KANEBO カネボウ フレッシュ デイ クリーム (SPF15/PA+++) 成分解析 | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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KANEBO カネボウ フレッシュ デイ クリーム 成分解析
 

 

  水分補給:★★☆☆☆
  油分補給:★★★★★
保湿持続性:★★★★☆
 伸びの良さ:★★★☆☆

酸化安定性:★★★★☆

紫外線防御:★★★☆☆-(SPF15/PA+++)

 肌なじみ :★★★★★
   しっとり感:★★★★★
 サラサラ感:★★☆☆☆
敏感肌適正:★★☆☆☆ 

  価格適正:★★★☆☆+(40ml:6600円) 




今日解説するのは「カネボウ フレッシュデイクリーム」という製品です。

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薄ピンク色の可愛いデザインで、女性心をくすぐりますね。



有名芸能人の愛用品ということで話題になり、

 

一時期入手困難に陥るほど人気だった商品とのことで

 

今回解説してみたいと思います。

 

 



最初におおまかな感想を述べておくと、

 

「褒められるポイント」と「イマイチなポイント」がざっくり二分するような内容の製品です。

 



どういうことかというと、まずは良いところから先に解説しますね。

 

 

 

まず第一には「デザイン」がすごく良いと思いました。

金型から起こしているオリジナルデザインのジャー容器です。

 

蓋のメタル加飾やくぼみなどもおしゃれ。

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もちろん専用スパチュラも付属しています。

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パッケージ同様にうっすらとピンクがかったクリームで、
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お肌に塗布しますと、

 

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驚くほどすっと馴染んで、お肌を柔軟に整えて独特なしっとり感を付与してくれます。

 

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この「使用感」が第2のオススメポイントで、

全成分を見てみますと、以下のような構成になっています。

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とにかくこれは凄い!と思ったのが

 

主成分に配合されている「マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル」ですね。

 

 

マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリルという成分は、

 

「マカデミア種子油」を原料として安定化させたエステル成分。

 

 

マカデミア種子油は非常に効果的な角層柔軟効果を持つ油脂成分ですが、

 

油脂成分は肌に残ると分解したり酸化したりしてお肌に合わない人も稀にいます。

 

 

そこでマカデミア種子油の持つ角層柔軟効果をある程度継承しつつ、

 

肌の上で分解することが無いように安定化処理を施したのがこのマカデミアナッツ脂肪酸フィトステリルです。

 

また、安定化するために合体している成分が「フィトステロール」という細胞間脂質構成成分であることもポイントで、

 

安定性を保ちつつ、角層浸透性や皮膚の柔軟効果に大変優れているという大変優れた油性エモリエント成分です。

 

 

僕もとても好きな成分でして、ヘアケアに使ってもスキンケアに使ってもとても良い質感を出してくれるのでしょっちゅう使用してますね(^^)

 

 

ただし、油性成分としてはかなり高級な成分ですし、1%以下の少量で配合するだけでも質感をガラリと変えてくれるくらいいい成分なので、


この製品のようにまさか主成分として配合しているというのは中々お目にかかれるものではありません。

(というかこれまで1000件以上解析してきてはじめて見ました…笑)

 

それだけでも一回試してみるだけの価値はあると言えます。

 

 

 

このクリームの持つ独特のしっとり感や肌に素早く馴染んで柔らかく整える使用感は、

 

まさにこのマカデミアナッツ脂肪酸フィトステリルの真骨頂とも言えるでしょう。


こちらのクリームがこれだけ人気を博している理由の大部分がここに集約されているのではないか、とすら僕は感じています。

 



また、「製品コンセプト」も中々画期的で面白いです。

 

こちらの製品は「SPF15/PA+++」とあるように、

 

日焼け止め効果を付与しているクリームです。

 

というよりは、「スキンケア効果を全面に押し出した日焼け止め」と言った方が正しいのかもしれません。

 

決して日常的な日焼け止めとして十分な効果とは言えない数値ですが、

(PAについては十分な効果を持っていますが、屋外使用の場合は他の日焼け止めと併用推奨)

 

最近では日中の屋内にいる場合でも微弱な紫外線を浴びているから

 

屋内でも日焼け止めを塗るようにしているという習慣の人も増えています。

 

 

そういった場合に、

 

良質な使用感のスキンケアとして、それと同時に微弱な紫外線へのUV対策が自然とできる


というのは、たしかに一石二鳥感があって面白い製品設計になっていると思います。

 

「ガッツリ日焼け止めを塗るほどではないんだけど、なにか対策はしておきたい」

 

という人に、こういったコンセプトは大変マッチしそうですね。

 

 

 

という点から、業界的にも大変高く評価されているのがこちらのクリームで、

 

2016年頃には多数の美容誌などで絶賛されていた理由も頷けるものです。

 

 

 

 

しかしその一方で、「敏感肌の人は注意したほうがいいな」と思うポイントも実は多めという側面があります。

 

イマイチポイントというのが特にここで、「敏感肌向けとはいえない」というのがこの製品のもうひとつの特徴です。

 

 

大まかに説明すると以下の4点があります

 

