ポーランド・ズロチ、世界の金利高に足を引っ張られ続落。 11ヶ月ぶりの安値
先進主要国の金利先高感を受け、ズロチは続落。対ドルで 11ヶ月ぶりの安値。
同様にポーランド国債も自国通貨安と国内利上げ観測が広まり始め、 16ヶ月ぶりの
高金利となってしまった。
一昨日に発表になった 5月鉱工業生産は年率 + 19.1 % と前月の + 5.7 % から
大幅ジャンプ・アップ。 6月時点の GDP も + 5.5 % が予測されているため、今後の
インフレ懸念が予測され始めている。
6月28日にポーランド中央銀行は政策理事会を開催するが、現在有史以来最低水準と
なっている政策金利、7日間貸し出し金利 + 4.0 % は据え置くものと見られている。
ただ失業率の低下と引き続き旺盛な国内需要が続いているため、 5.0 % の国内
成長が急速に減退するとは考えづらく、低水準に止まった現行の政策金利の引き上げが
徐々に囁かれ始めているのが金融市場のネックとなりつつあるようだ。
昨日は 5年ポーランド国債 ( 4.25 % 05-24-2011) の入札が行われたが、平均落札
利回りは 5.525 %と前回 5月の入札落札レート ( 5.031 %) からわずか一ヶ月で
約 50 bp も上昇。 落札倍率も 1.77倍と前回の 2.58倍を大幅に割り込んだ不調な
結果となってしまった。
10年ポーランド国債は 15ヶ月ぶりの高金利となり、引けは 5.72 %。 約 8 bp
利回り上昇。
なお昨日ポーランド財務相は、今年の同国 GDP を + 4.7 % – 4.8 % と、当初見通し
である + 4.6 % から上方修正を発表。 また年間のインフレ率を + 1.3 – 1.4 % と、
中銀のターゲット上限である + 2.5 % を 1 %以上下回る予測を出している。 因みに
5月 CPIは + 0.9 % であった。
** PIMCO、5月に新興国債券保有を減額。 但し長期見通しはポジティブ
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6月 20日、米国大手債券運用会社である PIMCOは、旗艦商品である「 Total
Return Fund 」 に占める新興国債券の保有残高を4.5 % から 0.5 % へと大幅
減額したことを明らかにした。 しかしながら同社は、中長期的な観点から見ると、
新興国資産に対しては引き続きポジティブな見通しをとっている。
その理由として、
l 世界全体の GDPに対する新興国の貢献度は高く 50%を占める半面、購買力
平価から見た世界の債券市場に閉める新興国債券市場のウェイトはわずか
4.1 %に過ぎない。
同社は今後新興国債券市場が急速に拡大すると見ている。
l 新興市場からの流失資金は再び回帰し、新興債券およびその事業債へと流入
していくであろう。 同社の新興国市場への資金配分は、昨年の 33億ドルから
今年は 82億ドルへと拡大している。
l それら新興国債券市場は現在成長の第一段階を迎えたばかりであり、今後も
ボラティリティの高まりや急速な修正があることが予測される。 しかしながら
長期的な観点から見ると、世界の投資家は景気成長に大きく期待できない先進
主要国から成長著しいいくつかの新興国市場へと資金シフトを進めるであろう。
としている。
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ポーランド金融市場、は祝日で休場
6月 15日のポーランド金融市場は、聖体の祝日 (Corpus Christi Day – 聖霊
降臨節の 10日後の木曜日) で、休場
マルチンキェヴィチ・ポーランド首相はAFP通信のインタビューに対し、2010年から稼動が
予定されているロシアとドイツを結ぶ石油パイプラインの同国通過に反対を表明した。
これはロシア・ガズプロム社とドイツ・BASF社および E.ON社との間で原油パイプライン
建設を予定しているのであるが、ポーランドおよびバルチック海諸国は輸送代行費用の
支払いを受けることができない不満を漏らしたものである。
JPM社、ポーランド株式を “overweight” に格上げし、ようやく小康状態
市場オープン前に JPモルガン社がポーランドの株式をニュートラルからオーバー・
ウエィトに格上げを発表。 この影響でゾルチに買戻しが入り始め、債券・株式市場とも
下値ではあるが安定的な状態で始まった。 ただ Bundを含む欧州主要国債市場が
