ステイホームな今年のGW、家に籠っていても録り溜めたテレビ番組、ロックバンドのライブDVD、まだ観てない映画のDVD等々ゆったり過ごせるツールは山ほどあるし、そんな中でも西部劇TVドラマ「ローハイド」のDVD-BOXはシーズン3と8の計10枚全42話分のうちほとんどが未見なのでこの連休にはうってつけのアイテムだ。と、言い聞かせよう・・・。

ローハイドはアメリカのテレビ局CBSが制作した1959年1月から1965年12月の6年間で全8シーズン217話が放送されたアメリカテレビ史上でもまれに見る長寿の人気西部劇ドラマで、クリント・イーストウッドが世に出るきっかけとなったドラマとしても有名。
日本では1959年11月から1965年10月の6年間で最終のシーズン8を除く7シーズン分が放送され、こちらも当時の日本の西部劇ブームを押し上げたらしい。

放送終了時、僕はまだ1歳になったばかりだったのに「♪Rollin’ Rollin’ Rollin’...Rowhide♪」のテーマ曲だけはしっかり覚えているので、多分再放送なんかを見てたのだと思うけど、ドラマの方の記憶は全くない。でも、このテーマ曲、僕と同年代の男性ならほとんどの方が口ずさめるんじゃないかなぁ。(自分はずっとローレン、ローレン、ローレンだと思ってた・・・)
このテーマ曲の作詞ネッド・ワシントン、作曲ディミトリ・ティムオキンは西部劇映画の名作として名高い「真昼の決闘」、「OK牧場の決斗」でも作品を残している名コンビだということDVD-BOX付属のブックレットで知った。

物語は、南北戦争直後、西部開拓時代初期のキャトルドライブ(大量の牛を移送する旅)を続ける硬派なカウボーイ一行に起こる事件や出来事を描いたもの。
1度のキャトルドライブは半年から1年も続く過酷なもので映画の題材としても多く扱われており、移送路はキャトル・トレイルと呼ばれ、その道中は大量(ドラマでは3,000頭くらい)の牛を歩かすにはあまりも過酷な悪路があったり、悪天候が待ち構えていたり、ならず者なんかに襲われたりとドラマのストーリーには事欠かないシチュエーションが揃っている。

ここで描かれる男たちはフェイバー隊長(エリック・フレミング)率いる一行であるが、隊長の補佐役にロディ・イェーツ(クリント・イーストウッド!!)、移送路選択のための偵察員ピート・ノーラン(シェブ・ウーリー)、コックのウィッシュボーン(ポール・ブラインガー)、主に牛の群れの誘導役を担うジム・ケンツ(スティーブ・レーンズ)とジョー・スカーレット(ロッキー・シャーハン)等なかなか味のある役者で固められている。僕は特にウィッシュボーンの頑固で口うるさい、でもちょっととぼけた役柄が大好きだ。

シーズン8では主役(隊長)が代わり、クリント・イーストウット演じるロディ・イエーツが新たに一行を率いるトレイル・ボス(隊長)となる。このロディ隊には、ウィッシュ・ボーンとジム・ケンツの2人だけが唯一フェイバー隊から引き続き参加していることから、全シーズンレギュラー出演となるのはこの僅か3名ということになる。
シーズン3ではかなり細身で血気盛んな若者として描かれるロディだが、シーズン8ではこのシリーズ前に撮影された荒野の用心棒で主役を演じた自信からなのか、隊長役とはいえかなり骨太な男に変身していることに驚かされる。ただ、僕は途中のシーズン4~7までを観ていないのでただの憶測にすぎないのではあるが。

