ISO9001を極めよう!~審査員の本音 -6ページ目

是正処置の考え方

組織は問題がわかっていても是正処置ができないう。

ことがある。是正処置は訓練しなくてはできないので

ある。

ナゼ ナゼを5回繰り返すとか、

特性要因図をつくるとか

FMEAをやるとか

このようなことが全て必要でないケースもあるが

教育訓練が必要であることがわかる。

是正処置が浅いと再発してします。

では、どこまで是正処置をやればよいかというと

この基準も決めにくい。

ポカミスをしました。対策は作業指導しました。

これで是正処置は完了だろうか?

再発はしないのか。その確率はどの程度か?

是正処置の経済性はどうか。

色々な要素を考えなければならない。

是正処置を完了させる目安を書いておこう。

・仕組みの改善があること(例:手順書の制定)

・精神論でおわっていないこと(例:注意喚起)

・真因と対策がロジカルに繋がっていること

(結構これができていない事が多い)

・なぜなぜが繰り返されていること

ーーが曖昧だった。

ーーを認識していなかった。

ーーミスをした。

このようなのは原因分析として認められない。

・できれば、ポカヨケ対策があること

・水平展開があること

(水平展開を行う対象範囲を明確にすること)


是正処置は結局は組織のリスクマネジメント

なので組織が判断するものの上記のことは

最低限の基準である。


QC教育を行って、是正処置の教育訓練を

することを、結構 やっていない組織が多い。

是正処置ができないと予防処置はさらに

期待できないものである。


ものごとを仕組みで見る。これが

ISOの考え方なので、常に仕組みの

よしあしに立ち戻ってものを見ることを

習慣づける これが是正処置の上手

下手の分かれ道である

















QMSのサマリー(3)

QMSのサマリーは次の構成とする。


1)主要なパフォーマンスの傾向

CSFから導かれるKPI、品質目標のKPI、主要プロセスのKPIの傾向を述べる。

2)審査で観察された特徴として

強いプロセスと弱いプロセスを述べる。ここではパフォーマンスとの関係、

手順の確立、改善レベルを述べる。

3)QMSの全体的な観察

ここで考慮しなかればならないのは、CFSと

は組織の成熟度である。一段上のレベルに向けて

提言する。

4)今後の課題

QMSの主要課題および次回審査の引継ぎ事項


組み立て下請け業者の例を見てみよう。

1)主要なパフォーマンスの傾向

クレームは年間で2件あり、工程不良は低いレベルで推移していた。納期遅延はなく、全体として顧客アンケートの評価結果は問題なかった。前記のKPIは品質目標として展開されており、目標は達成している。

しかし、工程不良は慢性不良が発生しているので、さらなる改善を行うことが望まれる。

労務比率は○○工場のみ目標が未達なので今後の取り組みに期待する。

2)審査で観察された特徴

主要なKPIは監視されているが、次のプロセスのKPIは顧客アンケートで質問しているにもかかわらず監視されていなかった。納期回答時間、情報提供サービス

アンケート結果だけに頼らず、自らのパフォーマンスを監視し、改善していくことが望まれる。

工程設計は目標設定、工程設計活動の計画立案および設計レビューに十分とはいえない。

設備保全は稼働率や故障時間が監視されているが、ロスの影響度に応じた保全活動ができているとは

いえなかった。

3)QMSの全体的な観察

QMSは効果的に運営されていた。教育訓練された作業者がラインに配置されており、ラインバランスが考慮された効率的な作業がされて安定した品質を維持していた。しかし、工程設計面からの間接作業やレイアウトのムダ、設備停止のムダの改善の余地があり、それが労務比率との関係から検証されていない。

主要KPIの要因となる原因系プロセスのKPIを設定し、その監視と改善に取り組むことが望ましい。

4)今後の課題

さらなるムダ取り改善を追求し、効率のKPIを設定して目標展開することが望まれる。

また、顧客アンケートの評価を向上させるべく、自ら該当するプロセスのKPIの改善を薦めることが課題である。









QMSのシステム的な問題(3)

