マネジメントの堕落
マネジメントを遂行していく上で大事なことは
マネジメントの基盤づくりである。
基盤とは、組織の文化や規律、規範である。
見近にいえば職場の雰囲気である。
それはコミュニケーションや態度(時間を守ることなど)
姿勢(雰囲気を壊さないこと、身勝手なことをしないことなど)
であり、なによりもフェアであることである。
フェアとは、上司と部下という上下関係で物事をみるのでは
なく、役割としてみることであり、情報をオープンにして
共有化し、役割の立場から自由に意見が言えることで
ある。
また、業績評価は、是々非々で、これもフェアな評価を
する。個人的、政治的、権力的な評価を避ける。
このようなことはマネジメントの基盤であるので、最低
必要条件といえる。これらがないと、全員参加の経営
や事実に基づいた意思決定(品質マネジメントシステム
の8原則に書かれている)のようなことが実現できない。
繰り返して書くが、まず基盤整備をしっかりやること。
そうでないとモチベーションが大事といっても
それは空論である。
これらができていないマネジメントを「マネジメントの
堕落」と称す。
結構、この堕落が人間関係を悪くし、優秀な人間を
組織に引き止められない といったことの引き金になる。
しかし、組織はあまりにも「基盤づくり」に無頓着すぎやしないだろうか。
基盤のないところに顧客満足や継続的改善は無理である。
全てはマネジメントの問題である
全てはマネジメントの問題である。
この問題意識をもってから、審査員という仕事に
も意義を感じている。
不祥事や事件などはよく管理不行き届きなどと
いってマネジメントの責任にしているが、
そんなマネジメントは論外の話で、
全てはマネジメントの問題であるというのは
一見、なんとか業績があがっているような
企業であってもそこに様々な問題が
あって、それらがマネジメントの問題
であるという意味である。
製品が売れない、不良がでる、
社員から仕事の不満がでる
何気ない毎日のように起きている
問題は全てマネジメントの問題であると
いうことである
それは必ずしも社長の責任であると
いっているのではない
課長であっても班長であっても
マネジメントの責任は問われているのである
本当の問題は、問題を気づかないこと
なのである。
99.9999%の人は自分のことは
わからないのである。
だから審査員という外部からの観察が
組織に問題を気づかせられる。
身近に起きている問題。
それはすべからくマネジメントの
問題である。そのような見方が
本当の意味で改善につながる
職人としての審査員
審査員 これは職人と考えている。
技を鍛え、顧客を思い、存在意義を自分自身に
問い続ける。
そんな想いで審査員という仕事をやっている。
今年の審査は終わった。また来年から
同じように審査が始まる。
審査員を続けていくモチベーションは何なのか。
それは職人としての自覚とあくなき向上心である。
好きでない仕事は続かない。
適性のない仕事は苦しくてやはり続かない。
でも、好きでも、適性があっても、モチベーションの
維持と自己鍛錬がないと長くは続かない。
今流にいえば、セルフマネジメントがないと
いい仕事をし続けることはできないという
ことだが、そこには職人の仕事に対する
執念のようなものがある。
セルフマネジメントをいかにやるかは
技術以前の問題に、仕事に対する
執念があるかないかが分かれ道の
ように思う。
審査員とは結構、過酷な仕事なのである。
体力的にも。
そんなに長く、歳をとっても続けられる仕事ではない。
そしてパフォーマンスを問われる厳しい仕事である。
でも、自己の手入れをキチンとやって
その気さえあれば続けられる仕事である。
こんな職人気質を自分自身に感じながら
今年一年、続けられたという感慨が
あった。
そもそも、改善をやる気があるのか
そもそも、改善をやる気があるのか
疑いたくなることがある。
・問題がわかっているのに放置されて
いる。
・何とかやっているのですが
という言い訳のオンパレード
・それはわかっているのですが、
壁にあたってしまって、改善が
