予防処置の有効性(2)
是正処置の有効性を測定するのは単純である。
再発の有無をみればよい。
ところが、成熟した製品、工程で作られる
新製品や変更品の大部分の不適合は
再発である。つまり、是正処置が予防処置に
シフトされていなかったということである。
これらの現象は是正処置の有効性の問題である。
長い目でみれば是正処置の積み重ねは
少しずつ予防処置を補強していくことになって
不良率は低減していく。これは生産活動の
学習パターンである。
しかし、3歩進んで2歩下がる よろしきの
遅々とした経験ベースの進歩で、システマ
チックとはいえない。
大事なのはスピードなので、だからシステマ
チックに、予防処置にシフトする術を身につける
ことが大事である。
FMEAの”検出”を見て欲しい。そこには
予防処置を記載する欄があるのである。
これを確実に実践することである。
この予防処置プロセスを俯瞰して
有効性を見るには、QMSの全体を
管理する立場の者がふさわしいので
管理責任者がその任にあたるのがよい。
予防処置の有効性
是正処置と予防処置の違いはISO9001では定義されている。
即ち、是正処置は顕在不適合へのアクションであり、
予防処置は潜在不適合へのアクションである。
しかし、予防処置については 多くの組織が悩んでいる。
つまり、予防処置の有効性を説明できないでいる。
予防処置の有効性の指標がない。
予防処置のアクションはどんなものだろう。
FMEA SPC 設計レビュー 改善提案などである。
これらが効を奏して不適合を抑制している。
しかし、結果をみてみると不適合が発生している。
予防処置の段階で要因を見落としたか、アクションが甘かった
ということである。それに対して是正処置を行う。
このようなことから、予防処置のミスは是正処置で補われている。
問題は、何故、予防処置をミスをしたかのアクションがないことである。
これが行われないから予防処置のレベルアップがない。
それをキチンと行えば次のアクションにつながる。
FMEAのやり方の見直し そして アクションの追加的措置(水平展開など)
設計レビューのやり方の見直し
SPCの管理指標の見直し そして 指標の追加 または
指標の精度アップ
是正処置を減らして予防処置にシフトする
この活動が見える形でPDCAが回ればよい
是正処置のアクションには、予防処置プロセスに対するアクションも
含めること これを行えば予防処置の有効性が間違いなく
向上する
では、予防処置プロセスの指標は何か?
1)新機種と既存機種の不適合の比較分析の結果
⇒どれだけ新機種にカコトラが考慮されたかを
不適合の件数でみる
2)品質目標の達成率⇒試作 または初期流動不良率で評価する
不適合の発生の度合いや内容を分析してみれば
どれだけ予防処置が有効だったかどうかわかる
見せかけのモラル(2)
モラル モチベーション これは組織の基盤であることから
マネジメントには神経を使うべきである。しかし、タブーになっているのだろうか
、または自信がないのか 労働組合が恐いのか 明確なマネジメントポリシーがだされていない
ことが多い。
まず、モラルやモチベーションを測定する指標がない。
これではマネジメントの有効性を分析しようがない。
社員満足アンケーを取っている組織がある。これができている
組織も非常に少ないが、実施されているだけレベルが高い。
しかし、アンケートの分析、活用がほとんどない。
特に問題なし の結論になっている
モラルやモチベーションを給料で補うことは限界がある
ポストの処遇でも限界がある
それにこれらは管理側のニンジンである。それをぶらさげることで
維持できてきたが 今やできなくなって 次は労働時間短縮を
ニンジンにしている しかし、これも限界がある
まず、キチンと社員の声を聞くことである
コーチングの手法をキチンと使いこなせれば有効である
(単なるグチを聞いて ガス抜きにしかなていないことに
問題がある)
このように モチベーションマネジメントも高度化しているが
マネジメントレベルが追いついていないことが人事現場の
実態である
製造で書いたのと同じで、マネジメントの技術開発がされていないから
昔ながらのやり方しか手立てが無い
利益責任の現場に口出ししにくい人事の立場になってしまった
今の現状は、人事が人事マネジメントの技術開発を怠ってきた結果である
