na」のご兄弟ですね。

 

アミノ酸系界面活性剤ですが、泡立ちが豊かで比較的さっぱり洗える洗浄力が特徴です。

 

 

ラウリルベタイン両性イオン界面活性剤で、泡立ちの補助と刺激感をマイルドにする特性があります。

 

メインの洗浄成分はこの2つが軸になっていますね。

 

 

あとは

 

コカミドメチルMEA、ヤシ油脂肪酸PEGー7グリセリル、ココイルアラニンTEA


などの洗浄補助成分が配合されています。

 

 

基本的には敏感肌向けで、過剰な脱脂をしない程度のかなりマイルドな洗浄力に設定されていると言っていいでしょう。

 

 

泡立ちが悪い、という口コミもありますが、僕が使った感じではマイルドなシャンプーとしては普通じゃないかなと感じました。

 

ただスタイリング剤がついている場合は洗浄力が足りず、泡もへたれやすいかもしれません。

 

がっつりセットしているのをこのシャンプーだけで落とそうと思うと2~3回シャンプーが必要かも…💦

 

 

 

あとは、補修成分としては先程言った「加水分解コラーゲンPGプロピルメチルシランジオール」が配合されています。

 

 

普通はこういう補修成分はあまりシャンプーには配合されていないものなのですが、

 

公式の情報を見ていると、シャンプーだけでも相当入っているそうです👀✨

 

 

 

先程ちょっと書いたように、

 

これらのタンパク質由来成分(PPT成分)は、殆どのものが親水性部位によく吸着するようになっています。

 

髪の毛はダメージが少ない状態だと親水性はそんなに高くありませんが、

 

ダメージを受けて損傷すると、より親水性が高まって水に馴染みやすくなります。

 

 

そのため、PPT成分もダメージ毛にほど吸着しやすい特徴がありますので

 

同じくHACもダメージが強い髪ほど吸着しやすいと考えられます。

 

 

 

逆にいうと、くせ毛が気になっているけど水を弾くような健康毛だと、この成分の効果はほとんど分からない可能性があるということです。

 

 

 

そして、この成分は髪に吸着すると油性の質感を外側に向けるので、

 

洗い上がりがとてもしっとりした感じになります。

 

悪く言うとかなり重ための洗い上がりになるのです。

 

 

その他にもハチミツやグリセリンなどの保湿成分や、

 

カチオン化ポリマー(ポリクオタニウム-10&グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド)

 

毛髪に結構残存してくる感じがあるので、

 

 

この辺がかなり好き嫌いを分けるかもしれませんね。

 

 

(ちなみに僕は残存感がある使用感は好きではないので、僕の好みにヒットするシャンプーではありませんでした😅)

 

 

あとはHACもカチオン化ポリマーも、肌質によって肌に付着すると痒みの原因になる可能性があるので、

 

直ちに刺激があるわけではないのですがその点で敏感肌適正が少し下がっていますね。

 

(あとは防腐剤に使われているピロクトンオラミンも、微量とは思いますが敏感肌だと極力避けたい成分かもしれません。おそらく腐敗リスクの高いタンパク質源料のためにやや強めの成分を配合しているのだと思います。)

 

 

とはいえ、主成分の構成がかなり低刺激なので、ほとんどの肌質の方に問題なくお使い頂けるでしょう!

 

 

 

 

ちなみに香料は市販製品よりはまぁまぁ抑えめですが、

 

ナチュラル系のシャンプーとしては結構しっかりニオイがついている印象です。

 

おそらくこれの理由としてはタンパク質原料が高濃度で使われているため、原料臭がかなりキツイのではないかなと思います😉💦

 

それをカモフラージュするために、やや香料多めになっている可能性がありますね

 

 

 

◎【12/十二 コンディショナー】の成分と使用感

 

 

 

     皮膜力:★★☆☆☆      

     補修力:★★★★★  

      低刺激性:★★★☆☆

    しっとり感:★★★★★
   ハリコシ感:★☆☆☆☆     

   サラサラ感:★★★★★    

   ふんわり感:★☆☆☆☆       
 カラー毛適正:★★★★★ 

パーマ毛適正:★☆☆☆☆   
    価格適正:★★★★☆  (500mL:3,000円) 