QMSのシステム的な問題は、その企業の成熟度と

関係してくる。

成熟度は人間に例えると小学生、中学生、高校生

のようなものである。成熟度のレベルに応じて組織には

一段上のレベルの提言をする。高すぎるレベルの提言は

理想論に聞こえてしまうのである。


提言の例としては次のようである。

*クレームや納期対応の目標はあるが、

 ポジティブな指標が設定されていない。

 市場開拓、新製品開拓、顧客開拓 効率向上

*上記の目標が関連プロセスに展開されていない。

*生産計画と購買計画、生産指示、購買情報は生産計画

 システムとして定義されることが望ましい。各プロセス、

 各部門にKPIを展開したほうが良い。

*一部のプロセスは改善が進んでいない。

*クレーム対策が教育訓練で対応しているが再発が

 多い。是正処置の仕方を見直しすることが望ましい。

*生産効率改善が変動費のみに向けられているが

 固定費にも向けることが望ましい。

*教育訓練が現状業務のニーズに対応しているが

 中期展望にたった人材育成計画が望ましい。

*工程設計のプロセスが定義されていない。

 結果として改善が後追いになっている。

 工程設計の各ステップのKPIが設定されていない。

*マネジメントレビューで中期計画の達成度が

 レビューされていない。過去データの分析に

 留まっている。中期計画の更新がされていない。

 中期計画が達成されない場合の影響が

認識されていない。

*リーダークラスが経営指標について

 どこまで理解しておくことが必要かが

 明確になっていない。








これからのISO9001の審査のあり方

これからのISO9001の審査のあり方はどうあるべきだろうか?

読者の皆様からも意見をいただきたいものである。


何十年も同じような製品を生産し続けていて、何回もISO審査を

受けてきてマンネリ化していないだろうか。

新製品の事例などがあればトピックスになるが、中小企業では

なかなかそのようなテーマに当たらない。


マーケティングや経営戦略 効率改善 人材育成といった

ことが関心があるのではないだろうか。そうであれば

そのような審査を提供すべきであろう。

しかし、実際は企業自身がISOを狭くとらえているので

その領域に入っていけない。規格もそこまで要求していない。

組織の自由裁量である。

まず、組織が変わらなければならない。審査はその検証である。

審査側から組織が定義しているQMS以上のところには規格が

要求していない以上入れないのである。


ISOの活用は組織の意思次第である。組織側が

経営の根幹について審査を受ける気概をもって、

もっと審査を活用すべきであろう。



QMSのシステム的な問題(2)

QMSのシステム的な問題の事例をあげてみよう。

*組み立て下請け企業の場合

関心事は

不良率、納期、労務費の低減

不良率や納期対応は長年の経験から実施されているが

労務費の低減がシステム的な取り組みになっていないことがある

いわゆるコストダウン活動と称して、値下げや身近な改善提案に

留まっていて仕組みの改善になっていない

工程設計や保全プロセスの有効性が検証できていない

技能者の育成が遅れていることがあるので注意

*成型工場の場合

関心事は、不良率、納期、設備稼働率の向上

設備稼働率の向上は、保全活動 そのためには

保全技術者の育成が大事

成型条件の標準化による品質の再現性確保


これらを一般化するとこうなる

企業成長のKFSは何か?

それを実現するプロセスとKPIは何か

それに対して弱いプロセスは何か?

それがどうパフォーマンスに影響を与えているか?


このテーマは、ISOの根幹となることなので

これからも書いていきたい。





QMSのシステム的な問題

QMSのシステム的な問題とは何か?

これを経営者は知りたいし、審査員が説明しなければ

ならないことである。そこでQMSのシステム的な問題

とは何かを整理してみよう。

まずシステムとはプロセスの組み合わせである。人間の

体と同じである。目が疲れると肩がこるようにお互いの

関連性がある。従って、プロセスの弱みを掴んで、それが

どこに影響を与えるか考察する。

システムには次のような特性がある。

1)目的性: これは時代とともにずれてくることがあるので随時、

       更新しなければならない。制度疲労、時代遅れ、シス

       テムのアンマッチなどが起きる。

2)自動性:これは処理が定型化されているということで、

      手順や判断基準が明確になっていることである。

      逆の見方は、異常が発見できるということである。

3)制御性: チェック機能が働き、制御できるということである。

        望ましくない状態が修正されるということである。


システムは大きく3つに分類できる。

マネジメントシステム(MOP):目標管理、内部監査、是正処置、予防処置、データ分析

製品実現システム(COP):ものづくりの一連のプロセス

支援プロセス(SOP):教育訓練、設備保全、情報、インフラ

これらが相互に関連しあってできているのがQMSである。


さて、QMSの問題を概観するとこうなる。

*COPが要求事項に対応できていない。例:クレーム、目標未達成、効率悪い

 原因:プロセスの弱さが原因 例えば 設計プロセス

*SOPがCOPをサポートできていない。 保全プロセス

 原因:SOPプロセスはプロセス自体が定義されていないことがよくある。

     従って、有効性の改善が進んでいない 例:機械故障が多い

     教育訓練の有効性が把握されていない

*MOPがシステムやプロセスの問題に踏むこめていない

 単なるデータ分析に留まり。「しっかりやるように」と、TOPの掛け声に終わっている

 








