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少し前の話ですが6月の末頃にこんな記事を書きました↓。
▶最先端乳化技術【三相乳化】は本当に「界面活性剤不使用」なのか
これは最近注目を集めている『三相乳化』という最先端の乳化技術について、
この技術を利用して作られている商品を例にとってかずのすけなりに考察した雑学記事です。
凄く難しい話なのであんまり興味無い人の方が多いかもしれませんが、
その後この話題についてちょっとした進展があったのでお話しておきたいと思いますm(_ _)m
(ちょっとまた難しい話になるので興味なければ読み飛ばしてくださいね(;^^ゞ)
◎『東洋新薬』さんに伺ってきました!
実はこの記事を書いたしばらく後に、
三相乳化の商品を実際に手がけている化粧品製造会社の『東洋新薬』さんからご連絡を頂き、
なんとオフィスにお招き頂きまして実際にこの技術に関する詳しいお話を伺うことが出来ました!\(^o^)/
(ちなみにその以前に解析している「キャメロン&ガブリエル ヘヴンヴェール」と「江原道 ウォータリーUVジェル」はどちらも製造元は東洋新薬さんです。)
最初は「黒服の怖いオジサンがいっぱい居たらどうしよう…(((( ;°Д°))))」とか思ったんですが(笑)、
そんなことよりこの摩訶不思議な新技術の詳細を直に聞くチャンスはそう無い!という知的好奇心が勝りましてノコノコ呼ばれて飛んでいったのです(^o^)ゞ笑
実際にはもちろん黒服の怖いオジサンなんて居らず…(←当たり前)、
役員様とお二人の専門の技術者様がこんな若造相手にも関わらずとてもご丁寧に応対してくださいました…m(_ _;)m
しかもこちらの技術者様、、なんと言いますか…
なんだか上から目線な言い方になってしまって非常に恐縮なのですけれども、、
とても『話せる』方でいらっしゃったのです…( ̄ー ̄;
かずのすけの超マニアックな質問にもほぼ完璧にご対応頂けて本当に楽しい時間でした(笑)
実際ここまでお話が出来る方というのは中々いらっしゃいません…。。
(後からお聞きしたところ開発部門のエースとも言われている凄腕技術者様だったそうです…!!(°д°;))
もちろん企業秘密で教えて頂けないことも幾つかあったにはあったのですが、
かずのすけ自身少々勘違いしていたことがありその考えを改めることが出来たことや、
またこの技術を応用すればもっと凄いものが作れるかも…??
という着想を得ることが出来たということで、本当に良い機会を頂けたと思っています(*^-^*)
三相乳化については本当に難しい話なので興味ある方は少ないと思いますが、
一応このお話し会で新たに分かったことなどを少しまとめておきたいと思いますm(_ _)m
◎三相乳化では「界面活性剤」は本当に不使用らしい?
以前の記事でかずのすけは以下のように
三相乳化に関する特許書を参考にして「三相乳化の乳化分散剤は界面活性剤だ」と結論していました。
しかし実際に聞いた話では、
こちらではこの特許にあるものとは別のもので三相乳化を形成している、ということで、
実際にこの三相乳化には『界面活性剤』は使用していないとのこと。
前回記事において「これは界面活性剤ではないか?」と指摘した『ポリヒドロキシステアリン酸』も、処方に於いては「油剤」の扱いで界面活性剤という認識ではないそうです。
…しかし「では一体どのようにして三相乳化剤を作っているのか?」という質問には、
残念ながら企業秘密ということでお答えを頂けませんでした^^;
(というか技術自体は神奈川大の技術なので会社の都合で勝手にしゃべることは出来ないのだそう…;)
※
ただかずのすけの見解としては、
例えば親水性のポリマーとか親水基を持った油剤なんかは微々たるものでも界面活性作用は持っているはずなので、
極微量・極微力の界面活性作用があれば事足りるものの場合は化粧品一般に言われている『界面活性剤』ではなくても代用は効くんじゃないかなぁとも思うのです。
「その物質が界面活性剤かどうか」という定義は現在では一定の界面活性作用(水の表面張力を低下させる作用)が数値として得られるかどうかで決めているので、実際微力の界面活性作用があったとしてもその数値に満たなければその成分は「界面活性剤ではない」ということになるわけです。
通常の界面活性剤を用いた乳化であればその最低限の界面活性作用が見込めなければ乳化剤や分散剤として使い物にならないため、これは確かに界面活性剤とは言えないのですが、そこまでの作用を必要としない(極微力の界面活性作用…溶媒中で親水性の小胞体を形成できるくらいの作用があればOKの)場合はそれでも十分代用できる可能性があります。
なので東洋新薬さんの主張としては「界面活性剤不使用は嘘じゃないよ!」ということです。
とはいえ実際に何を使っているのか分からないので僕も手放しでこの主張を応援はできないのですが…;
ただお聞きした限りで言えば、
『化粧品』という分野における定義の上では確かに「界面活性剤」という分類のものを使用してはいないのではないか、とも思います。
まぁこの点についてはやはり今後も議論の的になりそうだなぁとは思いますが、
かずのすけはあくまで中立として見守っていきたいと思います(;^^)ゞ
ただ東洋新薬さんも「これだけは勘違いしないで」と言っていたのは、
「決して界面活性剤のことを悪く考えているわけではないよ!」
ということです。
実際東洋新薬さんもこれまでいろんな化粧品や医薬部外品、サプリメントなどを作ってきていまして、沢山の商品に界面活性剤を使ってきています。
今後ももちろん使っていくと言っていました。
だから界面活性剤による乳化そのものに押し並べて悪い要素があるわけではないので
たとえもし三相乳化に界面活性剤が使われていたとしてもだから何か悪いわけでもありません。
三相乳化の持つすごい特性は依然同じことなのですから…(;^_^A
それでかずのすけの勘違いしていたポイントのもう一つは、
「じゃあなぜ三相乳化ではこんなに界面活性剤不使用をアピールするの?」ということです。
◎三相乳化は「乳化」の革命!?
