105円読書 -23ページ目

すべてのものをひとつの夜が待つ 著:篠田真由美

すべてのものをひとつの夜が待つ

篠田真由美:著
光文社 ISBN:4-334-07616-5
2005年7月発行 定価960円(税込)









講談社ノベルスの建築探偵シリーズでおなじみ、篠田真由美の単発もので、バリバリの館ミステリー。

富豪・満喜寿一郎の獏大な財産を受け継ぐ後継者選びのため、招集された5組10人の男女たち…。本州最南端の半島沖の小島に建つ、広大な西洋館にて、満喜家の秘宝とされるダイヤモンドを見つけたものが、その権利を得られるという…。期限は10日…その間は、いっさい外界とは交信することは許されない。参加者たちはダイヤ探しを始めるのだが、島に着いた翌日、参加者の一人が首つり死体で発見される!さらに脱出不能のはずの館から、行方不明者が出、さらに第二の惨劇も!

うーん、惜しいっす。読みごたえは充分で、読んでいる最中は、けっこういい雰囲気を味わえるんだけど…いかんせん、けっこうな長さを読まされたのに、結末のひねりが弱すぎて、推理小説としてのビックリ感はちと乏しいですね。殺人事件のトリックや犯人探しよりも…大富豪の隠された歴史やら秘密やらを描く方に、作者の興味はあった感じですね…。だいたい、作中に起きた何番目かの殺人の状況で、犯人やトリックにピーンときちゃいますよ。ここを、もっと面白く裏切ってくれたら、推理小説としてさらに評価しても良かったけど…。

綾辻チックな、外界と隔絶された環境のお邸もの…次々と殺されていく関係者たちっていう、新本格が流行った頃はしょっちゅう味わっていた雰囲気が、久しぶりに楽しめてなんか良かったですけど、せっかくの大作なんで、大どんでんがえしがもうひと頑張り欲しいところだよ。

厳しい評価だけど、けっこう好きな作品ではある。だからあえて辛口に!?






個人的採点:65点






さまよう薔薇のように 著:矢作俊彦

さまよう薔薇のように

矢作俊彦:著
角川書店 ISBN:4-04-161608-5
2005年11月発行 定価580円(税込)









水商売絡みの顧客の車をちょっとずつ移動し、駐禁を逃れることで稼いでる主人公が、トラブルに巻き込まれて、人探し、事件解決に東奔西走するハードボイルド。表題作を合わせた短編3作品の作品集…1984年に他社から発刊されたものの再版、文庫化。

船長のお気に入り

本業の方の客の紹介で、“横浜全仁病院”副院長・岩崎忠信から“ようこ”という名の女を捜してくれとの依頼を受けた。手がかりは名前と年格好だけ。依頼人はいいたがらないのだが、どうやら義妹の失踪事件が絡んでいるらしく…このようこが何かを知っているらしいのだが…。

失踪した女子大生お嬢様を捜す話で、“ようこ”はそのとっかかり。事件の真相と犯人は、かなり早い段階で目星がついたが、調査中に出会う脇役キャラの存在感があり、なかなか楽しい。


さまよう薔薇のように

警察から、顧客の一人…“西尾絢子”について事情聴取され、車の鍵を提出された“私”…何やら事件に巻き込まれ行方知れずで、警察が躍起になって探しているらしい。実は絢子が車に忘れていった鞄を預かっていたのだが、もちろん警察には内緒だ。しかし絢子の知人を名乗る男がやってきて、無理やり鞄を奪おうとする…。

表題作なので、一番のメインどころなのかな?前半はダラダラと地味な印象だったけど、事件の真相がわかるあたりから、二転、三転し…“私”が何度もピンチに陥るし、なかなかの緊張感。


キラーに口紅を

早朝、顧客の一人で、クラブ“ミストラル”の雇われママのカマロのトランクの中から死体を発見してしまった“私”は、とりあえず見なかったことに…。ママに探りの電話を入れるが、変わった様子はない。その夜…いつものように仕事中、トランクの中の死体を気にしながらも、普段どおりカマロを移動させた直後に、なんと車が爆発した!

