【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ -6ページ目

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は「笑って泣かせる」講演講師に。『現代ビジネス』コラムニスト


 

 

ついこの4月に、山梨県南アルプス市に開店した「コストコ南アルプス倉庫店」

現役のスーパー社長では書けない私も、今の立場(自由人)なら想いを書くことができる。

☝️コストコの出店基準は(例外はあるものの)、「店舗の半径10kmに人口が50万人」いることです。

山梨のコストコは、人口基準に満たなかったが、隣の長野県や静岡県からの来店客を見込んで、開店にこぎつけたという。

この計画が公表されてから(噂の段階ではもっと前)3年程度で開店の運びとなった。

コストコ規模になると最低でも3年くらいはかかるものである。

☝️山梨のコストコは、県内客が8割、残りの2割を長野と静岡からの県外客で占めている。そして「6対4」でコストコのない(ガソリンが日本一高い)長野県からのお客さんだ。



そこに来て「静岡県東名高速久能山スマートIC付近に新たなコストコが開店する」というニュースが飛び込んできた。

静岡には既に浜松にコストコがあるが、人口を考えれば、あと1店舗あっても十分に成り立つということだろう。新店舗ができれば、わざわざ山梨まで行く必要がなくなる。

となれば、静岡(清水や静岡エリア)からの来客を当てにしていた山梨のコストコは、単純に1割近い売り上げを落とす計算になる。同時に頼みのコストコの来店客が1割減るということだ。

☝️『コストコの最大のライバルは、コストコ自身である』

コストコは最終的にトータルで商売になればいいのだから、「こっちにも来て〜!」とラブコールがあれば、自分で物件を見つけなくても出店用地には困らない。(これが強味!)

静岡の新店舗の開店は2029年、人口も面積も大きな長野県だって、ずっと「コストコ空白県」のままではないだろう。

足元の人口基準を満たさない店舗の本当の“正念場“は、3〜4年後にやってくる。

山梨コストコに隣接した「テナント棟」、コストコのために新設した「交番」、コストコの隣に誘致の噂がある「アウトレットモール」、コストコ『全ベット』の自治体に(おそらく)危機感はない。

 



👤コストコに来店した「県外客効果」で、街の経済も潤うはずである!
その現状は、私が毎月報告している通りである。


今日もコストコ(だけは)大繁盛。
自治体の“コストコ依存”が、数年後にどう影響するか…… 静かに注視していきたい。

 

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ご報告です!

夕方のニュース番組、日本テレビ『News every.』にて、私が以前WEBメディア『スーパーマーケットファン』に寄稿した記事【魚がおいしいスーパーの見分け方】が紹介されました

【元記事】

 

 

☝️今は“調理の難しさ“や“臭い“などから、「さかな離れ」が進んでいます。そのため魚のおいしさを知ってもらうべく、スーパー各社も「鮮魚部」に力を入れています。

 



👤私の記事からは、

①お刺身の売り場が「赤い」のと「白い」のでは、どちらがお勧め?

【答え】 「赤い刺身(マグロ)」は冷凍保存が効くので、売り切るにも時間的余裕がある。一方、「白い刺身(タイやヒラメ)」は冷凍入荷ではないので劣化が早い。ゆえに、鮮度に自信があって売れる店は「白身の魚」の比率が高い。

②魚がお買い得の日はいつ?

【答え】 「29(ニク)の日」には精肉部がここぞとばかり肉を特売するが、メインディッシュの双璧である鮮魚部も黙ってないw。「お肉より魚」というお客さんも多いので、魚も必ず特売する!

加えて、日曜日と水曜日に「市場」が休みのため、その日には生モノを中心に値引きしてでも“売り尽くし″をする。逆に鮮度を求めるなら、新しい魚が入荷する月・木曜日がお勧め!



自分が書いた記事がこうして話題になることは、書き手として最高の喜びです。

私の記事を見つけてくれた日テレのディレクターさんと、公開を快くご了承いただいた『スーパーマーケットファン』の編集長(いずれも女性)に心より御礼申し上げますm(_ _)m

#ハンカチ王子

 

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昭和の時代、スーパーの商品には一つ一つ小さな「値段のシール」が貼ってあり、レジ担当のおばちゃんがそれを読み上げながら会計したものです。

今では全ての商品に『バーコード』がつくようになり、「値段ラベル」がなくても、素早く「ピッピッ!」と会計が進むことが当たり前になりました。セルフレジの普及も、このバーコードがあってこそのものです。

