審査員の審査戦略(5)
「やっていることは 規格の要求に沿っているし問題ない。
ただ、やっている活動が体系的にまとめられていない。」
よく審査の場面で聞く会話である。
問題ないといっているのは、クレームや不適合が起きていない
ことを指している。
例えば こんなことである。
審査員「変更管理の手順はどのように定めていますか?」
部門「自部門では変更管理として次のような手順書を定めています。
これらは確実に実行されており、問題は起きていません。
検査者が変更になった時はR&Rで評価して力量に問題ないことを確認する。
作業手順書が変更になったときは作業者に教育訓練を行い、その記録を残す。
材料を変更する時は品質保証部に変更申請書を提出し、事前に承諾を得る。」
審査員「変更管理を適用する範囲はどのように決めていますか?」
部門「それはありません。先ほどの手順書が全てです」
読者は審査員が何を問題として質問しているか
おわかりだろうか?
この部門では変更管理という「計画」がなく、実行手順書が整備
されている。手順書の内容はOKである。しかし、計画を明確に
することが必要であると審査員は言いたいのである。
ここで部門の捉え方は二つに分かれる。
「問題がないのに 何故 「計画」が必要なのか。今で十分である。」
「計画を明確にしなければ予期せぬことが起きたときにモレる可能性がある。
今まで そのような視点で考えたことはなかった。やってみよう」
当然、後者がシステム的な見方をしている。
日本の企業はまず前者のスタイルからシステムが作られてきた。
ISOの考え方から ようやく システムを「計画」から見る重要性が
認識され始めた。
「計画」を考えることは 予防の重要性を知っているのである。
審査線戦略は、常に「計画」がどうなっているかから切り込んでいく。
そうすると企業の考え方があぶりだされる。