冒頭から死体に、車の爆破と…事件の派手さは一番。展開もミステリアスで、個人的には3本の中で一番面白いと思った作品。


前に読んだ二村永爾シリーズの1作目「リンゴォ・キッドの休日」に比べると、発表時期が多少なりとも新しいので癖がなく読みやすいところもあるのだが…事件の奥行など、やや物足りなさがある。3作品通してレギュラーのサブキャラ、いつも、“私”の抱えるトラブルに引き込まれちゃう、不良巡査の細貝がいい味出してる。






個人的採点:65点






夏期限定トロピカルパフェ事件 著:吉澤穂信

夏期限定トロピカルパフェ事件

米澤穂信:著
東京創元社 ISBN:4-488-45102-0
2006年4月発行 定価600円(税込)









前に読んだ「春期限定いちごタルト事件」の正規続編…小市民を目指す、男女二人の高校生が夏休みに巻き込まれた、事件の真相とは?

高校二年になった小鳩常悟朗と小佐内ゆきは、 中学3年の時から恋愛関係でも、依存関係でもない互恵関係にある。それは、小市民を目指し…日々、目立たない生活を送るためだった。夏休みに入り、ゆきの提案する“小佐内スイーツセレクション・夏”と題した、スイーツめぐりに、付き合わされる羽目になった常悟朗。それが思わぬ事件へと発展する…。

短編二作品に、書き下ろしを加えて長編にしたとかで…前作に比べると、個々の章での、独立性が後半は乏しい印象を受ける。確かに、ラストでは、とんでもない真相が発覚して(ある程度、予想はしたが)、長編作品としてはそれなりの驚きはあったけど…トータルでは、前作のタルト事件の方が面白かったような気がする。

一番、面白かったのは1章目(これは雑誌掲載された短編の一つ)の、小鳩くんと小佐内さんが、スイーツをめぐり頭脳バトルを繰り広げる話かな?馬鹿馬鹿しいけど、一番、緊迫感を感じたのは何故?(笑)作品全体の大仕掛けよりも、楽しかった。甘いものにあまり興味のない小鳩くんの舌をもうならせたシャルロットなるケーキを食ってみたいですね(爆)






個人的採点:60点






とくまつ 夜霧邸事件 著:清涼院流水

とくまつ 夜霧邸事件

清涼院流水:著
徳間書店 ISBN:4-19-905150-3
2005年3月発行 定価670円(税込)









けっこう前に読んだ、2ページに一人、毎日必ず自殺者が出るという「とくまでやる」の続編…で、今回は数時間に千人のボディーガードをぶっ殺すという物語。前作の完全続編なので、内容を覚えてないと、かなりおいてきぼりな作品。

12月12日に殺されるという夜霧咲を護るため、咲の同級生で双子の双月フレアとクレアは、ボーイフレンドの出有特馬と山本新悟と共に、夜霧の弓道場で完全武装し、24時間の護衛を務めあげた。午前零時を回り、長い1日が終わり、ようやく一息つけると思った瞬間…敵の攻撃が開始された!敷地面積1000坪の夜霧邸に集められた凄腕ボディーガード1000人が、次々に殺されていく!迫りくる犯人の正体は?そして咲を守りぬくことはできるのか?