☝️実はこのバーコード、日本では1980年代から本格的に普及しました。私がスーパー業界に入ったばかりの頃は、まだ手仕事でシールを打つ速さを競ったものです。

しかしレジでの「入力ミス」は日常茶飯事。会計を終えたお客さんは、その場で買った商品とレシートを照らし合わせるのが常でした。



一般的なバーコードは「JANコード」と呼ばれ、13桁の数字が並んでいます。

実はこの数字それぞれ意味があり、先頭が「49」や「45」で始まれば「日本のメーカー商品」ということが分かります。

一方で「880」なら韓国、「690~699」なら中国製など、国ごとに割り振られていて、読み方を知れば原産国が全てわかります。

また、青果や惣菜、弁当のように、お店がパック詰めして売る商品には、「02」から始まる「インストアコード」と呼ばれるバーコードが貼られます。

ですからバーコードが「02」から始まる商品は、そのお店独自の「手作り商品」や「独自商品」であることが分かるので、お買い物の参考になります。

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☝️バーコードにも弱点があります。

パッケージが反っていたり、濡れていたり、ラベルが傾いて貼られていたりすると、読み取りエラーが発生し、あの「微妙な沈黙の時間」が発生したします。あなたもきっと経験があるはずです(笑)

近年では、バーコードを使わない「ICタグ」や、スマホ決済と連動する「QRコード」なども出てきました。「レジに商品を出さず、カゴごと精算できる!」そんな未来もそう遠くはないと思います。

「バーコード」のおかげで、それぞれのお客さんの嗜好や買い物のパターンが分析できるようになり、その「BIGデータ」を元に効果的な(クーポンやプレゼント等の)プロモーションにも活用されています。

これはアメリカ発祥の「バーコード」とは言え、日本の顧客分析のテクノロジーは世界に誇れるものです。


☝️ちなみに「対面レジ」でピッピッとなる音ですが、「20円引き」と「半額引き」で音の長さが違ったりするんですよ。

やけに長い「ピー」って音に気づいたことはありませんか?

その話はまた今度…(^_−)−☆

 

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カナダのコンビニ大手「クシュタール」が、「セブン&アイHD」に対して、1年間に渡り買収を“猛アタック″していた件。その“恋愛劇”にようやく決着がつきました。

クシュタールが求めていたのは、セブン&アイHDの中でも「セブンイレブン」一択なのは明らか。他の事業にはおそらく興味はなく、“執拗に“アプローチを続けていました。

ところが、煮え切らない対応を続けたセブン側に業を煮やしたクシュタールは、ついにプロポーズを撤回。

その直後、「セブンさんは話を引き延ばし、真剣に向き合ってくれなかった」とする書簡を公表しました。その“別れの手紙”には、交渉過程の内幕までつづられ、責任を相手側に押し付けるような内容も…(@_@)

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その影響で、セブン&アイHDの株価は約10%下落

「縁組成立」に期待していた投資家たちの落胆も大きく、皮肉なことにプロポーズを断った直後から、会社の価値が下がり、また“次の相手”に狙われる状況が生まれています。

ビジネスの世界では、株価の下落は買収の好機と捉えられます。セブン&アイHDもそれを承知の上で、米国子会社のIPO、自社株買い(最大2兆円)、増配など、“自力で“「企業価値向上」に舵を切りました。

しかし、業績面は依然として課題山積。国内外のコンビニ事業は横ばい、または苦戦続きで、他社との成長差も目立ちます。

市場の目は依然として厳しく、「本当に自力で立ち直れるのか?」と問われ続けています。

☝️加えて、セブンイレブンには最近、「上げ底容器」や「増量?キャンペーン」などをめぐる消費者の不信感を耳にします。ブランドイメージの回復は、気を衒(てら)うものではなく、地道な商品改善と誠実な対応にかかっています。

企業も恋愛と同じ。「断った後」の振る舞いにこそ、その人(企業)の真価が出ます。

セブン&アイHDは、“外圧”ではなく“自力”で未来を切り開くことを選択しました。その覚悟が、今まさに問われています。

 

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Yahoo!ニュースで見つけたこの記事。

「食品ロス」を減らすためのアイデアとして紹介されていたが、なんといっても『あるある』ネタとして目に留まった。

👥腹っ減らしの子供達を焼肉屋に連れて行く時には、事前にバナナを食べさせてから行け!