それが多くのところに波及している
製造部門の不良解析能力がない理由に 現場任せの人事の影響が
ないといえるだろうか
教育訓練プロセスのプロセスオーナーは、人事部ではないのか
しかし、現場ではキチンとした教育訓練が行われているかモニター
できているか 改善勧告をしているか
モチベーションと教育訓練は密接な関係があると考えているが
それらを切り離して考えてよいのだろうか
繰り返していう 人事は人事マネジメントの技術をもっと勉強すべきである
単なる人事制度を微調整するような問題ではない
競争の源泉となる人をいかすことこそ 今の時代に勝ち残る
有効な戦略であると思う
わかりきっているといわれそうだが しかし 実行されていない
現実が多くある
見せかけのモラル
見せかけのモラル とは あたかも やらなくても良いことをやって
それを美徳として賞賛していることである
前回の続きであるが、それが製造の改善活動である
不良対策に残業しつつ頭を悩まし、会議資料をつくっている。
それはQCサークル発表として表彰されることもある
しかし、設計の不備のシワヨセが製造に回ってきていて
本来 やらなくてもよい是正処置を後追いでやっている
経営者はモラルを維持する、向上させることとは何かを
考えてみるべきだ
目標を与えて、教育訓練して、フェードバックして、
コミュニケーションをとって、将来の方向性を与える
このPDCAのサイクルをマネジメントすべきである
不良改善を目標にしても、必要な教育訓練はされていない、
行き詰った技術的な壁を破る方法をフィードバックしていない
将来の方向性はない 毎年 同じようなマンネリの改善テーマを
続けている でも結果はともかく、会議資料から頑張ったことが
わかるので評価しよう 来年も頑張ってね では改善ゴッコの
お遊びである
現場はタイヘンなのですよ という現場の声に同情して ものわかりのよい
経営者を演じても会社のプラスはどこにあるのだろうか
経営者は自問自答しなければならない
真のモラルのもてる製造をつくるか気があるのかどうか
製造プロセスの弱点
製造プロセスの弱点を一つあげるとすると改善が進まないことである。
製造部門は色々なテーマを上げてQCサークルやプロジェクト活動を
行っているが、どれも不良のモグラタタキである。
そうなっている理由は
製造部門に技術的な不良解析能力が無い
もともと不良対策を行うほどの余裕のマンパワーがない。
その弱点を補うべく教育訓練があるかというとそうではない。
不良解析は生産技術が行っている組織もあるが、生産技術は不良対策専門チーム
のようで、製造と同じく解析能力はない
製造技術の強みはモノをつくるパワーは凄いし、技能はある。
しかし、技術がないのである。
これは早晩、海外のメーカーとの優位性がなくなることを意味する。
もう、技能の優位性はないといってもいいかもしれない。
今やPPMの不良率なので、これ以上の不良解析は労多くして功少なし
という本音があるだろう。しかし、統計的に見れば、製造工程は
改善された成熟した工程ではなく、まだまだ異常発生やその潜在を
含んでいる。まず、成熟化させることが当面の製造部門の課題である。
そのためには技術的なアプローチをとる必要がある。
何も不良ゼロの理想を言っているのではない、成熟した工程管理
を実現しようといっている 成熟とは予測できると言うことである、
未成熟は突発事故が起きるので不安定で予測できないのである
技術開発のアプローチは難しく考えなくてもよい。
まず不良の特性要因図をつくればよい しかし、これが工程管理の
基礎であったはずなのに、今、特性要因図がつくれない組織が多い
そのような改善パワーがISOのパワーにとられてしまっている。モノづくり
よりも会議資料づくりにとたれてしまっているのではないか。本末転倒である。
もぐらたたきの改善を美徳としている経営者も問題である。そんなことでしか
モラルが維持できないようであれば それは見せかけのモラルである。
ライブドアに思うこと
ライブドアがマスコミから叩かれている。
個人的にはホリエモンはあのようなことを
策略する悪玉ではないと思っている。さらに
いえば、誰も悪玉は組織にはいなかったのでは
ないだろうか。
でも個人の一人ひとりが悪玉でなくても組織は罪を
起こしてしまう。これが組織の性である。
何故、個人が悪玉でないのに組織が罪を
侵すのかって?