 

 

こちらも基本的な使用感の特性は、シャンプーとほぼ同系統です。

 

 

水、グリセリン、ソルビトール、ジメチコン、水添ナタネ油アルコール、ミリスチルアルコール、ベヘントリモニウムメトサルフェート、コメヌカ油、パルミチン酸エチルヘキシル、加水分解コラーゲン、加水分解コラーゲンPGプロピルメチルシランジオール、BG、PPGー3カプリリルエーテル、乳酸、(加水分解シルク/PGプロピルメチルシランジオール)クロスポリマー、塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプン、サガラメエキス、トコフェロール、ジステアリルジモニウムクロリド、アモジメチコン、香料、イソプロパノール、水酸化K、エチドロン酸4Na、ジココジモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、フェノキシエタノール、エチルヘキシルグリセリン

 

主成分にはグリセリン・ソルビトールと水性の保湿成分がトップに続き、ジメチコンが次の配合です。

 

ジメチコンはシリコーンの有名な成分ですが、使用感的には比較的軽めのジメチコンが配合されていますね。

 

その次が水添ナタネ油アルコールなので、サラッと感を付与する軽めの油剤の一種。

 

 

というわけでこちらのトリートメント、被膜成分の構成自体はそんなに重たくないです。

 

シリコーンが入っているのでシャンプーとの洗浄力が噛み合わないとビルドアップ(蓄積)することもあるのですが、

 

この製品はシャンプーとの洗浄力のバランスをよく取っていると思いました。

 

 

とはいえ、洗い上がりが軽いか?というそういうわけではなく、

 

ヒートアクティブコラーゲンがかなりしっかり入っていますので、この質感がしっかり残ってきます。

 

 

とはいえ、シリコーンの油べったり感はないのでその点はご安心頂いていいと思います。

 

 

さらに

 

加水分解コラーゲン(加水分解シルク/PGプロピルメチルシランジオール)クロスポリマー

 

など、その他のPPT成分も豊富に配合されているので、

 

ダメージヘアの補修効果は非常に高いと思います。

 

 

 

また低刺激性については、

 

陽イオン界面活性剤が中和型の【ベヘントリモニウムメトサルフェート】が採用され、

 

そこまで高濃度ではないのは好印象。

 

とは言え第4級アンモニウム塩のジステアリルジモニウムクロリド、ジココジモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、が複数後ろの方にいるので、

 

敏感肌に凄く優しいというものではないかなと感じました。

 

良くも悪くも普通という感じです。

 

 

(シャンプーがかなりしっとり系で、マイルドに洗えるものなので、ベースのカチオンには第3級アミン塩を使っても良いんじゃないかと僕は思いましたが…😅)




HACの配合は多いと思うのでその点は評価が高いですが、

 

ベース構成などはシャンプーの方がこだわりがよく見える内容でした。

 

 

これも香りは結構強めですね!

 

 

 

 

◎【クセを抑えてボリュームを落としたい】方には最高のシャンコン!

 

 

というわけで、くせ毛悩みに特化した12/十二 シャンプー&コンディショナー】解説でした!

 

 

特にシャンプーのクオリティが高いので、髪の毛がそこまでダメージなければトリートメント不要だと思います!

 

 

シャンコン後にドライヤーやアイロンで髪の毛を形成することで、

 

クセを抑えてそれを維持する効果が非常に高いとても斬新な特性を持った製品です!

 

 

 

ボリュームを抑えてクセを出ないようにしたい!という方は是非一度お試しになってみると良いと思います💡

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに…

 

「ボリュームを落としたくない!」という方や「パーマを持続したい!」という方が使うと、

 

中々悲しいことになりますので…くれぐれもお気をつけくださいませ😂(←体験済み)


製品に書いてある「かなり偏った処方~」云々も頷けます(笑)




 

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