QMSのサマリー(2)

前回の続き。

QMSのプロセスの弱みをプロセスアプローチの視点から探る

*外注管理プロセスの管理指標が納期・品質データのみである。

変更管理、発注数量の増加に対する予防管理が不十分。

*教育訓練プロセスでは力量評価の指標が不明確である。

*ネック工程の作業者の育成が対応できていない。

*検査プロセス:検査基準が不明確 測定値に対してバラツキ

を考慮して判定していない

*是正処置プロセス :再発が多い 慢性不良と突発不良の区分け

がない 品番、顧客、新製品、変更品など多面的なデータ分析がされていない

流出対策が未対応

*予防処置プロセス  プロセスの監視指標が不十分なので

予防処置が発動されない。改善提案と混同してしまっている

プロセスごとに観察すればこんな感じである。

しかし、QMSのサマリーとして説明したいのは個々のプロセスについてではなく

システムの問題である。いわゆる組織の体質について付言したい。

それは次回で。






コストゼロでクレーム半減

継続審査で1年ぶりに訪れた会社。クレームが昨年より半減していた。

何が変わったのか。どのプロセスが改善されたのか。その理由を

探るべくあちこちの部門で質問した。しかし、どこも変わったことは

していないという。精神的な頑張りだけでクレームが減ったということか。

ならばコストゼロである。工場長を兼務していた管理責任者が昨年の夏に病気

で入院され、1年ぶりに復帰されたのだが、実はそれが効いているのでは

ないか。リーダーシップのある人がいなくなると工場の雰囲気が緩む。

管理責任者は復帰して直ぐに品質目標を各部署バラバラ人なっていたもの

を「クレーム半減」に変更した。そして事あるごとに

ミス防止を訴えた。クレーム半減の活動はこれだけである。


組織は人の集まりなので、人の気持ちや集中力でパワーがかわる。

しかし、問題なのはこれからである。いわゆるマンネリになって気が

緩むともとの木阿弥になる。今の状態を維持管理することが必要で

ある。しかし、それが目で見る管理になっていない。

モチベーションや品質意識を管理できるプロセスをもつことが

人の集まりである組織の最も基本的なことであると再認識した。

安住に気づかない恐さ

毎年、利益がでていると、よいマネジメントが

できていると勘違いする経営者が多い。

しかし、それはビジネスモデルのおかげで

利益がでているのであってネジメントとは別の

問題である。


この例のビジネスモデルはグループ会社として

製造に特化した事業を行う企業である。営業コストが

かからない、設計もない、製造に集中できる。

従って、コスト競争力がある。このような会社は

世間にいくらでもある。しかし、親会社が成長して

いるので子会社は安泰であり、世間では親会社が

コケるケースが多いが、こけなければこれ程

よいビジネスモデルはない。

利益がでるのでマネジメントに厳しさがない。

親がコケれば子もコケる危うさのある典型的パターンである。

厳しさのないところに、マネジメントに目覚めよといっても

説得力がない。そこで、今のうちに次世代リーダーを

育成せよ といったところギクッとしたようで、

教育訓練に目覚めた。

しかし、本当は、製造技術力をもっとレベルアップ

することが優先課題なのだが、状況認識を一致

させるには手間ヒマがかかる。まずは教育訓練から

やって成果をあげて次のステップに行くことにした。

人間は結果がでると慢心してしまう。よく、周りの

意見を聞く謙虚さをもつべきだ。

マネジメントと製品力、

マネジメントとビジネスモデルは分けて

考えるべきで、利益をだすのは

製品とビジネスモデルである。

マネジメントは企業の信頼性と存続力を

もたせることに機能を発揮する。

即ち、顧客満足と継続的改善である。






規模とマネジメントの成熟度

規模とマネジメントの成熟度はある程度の

相関関係がある。大きくなるにつれて成熟度が

あがっている。つまり、大きくなるとマネジメントに割かれる

時間が増えるからであろう。

規模に応じたマネジメントがされればよいので、

中小企業が大企業のマネジメントを真似ろといって

いるのではないし、比較論ではない。

審査では、規模に応じたマネジメントができているか

どうかを観察する。しかしその基準となると決まった

ものがあるわけではない。審査員の経験によるところが

大きい。

30人の製造会社でITをよく使っていた企業があった。

いわくコンピューター化がされている。

生産の進捗管理がリアルタイムで把握されている。

工程から工程に進むごとにバーコードで

生産量がインプットされている。

これはマネジメントはGOOD とコメントした。

組織の強みになっている。

しかし、これが300人の会社なら普でしかない。

このような観察も多くの企業を見てきた経験が

ものを言う。