【名曲リレー1011】gimmie#3

■Gimmie Little Sign / Brenton Wood('67)

ブレントン・ウッドはルイジアナ出身の黒人シンガーですが、まもなくカリフォルニアへ移ったんでサザン・ソウル的な重さはあまり感じません(聞いた限りで)。”Gimmie Little Sign”は本国以上にイギリスでヒットしたもので、コミカルでいて泣かせる名曲です。

 

 

【名曲リレー1012】little#2

■Suffer Little Children / The Smiths('83)

スミスのデビュー作「The Smiths」('84)のラストに収められた"Suffer Little Children"は、63年にマンチェスター周辺で起きた子供たちの連続殺人事件をモチーフにしたもので、地元の有名事件としてメンバーに与えた暗い影は確実にあったのだなあと思わせます。暗い曲調ながら美しい旋律をもった曲でスミスの音楽の美学がこの1曲に集約されているといっても過言ではありません。この事件の犯人の妹モリーン・ヒンドレーと旦那の写真がのちのソニックユースの「Goo」 のジャケットになります。

 

 

【名曲リレー1013】little#3

■A Little More Love / Olivia Newton John(’78)

闘病中の報道があったのは少し前でしたが続報がないので心配ではあります。日本では70’s後半「女神」的な扱いだった美人歌手(死語)のONJですが、”そよ風”のポップ・カントリーなイメージが固定してしまって(そこから3枚は同じ路線でしたが)いろいろ方法を変えて新境地に挑んではみました。大人路線(といってももう30過ぎでしたけど)の「Totally Hot」は日本では受け入れられなかった感じで、当時のLAのスタジオ・メンをバックにしたAORロックでした。前後して「グリース」や「ザナドゥー」といった映画がらみの作品があって、ヒットして、その次がスポーティーな「フィジカル」ですので、イメージチェンジまあ成功だったわけです。

 

【名曲リレー1014】more#2

■One More Time / Jon & Vangelis('80)

いつも書いてる話ですが、「Drama」期のイエスにバグルスが参加したというニュースを聞いたときに、プログレ好きの高校の先輩がバグルスじゃなくてヴァンゲリスならよかった…と言ってました。この辺の感覚が当時のプログレしか聞かないプログレファンの意見だったのかもしれません。けど「Drama」がリリースされてみるとあれはあれでよくできていたのですからおかしな話です。で辞めたジョン・アンダーソンはヴァンゲリスと組んでジョン&ヴァンゲリスとして80年に「Short Stories」を出しています。ジョンアンのハイトーンのvoを生かしたシンセポップなのですが、この曲は「クロスオーバー・イレブン」で聞いて気に入ってしまいました。

 

 

【名曲リレー1015】please#2

■Can I Please Have Some More / Fotomaker('78)

ラスカルズのリズム隊がラズベリーズにいたウォーリー・ブライソン(g,vo)らと組んだパワーポップがフォトメイカーです。子供にメイクさせたジャケットばかり有名になってしまいましたが、力強く重心が低いポップなハードロックを聞かせます。”Can I Please Have Some More”は、そのデビュー作に入ったものでレックス・マーチェシ(g,vo)のペンによるもの。この人ほとんどフォトメイカーだけのキャリアですがいい曲を書きます。

 

 

 

【名曲リレー1006】state#2

■Behive State / The Doobie Brothers('71)

ほぼアコースティックな1枚だったドゥービーのファースト(bはデイヴ・ショグレン)で唯一エレクトリックなのがランディ・ニューマンのカヴァーになる"Behive State"でした。ニューマンのファーストに入った曲で、ニルソンのカヴァーもあるようです。なんとなく同じWarnerだし、レーベル側の意向もあったカヴァーなのかなあとも思います。初期のドゥービーがアメリカンなハードロックの仲間に入れられていた頃の話。しかしこのジャケでは、リーダーがジョン・ハートマンみたいだ。

 

 

【名曲リレー1007】state#3

■State Of Shock / Jacksons Featuring Mick Jagger ('84)

