公会計の動向 -66ページ目

秋田県女性会館事件で損害賠償金の弁済契約に応じた元担当者が無効を主張

 河北新報は10月11日に「元会計担当者が提訴 秋田県女性会館 使途不明金問題」を掲出。

 記事は、秋田県女性会館(秋田市)の使途不明金問題で、不明金7600万円の弁済契約に応じた元会計担当の女性(62)と連帯保証人の夫(64)が、会館に既払いの3000万円の返還と残り4600万円の債務不存在、土地・建物への抵当権設定登記の抹消を求める訴えを秋田地裁に起こしたと報じる。訴えによると、女性は同会館(旧秋田県婦人会館)を18年3月に退職するまでの約35年間、会計業務を担当しており、17年12月、決算書では1億円あるはずの基金のうち7600万円が不足していることを指摘され、18年3月31日付で損害賠償金の弁済契約を締結し、18年4月に3000万円を支払ったが、「強迫されて結んだ契約で、無効。私的流用や横領の事実はなく、基金は会館の経費などに使った。会館に損害は発生していない」と主張しているとか。県や公認会計士の調査では、同会館では「簿外処理」や「架空計上」などのずさんな会計処理が長年、繰り返されたことが判明しており、基金を積み立てていた複数の金融機関への総預貯金額が、基金が1億円に達したとされる7年度末には約7100万円しかなく、17年度末には3000万円に減少していたとのこと。県女性会館は「代理人に対応を任せている」と話しているとか。

納付者が特定されていない年金記録5千万件の影響度

 朝日は10月12日に「給付漏れ、推計2.8兆円 宙に浮いた年金 民主が試算」を掲出。

 記事は、基礎年金番号に統合されず、持ち主の分からない「宙に浮いた」年金記録が5000万件ある問題で、民主党の山井和則衆院議員が11日の衆院予算委員会で、宙に浮いた年金の給付総額が年間6兆6000億円にのぼる可能性があり、このうち、実際の給付漏れになっている可能性がある65歳以上の分は2兆8500億円という独自試算を示したと報じる。試算は、社会保険庁がサンプル調査した150件のデータに基づくもので、政府は妥当性を疑問視していると記事は伝える。今回の試算は、サンプルの件数が極めて少なく、様々な前提を置いた推計にすぎないが、山井氏は「目安の数字にはなる」と政府を追及し、舛添厚生労働相が、試算の結果に疑問を投げかけつつも、より大規模なサンプル調査の必要性について「前向きに検討したい」と述べたとか。山井氏が試算の根拠にしたのは、5000万件のうち、コンピューター上に名前の記載がなかった厚生年金記録524万件から東京社会保険事務局が抽出した150件で、保険料を納付した月数が1人あたり平均37カ月、保険料の平均額が4万7000円となっており、これを単純に5000万倍すると、保険料の総額は2兆3500億円となるとのこと。一方、年金の給付については、国民年金でも納付月数が同じ平均37カ月あったと仮定すると、給付額は年間6万円で、厚生年金では、5000万件の記録の持ち主の平均年齢(1942年生まれの63歳)を使って試算した場合、基礎年金部分も含め、年間15万円となるとしたとか。これらの金額を、5000万件の内訳(厚生年金3966万件、国民年金1129万件)にそれぞれ単純に掛け合わせると、年金総額は6兆6000億円になるとのこと。年金給付には税金の補助もあるため、保険料総額と比べると3倍近くとなったとか。ただ、この中には、まだ年金の受給年齢に達していない現役世代の分も含まれており、5000万件のうち、実際に給付漏れになっている可能性がある65歳以上の2315万人の年金総額は年間2兆8500億円、60歳以上では3兆6000億円となるとか。この試算に対して、舛添厚労相は「サンプルは東京のわずか150件だけで、他の地域と比べたらどうか。(サンプルに含まれていない)国民年金の額も細かい計算が必要だ。実際の額がこれより多いか少ないか分からない」と指摘し、保険料を支払った期間が25年間未満で、受給資格をもっていない人の記録や、厚生年金の脱退一時金をすでに受け取っている人の分を差し引いていないことなどを挙げ、試算の妥当性に疑問を投げかけたと記事は伝える。