👤お腹が空いてファミレスに行くと、つい“もう一品″頼んじゃうんだよね。もういつも「腹パン」

👤どうして「試食販売」でちょっと食べると買いたくなっちゃうんだろう…


☝️このように『空腹』は人間の感覚を狂わせるようである。



アメリカのミネソタ大学の研究で、『空腹で買い物に行くと64%も出費が増える』という報告があるそうだ。

空腹時は胃の中で「グレリン」というホルモンが生産され、脳内に影響を及ぼし、『物を手に入れようとする行動』を活性化するそうだ。

☝️お腹が空いているときに買い物に行くと、何でもおいしそうに見えて、要らないものまで買ってしまう。これは誰でも経験がある。

夕飯前やランチの前、お腹が空いている時に買い物をすれば本来1,000円で済んだ買い物が、1,640円に跳ね上がる。ましてや“空き腹“同士が一緒にスーパーに行けば…(@_@)

『コストコ』などは、すでにこの購買心理をうまく利用して、あれだけの「試食」と「大容量パック」でお客さんの“財布の紐“を緩めているのかもしれない。

☝️「空腹」は買い物金額が増えるだけでなく、短気になってイライラすることも多い。かと言って「満腹」では動きも鈍くなって眠くなる。

なにごとも『腹八分目』がよろしいようでm(_ _)m

 

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もちろんあなたはスーパーで「万引き」をしたことはないし、疑いをかけられたこともないと思いますが、“万が一“疑われたらどう対処したらいいのか?

スーパー側も「セルフレジ」の普及や「値引きシール」の不正などをきっかけに増えてきた「万引き」の防止に努めている。それが死活問題でもあるからだ。

☝️スーパーが一番犯していけない罪、それは『誤認逮捕』である。

以前にも書いたが、ワザと捕まって“落とし前(示談金)″をせしめるプロの手口もある。

そのためスーパーは、外部の警備会社(私服警備員)に万引きを“丸投げ“するか、または自社で対応するかの2択に迫られる。

👤万引き犯を捕まえるにしても、後で言い逃れできないように、
①店を出てから声を掛ける

②複数の目視で確認する

③取り調べは複数で、そしてドアは閉め切らない

④必ず「身元引受人」に引き取らせる


などのルールがある。
スーパーにしてみれば「捕まえる」より、商品を元に戻させて「追い出す」ことが優先される。



さてそんな中にあって、あなたが「万引き」に疑われて呼び止められたなら…?

スーパー側(従業員or 警備員)は、よほど確たる証拠を押さえていると思った方が良い。

👤しかし今回の記事は「それでも私はやってない!」が前提なので、こんな時の対応策をアドバイスしたい。


まず従業員は、いきなりあなたを捕まえには来ない。

「お客様、会計のお済みでない商品はございませんか?」などとソフトに近づいてくる。

この時あなたは決して「私を疑ってるの?」とか「他のお客さんもいるのに心外だわ」などと声を荒げてはいけない。

👤『私は何も悪いことはしていません』
と堂々としていてください。


ここでスーパー側に確信がある場合は、さらに「それではレシートと商品を確認させていただけますか?」と別室へと連れて行こうとする。

ここでは2択、素直に別室へ行くor その場で確認をさせる、である。

別室へ行くのも嫌なので「ここで確認してください!」と主張しましょう。

従業員も拒否はできません。

 ………確認作業が終わります………


👤「お客様、このタッチパネルのお惣菜、数が間違ってます」

👤「お客様、このバラ売りの野菜、2個で100円なのに3個入ってました」

👤「お客様、崩れちゃいけないと思って手に持ったままのお寿司、スキャンしてませんよ!」

これら私の知り合いから聞いた「セルフレジ時代」の万引き事案である。


忘れてはいけないのは、全てのお客さんに「悪気」がないこと、盗む意識など全くないことである。

しかしスーパー側もこれまで様々な万引き犯を取り押さえてきたので、“念には念を入れて″優しめに対応しているのだ。

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☝️ほら、大きな声を出さなくて良かったでしょ?

今はとてもこのような「スキャン漏れ」が多いそうです。

変に疑われるのも嫌ですから、分からない時は近くのスタッフに聞くか、少し待ってでも「対面レジ」に並ぶことをお勧めします。

それでも、対応があまりに横柄だったり、根拠もないのに決めつけられたなら、遠慮なく責任者を呼びましょう。「これは少し不快でした」と冷静に伝えれば、店側も真摯に謝ってくれるはずです。

さあ、今日も気持ちよくお買い物に出掛けましょう!