ミック・ジャガーが参加したジャクソンスのヒット。ストーンズでいえば「Undercover」と「Dirty Work」の間でこの時期ピーター・ウルフのソロ、デイヴィッド・ボウイとの”Dancing In The Street”、初ソロなど対外試合が目立ってました。マイケル・ジャクソンの人気は突出してましたが、ジャクソンズとしてはちょっと停滞気味だったんでミックの参加もテコ入れだったのかも。ヒップホップな「Undercover」を経由してるんでもはやなんでも対応できる感じではありました。フレディー・マーキュリーがミックの代わりをやった別ヴァージョンもあったそうです。

 


【名曲リレー1008】shock#2

■Shocked / Night('78)

リック・グレッチの後任としてKGBに加わったグレッグ・サットンとキャプテン・ビーフハートのマジック・バンドにいたイラ・イングバーの共作になるゆったりとしたスワンピーなこの曲を知ったのはジョー・コッカーの「Sheffield Steel」だったんでナイトがやってたとは知りませんでした(多分こっちがオリジナル)。スティーヴィー・ラング(レインジ)とクリス・トンプソン(元MMEB)という2人の男女voをフィーチャーしたポップロック・ユニットですが、ヴェテランkbのニッキー・ホプキンスが正式メンバーとはびっくりしました。

 

 

【名曲リレー1009】shock#3

■Gimmie Gimmie Shock Treatment / The Ramones('77)

バディ・ホリーの時代からロックンロールの真髄は、あっという間に終わることだと思いますが、そういう意味ではラモーンズはすごい。初めて聞いたラモーンズはライヴ盤だと思いますけどあっという間に終わる同じような曲が延々と続いていて、笑えました。NYパンクというと歌詞のゲージュツ性がよく語られましたが、ラモーンズのこのロックンロール攻撃はそんなことと全く関係ない感じで痛快でした。これは77年のセカンドから。

 

 

【名曲リレー1010】gimmie#2

■1,2,3,4,Gimmie Some More / D D Sound('77)

日本で当時大ヒットしたディスコ曲で、英米のチャートには無縁のアーティストです。調べてみるとDD・サウンドはDisco Delivery Soundの略らしく、イタリア生まれで西ドイツで活動したラ・ビヨンダ兄弟がスタジオミュージシャンと組んだユニットとのこと。日本では78年に大ヒットしラジオ(この場合はAMね)からガンガン流れてました。”ハロー・ミスター・モンキー”や”ジンギスカン”級のヒットなわけですが、ちゃんとアーティストの動くやつ(もちろん口パクですが)があるのはすごい。でも存在はホット・ブラッド(”ソウル・ドラキュラ”)エボニーウェッブ(”ディスコお富さん”)のようなパチモンのような存在の気がします。

 

 

 

【名曲リレー1001】wind#3

■Cold Wind Across My Heart / Yvonne Elliman('79)

作者はトム・スノウでナイトのファーストのが初出だと思ったんですが自信ない。イヴォンヌ・エリマンは、「ジーザス・クライスト・スーパースター」のロンドンキャストでマリア役で注目された日系のsswで、クラプトン・バンドでも印象的でした。RSOレーベルのえらいさんと結婚しソロになってディスコっぽいヒットを連発。ナイトもカヴァーしたこのトム・スノウ曲は、最終作となった「Yvonne」に入ってました。

 

 

【名曲リレー1002】across#2

■Across The Boderline / Ry Cooder('87)

映画「ボーダー」のサントラなどですでに紹介されてきたライ・クーダーの”Across The Boderline”がクーダーのオリジナルアルバムに入ったのは87年の「Get Rhythm」でのこと。スペイン語のvoはクーダーとは「パリ・テキサス」で「共演」した俳優のハリー・ディーン・スタントン。国境ムード満載です。

 

 

【名曲リレー1003】across#3

■Baby You Come Rollin' Across My Mind / The Peppermint Trolley Company ('68)

ペパーミント・トロリー・カンパニーは名前の通りソフトロックのグループで、カリフォルニア出身の4人組。多少サイケのフレーヴァーもありますがコーラスワークなど、地元のビーチボーイズからの影響も強いのかなあ。70'sに入るとボーンズ、そしてファラガー・ブラザーズへと移行します。68年にActaというレーベルから出てる同名の唯一作から。

 

 

【名曲リレー1004】mind#2

■Raise the Level of Your Conscious Mind / If('70)

