RIDDLE CRITIC
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クロスファイア







著者: 宮部 みゆき
タイトル: クロスファイア(上)

力を放射したい-また抑えようの無い強力な衝動が青木淳子を襲っていました。東京都荒川区に住む彼女は、平々凡々とした普通の若い女性。しかし他の誰もが持ち得ない、全てを灰燼に帰す力”念力放火能力”をその身体に秘めているのでした。その力はとても抑えきれるものではなく、周期的な放出を必要とします。放出の対象となるのは、。それも大量の水が必要で、人に見られないような場所で無くてはなりません。放出に対する欲求を抑えきれなくなった淳子は、またいつもの廃工場へ足を運びます。いつもの様に給水タンクに向かって力を解き放とうとする淳子。しかし、思わぬ闖入者の出現によって、彼女の平穏な生活は終わりを迎えることになるのでした…

超能力を持ってしまったがために、それを活かす方途を模索する淳子の苦悩。己が信じる正義を貫徹するのか、それとも良心に従うべきなのか。単純さと複雑さを併せ持つ人間らしい葛藤が、まざまざと表現された本作。奥深いテーマを示唆してくれる作品です。

風神の門

著者: 司馬 遼太郎
タイトル: 風神の門

真田十勇士の一人、霧隠才蔵の物語。梟の城と同じく、忍者を主眼に置いた物語なのですが、同作とはやや趣向が異なる作品となっています。なぜならば、梟の城 の主人公葛籠重蔵が、あくまで実利的で自己の職能に傾倒する忍者たろうとしたのに対し、本作の主人公霧隠才蔵は、忍者である前に人間としての己を重視しているからです。自由奔放でありながらも、人間としての目的を模索する才蔵。そんな折、偶然か必然か甲賀忍者猿飛佐助との接触を持つことにより、才蔵は時代のうねりに身を委ねてゆくことになるのでした。

全般を通して颯々とした雰囲気で展開される本作。火花散る忍術合戦も繰り広げられ、純粋な忍者活劇としても楽しめる物語です。

竜馬がゆく







著者: 司馬 遼太郎
タイトル: 竜馬がゆく〈1〉

江戸泰平の世が続く1853年、土佐国の本上筋上町に一人の男子が生まれます。背中一面に旋毛を生やしていたため、竜馬と名付けられた赤子。しかし両親や姉の期待とは裏腹に、12歳まで寝小便はするわ、坂本の泣き虫というあだ名は付けられるわ、名前とはかけ離れたひ弱な少年時代を送ります。そんな竜馬が転機を迎えたのは19歳の時。身体が成長するにしたがってめきめきと剣術の頭角を現した竜馬は、城下でも名の聞こえた日根野道場で目録を得ます。剣術で立身を志した竜馬は、江戸での剣術修行の旅に出ることに。ここから竜馬の数奇な、そしてまさに昇竜のように駆け上がってゆく人生が幕を開けるのでした…

時代の寵児と呼ぶにふさわしい明治維新の立役者、坂本竜馬の物語。全八巻とかなりの長篇ですが、そんな長さを感じさせること無く竜馬の魅力に没頭してしまいます。司馬氏の作品の中で、管理者が最も好きな作品。ぜひご一読ください。

暗黒の塔シリーズⅣ+魔道師の虹+





著者: スティーヴン キング, Stephen King, 風間 賢二
タイトル: 魔道師の虹(上)―暗黒の塔(ダーク・タワー)〈4〉

チクタク・マンに攫われたジェイクを救い出し、辛くも<ラド>の陥穽から抜け出したローランド一行。崩壊しゆく街をあとにした一行でしたが、次なる試練が彼らを襲います。待ち受けていたのは、人工知能を持つ特急列車ブレイン。かつては人々の移動手段として、謹直に奉仕していたブレインでしたが、放置されてから過ぎ去った幾年月の間に、冷酷で高慢な自我に目覚めていました。暗黒の塔への道程を進めるため、ブレインに乗り込んだローランドたち。そこで行われるは命を懸けた謎かけ競技会。終着駅までにブレインを参らせなければ、ローランドたちの前途に未来はありません。いかにしてブレインを打ち負かすのか、ガンスリンガーたちの苦難は続きます。

ジェットコースターのような緊張とスリルの連続から始まる本作。前半部はブレインとの対決が描かれていますが、後半部ではついにローランドの過去が語られます。ガンスリンガーとしての初めての旅立ち、かけがえない親友カスバートとアレンとの親交。そして最愛の人、スーザンとの出会い。表面上は平穏に見えても着実に綻び始めていた世界で、懸命に生きたローランドの甘く切なく悲しい過去。心の琴線に触れる感動的な物語、是非読んでほしい一作です。

新年の挨拶

新年明けましておめでとうございます。

2004年は今年を表す漢字として、「」という字が選ばれたように天災、人災が数多く発生した年でした。

度重なる台風の襲来、新潟・中越地震、スマトラ島沖の大地震による津波、イラクでの人質殺害、北朝鮮の拉致問題、振り込め詐欺による膨大な被害、続発する凶悪事件、数え上げるだけでいかに社会不安が触発された年であったかを感じずにはおれません。

生きることに希望を見出しにくい世の中ですが、このような暗澹とした事態に直面した時こそ、私達は相互に協力し合い団結して危機に立ち向かってゆかねばならないと思います。

人類はこれまで、自然の力によって、そして自らが引き起こした愚行によって、幾度も存亡の危機を迎えてきました。しかしどんな絶望的な状況にあっても、試行錯誤の末に事態の打開を図ってきました。

人類は過ちを繰り返す存在なのかもしれません。ですがそれを乗り越え、現在まで生存してきたことも事実です。

大局的で実感の湧かないような儚い希望ですが、人類の営みは円環ではなく螺旋であると信じて、2005年も溌剌と生きていきたいと考えています。

本年もよろしくおねがいします!
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