 

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毎年10月に改定される「最低賃金」の審議会が各地で始まった。

去年の見直しでは、都市圏を除いたすべての都道府県が(サムネ写真にある通り)、次は「1,000円アタック」を見据える金額で留まった。

☝️おそらく今年の改訂で『全国で時給1,000円超え』が広く報道されるだろう。

現在の最低賃金は首都圏を含めた「全国平均」が1055円。政府は「2020年代に全国平均を1500円にする」との高い目標を掲げているため、物価高や賃上げの流れの中、今年も大きな引き上げを目指している。

この審議会の答申は、8月に労働局へ答申される。

 



私の住む山梨県でも、前回50円上がって988円になっている。

今年も50円上がれば、去年から働き始めた人は、1年で時給が100円もアップしたことになる。


私はかつて給料を払う側の経営者だったし、「最低賃金」とはいわゆるスーパーで働くパートさんの時給のイメージがあった。おそらく今もそのイメージは変わらないだろう。

(言いにくいことだが)大企業ならまだしも、価格転嫁が難しい中小企業にとって、毎年の最低賃金の大幅な上昇は、経営を圧迫するものだ。

👤「最低賃金も払えない会社は潰れたほうが社会のためだ」 

こんな意見をたまに聞くが、次に生まれたらぜひ私も言ってみたいと思う…。

☝️私の友人が、県の「最低賃金審議会」の委員を務めている。

彼の会社はまさにローカルの中小企業。時給は政府からの指示で上げることが“既成事実“だが、決めた自分がその時給を支払うのに苦労する、と笑えない現実がある。

そして「人手不足だから、時給を上げないと人も雇えない」と溢していた。

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この4月に山梨県にもできた「コストコ」は、全国の店舗で一律『時給1,500円〜』

今年の改訂で日本の会社の最低賃金が上がり、差が縮まれば、当然『1700〜1800円』に上昇させてくるに違いない。

👤学生時代にバイトしたスーパーは、時給550円だったけど、それで腹一杯食べることができましたw

時給が上がっても、物価や社会保険料の上昇に追いつかず、豊かになった実感にはつながらない。これが今の日本の現実です。

 

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考えてみれば、都会の駐車場のないコンビニでない限り、今のコンビニは大型車が停まれるほど駐車場が広い。

買ったお弁当を食べる営業車やタクシーが居ても、駐車場が“満タン“になる店舗は少ないだろう。

 



「都合よく」無断駐車されるくらいなら、お互いのために「有料」にして、気兼ねすることなく『車中泊』できる仕組みがあっても良いじゃないか?ホテルなど宿泊施設を取るほどではない機会も多いことだし。

キャンピングカーも16.5万台と増加中、そしてインバウンド需要による宿泊費の高騰がこの背景にあるという。車中泊の施設も現状では不足している状況だ。

☝️そんな訳でこのたびローソンが「RVパーク」の基準をクリアする「実証実験」を行うことを決めた。RVパークとは、キャンピングカーメーカー等でつくる業界団体「日本RV協会」が認定する車中泊の施設(全国に500ヵ所超)のこと。

夜8時から翌朝8時までの駐車利用で、1台2,500円で駐車場を事前の決済で受け付ける。

コンビニは「24時間営業」のため、飲食品は目の前で買える。もちろんトイレや洗面台も料金内で利用できる。利用者は不自由さを感じない。



👥問題になるのは利用客の“マナー“、そして他のお客さんへの配慮(あまりないとは思うが毛嫌いする人も中にはいるかも?)だろう。

・『観光バス』など大人数でも受け入れるのか?

・外国人客の車でもOK?

・トラブルの際の責任の所在は?


など、運用面での課題はあるだろうが、需要があればビジネスにするのは当然のこと。

ましてや「コンビニエント(便利さ)」を売りにしているコンビニ業界である。

ライバル店が目の前でやっていれば、「ウチは出来ません!」とも言いづらいものだ。

ともあれ、ルールに則った「規制緩和」は進めるべきだと思う。

運用しながらルールをアップデートすればいい。

☝️『今ある資産を有効活用して企業の利益を増やす』

“目から鱗“のニュースでした!

 

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前回は山梨にできた「コストコ南アルプス倉庫店」の開店3ヶ月の影響(GS・スーパー)について書きました。

実際に、ガソリンスタンドやスーパーは、売り上げを大幅に落としています。報道も直接は言わなくても「肩を落としている」「客足はまばら」「閑散としている」などの表現から、その影響の大きさは察しがつきます(^^;

☝️今回は、そのコストコのすぐ隣にできた「テナント棟」の現状について考察します。

「テナント」とは、自分以外の“集客力“のある店や施設に入店して、そこに来たお客様に(ついでに?)利用してもらう、というビジネスモデルです。

“寄らば大樹の陰“ “コバンザメ商法″ “人の集まる所に商機あり“ まあ、表現の良し悪しは別にして、有効な戦略であることは事実です。



☝️コストコが開店する10ヶ月前に、隣接地にテナント棟「fumotto (フモット→ふもと)」というネーミングの商業施設がオープンしました。そこには42店舗にも及ぶ「飲食店」やおしゃれな「雑貨店」などが軒を連ねています。

“あの“コストコの隣に、テナントとして出店できる!

