【コストダウンの“功罪“】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は「笑って泣かせる」講演講師に。『現代ビジネス』コラムニスト



最低賃金が全国で時給1,000円を超え、企業にとって「人件費」は避けて通れない大きなコストです。

利益が大きく増えれば別ですが、もしそれを削るなら、従業員の“頭数”を減らすか“労働時間”を減らすしかありません。

スーパーでも「人手不足」と言いながら「早く帰れ」と言われたり、導入した「セルフレジ」が返ってコスト増になったりと、解決策はなかなか見えてきません。

☝️そこで考えてみました。
「商品価格を下げるために、スーパーが徹底的(究極)にコストを削ったらどうなるか?」
(飛行機のLCCのイメージで)

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☝️まずは「3大コスト」をゼロにしましょう。

① 人件費ゼロ
セルフレジ・セルフ決済に完全移行。商品は外部業者が製造・納品、店は並べるだけ。
→実際に「無人コンビニ」や「トライアルGO」など、部分的に実現しています。

② 光熱費ゼロ
太陽光発電+蓄電池で照明。冷暖房はナシ。作業場やトイレも省略。
→冬はガマン、夏は冷ケースの“冷気”に頼る。

③ 地代家賃ゼロ
土地・建物を自社所有すれば家賃ゼロ。その一部を人に貸して家賃収入を得る。

もしこの3つが全部なくなれば、商品は確かに今より3割は安く売れるかもしれません。

☝️さらに削れるものは?

店内放送、チラシ広告、アプリやポイントカード、クーポン、商店会費や寄付金、防犯カメラや店内警備、氷やビニール袋のサービス、制服、そして高い「本社経費」…。意外にまだあります(笑)。

こうして「不要」と見えるものを徹底的に削れば、ディスカウントストア以下の価格で商売が成り立つ可能性はあります。

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でも、そんな店に本当にお客は来るのでしょうか?

安さは魅力でも、最低限の“サービス“がなければ客足は遠のきます。商品価格は「サービスの対価」。つまりサービスを削ることは、顧客体験そのものを削ることです。

👤現実に“勢い“があるのは、徹底した効率化で安さを実現する「ディスカウントストア」や「EC(通販)業界」です。

ただ、その裏で現場の従業員が疲弊している様子も多く伝わってきます。

【削っていいコスト、削ってはいけないコスト】

数字上は正しく見える“合理化”でも、人を犠牲にした削減は必ず副作用をもたらします。大企業の不祥事の多くが「人に関わるコストの削りすぎ」から生じているのも事実です。

【人の犠牲の上に成り立つ繁栄は、長く続かない】

ちょっと格好つけて言ってみましたm(_ _)m

 

【小林久ホームページ】

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