殺人ライブへようこそ 著:竹本健治 | 105円読書

殺人ライブへようこそ 著:竹本健治

殺人ライブへようこそ 

竹本健治:著
徳間書店 ISBN:4-19-890492-8
1996年4月発行 定価530円(税込)









牧場智久シリーズで牧場のパートナーとして活躍する女子高生、武藤類子が主役の竹本健治作品。1991年に発表された作品の文庫化で、この文庫版も現在は絶版。Amazonのマケプレなどでは入手可能みたいだ。

女子高生で、剣道部に在籍している武藤類子は、剣道を始めるきっかけにもなった、憧れの先輩・高杉に再会した。彼は現在、ロックバンドのマネージャーをしており、彼の紹介でロックバンド“パルス・ギャップ”のメンバーやスタジオ・ミュージシャンの速水果月と親しくなる。ちょうど、一人暮らしのための引っ越しが控えていた類子のために、メンバー達が手伝いにやってきてくれたのだが、その時に、まだ誰も知らないはずの、新しくひいた電話にいたずら電話が!その後も、何度もかかってくるにいたずら電話が類子を悩ます。さらに類子が見に行った、果月のライブ会場で殺人事件が発生し…“パルス・ギャップ”の周囲で不穏な事件が相次ぐ!?

類子ちゃんの視点で語られていくので、本家の牧場シリーズに比べると、トリックの奇抜さなどは薄く、犯人や謎のイタデンの主の正体など簡単にたどりつけるのだが、その分、テンポの良いサスペンスミステリーとして単純に楽しめる内容となっている。特に類子ちゃんの目の前で起きた第二の事件はけっこうハラハラさせられました。

音楽業界を扱った内容だが、専門用語などもあまりなく、読みやすい。初出が16年前なので、類子が、掛けてきた相手が分かる電話が開発されないかな~とか、留守番電話は高いなどと嘆くところが、時代を感じさせます(笑)






個人的採点:65点