軟調であったこともあり、活性化とはならず。
日中発表になった 5月 CPI、 + 0.5 % / + 0.9 % (4月 + 0.7 % / + 0.7 %) と
年率で上昇を示したが、原油価格の上昇があらかじめ見込まれていたため、材料視
されなかった。
同国 CPIは欧州諸国の中で最も低い数値となっている。 また同国財務省より、今年の
インフレ率は今後やや上昇となり、年率で + 1.3~ + 1.4 % に達するとのコメントが
出ていた。 またポーランド中銀は今年末のインフレを + 1.5 % と見ているが、この水準
であれば利上げの必要性はないと公表した。
さらに良いニュースとして、今年 1~5月の累積赤字は -145.9億ズロチ (約 5,200
億円) 、通年ベースで 47.8 % となったが、市場予測であった 50~51 %を下回り、
かつ昨年同期の 52.5 %以下となっている。
財政赤字削減計画が正しく実行されているのが、この数値にも表れているようだ。
午後は超閑散。 夕方からワールド・カップ、ポーランド 対 ドイツの因縁試合が控えて
いため、市場参加者の大半はこちらに注目。 結果は 1 対 0 で惜しくも敗れた。
ポーランド国債は短期債はまだ回復しなかったものの、10年債は 1 bpながらも利回り 低下で引けた。
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フィッチ社、ポーランドの格上げ見通しを出すも、債券・為替は続落
ポーランド政府は 2007年度の予算概要を承認した。 景気拡大が見込まれる同国にとって、
インフレを相殺しても来年度の歳入は 2,131ゾルチになると見込まれており、財政赤字は
300億ゾルチ (約 1兆 800億円) となる見通し。 因みに今年度の財政赤字も 300億ゾルチで
あり、対 GDP比で + 2.9 %と、ユーロ加盟基準を下回ることになる。
IMFはこの予算概要に対し、債務安定化へ着実なステップを示し始めているとコメントしている。
さらにクルザ財務次官は、2007年の同国経済は危機的状況に陥ることはなく、利上げの
必要性もないであろうとコメント。 財政改革増税分を考慮しても賃金上昇率は + 5.5 %
前後の穏やかなものになると予測している。 またジロウスカ財務大臣は、2007年度の
財政赤字見通し 300億ゾルチは現実的な数値であり、これを下回る可能性も十分ある。
来年度の予算編成に対して、野党からの大きな反対もなかったと述べた。
一方欧州格付け会社であるフィッチ社は、ここ数年のポーランドの財政赤字削減計画を
評価。 残る政治安定が続くのであればという条件を出し、現行 BBB+ の格付け引き上げを
示唆した。
しかしながら金融市場は続落。 ジロウスカ財務大臣は当面閣内に残る見通しが強くなって
きたものの、辞任予測は払拭されていないことや、新興市場の下げ止まりがほとんど見られ
ないため、為替も債券も売りが先行。 ズロチはユーロに対して 7ヶ月ぶりに 4.0の大台を
超えるまで売られ、4.025 で取引。 底が抜けてしまったようなチャートを描いている。
債券市場も朝から売りが目立ち、 10年ポーランド国債は前日比 4 bp 利回りを上げ
5.49 %で引けた。
財務大臣辞任予測が市場を駆け巡り、ズロチが急落。 冴えない動き
先週からメディアなどで報じられているジロウスカ財務大臣の辞任が金融市場を席巻。
マルチンキィエイウツ首相が否定会見を出すも、金融関係者は不安視から売りを継続。
また一方でバルセロウィッツ・ポーランド中銀総裁の任期が 2007年 1月で切れるため、その
後任としてジロウスカ財務大臣が就任するとの観測も出ている。
さらに米国金利の上昇から徐々に高金利商品になりつつある米ドル建て債などへのシフトも
あるようで、ポーランド通貨および債券の売り圧力が強まっている。 現在ズロチは対
ユーロで 3.985 近辺であるが、為替市場では 4.04近くまで売り込まれそうとの見通しが強い。
水曜日発表予定の 5月 CPIは、前月比 + 0.4 %、年率 + 0.7 % が市場のコンセンサス。
燃料費が前年同月比 + 6.9 %上昇しているため、ここ 6ヶ月で最速の上昇予測。
またポーランド政府は この先 3年間の経済成長予測を発表。 2007および8年の同国 GDPは
+ 5.5 %。 2009年は + 6.0 %の成長になるとしている (昨年 + 3.4 %、今年見通し + 4.6 %