イフは英ジャズロックでシカゴのようにtp,sax,tbといったホーンセクションがいるわけではなく、ディック・モリッシーとデイヴ・クインシーが各種saxをプレイするスタイル。米国のジャズロックに比べると英国ものは総じて暗い印象があります。イフもそうですね。voのジョン・ホジキンソンは後にダリル・ウェイのウルフでも歌ってます。dsがフォーリナーで叩くデニス・エリオットというのも意外。この”Raise The Level Of Your Conscious Mind”は、ファースト「If」に入った短めの曲ですがたっぷりsaxは聞けます。

 

 

【名曲リレー1005】mind#3

■The State Of Georgia's Mind / Seatrain('71)

シートレインは末期ブルーズ・プロジェクトから派生したバンドですが、リチャード・グリーン(violin)の存在がエレクトリック・ブルーグラス(という言葉があるのかわかりませんが)的なムードを盛り上げる変わったスタイルです。ジョージ・マーティンがprodした71年の「Marblehead Messenger」にはデイヴィッド・グリスマンとのアース・オペラにいたピーター・ローワンも参加していてより無国籍さ(黒人音楽を巻き込んだ無国籍さとはまた違うのですが)が際立ちます。”The State Of Georgia's Mind”は、朗々と歌うカルバーグ飄々としたグリーンのviolinがもの悲しさをたたえる名曲です。

 

 

【名曲リレー996】get#2

■Get It Right On Out There / Bill Quateman('73)

シカゴ出身のssw、ビル・クエイトマンの事はほとんど知りません。よくあるフォーク系のsswかなあと思ってたら73年のデビュー作(Columbiaからはこの1枚だけで次からはRCAへ)「Bill Quateman」に入ったシングルの”Get It Right On Out There”にやられました。なかなか歌が始まりませんが、力強くシャープなアコギを使ったフォークロックです。ロンドン録音(Trident)で、エルトンところのデイヴィー・ジョンストン(g)やレイ・クーパー(perc)、レズリーダンカン(vo)が参加してる曲もあります。

 

 

【名曲リレー997】get#3

■Get Like You Used To Be / Chicken Shack('69)

スタン・ウェッブ(g)のブルーズの長い道のりは、常にチキン・シャックとありました。シャック=ウェッブと考えてもいいのですが初期には、後にマックに参加するクリスティン・パーフェクトも煙ったvoとピアノでいい味を出してました。69年の「OK Ken」に入った、人を寄せ付けないクールなブルーズ、”Get Like Used To Be”は、バッキンガム=ニックスが加わりたての頃、なぜか突然マックのライヴで演奏されたことがありました(しかもオープニング、クリスティン曲はいっぱいあったのになぜ?)。

 

 

【名曲リレー998】like#2

■A Boy Like You / Fable('71)

ジョン・ロートン後のユーライア・ヒープのvoとなったピーター・ゴールビーがいたフェイブル(Fable)は、≪ヒープ関連バンド≫なんでしょうねえ。男性なのに歌詞をgirlからboyに置き換えたこの曲はトロッグスの”With A Girl Like You”のカヴァーです。乾いた感じがとても好み。フェイブル自体はMagnetというレーベル(クリス・レアとか出してたとこですが安価な編集ものCDが多いのです)と契約してLPデビューとなるのですが、1枚で解散。ゴールビーは再結成トラピーズに加わったのち80'sにヒープに参加します。

 

 

【名曲リレー999】like#3

■Ride Like The Wind / Christopher Cross('80)

松田聖子より早かった”風立ちぬ”は、ジャケットにフラミンゴのイラストで写真とか一切なく謎に包まれた”南から来た男”、クリストファー・クロスのデビューシングルでした。今のように情報もなく(ネットもつべもない)、ハイトーンのvoでどんなハンサムガイを夢見てたのでしょうか、高校のクラスの女子は怒ってたなあ。写真見て。当時のLAの人たちがこぞって参加したものの、アーバンな感じではなくナチュラル・テイストのカリフォルニア・ロックになってます(次のアルバムではこのナチュラル感は消えてしまうのですけど)。丁度亡くなったローウェル・ジョージに捧げられたとか。リズム・ヘリテッジのマイケル・オマーティアンがprodしてその名前を大きく知らしめました。

 

 

【名曲リレー1000】wind#2

■Let The South Wind Blow / Grinderswitch('75)