 一方、読売が10月11日に掲出した「不明記録5千万件、厚生年金なら1件15万円の支給に」は、同じ質疑について、該当者不明の約5000万件の年金記録に関し、記録が持ち主と結びついていれば、1件当たり厚生年金なら年平均約15万円、国民年金ならば年平均約6万円の年金支給につながる可能性があると山井和則氏が独自の試算をもとに質問し、舛添厚生労働相が答弁で、山井氏の計算方法は妥当だとの考えを示唆したと報じる。記事によると、山井氏の計算では、5000万件のうち年金受給年齢に達した60歳以上に該当する件数をもとに単純計算すると、本来支払われるべき年金が年約3兆6000億円支払われていないことになるが、厚労相はこの額については「(山井氏の計算よりも)多いか少ないかわからない」と述べるにとどまったとのこと。

国税局が自治体から消費税を過大徴収

 読売は10月10日に「下水道事業などの消費税、国税局が自治体から8億取り過ぎ」を掲出。

 記事は、自治体が行う下水道事業などにかかる消費税をめぐり、大阪、熊本など全国の11国税局・国税事務所が自治体に対して過大に課税していたと報じる。国税庁によると、誤って課税されていたのは1県152市町村で、今年9月末時点で課税ミスの総額は約8億5900万円に上るとか。同庁は「消費税法の解釈を誤っていた。申し訳ない」と平謝りしており、各国税局は取りすぎた税金を自治体に還付する手続きを進めているとのこと。消費税は平成元年に導入され、税理士などからも「税額算定や納税の仕組みが複雑だ」とする指摘があり、"税のプロ"の国税局でもミスが明るみに出たことで、仕組みのわかりにくさが改めて露呈した形と記事は評する。消費税は、一般の消費者が商品を買った場合だけでなく、自治体の事業でも特別会計を一つの法人とみなして課せられており、課税額は原則、売り上げにかかる消費税から仕入れにかかった消費税を差し引いた額になるが、課税対象の売上高が1000万円(2003年までは3000万円)以下の事業者は免税されるとのこと。今回の課税ミスは、下水道事業などに関し、各国税局が「仕入れにかかった消費税」を誤って算定したことが原因とのこと。特別会計を組んだ自治体が、設備投資のために起債(借金)し、返済資金を一般会計から繰り入れた場合、繰入金で賄った工事費などにかかった消費税は「仕入れにかかった消費税」とみなして差し引くことはできないが、起債した事業年度に自治体が免税事業者だった場合に限って、後に売上高が増えて課税事業者になっても、繰入金を使った費用を「仕入れにかかった消費税」として差し引きを認める規定があるとのこと。今年3月に熊本国税局管内で、繰入金による費用を「仕入れにかかった消費税」から誤って除外し、自治体側に余分に課税していたことが発覚し、その後、金沢国税局を除く11国税局・国税事務所で96年以降、課税ミスが続発していたことがわかったとのこと。課税ミスは熊本国税局の4億1609万円が最も多く、広島9988万円、高松9323万円、大阪6961万円の各国税局の順で、結果的に利用料金や税金として、住民負担が増していたことになるとか。課税ミスがあっても、通常は納税者側の返還請求は5年前までしかさかのぼれないが、同庁はそれより前の時効分についても全額還付する方針で、同庁消費税室は、「消費税法の解釈を統一できるよう各国税局を指導するとともに、課税ミス分は速やかに返還したい」と話しているとのこと。


[納税額]=[預かった消費税:売上げに係る消費税]-[支払った消費税:仕入れに係る消費税]

[納税額]=[売上げに係る消費税]-([仕入れに係る消費税]-[特定収入に係る消費税])

20年からコンビニで国税納付の方向

 日経は10月7日に「国税納付、コンビニ4万店・大手10社と組み、年明けから」を掲出。

 記事は、政府が20年から始めるコンビニエンスストアでの国税納付制度の概要が固まり、セブン―イレブン・ジャパンやローソンなど大手チェーン約10社が参加し、1月から全国4万店で利用できる見通しと報じる。対象は納税額が確定している国税で、上限は30万円とのこと。主に個人事業主や高額所得者ら数百万人が利用可能になるとか。開始日は来年1月4日で、国税庁は主要なコンビニチェーンの幅広い参加を求めており、セブンイレブンやローソン、ファミリーマート、サークルKサンクスなど大手約10社が受託を検討しており、10月中にも参加企業を確定するとのこと。大手チェーンの店舗数は合計で約4万店で、地域チェーンなど参加企業はさらに増える可能性もあると記事は伝える。