ボディーガードたちを瞬殺した方法を、ダイイイングメッセージから読み解くなどという推理小説らしき展開もあるんだけど、犯人探しにいたっては、前作を読んでいるということが大前提なので、単発で読んでも、はぁ?ってなることまちがいないね。

100日間連続で、1日に必ず1人自殺する事件という、「とくまである」のインパクトに比べると、前作のラストで事件の内容を上回るとんでもないオチというか、作品の世界観を暴露してしまっているので、それにのっとったうえで、成り立つ作品になってくるのは必然。ひっくり返したちゃぶ台に、さらにケリを入れてぐちゃぐちゃにしてしまっているので、推理小説として期待すると、あっそ~としかいいようがありません。さらに続編がまだあるそうなので、物語としても、引っ張ったわりにあっ気なさすぎ。

清涼院流水の作品をライノベとして期待している人は楽しめるでしょうが…うーん、イマイチ。






個人的採点:50点






ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺 著:田中啓文

ハナシがちがう!
笑酔亭梅寿謎解噺

田中啓文:著
集英社 ISBN:4-08-746074-6
2006年8月発行 定価560円(税込)








落語の世界とミステリーの融合…ダジャレ大好きの田中啓文なので、くだらないけど面白い。痛快無比とは、こういう小説のことを呼ぶのだろう。2004年に「笑酔亭梅寿謎解噺」というタイトルで発刊されたハードカバーを改題して文庫化したもの。

両親を亡くし、天涯孤独の竜二は、高校も中退した金髪・鶏冠頭の不良少年。そんな竜二をなんとか更生させようと、高校の元担任教師が無理やり、上方落語の大看板・笑酔亭梅寿のもとに弟子入させてしまう。最初は落語なんかに全く興味のなかった竜二だが…普段は酒をくらってばかりの、ただの酔っ払いジジイにしかみえない梅寿の落語や人柄に少しずつ惹かれていく。また、梅寿の付き人となり、修行に励む竜二の周りで、毎回のように何かしら事件が起きるのだが…古典落語のネタからヒントを得て、鮮やかに事件を解決していく!

古典落語の演目と同じタイトルで書かれた7つの短編で構成された連作形式ではあり、毎回のように殺人事件やら、殺人未遂やら、誘拐、自殺の真相究明と血なまぐさい事件がとってつけたように出てきたりするんだけど、それはおまけ程度のもんで…落語の世界に飛び込んじゃったヤンキー少年の成長物語として捉えた方がいいかもしれないね。

いくら架空の人物とは言え、モデルがいそうな感じの噺家さん、芸人さんたちの、ハチャメチャな日常…読んでる最中は、業界素人の竜二くんとシンクロしながら、いろいろなものが新鮮に映ります。興味がない人には、落語と漫才の区別がつかないかもしれないが…そんな人にも、落語って面白いかも?って思わせてくれる作品になっていた。

既に続編があるそうで、また105円で見つけたらぜひ読んでみたいぞ!






個人的採点:70点






幻影のペルセポネ 著:黒田研二

幻影のペルセポネ

黒田研二:著
文芸春秋 ISBN:4-16-323300-8
2004年9月発行 定価1,680円(税込)









最近はやりのアバターを利用したネットコミニティーをいち早くミステリにとりこんだ、黒田研二の推理小説。著者は過去にも「ペルソナ探偵」という作品でチャットルームを題材にしたミステリを書いているが、その発展形ってとこかな?

ライターの来栖正孝は、コンピュータ雑誌の編集長からの依頼で、グラフィカル・リアルタイムコミニケーション・サービス“ヴァーチャルプラネット”の記事を書くことに。それはネット上でアバターという自分自身の分身を動かし、ペルセポネという疑似惑星の中を自由に動き回り、他の利用者とおしゃべりやゲームに興じるというもの。実は来栖は、現実世界で起きたプログラマー各務秀則が殺された事件の手がかりを求めて、以前から“ヴァーチャルプラネット”にアクセスしていたのだ。そんな時に“ヴァーチャルプラネット”内で殺人事件が発生。さらに現実の世界でも、そっくりな殺人事件が…。

ヴァーチャルな世界で殺人事件が起きるというのは清涼院流水の「みすてりあるキャラねっと」にも似ているが、さらに現実世界でもシンクロして殺人事件が起きてしまう。過去のクロケン作品を読んでいると…きっと構成的なところで、なんかしかけてくるぞって、ビンビン感じる、なんとなしに違和感の感じる文章…。