進まないのです(壁とは
技術的、時間 人手 の壁)
改善とは変わることである。
変化することを恐れていては
進まない。
日ごろ改善しなくてはと思って
いてもいざ、取り組むとなると
ルーチンワークもあるし
なかなか手がつけられない。
これは潜在意識で変化を恐れているからで
ある。だから、自分を納得させて改善に
着手しないのである。
決意がなければ本気で取り組めない。
意識しないと取り組めない。
意識しないと潜在意識に負けてしまう。
品質目標もなんとか帳尻があえばよい
ぐらいにしか考えていない。
改善をしたくないということではなく
決意がないのである。
人事評価にマイナスにならないように
したい これが本音ではないか。
継続的改善とは
ダラダラとした改善ではない。
本気なのかどうか 見つめ直して
自己分析されてはいかがだろうか
審査員のサラリーマン化
審査員は、5日間の研修を受けて審査員補の資格がとれる。
大多数はこの審査員補の資格をもって企業で働いている。
その中からごく一部の人が審査機関に転職する。
昔は審査員は個性があった。しかし、それは悪い面もあって、審査員
は「マネジメントをアセスメントする人」でなければならないのに
「マネジメントを指導する人」になって不評を買う人も多かった。
しかし、バックグラウンドをもった人であり、単に審査員としての
訓練が不足していただけで、有能な人が多かった。
今は、審査員は転職先の一つとして、普通のサラリーマンが
審査員の訓練を受けて審査員になっている。目だったバック
グラウンドはない。審査員としての職業の夢があるわけではないし、
それで給料をもらう術としてしる人たちである。
しかし、昔の審査員と違って、コミュニケーションの訓練も
受けているので企業のウケはよいかもしれない。
優秀な審査員とはもうお分かりのように本源的に能力をもち、
審査員スキルとコミュニケーションスキルの訓練を受けた
審査員である。
しかし、このような人はもう本当に少なくなったのではないか。
企業は審査にあたっては適当に時間が過ぎるのをただ
頭を低くしてガマンし、審査員の機嫌を損ねないように(くだらない
指摘を出さないように)審査員をマネジメントするだけではないか。
企業にためになる審査など元々期待していないのである。
企業はもっと審査機関に、審査員に要求を出しても
よいのではないかと思うがいかがなものか。
企業の要求レベルがあがらないと今のサラリーマン化した
審査員達のレベルは上がらない。
審査機関ってそんなものである。のんきな商売でなのである。
事務局 頑張れ
縁の下の力持ち 黒幕
事務局はホント ご苦労様である。
苦労というより気苦労の方が多いかも
部門長に当事者意識がないがために
何でも事務局に頼みごとしてくる。
仕事のキャッチボールで、遅々として
進まない。
それでも管理責任者がしっかりリーダーシップ
をとればよいのだけれど それがまた問題である。
審査員は管理責任者にどのような審査を希望されるか、
指摘は報告書に書きますか など希望を尋ねる。
それで ISO9001をどのように活用して
いきたいのかという見通しもできる
指摘を出して欲しいといのは部門の責任を
明確にしていきたいという事務局の意思だろうし、
あまり指摘はださないで欲しいといのは
事務局と部門の関係が微妙な関係に
なっているのではないだろうか
部門外交や人間関係に神経を使って
本来の事務局仕事ができないようでは
改善は進まない。
もし、組織の権限責任と政治力学が混同しているようでは
まず その風土から変えていかなくてはならない
それは社長の仕事である
事務局は事実を収集して論理的に
社長に仕事の矛盾 不合理を問題提言すべきである
審査員は事務局のお手伝いに一役買っている。
事務局は審査員を上手く使って下さい。
ナゼナゼを繰り返すと是正処置できない(2)
作業標準書が曖昧だったので
それを是正するというストーリーである。
しかし、これには幾つかの原因の見落としがある。
まず、指導者の教育訓練のやり方である。
指導者の力量や教え方、教育訓練の有効性
の評価に問題はなかったのだろうか?