グラインダースウィッチはオールマンのローディー(だと思ったけど)が組んだ南部バンドで、ブルーズ色は割と薄めでファンキーな味付けがあります。2枚目の「Macon Tracks」に入った”Let The South Wind Blow”は、サザンロックの盛り上がりがまだ続いてたあの時代に後押ししたかなあ。途中のgソロなどは意外とシュガーベイブっぽく感じるのですが。余談ですが、Grinder's Switchと所有格がついて2語になるとガーランド・ジェフリーズがかつていたザ・バンド的なグループになります。

 

 

 

 

【名曲リレー991】LA#3

■Join Me In LA / Warren Zevon('76)

ジヴォンの「さすらい」はprodのジャクソン・ブラウンつながりということもあって当時のLAの連中がこぞって参加しています。ジヴォンがエヴァリー兄弟のツアーバンドで一緒だったリンジー・バッキンガムがステファニー・ニックス(とクレジット)と一緒にコーラスで参加した曲もありました。ボニー・レイットとローズマリー・バトラーがパンチの効いたコーラスを聞かせるこの曲は、ネッド・ドヒニー(g)にラリー・ザック(ds)とジャイ・ワインディング(kb)という「Late For The Sky」のメンバーというかなり変わった編成でした。

 

 

【名曲リレー992】join#2

■You Can All Join In / Orange Machine('69)

オレンジ・マシーンは無名の英サイケですが、このトラフィックのセカンドに入ったでイヴ・メイスン曲のカヴァーはなかなか若さがあってよろしい。Pyeからシングルを出してるバンドらしいのですが、2枚くらいで消えたとのこと。エコーとファズgが好きな人にはたまりません。

 

 

【名曲リレー993】join#3

■Join Together / The Who('72)

ザ・フーのシングルオンリーの曲なので知名度は低いかもしれませんけど、もともとは「Lifehouse」のプロジェクト用に書かれたものなんで古い曲ではあります。シンセだけでなくジューズ・ハープやハーモニカも使われ他ちょっとユニークな感じの曲調です。

 

 

【名曲リレー994】together#2

■Together / Tierra('80)

LAのチカーノ地区から登場したヒスパニック系バンドのエル・チカーノの元メンバーによって組まれたのがティエラです。”Together”は最大のヒットで、時代柄AOR風味もありますが、もともとはイントルーダーズのカヴァー(ギャンブル&ハフ作)とのこと。#13まで上がっています

 

 

【名曲リレー995】together#3

■Get Myself Together / Andrew Leigh('70)

スプーキー・トゥースの「Ceremony」からマシューズ・サザーン・カンフォートに加わったベーシストのアンディ・レイ(Andy Leigh)がPolydorに残した唯一のソロ「Magician」はポール・ホワイトヘッドのイラストのジャケからしてファンタジックな路線を歩んでます。“Get Myself Together”という美メロのナンバーはプログレファンなら琴線に触れることうけあい。メロトロンやワウワウg(ケヴィン・ウエストレイク(ブロッサム・トウズ)のds以外はレイが全部この曲はやってます)もいい感じ。

 

 

 

【名曲リレー986】up#2

■Get Up Jake / Roger Tillison('71)

元々はザ・バンドのセカンドのアウトテイクで、「Rock Of Ages」のライヴに新曲として紹介され、「Moondog Matinee」からのシングル”Ain't Got No Home”のB面として入ったものでした。どっちかというとユーモラスな表情をたたえたポップな曲でしたが、これをスワンパーのロジャー・ティリソン(元ロックンロール・ジプシーズがカヴァー。prodも兼ねるジェシ・エド・デイヴィスの暴力的なスライドのイントロが強力です。

 

 

【名曲リレー987】up#3

■Light Up Or Leave Me Alone / Traffic('71)

ジム・キャパルディが歌う”Light Up Or Leave Me Alone”は、後のソロ作品にも通じる個性です。トラフィックの「The Low Spark Of Hi Heeled Boys」でのキャパルディの充実ぶりはdsを叩かなくてもいい(歌に専念できる)という部分もあったかと思います。gはウィンウッドが弾き、この時期kb奏者というよりもギタリストとしての方が目立っていた感じあります。

 

 

【名曲リレー988】leave#2

■Leave It / Yes('84)

80’sのイエスはアイディア勝負でしたね。「90125」から"Owner Of Lonely Heart"の次のシングルだったかな。これはこれでよかった気もします。

 

 

【名曲リレー989】leave#3

■Honey Don't Leave LA / The Attitudes('75)

