留学生に大人気のテッパンメニュー
昨日、コロッケの件で、ホームステイしていた留学生の話を書いたら、当時のことをいろいろ思い出してきた。
我が家で預かっていたのは、私が通っていた大学の交換留学生だけたったので、全員20歳越えの英国人かスコットランド人。シェフィールド大学かオックスフォード大学に在学している3年生だ。夏休みに1カ月ほど滞在することが多かった。一度だけ、米国の高校生男子を短期で預かったこともある。
この頃は私も大学生だったので、日常の英会話には困らないものの、深い話になると「疲れてくる」レベル。でも、ほぼ全員が「日本語の研修」で来日しているので、大学側から「かえってその方がいい。できるだけ日本語で話してください」と言われていた。
うちはあまりこだわらないタイプなので、男子も女子もOK。ベジタリアンだとか、食物アレルギーのある子、「ホストファミリーともめちゃって、ステイ先を変えたい」みたいな“ワケあり物件”を預かることも気にしなかった。
まず、初日が大学のホールで留学生とホストファミリーの「顔合わせ」というのがある。ウチはその後、スーパーマーケットに連れて行って「食べられるもの」と「食べてみたいもの」をカゴに入れるように言って、1時間ぐらい好きにさせていた。
朝はテーブルの上にパンやシリアル、フルーツを出しておいて「ご自由に」形式だ。あっちもこっちも「何時に食べるの? 一緒に食べるの?」とか気を使わないのでラクだった。
で、初日の夜は「お好み焼き」が恒例だった。キャベツを刻むのを手伝わせ、お好み焼きのタネを作って大きなボールに入れておく。あとは、コーン、ツナ、豚肉、イカ、紅ショウガ、桜海老、ベーコン、チーズなどの具材を出しておいて、各々のカップで混ぜてホットプレートで焼いてもらう。
好奇心が強くて積極的な子はイカゲソとか、紅ショウガに興味津々で、バンバン入れる(入れ過ぎる)。コンサバな子はおっかなびっくりツナとかコーンとか「安全そう」な食材から始めて、少しずつ慣れていく。
お好み焼きのいいところは、最終的にソースとマヨネーズの味で食べるので「この味では食べられない」という子が誰もいないというところだ。みんな面白がって4枚ぐらい焼いて「おいしい!」を連発する。
初日にお好み焼きを食べさせておくと、縁日などに連れていくたびに「わぁお~!」とか言ってテキ屋のお兄さん達の手際を尊敬の目で見つめ「一緒に写真いいですか?」とか大騒ぎになる。もちろん丸いタコ焼きにも興味津々で、ほぼ全員が「あれを食べてみたい!」と言い出す。
ホームステイの学生には、特別のメニューを作ってあげる必要はない。家族がカレーなときは学生もカレー。麻婆豆腐のときは麻婆豆腐を食べさせる。「ちょっと無理」と思ったら、パスして朝用のパンとかを食べてもいいと言ってある(実際に食べたヤツはいない)。あえて英国っぽいものも、超・和食っぽものも作らない。そういう意味で、うちは手抜きの部類だろう。
それでも「お好み焼き」はみんな大好きで「何か食べたいものある?」とリクエストを聞くと「お好み焼き!」と即答する。「クラスメートに話したら『食べてみたい』っていうんだけど、2人連れてきてもいい?」とか言い出すこともある。
そうなったら、お好み焼きパーティだ。「うちの子」が、まるで「免許皆伝」とでもいうようにお好み焼き奉行になって、「それを入れ過ぎると辛いぞ!」とか「もうひっくり返せよ!」とか、他の学生の世話を焼いているのを見るのは楽しい。
「お好み焼きって英語に翻訳すると何だろうね? ジャパニーズ・ピッツァ?」とか聞くと、「いや、違うなぁ」という意見が多い。お好み焼きはお好み焼きで、唯一無二らしい。
お好み焼きは好き?
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