東京メトロを完全民営化へ

 時事は10月6日に「東京メトロ、全株放出も=売却益1000億円-09年度上場で政府」を配信。

 記事は、政府が6日、東京地下鉄(東京メトロ)が2009年度にも株式上場するのに合わせ、保有する同社株を売却する方向で検討に入ったと報じる。53%の株式を持っており、すべて売却することも視野に入れているとか。同社の純資産は約2300億円であることから、全株手放した場合の売却益は1000億円程度になるとみられると記事は伝える。保有株の売却は、国有資産のスリム化を図る取り組みの一環で、売却益は国債償還など財政健全化に充てる方針とのこと。売却に当たっては、公共交通機関の株式が買い占められることを避けるため、買収防衛策の導入が検討課題になりそうと記事は評する。

生活保護の不正受給が増加

 東京新聞は10月5日朝刊として「不正受給90億円 生活保護 厚労省、監視強化へ」を掲出。

 記事は、収入があることを隠すなどして不正に受給された生活保護費が、18年度(速報値)は前年度に比べ28%増の約90億円に上ったことが厚生労働省のまとめで分かったと報じる。件数は約2300件増の約1万4700件で、1件当たりの不正受給は61万円となっており、13年度の約47億円、約7千件の1.9倍、2.1倍に増えているとのこと。生活保護の受給世帯が18年度に月平均で107万世帯を突破して過去最高を更新するなど保護世帯の増加が続いていることや、景気回復で働き口が見つかって勤め始めたにもかかわらず収入があることを隠す人が増えたことなどが主な原因で、収入を少なく見せ掛けるため給与明細を改ざんしたケースもあったとか。厚労省は不正受給が急増していることを受け、税務当局との連携をさらに密にして不正発見に努めるとともに、保護世帯への家庭訪問に力を入れるなど、自治体側への要請を強めていく方針と記事は伝える。

郵政公社販売の投資信託が残高1兆円を超す

 日経は10月1日に「日本郵政公社、投信残高が1兆円突破」を掲出。

 記事は、日本郵政公社による投資信託の販売開始からほぼ2年で、純資産残高が1兆円を突破したと報じる。けん引したのは定期的に分配金を受け取れる商品で、民営化する10月からは販売局数を3割増やす方針とか。ただ、金融商品取引法の施行で顧客保護が厳しく求められるため、販売ペースが鈍る可能性もあると記事は伝える。郵政公社の投信販売は17年10月に開始され、全国1155の郵便局で販売してきており、7、8月は株式相場下落の影響で増加ペースが鈍ったが、1営業日あたり10億―30億円の新規資金が流入していて、9月27日時点の純資産残高が1兆39億円と、前年9月末に比べ2.8倍となったとか。

加入者ベースでは国民年金納付率は49%

 読売が10月2日に掲出した「国民年金「払っている人」、加入者全体の49%」は、社会保険庁が2日、民主党の厚生労働・総務合同部門会議に、18年度の国民年金納付率について、保険料の免除制度などが適用されている人なども含めた加入者全体では49%になるとの試算を示したと報じる。社保庁が毎年発表している国民年金の納付率は、保険料支払いを免除されている人などを分母に含めておらず、18年度の納付率は66・3%と発表しているとのこと。

社保庁職員がシステム委託先に再就職

 読売は10月2日に「年金記録管理システム委託先、社保庁・厚労省幹部が天下り」を掲出。

 記事は、社会保険庁が15年4月時点で年金記録管理システムの開発や運用などを委託している企業4社のうちの3社に、同庁や厚生労働省の幹部計5人が天下りしていたことを明らかにしたと報じる。2日に開かれた民主党の厚生労働・総務合同部門会議に提示したとのこと。社保庁が15年4月から19年4月までの幹部の天下り状況を調査したところ、15年4月時点の再就職者はNTTデータ1人、NTTデータシステムサービス3人、日立公共システムサービス1人の計5人で、5人は18年4月までに全員が退職し、以後、天下りはなくなっているとのこと。

独法化した特殊法人について会計検査院がレポート

 時事が9月28日に配信した「13行政法人が欠損金計上=計3600億円、再計上も-検査院「効率的運営を」」は、特殊法人改革で独立行政法人(独法)化した法人のうち、17年度末に13法人が計26事業で繰越欠損金を計上し、総額は約3600億円に上ることが、会計検査院の調査で分かったと報じる。このうち、独法化の際に政府出資金などで旧法人の繰越欠損金を解消したのに、再び欠損金を計上した法人も6法人あったとか。検査院は「将来さらなる財政負担等が生じないよう、より効率的な業務運営に努めることが重要」との所見をつけたと記事は伝える。