「棚ぼた」&「泥縄」女
脱サラしてフリーランスのライターになった頃、本当にラッキーなスタートで、ありがたいことに順調に仕事がもらえて、意外と早く「メシが食える」ようになった。
その頃、心の中に秘めていたのは、2つの言葉「棚ぼた」と「泥縄」だった。
落ちてくるぼたもちは全てキャッチして食う。本来なら手に余る仕事でも先にゲットして、仕事を仕上げながら学んでいけばいい。一歩間違えれば「できるできる詐欺」なのだが、なんとか無事に「駆け出し」時期を乗り越えることができた。
なんでこんな無理をするかというと……一般的に雑誌のライターの仕事は「ぽてちゃん、〇月号で4ページ担当できる? スケジュールどう?」ってな感じで、すごく余裕のあるオファーが来るのが一般的だ。
ところが、ごくたまに「明日の午前中なんだけどさ、幕張の展示場で取材できる? 原稿は来週アップでいいんだけどさ」っていうようなギリギリなタイミングで電話がかかってくる。
今抱えている仕事と自分が可愛いければ断れ。だが、これこそがチャンスなのだ。
ギリギリでオファーが来るのは、予定していた「私よりレベルが上のライター」が何か突然の理由で「ぶっ飛んで」、穴埋めが必要になったからだ。編集者は自分なりの優先リストを持っていて、上から順番に声をかけていく。つまり、私がいつも任されているよりかなりレベルの高い仕事が落ちてきているという状況なのだ。
ここで良いパフォーマンスを見せられれば、次からも同じレベルの仕事を回してもらえる。落ちてきたぼたもちは全て食え。実力的に足りない部分は時間をかけたり、先輩に教えてもらったりして補えばいい。チャンスの神様には前髪しかない。
経験的に「前髪つかんじゃって、エラいことになった」という経験はない。逆に「なんであのとき腰が引けちゃって、断っちゃったんだろうなぁ。千載一遇のチャンスだったのに」と後で悶絶した経験は枚挙に暇がない。
「ぽてたろうって、いつも棚ぼただよなぁ」とか「おいおい、泥縄にも程があるんじゃないのか?」とか言いたいヤツには言わせておけ。最終的に1ステップ上に昇れるのは「ぼたもち食った」ヤツなのだから。
どんな業界にも「仁義」はあって、先輩のレベルの仕事を奪ったり、ベテランばかりのチームに抜擢されて潜り込んだりするチャンスは滅多にない。でも「先輩側」に理由があって自分がヘルプに入るというスタイルなら、遠慮はいらない。大いばりだ。
もちろん「泥縄」部分で迷惑をかけないように、全力で「やれることをやる」のは鉄則だけどね。
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