"Autumn Flowers"
気がつけば、9月も半ば。
お部屋もそろそろしっとりと暖かい雰囲気にしたくなる頃ですね。
店頭では現在、入荷したばかりの
アーツ&クラフツチェアをディスプレイしています。
柔らかな曲線を描くチェアはゆったりとした座り心地。
試しにお座りいただくお客様が、どなたも目を細める心地よさです。
直線をモチーフにしたチェアは、思わず背筋が伸びる雰囲気。
居住まいをただし、勉強や執務に熱中できそうな座り心地です。
どちらも19世紀末、アーツ&クラフツの時代のもの。
100年以上を経てもなお美しいフォルムはやはり本物ならでは。
ファブリックは貼り替えられておりますが、
英国サンダーソン社のベルベットジャガードです。
このベルベットジャガード は1888年にウイリアム・モリスによってつくられました。
名前は"Autumn Flowers"。
当初はシルク製でしたが、現代は耐久性を考え、
ヴィスコース(レーヨン)、ウール、コットンの混紡となっております。
もちろん肌触りは抜群です。
ベルベットの光沢と高い意匠性が絶妙に溶け合った、
最高峰のインテリア・ファブリック。
同時期に入荷したマホガニースタンドとの相性もぴったりです。
ミニチュアのブラスチェア などと合わせて、秋の夜長の読書用に
お部屋のコーナー作りをしてみてはいかがでしょうか?
インテリア・ファブリックのお話②
(織らないで作る製法もありますが、それはまたいずれご説明します...。)
では生地にどのように色柄をつけるのか。
その大きな分れ目が、織りで表現するか、染めで表現するかです。
■織物と染物の違いとは?
まず、生地を手にとって裏返してみてください。
色柄が裏にまででできている場合が織り物↓
裏には色柄が無い場合は染物↓
・・・ざっくり分けるとそんな感じです。
■織物の種類
織物は始めに糸を染めて、それから織って色柄を出していく先染め織物と、
織った後に全体を染める後染め織物があります。
後染めは、多くの色数を生産するのに効率がよいため、
ベーシックな柄や無地調なものなどに多くみられます。
一般的に先染め織物の方が、色が豊かで様々な柄を織りだすことができます。
様々な種類の糸を何色にも染め、織機(しょっき)を駆使して織りあげていきます。
単純なストライプやチェックは「ドビー織機」で、複雑な模様は「ジャガード織機」でつくります。
ドビー織機↓
■ジャガード織機
ジャカード織機は1801年、フランスの発明家ジョゼフ・マリー・ジャカール
(ジャカード, Joseph Marie Jacquard)によって発明された自動織機。
パンチカードのような紋紙(もんがみ)を使用して、いつどのように糸が動くかを管理します。
ジャガード織機↓
紋紙↓
複雑な模様を描く事ができますが、一般的には大きな柄は難しく、
ヨコが大きくても30cm程度の繰り返し(リピート)となります。
糸の飛び方、出方で柄を表現するので、糸の魅力が存分に楽しめます。
光沢のあるきれいなタテ糸でつくった朱子目、節のあるヨコ糸でアクセントをつけたグランド...
デザインだけではなく、糸商や織屋、紋紙屋などの専門職が協力してつくる、
織り物の醍醐味がつまっています。
■染物(プリント)
染物は捺染(なっせん)もしくはプリント、と表現します。
プリントにも様々な製法がありますが、基本は「型」でプリントします。
生地の耳部分に、このようなものを見たことがありませんか?
この部分を「色窓」といい、その生地に使われている色の数だけあるのです。
製造するときは、この色窓を頼りに色合わせを行っていきます。
この数があればあるほど、複雑な色表現ができます。
日本のインテリア・ファブリックだとほぼ10~15色くらいが限界ですが、
ヨーロッパは20色以上のものもあります。
インテリア・ファブリックとは異なりますが、プリントの最高峰である
エルメスのスカーフには40色以上のものもあるそうです。
その色を全て管理し、生産していくのにはどれほどの努力が必要なのか。
・・・考えるだけでも気が遠くなりそうです。
表現できる柄が大きく、日本ではヨコ50cmタテ60cm程度、ヨーロッパではヨコが70cm程度ものもあります。
デザインの自由度、鮮やかさ、細かい表現ができるのがプリントの魅力です。
■選ぶポイント
織り物も染物も、豊富な色柄や表情があります。
どれもこれも、少しでも美しく、人に好まれるように努力のうえ生まれてきたものばかり。
しいて言えば、プリントはくっきりと美しい色柄のものが多いので、
例えば椅子の座面など、小さなスペースにポイントで使うと良く映えます。
織り物は微妙なニュアンスが表現できるので、少し大きな面積、
例えばキャビネットの背板などに貼るとその醍醐味がお楽しみいただけるかと思います。
一番は選ぶ貴方の感性ですが、パンカーダでは少しでもお役にたてるよう、
用途や周りとの相性などについてのアドバイスをさせていただきます。
是非お気軽にご相談ください。
次回は生地の幅についてのお話をさせていただきます。
なんで生地には色々な幅があるのかな、と疑問に思ったことはありませんか?