JTが「JT」でも取り上げたアティテューズ曲。「紳士録」という邦題だったファーストに入ってました。Dark Horseゆえに正規のCD化は見送られてますが、アンオフィシャルな形でならCD化されてたようです。voはダニー・クーチ。

 

 

【名曲リレー990】LA#2

■LA / Neil Young('73)

なかなかCD化されなかったライヴ盤「Time Fades Away」に入った”LA”です。まあ”Ohio”みたいな感じの曲。ジョー・ヤンキー(b)、ジョニー・バーベイタ(ds)、ベン・キース(steel)らが参加してました。72年のツアーの中で披露された新曲ばかりピックアップした1枚で当然all新曲のライヴ盤として登場、グレイトフル・デッドもやってましたが画期的な試みでした。

 

 

 

 

【名曲リレー981】rain#3

■Bleeker Street Rain / Beans('72)

1枚だけAvalaschというマイナー・レーベル(Borderlineぐらいしか知りません)から出してるニュージャージー出身のビーンズというバンド(ジャケットのポップなイラストが印象的)の愛すべきこの曲(アコースティックな感じもいとおしい)は、消え去るのは惜しいくらいチャーミングです。LPをリリース後メンバーが事故死したり、病気になったりとほとんどプロモーションもなしに消えてしまったバンド(とメンバーのコートニー・コレッティが書いてました)。このバンドについて書かれたものを見たことは、多分きよさんとバードさんのサイト(日本盤シングルが紹介されてました?)ぐらいでした。CD化もされていません。他の曲もちゃんとした形で聞きたいなあ。

 

 

【名曲リレー982】street#2

■Street Fighting Man / Rod Stewart('69)

ストーンズ曲を独自の解釈で別の高みまで持っていったロッド・スチュワートのヴァージョンは大好きです。ブンブンbassとスライドのロン・ウッド大活躍です。ファーストの「An Old Raincoat Won't Ever Let You Down」から。

 

 

【名曲リレー983】street#3

■Back On The Street Again / Rosie('77)

デイヴィッド・ラズレーとリン・ピットニー、ラナ・マラーノの女性陣2人によるヴォーカル・トリオ、ロージーのこってりとしたイタロアメリカン的な音楽は、AORと呼ぶにはロック色が薄いのですけど、今の耳では”Back On The Street Again”も名曲に聞こえます(昔はあかんかった)。prodはマイケル・ケイメン(NY・ロックンロール・アンサンブル)でラズレーのファルセットがさえまくるバラードです。2枚目の「Last Dance」('77)から。

 

 

【名曲リレー984】back#2

■Back In The Saddle / Aerosmith('76)

強烈な「Rocks」の1曲目でした。当時中学生で訳も分からなかったんですが、文字通り背徳な歌だなあと思ってました(SM志向ですね)。とにかくエアロスミスが強烈だったのは詰め込み過ぎの感もあった濃い音ですね。その辺の音作りに関しては当時の人気prodジャック・ダグラスによる部分も大きかったのかもしれません。

 

 

【名曲リレー985】back#3

■Back It Up / Nils Lofgren('75)

スタジオ録音はイマイチだけどライヴ(盤)がいい、というのはよく話聞きますが、逆もあります。僕にとってはニルス・ロフグレンはそう。巷で評価が高い2枚組「Night After Night」も長いだけでピンときませんでした。グリン、クレイジー・ホースからソロになったファーストに入った”Back It Up”は、スタジオ・ヴァージョンの方がコンパクトにまとまって好きです。エインズレー・ダンバー(ds)、ウォーネル・ジョーンズ(b)によるシンプルな演奏です。

 

 

 

【名曲リレー976】horse#2

■Dark Horse / George Harrison('74)

ジョージのアルバムでは評価低いんですが「Dark Horse」('74)好きなんです。まあジョージというよりもトム・スコット(今はほとんど顧みられなくなってますねえ)のLA.エクスプレスをフィーチャーしたポップ・ロック・ソウルな音づくりが新鮮でした。よく言われるようにジョージのvoは喉の調子がイマイチな事もあってか弱いです。それでも"Ding Dong"で始まるB面はよく聞いたもんです。タイトル曲"Dark Horse"は自身のレーベルのテーマ曲でもありますが、トム・スコット他のfluteが軽やか(コーラスにはロン&デレクのヴァン・イートン兄弟も参加とか)です。当時売り出し中だった、新進気鋭のリズム隊、ウィリー・ウィークス(b)とアンディ・ニューマーク(ds)は、ロン・ウッドやジョー・ウォルシュも起用しています。

