クロスファイア | RIDDLE CRITIC

クロスファイア







著者: 宮部 みゆき
タイトル: クロスファイア(上)

力を放射したい-また抑えようの無い強力な衝動が青木淳子を襲っていました。東京都荒川区に住む彼女は、平々凡々とした普通の若い女性。しかし他の誰もが持ち得ない、全てを灰燼に帰す力”念力放火能力”をその身体に秘めているのでした。その力はとても抑えきれるものではなく、周期的な放出を必要とします。放出の対象となるのは、。それも大量の水が必要で、人に見られないような場所で無くてはなりません。放出に対する欲求を抑えきれなくなった淳子は、またいつもの廃工場へ足を運びます。いつもの様に給水タンクに向かって力を解き放とうとする淳子。しかし、思わぬ闖入者の出現によって、彼女の平穏な生活は終わりを迎えることになるのでした…

超能力を持ってしまったがために、それを活かす方途を模索する淳子の苦悩。己が信じる正義を貫徹するのか、それとも良心に従うべきなのか。単純さと複雑さを併せ持つ人間らしい葛藤が、まざまざと表現された本作。奥深いテーマを示唆してくれる作品です。