このDVD-BOX、日本語吹き替えはフェイバー隊長のエリック・フレミングを小林修、ロディのクリント・イーストウッドを山田康雄(!!)、ウィッシュボーンのポール・ブラインガーを永井一郎と当時のそうそうたるメンバーのものがそのまま使用されているのも昔ながらのファンにはたまらないところなのではないだろうか。テレビ放映の記憶がない自分にとっては吹替なしの方が目にも耳にもすんなり入ってくるのだが・・・。
シーズン8は当時日本では放映されなかったようだが、DVD-BOXでの吹替はお蔵入りになった当時のものが使われているということだから、日本でも放映する前提で準備は進められていたということなのだろうが、この辺の詳細がせっかくのブックレットに書かれていないのは残念なところである。

シリーズを通じての(と言っても3と8の一部しか観てないのだが)このドラマの魅力というか僕が心惹かれるところは、二人の隊長(トレイル・ボス)がいろいろ苦悩しながらの「決断する姿」に尽きる。

今も昔も、働くスタイルは違っていても、またどんな仕事であろうと、組織のトップは常に「決断」することが唯一の役割と言っていいほどに常に決断すること(そしてその責任を負うこと)を求められるのだということをこのドラマを通じて痛感させられる。

子供の頃はドンパチやってる姿だけでもカッコよく映ったんだろうけど、さすがに50も半ばを過ぎて職場でもそれなりの立場になってくると、ドラマを見るにしてもそんな状況に重ね合わせた視点での見方に変わってしまうものなのか…。

ここで描かれるフェイバー隊長、ロディ隊長の苦悩しながらも自分の事より牛や仲間たちの事を第一に考えた決断と責任の取り方は、自分もこうありたいと(どこぞのトップに見せてあげたいものだとも)思わずにいられない今日この頃であるが、こんな見方をしている人って他にもいるんだろうか…。

自分がこのローハイドを観るきっかけとなったのは言わずもがなクリント・イーストウッドに尽きるのは想像がつくだろう。

荒野の用心棒、夕陽のガンマン(「続」も)でのクリント・イーストウッドに痺れて西部劇を好んで見るようになり、その後、荒野のストレンジャー、真昼の死闘、アウトロー、ペイルライダー、許されざる者等の西部劇はもちろん、ダーティーハリー、パーフェクトワールド、グラントリノ、ジャージーボーイズ等々西部劇以外の主演作や監督作も彼の作品は手あたり次第観てきたわけだが、そんな彼の出世のきっかけとなったのがこのTVドラマ「ローハイド」だと知り、これはなんとしても観なければとの思いに駆られたものの時すでに遅しで、発売されていたのはシーズン毎のDVD-BOXのみ、しかもすでに中古市場のみでの流通。で、なかなか手に入れることができない状況が続いていたのだが、オークションサイトを覗き続けなんとかこの2シーズン分を安価で落札できたのだが、あまりにも勿体なくて観惜しみしてきたところに今回のGW、ここは勿体ぶらずに観られるだけ観ようかと思った次第。

荒野の用心棒、夕陽のガンマン等どちらかというマカロニウエスタンと呼ばれたものをきっかけに西部劇を観るようになったもののそちらの流れには行かず、ジョン・ウェイン、スチュアート・ウッド、ランドルフ・スコット等のどちらかというと正統派(?)西部劇と言われる方を嗜好する方に流れた自分にとってこのローハイドはうってつけの作品となっているので、同じような趣味をお持ちの方は是非。


僕の知る限りシーズン3と8の他ではシーズン1と2がDVD化されているのだがかなり高値で出品されているようだし、4~7はDVD化されているのかどうかもよくわかってはいない。いつかそれらも観てみたいのだが、その前に手持ちの全42話と以前落札してまだ手を付けていない西部劇パーフェクトコレクションの2セット分を観る方が先か…。


さて、いつか紹介したいと何度かここで記しているREAL HARD PUNK BANDのTHE TRAVIS。

この連休に手をかけたものの思い入れが強すぎるのかなかなかうまく書くことができずに途中で断念。せっかくなのでもう少しこのブログの読者が増えてからでも遅くはないか・・・。

ということで、今回は写真だけでもアップ。

いつか紹介できるまで震えて待て(いや、待っててください)。