  • ベースの「DPG」に肌相性があり、目に沁みるという声も
  • 紫外線防止剤として「紫外線吸収剤」を複数配合
  • 「セッケン乳化」となっており、pHも弱アルカリ寄り
  • 着色剤や香料などが合わない人もいる

 

上から説明していきますが、

 

こちらのクリームにマカデミアナッツ脂肪酸フィトステリルの後に配合されている「DPG」という成分は、

 

一般的に化粧品の基剤としてよく使用されている成分ではありますが、

 

敏感肌適正はあまり高くはない成分です。普通肌以上の肌質向けですね。

 

BGやグリセリンなど「水性基剤」の安全性データをまとめてみました【マニア向け】

 

また、目刺激性が指摘されているので、配合量が多いものは目に入ると痛みを感じる人も

 

 

次に、先程褒めた「日焼け止め効果を付与されている」という点についてなのですが、

 

これはコンセプトとしては非常に良いのですが

 

いかんせんそのための紫外線防止剤として配合されているのが「紫外線吸収剤」です。

 

敏感肌向けという観点に立つと、かえって短所になります。

 

・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル

・フェニルベンズイミダゾールスルホン酸

・ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン

・t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン

・エチルヘキシルトリアゾン

・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル

 

上記6つの成分がすべて紫外線吸収剤です。

 

正直、SPF15程度なのでさほど濃度は高くないと思うのですが、そもそもこれだけの種類を入れる必要があったのかは謎です。

 

中には経皮吸収性なども指摘されている成分もありますし、

 

このクリームは基本はスキンケア用の処方ですから

 

ベースの構成を見ても浸透しやすい構成になってしまっているため、

(本来の日焼け止めは高分子のシリコーンとかをベースにしているので比較的浸透しにくい)

 

吸収剤が無為に肌に浸透してしまわないか?という懸念があります…。

 

(無難に酸化チタンなどの散乱剤をうまく使う方法の方が良かった気が。)

 

また、吸収剤も目に入ると沁みる可能性があります。

 

 

 

次に、これはそれなりに詳しい人にしか分からないと思いますが、

 

このクリームは乳化設計がやや特殊なものになっているようです。

 

 

一見すると「水添レシチン」という細胞内にも含まれるような低刺激の乳化剤が使われているように見えるのですが、

 

それにしてもベースにこれだけの油分を乳化している割には配合量が少ないです。

 

さらに本来この位置で配合する必要がない「TEA」というアルカリ剤が異彩を放っていて

 

実はこれは、後ろの方に書いてある「イソステアリン酸」や「パルミチン酸」などの高級脂肪酸と合体して【セッケン】を作っており、これが補助的な乳化剤として機能していると考えられます。

 

 

現に、油分の多いクリームなので詳しい数値を出すのは困難ですが、

 

pH試験紙にクリーム付けると若干弱アルカリ性に寄っていることが分かります。

(pH=7.5~7.8くらいなので、刺激が出るほどではないと思うが)


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ただ、敏感肌向けで考えるとスキンケア製品は弱酸性が一番好ましいですから、

 

この点はやはり弱点の一つですよね。

 

 

 

 

あとは、香料や着色剤が配合されているため、相性によってはこれが合わない人もいます。

 

特にこのクリームは若干ピンク色をしているのですが

 

シアノコバラミンみたいな美容成分ではなく普通にタール色素(赤504)で色を付けているので

僕的には全く必要のない色付けだと感じてしまいます。




という感じで、

 

価格については40ml:6600円で、

 

主成分だけでもかなり価格が高くなるのが分かるので高すぎという印象はないです。

コンセプトは面白いですし、

 

普通は微量配合の美容成分をがっつり主成分構成しているというチャレンジングな構成も僕は好きです。

 

ただ、「敏感肌向け」かというとそれはイマイチな部分が多く、

 

肌が弱い方が敏感肌向けを期待して使用すると合わない可能性は否めません。

(僕も結構ヒリヒリ感じました…;)

 

 

根本的に「敏感肌ではない」という前提がないと、この製品の良さを100%実感するのは難しいでしょう…。



気になっている方は、ぜひご自身の肌質を考慮して試してみてほしいと思います。





カネボウ フレッシュ デイ クリーム
40mL 6,000円 (税抜) SPF15・PA+++

うるおいとハリを与えて、
きれいが続く。
夕方までずっとうるおいときれいが続く。
みずみずしく、軽やかなクリームが肌を守り、日中の紫外線をカット、乾燥ダメージを防ぎます。
メイクのりのよいうるおいとハリに満ちた肌へ。

水、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、DPG、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ソルビトール、グリセリン、ジグリセリン、スクワラン、トリイソステアリン、ベヘニルアルコール、BG、TEA、ジメチコン、分岐脂肪酸(C12-31)コレステリル、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、イソステアリン酸、コレステロール(羊毛)、水添レシチン、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、カルボマー、キサンタンガム、パルミチン酸、パルミチン酸セチル、香料、EDTA-2Na、アルテア根エキス、フカスセラツスエキス、クリサンテルムインジクムエキス、フェノキシエタノール、クロルフェネシン、赤504

引用元:カネボウ公式
https://www.kanebo-global.com/jp/ja/skincare/detail/fresh_day_cream/

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