かずのすけの貧相な頭では
「界面活性剤不使用」=「界面活性剤が悪いから抜いたよ」
と言っているような感じで捉えていました。
まぁこれは実際にそういうイメージで捉える消費者を惹きつけたいという意図があるのは事実だそうです。
…が、三相乳化が「界面活性剤不使用」をこれだけアピールしたい本当の理由はもっと別にあったようなのです。
というか、確かに専門家の間では「界面活性剤が悪者だから」なんてロジックは全く通用しませんからね(^_^;)
もっとちゃんとした理由が無いとこういった研究は進みません。
それで、我々界面活性剤や界面科学の専門家からすると、
「乳化」という現象には必ず「界面活性剤」が必要である
という認識が常識的でした。
(もちろん例外はありますが)
しかし、三相乳化はこの点、
『界面活性剤を使わない方法』で『安定した乳化』を実現したのです。
これって、「乳化革命」とも言える快挙なのです。
つまり簡単に言うと、
界面活性剤を使わずに安定乳化させるということは、
火を使わずにものを温めたくらいの衝撃的な話なんですよね…(^o^;)
それこそはじめて電子レンジが出てきたくらいのびっくり仰天ニュースなのかも…?;
(乳化ってすごく地味なのでそこまでの驚きはないですけど;)
実際に三相乳化の乳化メカニズムは一般的な界面活性剤の乳化メカニズムとは全く機構が異なります。
なのでこの全く別のメカニズムによる乳化方法が確立したということを、
作った人はそれはとにかくアピールしたいじゃありませんか?笑
だから
「界面活性剤を使わずに乳化したよ~~!!!」
…なんて大声を張り上げたいわけです。
僕はその気持ち凄くわかります^^;笑
◎三相乳化の最も凄いポイントは「安定乳化がそう簡単に崩れない」こと
それでですね、
界面活性剤による乳化との圧倒的な違いはここで、
これは前回の記事でも「三相乳化で作った日焼け止めは安定しているからウォータープルーフになるよ」という話をしましたね。
またそれと加えてお話をしているうちにさらに凄い特性があることに気付きました。
通常の界面活性剤による乳化というのは、
周囲の温度、濃度、機械力などなど諸々の環境理由によって乳化状態が壊れてしまうものです。
これは界面活性剤が容易に離脱してしまうからですね。
例えば界面活性剤を使ったパウダーオンリーの日焼け止めでは、
界面活性剤の量をどれだけ入れたとしても
粉体の量が増えすぎると粉体同士で凝集して沈殿を作ってしまったり大きな塊になってしまうため、分散状態を安定化出来ません。
そうするとザラザラの質感だったり白浮きが激しくなったりして、
商品としては使いものにならないわけです。
よってパウダーオンリーの日焼け止め乳液は界面活性剤乳化の場合はSPF30程度を超えると不安定になってしまい、これ以上にしようするとどうしても使用感が顕著に落ちてしまいます。
しかし三相乳化の場合は一度くっついた乳化分散剤は分子間力によってくっついているので非常に安定性が高く簡単に取れません。
どれだけ沢山粉体が入ってきても、安定した分散状態をほぼ常に維持できるわけです。
これは温度にも濃度にも依存しません。
するとどうなるかというと、
かなりたくさんの粉体を同時に配合しても粉体同士の凝集や沈殿が発生せず、
非常に安定したエマルションやクリームが作れるのです。
その結果、高濃度のパウダーオンリーでも使用感が低下しない日焼け止めが作れるわけで、
三相乳化を使えば散乱剤のみでSPF50&使用感良好の日焼け止めも作れてしまうのです。
(ただし安定性が高すぎるためどうしてもウォータープルーフになってしまうのが弱点…)
という点が、やはり界面活性剤乳化とは違ったメリットですよね。
しかも界面活性剤は安定乳化にかなりの濃度が必要ですが、
三相乳化の場合は乳化剤自体かなり低濃度でOKというのも凄い話です。
今後はこれらのメリットをどう活かして商品を作っていくかですよね(^_^)
実はかずのすけはこの会談で非常に良いことを思いついたのですが…
今後機会があればそれを実現できれば嬉しいなぁと思っています。
(もちろん何を思いついたかは教えられません。笑)
◎まとめ
というわけで凄く長くなってしまったので、まとめると
・三相乳化の化粧品は実際に「界面活性剤」は不使用である
・三相乳化は『乳化技術の革命』と言えるかも…?
・乳化剤極低濃度で非常に高濃度の粉体や油分を安定して乳化できるのが最大のメリット
(使用感良好なSPF50の散乱剤オンリー日焼け止めも作れる!)
という感じでしょうか\(^o^)/
また機会があればこの技術を応用した化粧品なども手がけられたら良いなぁと考えております!(^-^)ゞ
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