ISO9001を極めよう!~審査員の本音 -5ページ目

審査員の審査戦略(4)

審査員は規格の条項をたどって審査をしていると

思っている人が多いかもしれない。条項は頭に

入っているが、審査はプロセスをみている。

条項ではない。


例えば、インフラストラクチャーという条項がある。(6.3)

この要求事項を審査するといっても、あまりにも抽象的すぎて

何を審査すればよいのかわからない。

つまり規格の解釈について様々な想像をして審査すれば

 場合によっては組織の抱える問題とは別のものに

陥る可能性がある。従って、組織の抱える問題や仕組み

そのものを審査すればよい。そこで「計画」に合致していなければ

不適合が見つかる。「計画」とは、要求、目標、ルールである。


審査は、プロセスを見て、問題(不適合)があれば それはどこの条項に

あうことなのかを見る。つまり条項はプロセスを見るきっかけとして使い、

不適合の根拠として使う。

内部監査でよくみかけるのは、規格の条項を質問形にして審査して

いるが、被審査側は何のことかさっぱりわからくなるのは当然のことと

いえる。





審査員の審査戦略(3)

組織がISOに何を期待しているのか。これは直接 伺うしかない。

指摘は出さないで欲しい というところもあれば

どしどし出し欲しい というところもある。


審査は顧客の期待に応えなければならないので

それに向けて努力するが、指摘を出す、出さない

はジャッジの問題なので、QMSの成熟度次第と

いえよう。従って、これについては、ジャッジを

ブレさせるわけにはいかない。


では、組織の期待として他に何があるだろうか。

それは規格の目的を知りたいというところが多い。

規格の解釈ではなく、目的である。

では、それを意識した審査戦略を考えてみよう。

(次回へ)




審査員の審査戦略(2)

