2016年は「報道の真偽」について学ぶことの多い年だった。

けれどもそもそも報道なんて、最初から強者に都合の良い方向でしか行われない!というのが、「戦時中の教育論」を研究して私が学んだことでもある。

 

またインターネットが出現して、何だか

「その気になればなんだって知れる」

ような幻想も抱いてしまうけれど、広告会社に勤務していた私にとって、このネット社会だって虚構の連続で、有名人のブログにだって多額の広告費が支払われている。

(どの有名人にいくらの報酬が支払われるのかは、1行単位で、あるいは掲載期間単位で広告業界では決まっていて価格表だってある)

 

私がかつて在籍した日本の代替療法関係の学校にしても、広告内容と実際内容が一致しているところはなかった・・・ 

卒業生や講座参加者の体験談は、健康食品の体験談と同じく

「効果を感じた」

という肯定的な信奉者だけの声に限定され、その満足度が全使用者(全入学者数)の何パーセントかは一切公表されることもない。

統計マジックのうまい利用だ。

 

発達障害についても、これまで私は多くの本を手にしてきたが、

「なるほど!これは正しい!!」

と思える本はそんなに多くはなかった。

どの専門家も、その専門家の領域については詳述されていて、

「そうなんだろうな」

と思わせられる内容なのに、専門外については全くメチャクチャなことが多かった。

例えば脳科学者が書いている本の中で、栄養学について触れられていることがあるのだが、本当に腹が立つほどひどい内容だ。

 

「餅は餅屋」

という言葉があるが、

「誰が餅屋なのか」

を見抜く事も難しい昨今、私自身、どの本を信じるべきか、どのサイトを信じるべきか随分苦慮もしている。

 

ただ、私が大切にしている鑑別ポイントのひとつは

「作者・発信者の人生経歴」

である。

やっぱり一生懸命生き抜いてきた人は嘘をつかないものだと思う。

また、その情報を発信する事で

「誰が得するのか」

という着眼点も大切である。

そして何よりも

「その情報者が、どのぐらいその”現場”に関わっているか」

である。

「見た」「聞いた」ではなくて、「体験した」「経験がある」が大切なのだと思う。

 

私がロジャー・モリソンを信頼できたのは、ロジャー・モリソンらは常に実証学としてホメオパシーを提示しているからだ。何よりもその執筆量の多さと、執筆内容の細かさ、理論構築の精度に圧倒される。

実際に講義を受けてみると、そこには常にロジャー・モリソンらの悩み苦しむ姿が見える。そして患者が治ることへの真の喜びが見える。

 

何を信頼するべきか・・・

以前占星術を学んだ時は、

「景気の悪そうな占星術師にはみてもらってもろくなことはない。なぜなら、自分のことも占えないことが自明の理だから」

という文言を本に見つけ、細木数子に熱中していく人々の姿に合点がいったものだ。

 

もちろん発達障害に関しても、そのやり方でどのぐらい改善した人がいるのかという情報は重要、「実際」が大切である。

けれど、医学の分野、ホメオパシーの分野では、治療家の真剣度、どれだけ多くのことを学び、どれだけ真剣に患者の人生と向き合おうとしてくれる人かを見ぬく患者側の眼力が問われる。