こんにちは。高齢親の囲い込み 解放アドバイザーの白岩俊正です。
最近、私のもとにこんな相談が増えています。
「兄が親の面倒を見ているが、会わせてもらえない」
「姉に『もう認知症で誰かわからないから来なくていい』と拒まれた」
――これは、単なる“家族の事情”では済まされません。
親との関係を断たれたまま、心に深い傷を残す人も少なくありません。
今回は、「面会交流権」という視点から、この問題を法的・心理的に掘り下げてみましょう。
動画解説
■「面会交流権」はどんな制度?
面会交流権とは、もともと「離婚した親が子どもと面会できるようにするための制度」です。
民法では未成年の子どもと別居する親との関係維持のために位置付けられています。
一方で、高齢者とその家族との面会に関する法律的な明確な規定は、ほとんど存在しません。
■「親に会えない」家族がいる現実
「兄が親を囲い込んでいて、家に行っても門前払いされる」
「認知症だからと会わせてもらえない」
このようなケースは、実は珍しくありません。
しかも、後見人制度や財産管理の名のもとに、“会わせない正当性”が一人歩きしてしまうこともあります。
■法的にはどうなのか?
結論から言えば、現在の日本の法律では「親に会う権利」は明文化されていません。
成年後見制度が使われていても、「面会の制限は最小限にすべき」とされていますが、強制力は曖昧です。
そのため、親に会えない家族が「会わせてほしい」と求めても、相手が拒否すればなかなか突破できないのが現状です。
■心理的ダメージと後悔
私の支援の現場でも、
- 「ひと目でもいいから会いたかった」
- 「親が本当に望んでいたことが分からないまま亡くなった」
という声をたくさん聞いてきました。
“面会を拒まれたままの別れ”は、一生の後悔につながることもあります。
■今、できる対応策
では、親に会いたいのに拒まれているとき、どのように対処すればよいのでしょうか。
- 弁護士を通じて面会の申し入れを行う
- 家庭裁判所で「面会調整」の調停を申し立てる
- 地域包括支援センターなど第三者に相談する
冷静に、そして法的なルートを使って「会いたい」気持ちを伝えることが重要です。
■「親は家族みんなのもの」
この問題に正解はないかもしれません。
でも、一つだけはっきりしているのは――
「親は誰か一人のものではない」ということです。
声を上げなければ、家族の“分断”は黙認されてしまいます。
私たちはこれからも、「高齢親を囲い込みから解放する」活動を通して、家族の絆を取り戻していきたいと願っています。
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