公会計の動向 -63ページ目

防衛省の報償費は裏金化してから執行

 中日新聞は12月16日朝刊として「防衛省、報償費で裏金 架空領収書使い数千万円プール」を掲出。
 記事は、防衛省が情報収集を主な目的とする報償費の多くを架空の領収書で裏金化して、幹部や関係部局の裁量で使えるような不正経理を組織ぐるみで長年にわたり続けていたことを防衛省OBら複数の関係者が明らかにしたと報じる。報償費は19年度予算で年間約1億6400万円あり、裏金が職員同士の飲食経費など目的外に流用された可能性は否めず、新テロ対策特別措置法案の国会審議にも影響を与えるのは必至と記事は伝える。政府は防衛省の報償費について「情報および資料収集、犯罪の捜査に必要な経費」と規定しており、大半は「情報収集」名目で使われてきたとのこと。関係者によると、裏金工作は数十年間繰り返されてきており、裏金は単年度で使い切れず、プール金は総額で少なくとも数千万円に上るとか。石破茂防衛相は15日、共同通信の取材に対し「事実関係を確認できないので、コメントは差し控えたい」と回答し、内部調査を進める考えを示したとのこと。東京地検特捜部は守屋武昌前防衛事務次官をめぐる汚職事件の一環として既に防衛省を家宅捜索したが、押収した資料の中には裏帳簿なども含まれているもようとか。関係者の証言によれば、裏金づくりは大臣官房などが防衛省OBらの名前を使い情報提供の協力者に見せ掛けて、偽の領収書を防衛省の職員が大量に作成していて、具体的には、偽の情報協力者を接待したり毎月現金を手渡したかのように装う架空領収書で報償費から裏金を捻出してきたとのこと。報償費は表向きの収支上、ほぼ使い切った形となって裏金に変わるとか。これは約680万円(19年度予算)に限られている交際費の不足分を裏金で大幅に補てんし、内局や陸海空自衛隊の幹部、主要各課が柔軟に使えるようにする目的もあるとされ、裏金は実体のない団体名義などの裏口座に計上し、領収書は架空のため同一人物が数年間も毎月現金を受け取る不自然な領収書が多数存在するとのこと。裏金は内局に加え陸海空各自衛隊の関係部局にもあり、情報収集名目の交際費などで支出し、裏金を管理する「裏帳簿」も用意し、原則として領収書を提出させていたとのこと。だが「一部は職員同士の飲食にも使われていた」との証言があり、すべて名目通りの使途だったか明らかになっていないとか。


 共同が17日に配信した「守屋前次官室に月数十万円 秘書課が裏金を管理、配分」は、防衛省が年間約1億6000万円の報償費を裏金化していた問題で、収賄容疑で逮捕された守屋武昌容疑者が防衛事務次官当時に「次官室」枠として毎月少なくとも数十万円の裏金を分配されていたと報じる。複数の防衛省・自衛隊関係者が明らかにしたもので、関係者によると、首脳レベルの裏金は大臣官房秘書課が管理、配分してきたとか。守屋容疑者が次官に就任するまで次官室枠の裏金は毎月20万円前後とのこと。


 共同が18日に配信した「使途詳細に内部調査 報償費裏金化で防衛相」は、石破茂防衛相が18日の参院外交防衛委員会で、防衛省の報償費裏金化問題について「このように使われたと認識できるよう、きちんと確認したい」と述べ、内部調査で報償費の使途を詳細に把握する方針を示し、ただ調査結果の公表は「確認作業が終わった段階で、どんな形で公表できるか検討する。個別具体的な使途を言うと(報償費の)意味がなくなる」とし、公表対象を限定せざるを得ないとの考えを示したと伝える。

