KOSE 米肌(MAIHADA) 肌潤改善エッセンス 薬用保湿美容液 成分解析 | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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KOSE 米肌(MAIHADA) 肌潤改善エッセンス 薬用保湿美容液 成分解析

 

 

  水分補給:★★★★☆
  油分補給:★★☆☆☆
保湿持続性:★★★★☆
 伸びの良さ:★★★★☆

酸化安定性:★★★★☆

 肌なじみ :★★★★★
   しっとり感:★★★☆☆
 サラサラ感:★★★★☆
敏感肌適正:★★★☆☆ 

  価格適正:★★★☆☆(30ml:7700円) 

 

 

KOSEさんの「米肌(MAIHADA)」シリーズから、【肌潤改善エッセンス】の解説になります。

 

image

 

こちらのアイテムは医薬部外品の美容液になっているのですが、

 

有効成分が少し特殊で、

 

「肌の水分保持能を改善する」

 

という特殊な効果の承認を得ている唯一の成分

 

『ライスパワー®No.11(米エキスNo.11)』

 

という成分を配合しています。

 

 

 

スキンケアの医薬部外品の有効効果は「抗炎症」「美白」「殺菌」「血行促進」が主なもので、最近では「シワ改善」が新たに追加されました。

 

そしてこの「ライスパワー」という成分のみに許される効果が2つあり、

 

今回紹介する「ライスパワー®No.11」「肌の水分保持機能を改善する」効果。

 

その他に「ライスパワー®No.6」「皮脂分泌の抑制」効果です。

 

 

 

医薬部外品の有効成分は、特に理由がなければ基本的に成分の正式な化学名がそのまま使われることが多いのですが、

 

このライスパワーに関しては化学名ではなくて慣用名が用いられているのも特徴の一つですね。

 

実際に公式ホームページによるとライスパワーは特定の一つの化学成分ではなく、

 

『数十種類のアミノ酸や豊富なペプチド・糖類をバランスよく含有している』

 

らしいので、特定成分の名前で表現することが出来ないのかなと思います。

 

 

またライスパワーエキスはかなり沢山の種類があるようで、実用化されているものは全部で13種類

 

いずれもお米の発酵によって作っているものの、全て含有成分が違うそうです。

 

 

 

今回のライスパワー®No.11は、詳しい成分の構成などは非公開のため不明なものの、

 

こちらのサイトでライスパワーエキスを作っている勇心酒造さんが解説されている限りでは

 

  • ライスパワーNo.11は,皮膚に塗布すると表皮全体に浸透し,角化細胞を活性化,セラミドなどの細胞間脂質量を増大させることによって角質層のバリア機能を高める作用を有している.

 

とあるため、何らかの成分の特性により、角化細胞(ケラチノサイト)の分化促進に近しい効果を発揮するものと考えられます。

 

 

 

人の皮膚では、基底層で作られた角化細胞が分化して保湿成分や脂質を作りながら皮膚表層に向かって有棘層、顆粒層、角層…と移動していく(これらの一連の流れを「ターンオーバー」と呼ぶ)のはよく知られていますが、

 

肌のバリアを司っている「セラミド」はこの間の顆粒層にある角化細胞が生成しています。

 

 

ここもメカニズムがあまり詳しくは述べられていないものの、

 

ライスパワー®No.11はこの顆粒層の角化細胞にはたらきかけて、

 

肌のバリア機能成分であるセラミド等の産生を促進するようです。

 

 

これによってセラミドが増えると肌バリア機能が上昇→肌の水分保持力が改善する

 

という流れですね。

 

 

 

ここまでの話をするとメカニズムがイマイチ判然としてないので眉唾っぽい部分もあるのですが、

 

個人的には結構理にかなった効果なのかなと思っています。

 

 

というのは、

 

この成分についてはちょっと謎の部分が多いのでここから先は僕の個人的な考察なんですが、

 

恐らくライスパワー®No.11の主要成分は「セラミド」もしくは「セラミド前駆体」ではないかと考えています。

 

 

そう考える理由はいくつかあります。

 

まずライスパワーの材料が「お米」であり、セラミドと製法も似ているということ。

 

今世界でも最もよく使われている「ヒト型セラミド」の原料は、実は原材料が「お米」で、

 

ライスパワーと同じく「発酵法」によって作られています。

 

 

そして「セラミドを生み出す」という効果についても、

 

現状色々成分の効果を考えてみると、

 

セラミドをより多く産生する効果のエビデンスが多少でもある成分といえば

 

「セラミド」そのものか、

 

グルコシルセラミドなどの「セラミド前駆体」のいずれかくらいしか思いつきません。

 

セラミド類似体のいくつかの成分も似たような効果を持っています。

 