審査戦略で注意しなければならないのは

コミュニケーションである。

人と人との対面サービスなので

最も基本的なことである。

審査員の受けるクレームの多くは

このコミュニケーションの不適さである。


相手の受け止め方や感情を

考えなければならないのに

規格の押しつけになってしまう

ケースがある。


組織によっては、断言する言い方が

効果的なこともあれば、相手の

やる気を促す言い方をすることが

効果的なこともある。


これは相手の性格やニーズなど

色々な要素を総合的に考えて

どんなコミュニケーションが

効果的かを考える。

審査員の審査戦略

審査員は審査にあたって戦略をつくる。

戦略といっても、組織を攻撃することではなく、

どうすれば効果的な審査ができるかどうか

計画を練るのである。


そのためには組織のプロフィール

例えば、業界のポジション シェア

経営者の考え方 売上の推移

製品競争力などなどを調べる


次に過去の審査報告書をチェックして

どのような不適合があったかや 引継ぎ

情報を見て強み、弱みをチェックする


これらを念頭においてどんな審査をしようか

考える。時間配分やどのような視点で

プロセスを審査していけばよいか などなど


計測器の校正するプロセスがあるが、

製品の工程能力(Cpk)が高いところ

に対して校正の審査をやっても、

もともと校正誤差は問題にならない

ことが判っているので、詳しい審査は

やらない。といったメリハリをつける。


得てしてそのような組織は、校正に

関心がないことが多いために管理が

甘く、不適合が見受けられるがそれを

指摘しても最低限のことは対応して

もらわなければならないが、組織に

とってメリットは感じられない。


このように組織にとってメリットのある

審査をどうすればよいかを見出すのが

審査員の力量である。
























マネジメントばやりの風潮

いまや 何でもマネジメントをつける風潮がある。


購買マネジメント 製造マネジメント 品質マネジメント

財務マネジメント


言葉としてはマネジメントをつけるのは正しい。

昔のようにコントロールや管理の時代ではない。


また、班長さんだってマネジメントでり、一人でも

セルフマネジメントである。


でも、このようなマネジメントという言葉は、抽象的で曖昧である。

なんか すごいことをやっているような気がする

でも 日常のことを見ると たいしたことをやっていない

ルーチン仕事である 何がマネジメントだ と思いたくなる

でもマネジメントって 小さな仕事の積み重ねであり、

集積なんだよね

今 やっていることがマネジメントのどこの役割にあたって

いるのか知ること これがマネジメントのスタートラインだね

そうすると 毎日のやっていることの意味が見えてくる

マネジメントというブームに流されずに 今 やっている

足元をしっかりとみよう そうすれば結果はついてくるさ







審査員あれこれ

審査員という仕事の歴史はISO9001から始まったので

10数年の歴史しかない。この世界に入ってくる人たちは

最初の頃は定年後の第二の職という感じだったが

今では30代の人も転職先として認知されている。


つまり、審査員はサラリーマンが転職する 選択肢の

ひとつの会社という感じである。


筆者は審査員はもっと経験豊かな見識をもった人たち

という思いがあったが どうもそうでないらしい。


サラリーマンが審査員の資格をとってサラリーマンを

審査するという感じである。


筆者は審査員はサラリーマンではなく、広い意味の

コンサルタントと思っているから、サラリーマン的審査員

は資格なしとみなしている。なぜなら、審査を受ける人たちは

規格の知識をもっただけのサラリーマンに審査を受けて

意味があるとは思えないからである。

しかし、いまや 30代の審査員ばやりである。

時代は変わった。侍のような審査員は少なくなった。




先進的マネジメントの組織

シックスシグマ BSC ISO9001 ISO/TS16949

これらを実施している大手企業がある。

さぞ 先進的な企業と思いきや、ツールは使われて

いるが 仏つくって魂入らずである。


これらのマネジメントツールの視点でモノゴトを

見れるメリットは大きい。しかし、最大に壁は

部門発想から抜けられないことになる。

つまり、鳥瞰的でないのである。しかし それは

仕方がないだろう という言い分はわからなくも

ない。責任権限は部門の範疇である 人事考課も

そうである。

この発想と仕組みをかえないと どんなマネジメントツール

をもってしても壁は破れない。

しかし、ツールの活用によっては気づきはできやすい

はずである。

(世の中のコンサルタントの仕事は、当たり前の

ことを組織に言ってもらいたいだけの仕事をして

いる人が多い。でも、それで価値があるのだから

組織の自律性のなさは困ったものだ)


壁を破る発想としてのヒント。それは

業務をマネジメントすることである。

マネジメントができていないから、マネジメントツール

を使っているのだから。

業務をマネジメントするとはどういうことだろうか。

マネジメントは目的、目標を達成する活動なのだから

まずそれらを明確にしよう。

作業ありきにおちいってはいけない、マネジメントの発想から

作業を遂行しよう

一昔前は戦略的発想 という言葉がはやったが、まさに

それである。

まず 徹底的に目的、目標をディスカッションしたらどうだろうか。

それが第一歩である。






審査員って勉強不足

審査員って勉強不足の人が多い。

審査を行うことそのものが、経験になり

学習になっているけれど それ以外に

勉強している人は少ないと思う。


それでもプロセスアプローチの考え方で

審査をすると組織にとっては役に立つ審査

になるのだから 見方をかえればいかに組織

はプロセス発想になっていなくて部門発想に

なっているかということである。


組織のレベルアップが審査員のレベルアップに

なるので、審査員が安穏としていられないように

組織はもっとプロセスという考え方を浸透すべきである。




審査機関 選別の時代

何年もISO9001の審査を受けると企業も

審査の要領がわかってくる。

最初のころはストレスが大きかった

かもしれないが、大分 肩の力が抜けて

くるようだ。そうなると冷静に審査員の審査

の仕方が観察できるようになる。

審査員の不勉強はすぐ見抜かれてしまう。


企業はそれでも、指摘をしない審査を歓迎

するところもある。無事 数日の審査が終われば

それでよし という企業である。一方、意味のある

指摘を期待する企業もある。日ごろの仕事ぶりに

自信があれば、どうぞ見て下さい という姿勢である。

こうなれば審査員の力量がリトマス紙のように試される。


企業は時代の流れに応じて少しづつマネジメントの

スタイルを変えている。成果主義、モノからサービスの強化、

モチベーションの向上 多能工 など

これらを敏感に読み取って審査をしなければ企業の

ニーズに合わない


昔に比べて、企業は審査機関を選ぶようになってきている。

つまり審査機関の乗り換えである。これは審査機関にとって

選別される時代にはいったといえるが、それでもまだ乗り換える

企業の数は少ない。

審査機関のレベルを見極めることが難しいことがネックになって

いる。それで、不満ながら我慢して審査を受けている企業があるが

やはり、思い切って審査機関を変えたほうがよい。


しかしながら、審査機関をかえてもやっぱり、要は審査員の質の問題に

なって当たり外れがある。審査員のバラツキである。やはり、適切な

審査機関を選ぶのは難しいが、不満を投げかけて対応してくれる

審査機関を選べばよいだろう。即ち、顧客の声をきいて、

コミュニケーションができる審査機関である。

大いに審査機関に要望を投げよう。

それは審査員も刺激を受けて、よりよい審査を研究することに

つながる。

そのうような双方向な姿が望ましい気がする。まだまだ企業は

おとなしいのである。










中小企業の経営とISO

中小企業製造業の経営はどんなものだろうか。

下請け企業がほとんどで、経営資源が足りず

社長が孤軍奮闘、ワンマン社長というのが多い

ようだ。

自社ブランドをもっているとか、強い競争力のある

製品がつくれる、特許があるというエクセレント

カンパニーが紹介されることがあるが本当に一握

りの企業である。

以前に設計機能をもつ必要性を書いたが、

やはり人材、技術、情報といったソフトな経営

資源は一朝一夕には作れない。


経営の悩みは、売上の変動が大きく、経営が安定

しないことではないか。それは顧客の数が

少ないから、その顧客の受注変動の波をもろ

にかぶってしまうことにある。

どれもこれもマネジメントの至らぬ結果ではあるが

やはり、何とかそのような状況から抜け出したいものである。


営業機能、設計機能の強化で売上を安定化するとともに

人材育成、マネジメント能力を高めることを苦しくとも

一歩一歩やっていくしかない。

トップがビジョンをもって社員を引っ張っていくことである。


こういうことはISOは貢献できる。


先日、今までマネジメントとは縁がなかった社長(社員数

90人)がISOをやり始めて、経営が面白くなってきたと

いっていた。何事も遅いということはない。今からやっても十分

間に合うのである。

ISOというツールをうまく使えば、進歩のスピードは加速する

はずである。