居座る出納長がいる

 MSN産経ニュースは12月11日に「神奈川知事VS.出納長 辞任応じず…給与減額条例案」を掲出。

 記事は、神奈川県の松沢成文知事が、地方自治法の改正で出納長が廃止されたことを受け、特別職である陳岡(じんがおか)啓子出納長の辞任を要求したが、知事に出納長を解職する権限はなく、陳岡出納長も応じていない状況で、知事が11日に出納長の給与を減額する条例案を県議会に提出し、辞任を促す考えと報じる。出納長は特別職で都道府県の会計事務を受け持っているが、「会計処理の電算化が進み形骸化している」との指摘が相次ぎ、今年4月の地方自治法改正で廃止され、代わりに一般職の会計管理者を置けるようになったとか。東京都、大阪府、北海道など39都道府県で既に出納長を廃止しており、松沢知事も4月以降少なくとも3回、陳岡出納長に辞任を要求したが応じなかったとのこと。このため知事に呼応して県は出納長室を狭い部屋に移し、出席する会議の数を減らすなどの“対抗策”を取っており、また、県の特別職報酬等審議会は11月22日、「出納事務の電算化で出納長の職責が低下している」などの理由から、陳岡出納長の月額給料を、平成20年1月から、現在の95万円を72万円に引き下げるよう知事に答申したとのこと。これに対し、陳岡出納長は「出納長にはチェック機能という仕事がある」「給料を変え、部屋を変え、仕事を変えるのはパワハラだ」と強く批判しており、「法律に従い、(21年3月末の)任期満了まで続ける」と主張しているとか。同法でも経過措置として、現職の出納長については4年間の任期満了まで在籍可能とのこと。総務省は「出納長が法改正後も在職するのは違法ではない」と指摘しており、出納長の進退は「都道府県や出納長が自主的に判断すること」としているとか。

置賜農業共済組合で会計検査院の指摘文以外の不正受給

 河北新報社は12月11日に「不正受給新たに48件 山形・置賜農業共済」を掲出。

 記事は、遠藤武彦前農相(衆院山形2区)が組合長を務めていた置賜農業共済組合(米沢市)が果樹共済加入者を水増しし、国の補助金を不正受給していた問題で、同組合が11日、全加入者約4000戸を対象に行った調査結果を発表し、11―16年度、会計検査院の指摘以外に48件の不正受給が確認されたことを明らかにしたと報じる。同組合では元職員5人がノルマを達成するため、農家の名前を無断で使用し、共済掛け金を自分で負担して加入契約を結んでおり、不正受給はリンゴ23件、ブドウ12件、ナシ13件で、別の共済組合との合併を翌年に控えた11年が40件で最も多かったとのこと。不正受給額は約31万4000円で、このうち組合側に交付された約7万円を近く国に返還するとか。会計検査院の調査で、11年度のブドウ共済で105件、115万円分の不正受給があったことが既に発覚しており、平弘造組合長は「契約内容を加入者に確認してもらうなど、チェック機能を見直したい」と話していると記事は伝える。山形中央農業共済組合(天童市)も同日、大豆で28件、約3万円分の不正受給があったと発表したとか。

米大使館の賃料問題が解決

 朝日は12月7日に「米大使館、賃料未納が解決 日本政府へ支払い合意」を掲出。

 記事は、在日米大使館が立つ東京・赤坂の国有地1万3000平方メートルの賃貸料が10年間未納となっている問題で、日米両政府が米側が1年あたり700万円、計7000万円を支払うことで合意したと報じる。20年以降の賃料も段階的に引き上げるとのこと。未納が始まった平成10年分の賃料の時効が今月中旬に成立するため、日本政府は米政府を相手取った民事訴訟も検討していたが、期限ギリギリで双方が妥協したと記事は伝える。9年までの賃料は年額250万円だったが、物価や賃料水準の上昇も踏まえ、10年から段階的に10倍まで引き上げる値上げ案を日本側が示したところ米側が反発し、交渉が断続的に続いていたもので、今回の合意では、10~19年の賃料は年700万円として一括で支払い、さらに20~24年は年1000万円、25~39年は年1500万円に引き上げるとのこと。民間水準に比べればなお割安だが、日米両政府間の訴訟になれば両国関係に悪影響が出る可能性も踏まえ、日本側も妥協したとか。国有地を在日公館の敷地として貸し出している相手は米英など4カ国で、英国大使館が立つ東京・一番町の国有地(3万5000平方メートル)の賃料は年3500万円とのこと。


関連:米国大使館が地代を不払い

補正予算は総額1兆8千億円?

 朝日は12月9日に「補正予算、総額1兆8千億円で最終調整 政府・与党」を配信。

 記事は、政府・与党が、19年度補正予算案の歳出総額を1兆8000億円程度とする方向で最終調整に入ったと報じる。災害復旧・災害対策のほか、農業対策に800億円程度、原油高対策に600億円程度を計上するとのこと。与党の参院選惨敗の一因とされた農業対策とともに、原油高騰が国民生活や中小企業の経営を圧迫しはじめた状況を踏まえて、こうした問題への対応を優先させる考えと記事は伝える。歳出の主な内訳は、災害復旧・学校耐震化などに7000億円程度を盛り込み、また、今春から導入された「品目横断的経営安定対策」では小麦などの特定品目で最近の収穫増が助成に反映されないため、差額分を穴埋めする▽米作の生産調整に応じた農家を対象に補助金を積み増す――など、農業対策に800億円程度を計上するとか。原油高対策は、燃料高騰に苦しむ漁業経営者を支援するための基金作りに100億円を盛り込むのをはじめ、計600億円程度を充て、灯油などの需要が多い寒冷地向けの対策も講じるとのこと。このほか、高齢者の医療費負担増の凍結にかかる費用に千数百億円程度を計上するとか。

