【作品#0564】ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(2007) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(原題:Harry Potter and the Order of the Phoenix)


【概要】

2007年のアメリカ/イギリス合作映画
上映時間は138分

【あらすじ】

人間界で魔法を使ったことで魔法の世界から追放されかけたハリー・ポッターは、ダンブルドアに何とか救われるが、魔法省はホグワーツ魔法学校にドローレスという教師を監視役として送り込む。

【スタッフ】

監督はデヴィッド・イェーツ
音楽はニコラス・フーパー
撮影はスワヴォミール・イジャック

【キャスト】

ダニエル・ラドクリフ(ハリー・ポッター)
ルパート・グリント(ロン・ウィーズリー)
エマ・ワトソン(ハーマイオニー・グレンジャー)
マイケル・ガンボン(アルバス・ダンブルドア)
マギー・スミス(ミネルバ・マクゴナガル)
アラン・リックマン(セブルス・スネイプ)
イメルダ・スタウントン(ドローレス・アンブリッジ)
ゲイリー・オールドマン(シリウス・ブラック)
デヴィッド・シューリス(リーマス・ルーピン)
ブレンダン・グリーソン(アラスター・ムーディ)
ロビー・コルトレーン(ルビウス・ハグリッド)
エマ・トンプソン(シビル・トレローニー)
ヘレナ・ボナム=カーター(ベラトリックス・レストレンジ)
レイフ・ファインズ(ヴォルデモート卿)

【感想】

人気シリーズの5作目は、全世界で9億4千万ドルと安定したヒットを記録した。

あれもこれも詰め込み、作品全体がチャプターごとでぶつ切りになっていた印象の前作「ハリー・ポッターと炎のゴブレット(2005)」に比べると、まだ1作品としての連続性は感じられる。ただ、またもや登場人物が増えて、各キャラクターへの掘り下げがあまりにも足りないと感じる。

またもやハリー・ポッターは、あらぬ疑いをかけられて周囲から冷たい目で見られるというお約束の展開で始まる。「実はハリー・ポッターの言っていることは正しかった」となるのは毎度のことなのに、少し事件が起こるとハリー・ポッターは基本的に周囲から信じてもらえなくなる。これをベースにして観客に対して感情移入させようという意図は汲むが、いくら何でもハリー・ポッターは嫌われ過ぎ。今作はハリー・ポッターに対して酷いことを言ったキャラクターが、後に「実は間違っていた」と謝るシーンがある。ただ、そのキャラクターの母親が言っていたことを信じているだけで、そのキャラクターは自分の力でハリー・ポッターを信じている訳ではない。結局、他人のことなんてちゃんと知ろうとしようとしないということは分かるんだが、そういう意図で描かれたシーンではないだろうからやっぱりスッキリはしない。

また、ダンブルドアがハリー・ポッターの味方をしたことでハリー・ポッターは処分されずに済むのだが、ホグワーツ魔法学校にドローレスという女教師が送り込まれ、ホグワーツ魔法学校は彼女の厳しい取り締まりにより窮屈な学園生活を送ることになっていく。そこでハリー・ポッターは「ダンブルドア軍団」を結成し、魔法の訓練を始めることになる。ここではただひたすらに魔法を訓練するという描写が続く。魔法と言う非現実を実現するためのロジックはあまりなく、ただひたすらに練習すればできるようになるという形に終始している。

その後、前作で仲良くなったチョウとハリーはついにキスをすることになる。やっぱりチョウとの描写はもっと丁寧に描くべきだったな。さらに、「ダンブルドア軍団」を結成して訓練していた秘密の場所はドローレスに突き止められるのだが、そこにチョウがいたことで、ハリー・ポッターはチョウが裏切ったのだと理解する。ところが、その後スネイプ先生の発言から、チョウは真実薬を飲まされたことが分かり、裏切ったのではないことが分かる。ところが、ハリー・ポッターはチョウに対してその後何かしらのアクションを起こすことはない。前述のように、ハリー・ポッターはあらぬ疑いをかけられて、その度に「そうではない」と証明してきた。そうであるならば、ハリー・ポッターはまずチョウに話を聞くなどして確かめるべきであり、自分が受けた境遇と同じ境遇を好きな女の子に味合わせていることに気付けてすらいない。しかも、彼女が無罪であることが分かったとしても何もしない。目の前の課題に夢中で視野が狭くなっているのなら、それこそ本作に出てくる教師や周囲の友人が促すべきなのにそれもない。チョウというキャラクターがこれではあまりにも可哀そうだ。

結局、本作の一番の悪役として扱われたドローレスは、ハーマイオニーの罠にあっさり引っ掛かり終盤前に退場してしまう。その後はスター・ウォーズよろしくCG全開の理屈を無視した超人戦が繰り広げられる。

ハリー・ポッターの父の話がまたもや登場し、「実は悪人だったのでは」と思う展開もある。こういうドラマパートの掘り下げがあまりに少なく、結局はCG全開のアクションで終わってしまうのは残念。ハリー・ポッターがチョウという好きになった女性を思いやらない時点で好きになれない。

 

【関連作品】

ハリー・ポッターと賢者の石(2001)」…シリーズ1作目
ハリー・ポッターと秘密の部屋(2002)」…シリーズ2作目
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(2004)」…シリーズ3作目
ハリー・ポッターと炎のゴブレット(2005)」…シリーズ4作目
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(2007)」…シリーズ5作目
ハリー・ポッターと謎のプリンス(2009)」…シリーズ6作目
ハリー・ポッターと死の秘宝PART1(2010)」…シリーズ7作目
ハリー・ポッターと死の秘宝PART2(2011)」…シリーズ8作目

 

 

 

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