また、作業標準書が何故、曖昧な表記になって
いたかの原因が不明である。
5回もナゼを繰り返すのであればそれくらいは
追跡して欲しい。
これらの原因追求の見落としがあるのは
ナゼナゼを繰り返すことで、原因の一点追究
に陥って、関連原因を捨ててしまうからである。
一つの問題に3つの要因が考えられ
5回ナゼをくり返すと 5階層のナゼ
の"ツリー”ができるので
3の5乗とおりの原因がリストアップ
される。つまり243通りの原因がありうるが
その中から1つだけ選んでいるのである。
そして、次に予想される問題は次のとおりである。
作業標準書は明確になっていたが、
指導者の指導方法に問題があって
作業ミスが起きてしまった。
作業者は作業の重要性まで認識が十分
されておらず、ミスが起きた。
作業標準書の表記で十分で判断していた。
作業標準書に表記する要件や基準が
明確でなかった。
これらの不具合がおきるのは時間の問題である。
ナゼナゼは有効な方法であることもあるが、
それが完全でないことを理解した上で、活用
して欲しい。
ナゼナゼを繰り返すと是正処置できない
是正処置はナゼナゼを繰り返せといわれる。
本当にそうだろうか。
新人が作業ミスをした
ナゼ:作業の意味がよく理解されていなかった
ナゼ:指導者が意味を十分に教えなかった
ナゼ:作業標準書が曖昧に書かれていた
ナゼ:不理解になることが想定されていなかった。
(理解されることが当たり前と考えられていた)
ナゼ:ポイントを明示していればよいと考えられていた
対策:作業標準書の記載内容を
明確にするよう改定する。
これによって新人でも理解できるようにする
さて、このナゼナゼのストーリーは適切だろうか?
答えは次回。
プロセスの運用のタイプ
プロセスアプローチをして審査をすると
プロセスの運用のタイプが幾つかあることがわかる。
1)おみこし型
これはプロセスオーナーが不明確だが関連部門が連携して
プロセスを運用しているタイプ。皆でやろうという おみこし型。
2)やるっきゃ ない型
とにかく やろうというタイプ。有効性と効率の指標が足りず、
やっていることの評価ができていない
3)部門型
プロセスの大きさが大きすぎるか、
小さすぎるか。 プロセスオーナーの決め方と関連が強く、
プロセスというより部門単位になっていることが多い。
4)インプット<アウトプット
いわゆる インプット アウトプットのえているがバランスが悪い型。
インプットが少ないのに多くのアウトプットがでるプロセス
が見られる。プロセスへのインプットが暗黙で行われている!?
5)不連続型
プロセスとしてはよく定義されているが前後の一貫性に欠けるタイプ。
製造の不良品の指標は不良個数不良金額で管理し、
クレームは件数で管理している。同じ不良なのにリンクしていない。
審査員の審査戦略(5)
「やっていることは 規格の要求に沿っているし問題ない。
ただ、やっている活動が体系的にまとめられていない。」
よく審査の場面で聞く会話である。
問題ないといっているのは、クレームや不適合が起きていない
ことを指している。
例えば こんなことである。
審査員「変更管理の手順はどのように定めていますか?」
部門「自部門では変更管理として次のような手順書を定めています。
これらは確実に実行されており、問題は起きていません。
検査者が変更になった時はR&Rで評価して力量に問題ないことを確認する。
作業手順書が変更になったときは作業者に教育訓練を行い、その記録を残す。
材料を変更する時は品質保証部に変更申請書を提出し、事前に承諾を得る。」
審査員「変更管理を適用する範囲はどのように決めていますか?」
部門「それはありません。先ほどの手順書が全てです」
読者は審査員が何を問題として質問しているか
おわかりだろうか?
この部門では変更管理という「計画」がなく、実行手順書が整備
されている。手順書の内容はOKである。しかし、計画を明確に
することが必要であると審査員は言いたいのである。
ここで部門の捉え方は二つに分かれる。
「問題がないのに 何故 「計画」が必要なのか。今で十分である。」
「計画を明確にしなければ予期せぬことが起きたときにモレる可能性がある。
今まで そのような視点で考えたことはなかった。やってみよう」
当然、後者がシステム的な見方をしている。
日本の企業はまず前者のスタイルからシステムが作られてきた。
ISOの考え方から ようやく システムを「計画」から見る重要性が
認識され始めた。
「計画」を考えることは 予防の重要性を知っているのである。
審査線戦略は、常に「計画」がどうなっているかから切り込んでいく。
そうすると企業の考え方があぶりだされる。