その疑問にお答えします。 お楽しみに!
サテンウッドの時代
サテンウッドの時代(1770-1830)
君主 時代 様式
ジョージ3世 1760-1820 古典主義リバイバル
フランス趣味
リージェンシー 1811-1820 リージェンシー時代
(摂政時代) グレコローマン
新古典主義
ジョージ4世 1820-1830 帝国風、トラファルガー風
中国趣味第3期
ウィリアム4世 1830-1837 エジプト風
オールドフレンチ、ゴシック
アーリーイングリッシュリバイバル
1760年代になるとロバート・アダム(Robert Adam)の影響で、
古典様式を取り入れたアダムオリジナルスタイルが流行します。
1770年代に、ジョージ・ヘップルホワイト(George Hepplewhite)の影響から、
より洗練されたデザインになり、さらに、フランスの影響で彩色家具が流行り、
“フランス風ヘップルホワイト”とも呼ばれるスタイルも出てきました。
その後、トーマス・シェラトン(Thomas Sheraton)の登場で、
上品な造りの家具は絶頂期を迎えます。
1775から1800年頃には、木材も軟質なホンジュラス・マホガニーか、
国産材が主に使われるようになります。
ただ、18世紀末のイギリスは現代と似たような多様性を持つ社会となっており、
時代別に流行や重要性を分類することは難しくなっていました。
1811-1820はジョージ皇太子専属の家具デザイナー、ヘンリー・ホーランド
(Henry Holland)の影響から、グレゴローマンや中国様式が流行します。
パトロンであり、自身でデザインも手がけたトーマス・ホープ
(Thomas Hope)は、エジプト風、ギリシャ風、ローマ風スタイルを
デザインに取り入れ、フランスのアンピール様式のモチーフや
古代エジプト様式の家具等も流行させました。
19世紀初頭、古典主義のアレンジを推奨したジョージ・スミス
(George Smith)の登場で、精巧さが増し、
さらに繊細なものとなった中国風装飾様式、ゴシック、トラファルガー、
ブール象嵌(真鍮板とべっ甲を使った木象嵌)、オールドフレンチなど、
デザイン特性が多岐にわたった時代でした。
ブール象嵌に代表される象嵌細工でも、黒檀(Ebony)、樫(oak)・
楡(Elm)といった国産材が使用されたり、
金属金具の意匠も数多く創出されました。
1780-1800年くらいまではサテンウッド(Ayan、satinwood)と
ローズウッド(Rosewood)がもてはやされましたが、
キングウッド(Kingwood)やゼブラウッド(Zebrawood)、
さらに、オーク、ハンノキ(Alder)、エルム、いちい(Yew)、
メイプル、アンボイナ(紫檀類)、スーヤ(Shea Butter Tree)など、
様々な木材が構造材、あるいは化粧板張りに使用されました。
以上のように、サテンウッドの時代は、デザイナーが中心となって流行を創り、
凝った装飾に向いた構造材、精巧なインレイを表現するための
多様な材料が使用され、後の家具作りに多大なる影響を
与えた時代だったといえます。
"アンティーク・スタイリング"始まりました
パンカーダでは、アンティーク家具をとりいれたシーンのご提案を、
Antique Styling (アンティーク・スタイリング)
として、ご紹介いたします。
当店にご来店のお客様のなかには、アンティーク家具をセレクトされる時に
「この家具はいまの家に合うのかしら?」とお悩みになる方が多くいらっしゃいます。
モダンな内装の部屋や和室などに、英国の
アンティーク家具をレイアウトしたら、どのような空間になるのでしょうか?