 


【名曲リレー977】horse#3

■Black Horse / Keith Tippett Group('71)

「ポセイドン」からの3枚に大きく貢献したブリティッシュ・ジャズのピアノ弾き、キース・ティペットの諸作品は僕が聴くにはジャズっぽ過ぎてなかなか手が出ませんが、Vertigoから出た71年の「Dedicated To You But You Weren't Listening」は比較的ロック的なダイナミズムもあります。タイトル曲はソフト・マシーンのセカンドに入った曲で、エルトン・ディーン(sax)、ネヴィル・ホワイトヘッド、ロイ・バビントン(b)、フィル・ハワード、ロバート・ワイアット(ds)、ゲイリー・ボイル(g)らが参加。とりわけアイソトープのボイルが弾きまくる"Black Horse"はカッコイイ。ジャケットはロジャー・ディーン。キース・ティペット・グループ名義です。

 

 

【名曲リレー978】black#3

■Black Coffee In Bed / Squeeze(’82)

スクイーズの5th「Sweets From A Stranger」からのシングル。ポール・キャラックも去りこの頃はディフォード&ティルブルック(ここでも全曲書いてます)の力のぬけた感じがとてもいい。コステロとポール・ヤングがコーラスで参加したソウルフルなナンバーです。

 

 

【名曲リレー979】black#3

■Black Summer Rain / Eric Clapton('76)

深夜の激しい雨と風は、予想されたことですがひやひやでした。夏の激しい雨の時いつも思い出しちゃうのがクラプトンの「No Reason To Cry」からのこの曲。レイドバックしすぎるとも言われたこのアルバムは、マリブのシャングリラでザ・バンドやディランの面々ともセッションした1枚です、マーシー・レヴィーのコーラスやディック・シムズのkbなど細部までしっかり作られた感じです。

 

 

【名曲リレー980】rain#2

■Rain / Hanson(’73)

後にボブ・マーリーのウェイラーズに参加するジュニア・マーヴィンは、70's初めにキーフ・ハートレーのバンドでジュニア・カーを名乗っておりました。その後ハンソン名でManticoreと契約しアルバムデビュー。この「Now Hear This」の時点ではソロ名義でしたが次の「Magic Dragon」ではバンド編成(ニール・マレイ、グレン・ルフラー)になっています。Manticoreレーベルにしては珍しいソウルフルなファンキー・ロック。「Now Hear This」からの”Rain”はコンラッド・イシドア(ds)、ジーン・ルーセル(kb)、ボブ・テンチ(vo)らが参加しています。ハンソンは抑え気味ですがg弾きまくっています。

 

 

【名曲リレー971】love#3

■Love Grows / Edison Lighthouse('70)

過剰なストリングスに好みは分かれますが、トニー・マコーレイの書くメロディーは確かにいいです。英バブルガムというか架空のスタジオ・グループのエジソン・ライトハウスの代表曲。voはセッション・シンガーとしてホワイト・プレインズやフラワーポット・メンでも活動したトニー・バロウズです。

 

 

【名曲リレー972】grow#2

■I Can't Grow Peaches On A Cherry Trees / Just Us('66)

ゴーゴニ、マーティン&テイラーのアル・ゴーゴニとチップ・テイラーが組んだジェントルなフォーク(フォークロックではないです)の名曲が、”桜の木に桃はならない”です。何とも奇妙なタイトルの曲ですが、昔懐かしい、70’sの深夜放送でかかってそうなポップスです。ジャスト・アスはこの2人組でオリジナルよりはカヴァー中心。この曲はエステル・リヴェットが共作者としてクレジットされていて、リヴェットのソロにも入っております。

 

【名曲リレー973】grow#3

■When I Grow Too Old To Dream / Linda Ronstadt('78)

オスカー・ハマースタイン作のスタンダード曲を取り上げたことで「What's New」以後のスタンダード路線の試しをここでやったと後になっていえそうです。それほどいろんな事にチャレンジした「Living In The USA」はミス・アメリカと言う邦題にふさわしかったのです。マペット達に囲まれて歌う動画は別ヴァージョンでスタジオ・ヴァージョンはマイク・マニエリのヴィブラフォンが美しいです。

