
夏休みになると各地で「花火大会」が催される。スポンサーが付いたり、テレビ中継される有名な大会とは別に、田舎では「市町村」主催の花火大会が多い。
最近は『有料観覧席』も売り出され、会場整備や警備費用の足しにすることが普通になってきた。それはとても賢明なことだと思う。

☝️田舎の花火大会は『寄付金』がすべて!
市町村主催の花火大会と言っても、実際に運営するのは地元の『商工会』である。
予算が厳しい自治体は、花火大会ばかりに多額の予算を振り分けるわけにもいかない。
そこで通例、実行予算の「半分」は、地元商工会が寄付金を集めて充当することになる。
理由は、「花火大会でたくさんの人が街に訪れ、地元商店街にも大きなメリットがある!」というもの。
しかし現実には、売り上げが増えたとか、新規顧客が増えた、店のイメージがアップした!などの効果は“皆無″なのである。
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☝️ではなぜやるのか?
【答え】前からやっているから、そして辞めると市民から文句が出るから。
花火大会にたくさんの人が訪れ、楽しそうにしているあの姿が見たい…。
その思いで、さしたるメリットがない花火大会を続けているのである。
「商店街のための花火大会じゃない!」
とは言っても、その財源を支出しているのもまた「商店街」なのである。
👤私は現役時代、商工会の副会長兼商業部長だったので、花火大会の度に商工会の職員さんと一緒に、市内の商店や工場を回って、花火大会の「寄付」をお願いするのが仕事だった。
行く先々で「まだ花火大会やるの?もう辞めりゃいいのに」とブツブツ言われながら2〜3千円の寄付金を集めて歩くのだ。まあほとんどの人は「大変だねえ、ご苦労さんね!」とねぎらってくれるが、楽しい仕事じゃない。
『芳名帳』の最初には、私の名前と(多額の)寄附金額が書いてある。
それを見て「あんたは儲かってるからいいけどさ〜」などと言われながら頭を下げて領収書を渡してくる。→一番辞めたいのは私なのに(笑)
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すったもんだの「花火大会」は、どうあれ大成功となる。
👥「隣町の花火大会の方が良かったね!こっちの花火はショボかった」
などと言われながら、落ちるお金はほぼ「露店商」の元に流れる。
商店街に花火大会の客は流れることもなく、無断駐車に使われる程度。
おまけに翌朝、(河川敷きなどの)会場の掃除は、地元の出店者と、商工会の役員が手弁当でやるのが決まりだ。なんと大変なイベントか(><)
今年もこれから日本中で「花火大会」が開催される。
その陰で、そんな苦労をしている人たちがいることをちょっとだけ思い出して欲しい。
【小林久ホームページ】
https://www.kobayashihisashi.com