現代の日本のマンションにも、
小ぶりで機能的な英国アンティーク家具は、実はぴったり。
アンティークの持つ存在感と温かみは、
今のお住まいをグレードアップさせてくれます。
上質な空間を演出することで、ゆったりとした贅沢な気分になれる、
気に入ったものに囲まれて、居心地のよい自分の場所を創る、
毎日の積み重ねがいつのまにか歴史になる、
さまざまなライフスタイルにつながるシーンをご紹介していけたらと思っております。
studio Licorne
先日、当店のお客様のスタジオ ”studio Licorne” (スタジオ・リコルネ)のオープニングパーティに、お邪魔させていただきました。
お買い上げいただいた家具と共に、パーティの雰囲気、スタジオの各部屋を数回に渡り、ご紹介したいと思います。
ちなみに、"licorne"(リコルネ)とはイタリア語で「ユニコーン」という意味だそうです。
”British Cafe Space”
1階は英国風カフェのイメージでインテリアが構成されています。
オーナー様の親しいお仕事仲間やご友人で大変なにぎわい。
おいしいご馳走とお酒、センスある温かい空間に寛いだ雰囲気。
そんななか、皆様の会話も弾んでいらっしゃいました。
こちらの部屋には、当店からご購入いただいた、ピアノとブックケースがあります。
お集まりの方々からの評判もよく、オーナー様にもたいへん喜んでいただきました。
次回も引き続き、スタジオ内の紹介をします。
お楽しみに。
インテリア・ファブリックのお話①
アンティーク家具の主役はやはり木材。
百年以上の時を経てもなお、
強度と美しさを増していく存在は他にありません。
ただ、木材はどうしても色合いや質感などで単調になりがちです。
そこに華を添えるのがインテリア・ファブリック。
耐久性は木材に遥か及びませんが、その色柄の豊かさ、
肌触りの柔らかさはファブリックならでは。
椅子貼りやキャビネットの内張りなど、その時々のインテリアに合わせながら
貼り替えてお楽しみいただける存在です。
ここでは、インテリア・ファブリックについて、
その製法から楽しみ方まで数回にわたって紹介させていただきます。
■upholsteryとは?
upholstery(アップホルスタリー)とはカーテンやクッション、
椅子貼り地などインテリア用ファブリックの総称です。
インテリア・ファブリックと同義語と考えていただいても問題ありません。
インテリアを考えていくうえで、欠かせない要素のひとつ。
アップホルスタリーのさじ加減ひとつでお部屋雰囲気は大きく変わります。
■その生地は、どの場所に使える?
カーテンにも、椅子貼りにも使える生地はもちろんありますが、
やはり使う用途によって求められる機能性が異なります。
では、その機能性とはどんなことでしょうか?
カーテンに大切なのは、光に色褪せないこと、ドレープがきれいにでること。
肌に触れる機会が少ないカーテン生地は、肌触りよりも
カーテンに縫いあげて、窓辺に吊った時の美しさが最優先とされるのです。
そして日本では特にお手入れがしやすいことが求められます。
湿気が多く、カーテンにほこりが溜まりやすい日本では、
カーテンにウォッシャブル性を求める方が多くいらっしゃいます。
気軽に洗濯機で洗えて、いつもきれいに使いたい・・・。
日本人ならではの清潔好きがこんなところでも顔を覗かせているようです。
一方で椅子貼り地に大切なのは、摩擦に強いこと(摩擦堅牢度)、
毛玉が出来にくいこと(ピリング)、引っ張りに強いこと(滑脱性)。
椅子にいったん貼れば、生地のみの洗濯はまずありませんので、
椅子貼り生地にウオッシャブル性は求められません。
日本のメーカーはこれらに留意して、生地の開発を行っています。
もちろん海外の生地も、輸入元がそれらの機能性をチェックしたうえで販売をしています。
■日本とヨーロッパの違い
実はヨーロッパのインテリア・ファブリックは、カーテンと椅子貼り、
どちらにも使える、とされているものが数多くあります。
そんな生地は綿や麻などの自然素材が多いため、摩擦に強く、
肌触り良くドレープ性もよい、と多くのメリットがあります。
デメリットとしては、ご家庭でのお洗濯が難しいこと。
カーテンまでざぶざぶ洗濯機で洗う、という事はヨーロッパではあまりない事のようです。
■大切なこと
インテリア・ファブリックはその用途に仕立てて初めて活きてくるものです。
それぞれの生地にあった縫製の仕方、貼り方があります。
裏打ちをしたり、縫製に工夫をしたり、手段を駆使して美しく仕上げるのが専門家の仕事です。
パンカーダでは、専門知識を持ったスタッフが、お客様のご要望に沿うよう出来る限り努力させていただきます。
もしお気に入りの生地があったら、是非ご相談ください。
次回は織物と染物の違いについてのお話をさせていただきます。お楽しみに!