それは組織の論理が個人の思慮とは別に
暴走するからである。誰かが その策略は
よくないと思っても反対できない雰囲気
例えば、反対することで組織内の評判を
下げてしまうという思惑が働けば
無言の賛成者に回ってしまう。
組織で決めることだから責任が曖昧である。
ホリエモンが決定したといっても
ホリエモンが責任を負うのは結果論であって
最初からホリエモンが策略して指示したこと
ではないはずである。
つまり、組織の罪なる性が 事件を起こした
という見方をしないと個人を糾弾してすむ問題
ではないのである。
だから ISOの意義もそこにあって、経営者の
責任は最重要機能として問うが それだけではなく
組織の意思決定の仕組みを問うのである。
それは企業文化 風土 規律のようなものも
含む。
宮内という人が発案したかもしれないが
彼は罪意識をもっていたのだろうか。財テク
の戦術としか考えていなかったとしたら
無知の罪である。
無知の罪は組織の罪へと姿を変えて
暴走する。これが事件の本質ではなかろうか。
もし そうでないとしたら あんなヘマなやり方を
するはずがない。
組織のDNAの教え
生物とは自殺をしないものである。
何故なら、種の保存こそがこの世に
生まれた使命だから。
人間は何故、自殺するのか。バカだ。
絶対にDNAは反対している。
ところで組織は自殺はしない。
人間と違って必ず生きようとする。でも
間違って破綻することはあるがそれは
経営が間違っていたからである。
ここに組織の難しさがあって、組織は
生き延びたいのだけれど生きられない
という それは競争に負けるとか 放漫経営
とか自業自得はあるにせよ とにかく生き残り
たいのである
DNAは確実に生きよと命令している
しかし、それに反して滅びることがある
何と悲しい 哀れな結末であることか
そうならないためにも 日ごろから
キチンとマネジメントしましょう。
DNAは教えています
「お客様を第一にしろ」
「社員を大切にしろ」
「努力を怠るな 継続的改善せよ」
これをやれば 人間と違って
永遠に組織は生きられるのだと
見積の精度を改善しよう
見積精度が悪いと適性利益が読めなくなり、言われるままの
言い値で、または競争価格に翻弄されたままで受注し、
貧乏暇なしに陥る。
見積は、まず設計で原価見積がされる。
それがどのようなタイミングで誰がレビューしているかと
いうと最終的な損益は経理部がドンブリでレポートしている。
つまり、個々の受注案件について見積精度に問題が
なかったかどうか分析されていない。
まさに、あけてびっくりの出たとこ勝負の損益である。
競争価格だから見積りしてもし方がないというのは
惰性の言い訳である。キチンと原価を把握して
価格競争からどうすれば抜け出せるのかを
考えることに活用しなくてはならない。
そして、システム/プロセスの何を強化することが必要なのか。
競争に負けている弱みは何なのか。
この分析をマネジメントレビューで行うのである。
まずは、ドンブリ勘定は避けよう。
マネジメントレビューで
システムの改善の参考にできる
アウトプット情報を財務分析から提供しよう。
そのためにはまず、見積の精度を
キチンともつことが第一歩である。
マネジメントと財務の関係を評価する
企業をみてわかることは
マネジメントに対する取り組み姿勢によって改善が
進んでいるところとそうでないところの二極化が
起きているということである。
改善成果は不良率やクレームにも表れるが
何よりも人材が育っているかいるかという
こととコミュニケーション基盤ができているか
というところに表れてくる
これらは必ず将来の財務改善につながる
ものである(ISOでは財務はチェックしないので
その成果は見ていないが)
ISOを始めて年月が経っているので財務改善
につながったという組織があってもよいと思うだが、
良くなったのは景気のせいだの営業の功績と
いったことでISOの貢献度が測定されていない。
何故、マネジメントと財務との関係が検証され
ないのだろうか。
そこで提案。SWOT分析を定期的に
やって、SWOTの変遷を分析してみてはどうだろうか。
強み、弱みはマネジメントと関係が深いのでマネジメント
とビジネスの関連が見えてくる。
SWOTを通じてマネジメントシステムが
トータルシステムになっているかどうかがわかる。
トータルシステムとはQMSがマーケティングシステム、
人事システム 財務システム 技術開発システムの
連携がとれているかどうかという意味である。
組織がトータルシステムとしてマネジメントしている
ところは必ず、SWOTが好転してくるはずである。
*企業によってはマネジメントチェックリストを使って
マネジメントを自己評価しているところもある。
これはSWOT分析と共通するところが多い
マネジメントは実学
マネジメントは実学。
マネジメントのセオリーは色々あっても、
理屈どおりには絶対にいかない。
顧客満足を唱和しても、ポスターを張っても
それで顧客満足のマネジメントはできない。
もっともっと深く考えて、力強く行動しなくては
いけない。そして大きな成果をあげたら
それを後で分析してみたら こういうことが良かった
などと理由づけができる。でも、それは最初から
わかっていたことではなくて、あくまでも
結果論についての理由づけである。
マネジメントは実学だからそこに
人の知恵と汗が感じられる。
それと対峙できることで審査員は
刺激をうけ、審査員自身もレベルアップ
できるように努力するのである。
新年あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い申し上げます。