
2026年もあっという間に半分が過ぎてしまいました。振り返ると、単なる「値上げ」ばかりではなく、業界の勢力図が変わる「嵐の前の静けさ」ともいえる出来事が相次ぎました。 今回は、元スーパー経営者の視点から、私の独断と偏見で選んだ話題を5つ挙げてみます。
【第5位】 今度はコメ余り、消費者のコメ離れは大きな打撃
5㎏5,000円などという極端な高値はなくなったものの、以前のように2,000円前後でお米を買うことはできなくなりました。諸般の事情はあるものの、問屋の倉庫には、高値で仕入れてしまった去年のコメが山積みです。 「これ以上安く売ったら赤字になるから、安くは売れない(泣)」、はたまた「政府で補填してほしい」などという声も聞こえてきます。 しかし、生活防衛のために、高いコメから麺やパスタに切り替えた家庭も多いのが現実です。当然の選択でしょう。そして、在庫を抱えた「米問屋」に同情する消費者は決して多くはありません……。
【第4位】 ナフサ不足で包装資材が値上がり
こちらもサプライチェーンの「目詰まり」案件です。ポテトチップスの袋を白黒デザインにしたメーカーもありました。 現在、ナフサ自体は十分確保され、価格相場も元に戻りつつあります。にもかかわらず、メーカー各社による「ナフサ由来の値上げ」はこれからも相次ぎそうです。なんともおかしな話だと思いませんか。 食品トレーやラップ、袋などの包装資材の価格が上昇し、自治体によってはゴミ袋までもが不足してゴミが捨てられないという事態まで起きています。商品そのものの価格だけでなく、「包むコスト」「捨てるコスト」まで上がっていく中で、小売業はさらなる「企業努力」を迫られています。
【第3位】 ドン・キホーテ、新業態「ロビン・フッド」を投入
「驚安」のドン・キホーテが、新たな業態「ロビン・フッド」をスタートさせたことも印象深いニュースです。 既存業態の延長ではなく、まったく新しい買い物体験を模索する姿勢は、まさに成長企業ならでは。人口減少で国内市場が縮小する中、既存の店舗網だけでは未来を描けないという強い危機感の表れでもあります。 ユニー傘下の「ピアゴ」や、先日M&Aした「オリンピック」の店舗が、これからこの看板に変わっていくことでしょう。
【第2位】 クスリのアオキがイオンに真正面から挑む
ドラッグストア業界では、クスリのアオキが食品スーパーの買収を積極化し、「食品」を最大の武器に商圏を広げています。 一方、イオンも食品を軸とした総合力でこれを迎え撃つ構えです。これまでドラッグストアと食品スーパーは、競合しながらも一定の住み分けがありましたが、その境界線は完全に消え去りました。 大株主であるイオンの意向をはねのけ、役員から追い出してでも自分の道を突き進むと決めたアオキ。イオンがこのまま黙っているはずはありません……。
【第1位】 「まいばすけっと包囲網」で小型店戦争が本格開戦
今年上半期最大のニュースは、都市型小型店市場が新たな大競争時代に突入したことです。 これまで「まいばすけっと」が圧倒的な存在感を示してきたこの市場に対し、ローソンは「Lミニマート」、トライアルは「TRIAL GO」を相次いで投入し、本格的な包囲網を築き始めました。
いずれも「近い・安い・必要なものがすぐ買える」という日常のタイパ・コスパ需要を狙った業態です。スーパーマーケットは今、確実に「だんだん小さく」なっています。
今年上半期を振り返ると、共通するキーワードは「業態のガラガラポン」です。
ドラッグストアは食品スーパーへ、小型店はコンビニとスーパーの境界を越え、ディスカウント企業は新業態へ挑戦する。業界の垣根はこれまで以上に低くなり、もはや「どの業態か」ではなく「どんな価値を提供するか」が問われる時代になりました。
さて、2026年の後半戦も、あっと驚くニュースが飛び込んでくることでしょう。 お楽しみはこれからです!
#あくまで私の意見です