参院外交防衛委員会が監査活動を開始

 日経が12月6日に掲出した「参院外交防衛委、防衛装備水増し請求疑惑調査」は、参院外交防衛委員会が5日の理事懇談会で、防衛専門商社「山田洋行」の水増し請求問題に絡み、北沢俊美委員長の名前で11日までに海外の関係企業に調査依頼書を送付する方針で一致したと報じる。欧米のメーカー約50社、100件の契約を対象に見積書の開示や真偽の確認を求めるとか。

防衛省がネット時代に遅れて商社排除を検討

 日経は12月3日に「防衛省、装備輸入の直接調達を推進・商社依存見直し」を掲出。

 記事は、防衛省が防衛装備品を海外メーカーから輸入調達する部門を増強し、商社に依存しなくとも適正価格の見極めや輸入手続きなどができる体制づくりを進める方針と伝える。海外に駐在し、見積価格などを精査する「輸入調達専門官」の増員などを検討するとのこと。商社が介在する現在の仕組みのままでは、調達の明朗化は困難と判断したとか。政府は3日、「防衛省改革会議」の初会合を開くが、2月にまとめる報告書では防衛専門商社「山田洋行」から過度の接待を受けていた前防衛次官、守屋武昌容疑者のような事例をいかになくすかが課題となるとのこと。

19年度補正予算を編成

 日経は11月28日に「首相、補正予算編成を指示・1兆5000億円規模に」を掲出。

 記事は、福田康夫首相が27日、首相官邸で額賀福志郎財務相に今年度補正予算の編成を正式に指示したと報じる。予算規模は1兆5000億円前後になる見通しで、財務相は財源として新規国債を追加発行しない方針を明らかにしたと記事は伝える。補正予算の内容は災害復旧費(8000億円程度)のほか、高齢者医療費の負担増凍結に伴う措置(1500億円程度)などが柱で、地域活性化策や海上自衛隊のインド洋からの撤収に伴うアフガニスタンへの新たな支援策、原油高対策、国連分担金なども盛り込む予定とか。

基礎年金の全額税方式には年額30数兆円

 共同が11月21日に配信した「年30数兆円の追加財源必要 基礎年金の税方式で厚労省」は、厚生労働省が21日、基礎年金の財源を全額税方式とした場合、過去に保険料を納めた人に不公平にならないようにするには、本来の給付費とは別に最大で年間30数兆円の追加費用がかかる、との試算を明らかにしたと報じる。厚労省は現在の保険料方式から税方式への移行を現実的には不可能とみているが、民主党などは税方式を主張しており、経済財政諮問会議でも検討されたため、議論をけん制する意味合いがありそうと記事は伝える。

社会福祉法人の支出を県が不適切と指導

 秋田魁新報社は11月15日に「社会福祉法人、懇談会で不適切支出 秋田市、改善求める」を掲出。

 記事は、秋田市北部の介護老人保健施設など3施設を運営する社会福祉法人が昨年度、法人の業務の名目で酒食を伴う懇談会を繰り返したり、10万円分の高級マグロを土産に購入したりするなど不適切な支出を行っていたと報じる。市は「社会福祉法人には会計基準で懇談会費などに一定の支出が認められているが、総額が170万円に上るなど多額な上、内容も極めて不適切。社会通念上認められない」として改善するよう文書で指摘したとか。市監査指導室の調べなどによると、この法人は昨年度に計18回の懇談会を開き、会議費や雑費の名目で約110万円を支出しており、中にはコンパニオン代計4万6800円や2次会で利用したクラブでの飲食費3万6000円もあり、ほとんどが役員会後などに引き続いて開いた懇談だったが、理事長が政治家秘書らと飲食したケース(4回、17万5000円)も含まれているとのこと。旅費名目で支出した青森県への役員研修旅行(11人参加)の費用計44万2791円の中では、不参加者8人への土産として大間産の高級マグロ(10万3040円)を購入しており、このほか、4件の政治資金パーティー券購入費用6万円を雑費で支出していたとか。不適切な支出は、いずれも法人の事務経費を取り扱う「本部会計」内で処理されており、同会計は運営する老健施設の「施設会計」からの繰入金で賄っていて、同会計は、国民が負担する介護保険料と国と県、市の負担金による介護報酬が収入のほとんどを占めているとのこと。