主人公がヴァーチャルな空間“ペルセポネ”へアクセスしている描写が作品の大半なので、回りくどさは感じるが…現実世界の登場人物が少なめなので、おのずと作品のオチや犯人なんかにもたどりつけるだろう。推理小説としては斬新かもしれんが、ライノベなどではよく見かけるテーマなので、ネットで見かけた推理小説マニアの人の評判よりは、驚きは少なかった。

ただ軽妙な文章で物語に惹きこむエンターティメント的な物語としては面白く、さすがクロケンといったところでしょうね。







個人的採点:65点






ガールズ・ブルー 著:あさのあつこ

ガールズ・ブルー

あさのあつこ:著
文芸春秋 ISBN:4-16-772201-1
2006年11月発行 定価500円(税込)









「バッテリー」シリーズのあさのあつこが、今どきの女子高生の日常を爽やかに綴ったお話。知り合いの男の子が甲子園を目指していたり、花火大会や海に行く計画を立てたり、夏が舞台なので、今の時季に読むといっそうタイムリーな気分を味わえるはず。2002年にポプラ社から出た単行本を文庫化したもので、自分はブックマーケットの文庫セールで、50円で買ってしまった!?

かなり程度の低い高校に通う、理穂、美咲、如月…男女三人の高校生と、その仲間たち。理穂は数か月付き合った彼氏と別れ失恋したばかりだし、美咲は幼い頃から病弱で入退院を繰り返すが、他人から同情されるのは大嫌い。、如月は、甲子園を目指す天才球児の兄とよく比較されるけど終始マイペース。そんな彼女、彼らにも爽やかな夏が訪れる…。

援助交際じゃなくなった、健全な「ラブ&ポップ」って感じかな?他愛ないことでも輝いて見えた…高校時代の、夏の思い出が、蘇ってくる、そんな爽やかなお話ね。失恋だったり、重い病気を背負っていたりっていう、いっけん重くなりそうなテーマに見えるんだけど、小説らしい劇的な展開はあまりなく…高校生らしい前向きさで、日常を消化していく。

当時は、勉強なんて大嫌い!と思っていたが、年齢を重ねると、もう一度、この頃に戻りたいなって感傷に浸ってしまう。主人公たちの友達で、途中で学校を中退しちゃった女の子の気持ちが、意外と近いかななんて思ってみたり。






個人的採点:60点






ポケットは犯罪のために 武蔵野クライムストーリー 著:浅暮三文

ポケットは犯罪のために 
武蔵野クライムストーリー
 

浅暮三文:著
講談社 ISBN:4-06-182500-3
2006年10月発行 定価840円(税込)








もともとは短編作品だったものを、謎の人物の独白による幕間を挿入することにより、1本の長編のように仕立てた、浅暮三文らしいトリッキーな作品。表紙のイラストはちょっといかがわしい感じが強いが、中身はそんなでもない。

中央線専門の置き引き常習犯の男が、網棚の上から鞄を拝借してきたのだが、中身は原稿用紙の束だった。どうやらミステリーとよばれる類の小説で、武蔵野の面影が残るとある街で起きた、様々な事件を題材にしたものだった。男は、奪った原稿を…持ち主に、引き取らせようと…その小説をヒントに、持ち主探しを始めるのだが…。

短編の一つ一つは、オーソドックスな謎解きミステリーとしてけっこう楽しめる。犯罪者が自分の犯した罪を告白しながら、オチに向かっていくタイプのものと、日常生活のなかで、些細な疑問にぶつかり、とんでもない事件が起きたいたというタイプ。

あと、ラストにあった「五つのR」という、老人の昔話の真相を読み解く話は、ほかの作品と並べると、ちょっと異質で“武蔵野クライムストーリー”からかけ離れた感じがするのだが、短編としての発表時期が一番早いというのと、大まかな仕掛けに使うのに、最後のパーツとして必要だったんだろうなぁって印象を受けた。