地元企業を中心に、出店希望者が相次ぎました。私も「コストコの集客があれば、自然にお客さんは流れるから儲かるかも?」とイメージしていました。

👥しかし、コストコ開店前はともかく、期待した開店後も、このテナント棟は閑散としているとの報道です。

・そもそもコストコと客層が違う

・コストコでたくさん買ったらあとは帰るだけ

・こんなに暑いのに日陰もない。子供たちも不安

・コストコの店内ならともかく、わざわざ車を移動してまでテナント棟に行かない

・テナント棟の個店に魅力がない

・ここでなくても“路面店“に寄る方が楽


このような理由で、当て込んだコストコのお客さんが立ち寄らないのだと嘆きます。

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行政側もコストコ誘致に際しては、「地域共生」や「商業振興」を掲げているので、このテナント棟の不振は悩みの種だと思う。なぜなら多額の“血税″がそこに注ぎ込まれているからです。

 



ナイトマーケットやウォーターパーク(有料)の設置、魚の掴み取りなど、イベントを盛んに企画しているものの、未だ“笛吹けど踊らず“

👤「5年の契約を2年に短縮して、早く退店したい」

👤「デベロッパーは“暑さ対策“はテナント側でしろって」無責任な対応!


こんな雑音も聞こえてきます。


デベロッパーとテナントの関係も、「商売がうまくいくこと」を前提にしているため、一度崩れると一気に悪化していくもの。それが「テナントビジネス」というものです。

☝️コストコは今日も大繁盛です…。

 

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今年4月11日に山梨県に開店した「コストコ南アルプス倉庫店」 

この日本で「37番目」の店舗は

を大幅に下回る条件だったが、隣接する静岡や長野からの来客を見込んで、出店を決めたとのこと。

地元山梨のローカルニュースで「開店3ヶ月の地域への影響」を報じました。

①コストコは3ヶ月経った現在でも、客足は衰えておらず、お客さんが買い慣れてきたこともあり、ゆったり買い物ができる状態である。加えて開店1カ月時点より、県外からの来店が増えている。

②「地域最安値」のガソリンスタンドの影響で、近隣のGSは売り上げが『3割減』 もう少し後から影響が出ると思っていたが、既に客足が減っている。(ビジネス上3割減は、肌感覚では“半減″by 私)



※ちなみにコストコ開店と同時に、近隣3つのGSがすでに閉店済み。

③(私が一番興味がある)近隣の複数のスーパーマーケットへの影響は、「まとめ買いする客が減り、売り上げは2割減」と“肩を落としている“

 



👤本当のことを言えないスーパーの店長に代わって、私が“翻訳″すれば…

「みんなコストコでまとめ買いしちゃうから、客数はそれほど減らないけど、客単価が2割減っている。その分安売りして対抗してるから、利益も減って早くも“赤字転落″だよ(><)」
→こんな感じでしょう。

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地元の商工会は「アンケートを取って対応を検討する」と言っているが“時既に遅し“感は否めない。まあ商工会の職員さんには罪はない。

コストコを誘致した行政には、地元に対するフォローが必要だと思うが…。

私も過去、何度も大型店との戦いを経験してきたが(結局破れて終了…)、既存店は地域の歴史も長いし、お客さんの顔も見えているので「少しは売り上げが減っても、頑張ればなんとかやっていける」と思うものです。

しかし冷静に考えた場合、地域に落ちるお金は決まっていて、それを新たなライバルと“奪い合う″には、相当なアドバンテージがなければ勝てません。

早い話、お客さんはどこへ行って何を買っても自由なので、店がいくらヤキモチを焼いても、(手のひらを返すつもりはなくても)自店から消えていきます。そしてその時にあがいても“手遅れ“なのです。

☝️通常、競合店が出て「3ヶ月」が一つの判断基準。

これから夏休みを迎え、秋の行楽シーズンを経て年末商戦へ…。

すぐに「コストコ開店1周年」記念セールが始まります。

3ヶ月でこのような(私の想定を超える)影響が出ている「コストコ城下町」、

次の“関所“は10月の『開店半年後』だろうか?

 

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