 

 

この辺りの資料とかこちらの資料でちょっと調べてみると分かると思いますが、

 

「セラミド」や「セラミド前駆体」は肌の表面でバリア機能成分として働くだけでなく

 

脂質メディエーターと言って、シグナル物質のように働いて何かしらの生理活性効果をもたらすことが分かってきています。

 

 

その効果の一つとしてよく知られているのが「セラミドの産生促進」です。

 

グルコシルセラミドなどのセラミド前駆体を皮膚塗布すると、セラミドを多く作ろうとしたり

(これはセラミドの材料なので当たり前といえばそう)

 

セラミドそのものを塗布することでも、より多くのセラミドを作ろうと働くそうです。

 

 

 

この2つの状況証拠からして、

 

ライスパワー®No.11の主成分の正体は恐らくセラミドそのものか、セラミド類似の脂質成分である可能性が非常に高いと僕は思っています。

(もちろん全然違う可能性もありますが…苦笑)

 

 

こう考えるといろんな辻褄が合うな~と思っています(^^)ゞ

 

 

 

まぁこの予想が外れたとしても、セラミドを増やすような働きで肌の機能を改善する効果は間違いなく認められるので、期待できますね!

 

 

 

 

主成分はBG(1,3-ブチレングリコール)とグリセリンに、エタノールを多少加えている構成です。

 

 

ベースの2つがかなり低刺激なのですが、エタノールがどう転ぶかは肌質次第かなと思います。

(僕は少しヒリっとする気がします…;)

 

 

油分はほとんど配合されていない美容液なのですが、

 

テクスチャーはかなり硬めのジェル?っぽい感じですね。

 

image

 

 

凄く浸透感が良好のエッセンスで、

 

塗り伸ばした後にスッと浸透して、ピタッとお肌に密着してくれる感じです。

 

image

 

 

独特の皮膜感があるのですが、

 

これは恐らく後ろの方に配合されている「メチルポリシロキサン(ジメチコン)」の皮膜だと思います。

 

 

塗り伸ばすとさらっとするのですが、

 

しっとり感はそんなになく、乾燥肌の方はクリームとかが使いたくなるような使用感です。

 

 

 

香りはオレンジ油の香りが微妙にするくらいで、香料の配合量はかなり少なそうですね。

 

 

ちょっと気になる点としては、冒頭のエタノール以外にも、

 

セトステアリルアルコール、バチルアルコール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコールが多いなぁという点もありますね。

 

そんなに肌に優しい成分でもないので、これだけ入れる必要があるのか気になります。

 

他にも色々蛇足に見える成分も多々あるため、敏感肌に凄くオススメ!という構成ではないのかなと思います。

 

 

 

 

 

という感じで、

 

ライスパワー®No.11は面白そうな成分なのは確かなのですが、

 

やはり何者かわからない部分が多く想像で語らなければならない箇所が多いため

 

もう少し情報を公開してくれると嬉しいなと思います(^^;)

 

 

 

あとなんだかんだ効果承認されたのが2001年と結構前のことなので、

 

これまであまり注目されてこなかったことを考えると効果の実感自体はあまり大きくはないのかなと予想できます。

 

 

またセラミドを増やす系の商品ということなら、

 

ターゲットがセラミド不足しがちのアトピーや敏感肌の人が多いだろうと思うのですが

 

ベースの成分構成がそこに向けたものとは言えないので、

 

その辺りも含めてちょっと惜しいなぁと思う部分も多い美容液でした。

 

 

 

 

 

米肌 肌潤改善エッセンス〈医薬部外品〉


・成分
ライスパワー®No.11(米エキスNo.11)※ 

精製水、 1.3-ブチレングリコール、濃グリセリン、エタノール、セトステアリルアルコール、 dl-α-トコフェロール、オレンジ油、グリコシルトレハロース、水添デンプン分解物混合溶液、ビフィズス菌エキス、納豆エキス、アクリル酸ナトリウム、アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体/イソヘキサデカン/ポリソルベート80 、エデト酸二ナトリウム、クエン酸、チオ硫酸ナトリウム、バチルアルコール、ベヘニルアルコール、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、メチルポリシロキサン、リン酸一水素ナトリウム、水素添加大豆リゾリン脂質、乳酸ナトリウム液、無水エタノール、流動パラフィン、フェノキシエタノール、メチルパラベン

・角層内でうるおいを保つセラミドを生み出し、肌自身が水分をたくわえる力(水分保持能)を改善する薬用保湿エッセンス。乾燥などの外的刺激に負けない、すこやかな肌にととのえます。

・30ml 7700円 (税込)

・KOSE ホームページ


 

 

 

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