からするとかなり楽観的)。 また失業率は現行の + 16.5 %から、経済成長と比例し 2009年
には + 12.0 % にまでの低下を見込んでいる。
10年ポーランド国債は軟調な為替市場の影響を受け、 5.45 % と、前週末比 5bp上昇して
引けた。
ジロウスカ財務大臣辞任の観測で、午後ズロチ・債券とも軟調
世界の新興市場の揺さぶりが一巡したこともあり、ポーランド国際市場および為替も落ち着いた
動きで始まった。 しかしながら財政改革、支出削減法案を準備しているジロウスカ財務大臣
(女性 46歳)が、当日予定されていた財政改革会議の後解任されるのではないかとのニュースが
流れ金融市場は一転売りが先行する流れとなった。 ジロウスカ財務大臣は今年同国の対
GDP財政赤字幅が 4.6 % に達することもあり、増税および支出削減で Euro加盟の条件である
3.0 % 以下に押さえ込もうとしているのであるが、その条件が厳しいために景気後退を憂慮した
内閣からも不満が続出しており、解任観測が出始めたようだ。
ただ金融市場では、国債発行抑制など国家ファイナンスの全権限を持つジロウスカ財務大臣の
解任が実施された場合、その影響は衝撃的であり、ポーランド売りに繋がったようだ。
またワール・ドカップでエクアドルがポーランドに対し 2対0で勝利したこともあり、早々の退散が
余儀なくされると国民の目は政治に移る可能性が大きい。 今後の注意が必要になってきそうだ。
10年ポーランド国債は前日比 4bp利回り上昇の 5.40 %。 短期債は 2桁の金利上昇。
ECB利上げでズロチは軟調ながらも、債券市場はほぼ横ばい
ECBによる 25 bpの政策金利引き上げ (2.50 % → 2.75 %)でユーロが全面高。 その反動
からポーランド・ズロチは対ドル、ユーロ共に売られ終日軟調な地合いとなったが、世界各国の
新興債券市場が売り込まれているにもかかわらずポーランド国債は横ばいながらも小じっかり
の動きで推移。
来週水曜日 (6/14)の 5月 CPI発表に注目が行っており、国外よりも国内材料を市場は重要視。
4月 CPIは年率 + 0.7 %と 3月の + 0.3 %から大幅に上昇したものの、それでも年率で
1.0 % に達していないことから、国内諸物価の安定を考慮に入れればエマージング市場の
売りに連れ安とはなりにくい環境のようだ。
10年ポーランド国債は前日比 1bp利回り上昇の 5.36 %。
ポーランド政治
ポーランドの政局
政治体制: 共和制
議 会: 二院制 下院 (任期 4年) 460議席 上院 (任期 4年) 100議席
政 党 ( 4大政党 )
01) 法と正義 (PiS) 155議席 27 %
02) 市民プラットホーム (PO) 133議席 24 %
03) 自 衛 ( Samoobrona ) 56議席 12 %
04) 民主左翼連合 (SLD) 55議席 11 %
主閣僚
大統領 Lech Kaczynski レフ・カチンスキー 任期 5年 3選不可
首 相 Jaroslaw Kaczynski ヤロスワフ・カチンスキー 法と正義 (大統領と双子)
財務相 Zyta Gilowska ジータ・ジロウスカ 法と正義 (女性)
ポーランド中央銀行
ポーランド中央銀行 ( NBP – National Bank of Poland )
1998年 02月 17日創設
政策メンバーは、総裁を含め10名。 ポーランド議会 上・下院で任命。
任期は 6年
ポーランド国立銀行 政策メンバー
01 総 裁 Leszek Balcerowicz バルセロウィッツ NBP総裁
02 理 事 Jan Czekaj
03 理 事 Dariusz Filar
04 理 事 Stanislaw Nieckarz
05 理 事 Marian Noga
06 理 事 Stanislaw Owsiak
07 理 事 Miroslaw Pletrewicz
08 理 事 Andrej Slawinski
09 理 事 Halina Wasilewska-Trenkner
10 理 事 Andrzej Wojtyna
(注) バルセロウィッツ NBP総裁は 2007年 1月に任期満了で退任予定
2006年、ポーランド国立銀行 政策委員会 スケジュール
09月 12日、 26~27日
10月 17日、 24~25日
11月 28~29日
12月 19~20日