このミステリー短編を、こんなオチにという奇天烈などんでん返しがラストに!ただ…今の時期にタイムリーなオチだったかなって、ちょっと思った。






個人的採点:70点






殺人ライブへようこそ 著:竹本健治

殺人ライブへようこそ 

竹本健治:著
徳間書店 ISBN:4-19-890492-8
1996年4月発行 定価530円(税込)









牧場智久シリーズで牧場のパートナーとして活躍する女子高生、武藤類子が主役の竹本健治作品。1991年に発表された作品の文庫化で、この文庫版も現在は絶版。Amazonのマケプレなどでは入手可能みたいだ。

女子高生で、剣道部に在籍している武藤類子は、剣道を始めるきっかけにもなった、憧れの先輩・高杉に再会した。彼は現在、ロックバンドのマネージャーをしており、彼の紹介でロックバンド“パルス・ギャップ”のメンバーやスタジオ・ミュージシャンの速水果月と親しくなる。ちょうど、一人暮らしのための引っ越しが控えていた類子のために、メンバー達が手伝いにやってきてくれたのだが、その時に、まだ誰も知らないはずの、新しくひいた電話にいたずら電話が!その後も、何度もかかってくるにいたずら電話が類子を悩ます。さらに類子が見に行った、果月のライブ会場で殺人事件が発生し…“パルス・ギャップ”の周囲で不穏な事件が相次ぐ!?

類子ちゃんの視点で語られていくので、本家の牧場シリーズに比べると、トリックの奇抜さなどは薄く、犯人や謎のイタデンの主の正体など簡単にたどりつけるのだが、その分、テンポの良いサスペンスミステリーとして単純に楽しめる内容となっている。特に類子ちゃんの目の前で起きた第二の事件はけっこうハラハラさせられました。

音楽業界を扱った内容だが、専門用語などもあまりなく、読みやすい。初出が16年前なので、類子が、掛けてきた相手が分かる電話が開発されないかな~とか、留守番電話は高いなどと嘆くところが、時代を感じさせます(笑)






個人的採点:65点






ジェミニ・ナイヴ 少女たちの遊戯盤 著:きむらひでふみ

ジェミニ・ナイヴ 少女たちの遊戯盤

きむら ひでふみ:著 gimik:企画原案
学研 ISBN:4-05-903513-0
2007年1月発行 定価578円(税込)









前回読んだ、ジェミニ・ナイブの続編…ページ数は若干増えてましたね。主人公に似た、仲間の美女・美少女エージェントが毎回のようにどんどん登場する。

アイドルとマネージャーという関係のコクーンとクリサリスのもう一つの顔は「G・M・B」(ガンビット)と呼ばれる非合法組織のエージェント。今までは見習い期間中だったが、その働きが認められ、正式エージェントに登録されたものの、前回の仕事で、統合警務局のエリート局員ソルに、その正体がバレてしまった!監視の目をくぐり抜けながら、新たな任務へ。

ハリウッドのような映画撮影を行っている惑星で、銀河系に蔓延する麻薬映画をぶっつぶすという話と、密造銃の売人を壊滅させるって話の二本。

短いエピソードの二部構成(間にブレイクタイムなどあり)というのは前回同様だが、前作では三人称で書かれていた文体が、今回は、前半パートが、表紙のちっこい方コクーン、後半パートが表紙の大きい方クリサリスの一人称視点で描かれている。プロローグ、エピローグ、ブレイクタイムなどは別。

三人称から、一人称へ文章の視点を変えてきたというあたりは、新鮮さが感じられるものの…後半エピソード、クリサリスの中途半端に丁寧な、お嬢様言葉のような文章が読みづらかったなぁ。コクーン視点の方がさっぱりしていて読みやすい。

未来の映画産業の様子など、SF的アプローチは少し面白くなったかな。統合警務局ソルの怪しげな行動、毎回エピローグ部分で少しずつ触れられる主人公たちの生い立ちの様子など、まだまだ続編があるような終わり方。






個人的採点:55点