 

 

【名曲リレー974】dream#2

■Julia Dream / Pink Floyd('68)

ピンク・フロイドのこの曲はシド・バレット脱退直後の「神秘」の頃の録音で、”It Would Be So Nice”のB面としてリリースされましたが、日本では71年にA面としてシングルが独自に切られてるくらいだから(来日記念盤でした)人気があった曲なんでしょう。voは加わったばかりのデイヴ・ギルモアでイントロでメロトロン炸裂しています。”夢に消えるジュリア”という邦題でした(消えた、のほうがよくないか?)。

 

 

【名曲リレー975】dream#3

■Horse Dream / Wendy Waldman('73)

全盛期である70'sに日本で一枚も紹介されなかったことから一般的な知名度は低い、というパターンは往々にしてありますが、sswのウェンディ・ウォルドマンもその一人です。LA生まれで、音楽一家に育ったウォルドマン(父親は「ミステリー・ゾーン」や「ペリー・メイスン」などTV音楽を担当した作曲家)は、70's初めにブリンドルのメンバーとしてA&Mに1枚のシングルを残しますがバンドは解散。メンバーにはカーラ・ボノフ、アンドリュー・ゴールド、ケニー・エドワーズというその後のLAのシーンにかかわってゆく人たちが参加していたのですが、彼らは各人のアルバムに加わ離交流を深めてゆくのです。

さてチャック・プロトキンがprodしたウォルドマンのデビュー作は、フォーキーでアコースティックながらメリハリも聞いていて、一本調子にはなりません。マリア・マルダーが取り上げた"Gringo En Mexico”や”Vaudeville Man”を収録。名曲”Waiting For The Rain”や”Horse Dream”などを含むこれが早くから紹介されていればと、重ね重ね残念に思います。

 

 

【名曲リレー966】time#2

■So Many Times / Ice('67)

アフィニティーの前身ともいえるアイスは、リントン・ナイーフ(kb)をフィーチャーした無名のサイケ・バンドで、Deccaに2枚のシングルを出しています。ここにグラント・サーペルやらモ・フォスター、リンダ・ルイスが加わってバンド名をアフィニティに変えるのはもう少し先です。この"So Many Times"はB面曲ですけど、昔から好きで、ファースト・ガンダムの後の歌("ふり向くなアムロ")に少し雰囲気が似てるのですよ。

 

 

【名曲リレー967】time#3

■Time For Action / Secret Affair('79)

ネオモッズのシークレット・アフェアは日本の東京モッズシーンも影響を与えてます。79年のヒット"Time For Action"はでもジャムあたりと比べると軽く感じますが。

Secret Affair-Time For Action

 

【名曲リレー967】action#2

■Ez Action / Derringer('79)

実は初リック・デリンジャーがこの「ロマンティック・シューター」(邦題)でした。「ヤング・ジョッキー」で渋谷氏がかけた3曲はやはり飛びぬけて(私感)います。結果的にはデリンジャーとしてのラスト作になってしまいましたが、ニュー・ウェイヴ的な”Attitude”の疾走感、クレイジーな”EZ Action"、ポップな”It Ain't Funny"”の3つで決まりです。ここから遡ってデリンジャーを聞くと実はあまり好きじゃなかったりする(ソロの方が好き)のですが…

 

 

【名曲リレー969】action#3

■Love In Action / Utopia('78)

初めて聞いたのは「Back To Bars」のライヴ音源でしたが、なんか変な曲だなあ~という印象。そのうちハマりましたが。ユートピアとしては「Ooops! Wrong Planet」('78)に収録。この動画はクリーヴランドでのライヴで音源は、そのまま「Back To Bars」に使われてます。

 

 

【名曲リレー970】love#2

■Giving It Up For Your Love / Delbert McClinton('80)

古くはデルバート&グレンとしてスワンプ~サザン・ロックのジャンルで活躍したデルバート・マクリントンが、81年に放った唯一のヒットがこの”君にギブアップ”でした(最高位#8)。テキサス出身の人で、男くさい魅力に時代柄少しの洗練を加えた感じ。ボニー・ブラムレットのコーラスも聞けます。作者はジェリー・リン・ウィリアムズでした。