マホガニーの時代
マホガニーの時代(1720-1770)
君主 年代 様式
ジョージ1世 1714-1727 ジョージ朝
ジョージ2世 1727-1760 パラディアンのリバイバル
バロック
ロココ
ゴシック
中国趣味第2期
1720年までにイギリスの家具製造業は、
様々な専門職を抱える複合産業になりました。
まさに黄金期と呼ぶにふさわしく、新しいデザインが次々に現れ、
用途に応じた家具が多岐にわたって製作されます。
1720年代後期は、パラディアン・ファニチャーが流行していましたが、
バロック様式、ハイブリッドロココ様式へ流行は移ります。
バロックを代表するデザイナー、ウィリアム・ケント(William Kent)や
ロココを代表するデザイナー、マティアス・ロック(Mathias Lock)の登場により、
さらにデザインは洗練されたものになります。
そして、トーマス・チッペンデール(Thomas Chippendale) の登場で、
家具デザインは全盛期を迎えます。
1730年代はマホガニー材が高級家具の基本材料となりましたが、
ウォールナット材も引き続き、使用されました。
1740-60年の20年間は、マホガニー材の家具を中心に、
あらゆるデザインが網羅されました。
この時代、カントリー・ファニチャーにも優れた製品が多く、
地方色が失われることなく、当時の流行を取り入れたシンプルな良品が
多く製作されました。
1750年代になると、ゴシック様式や第2期中国趣味様式が取り入れられ、
ロココ様式との折衷したデザインになります。
1760年代までに、人々の生活は豊かになり、
多くの中産階級の住宅には客間、食堂、玄関、応接間、書斎があり、
各部屋に用途に応じた立派な家具が並びました。
ウォルナットの時代
ウォルナットの時代(1660-1720)
君主 年代 様式
王政復古 1660 カロリアン朝
チャールズ2世 1649-1685 王政復古調
中国趣味第1期
スペインの影響
ネーデルランドの影響
ジェームズ2世 1685-1689 ユグノー派の影響
ウィリアム3世とメアリー 1689-1702 ダッチの影響
アン 1702-1714 バロック
ジョージ1世 1714-1727 ジョージアン期
チャールズ2世のカロリアン朝になると、ガラス扉の家具などが出現し、
家具作りに高度な技術を必要とするようになります。
このような技術を持つ箱物家具専門の職人のことを
キャビネットメーカー(Cabinet maker)と呼びました。
1660年代には、ウォルナット材のチェアの背や座面に
籐張り(canework)が施されるようになります。
この時代は、オランダ、フランス、スペインなどのヨーロッパや、
中国趣味(Chinoiserie)など東洋のデザインの影響を受けました。
1670年以降、キャビネットメーカーは様々なタイプのキャビネットや
チェア、デスク等を製作しました。
ねじりん棒(barley sugar twist)も挽物細工の発達したこの時期に登場します。
この時期の家具の特徴に、漆塗りがあります。
東洋の高度な漆工法(黒色)に影響を受け、
イギリスでも、地色が赤、黄、緑、青の漆が施されました。
このようにチャールズ2世時代には、建築や家具において、
芸術・技術など多方面で大きな発展がありました。
ジェームズ2世時代は、家具のデザイン等に著しい発展はなかったものの、
国策で国産織物が奨励され、ファブリックが発展しました。
この後、ウィリアム・アンド・メアリー様式と呼ばれる
家具装飾における重要な発展期に入ります。
オランダからの影響で、寄木細工(parquetry)の技術も発達します。
材料も多岐にわたり、牡蠣殻材(oyster-shell)、つげ(Boxwood)、
セイヨウヒイラギ(holly)、きばなふじ(sapwood)、アカシア(acacia)、
大楓(sycamore)等が使用されています。
17世紀末の特徴に、サイドテーブルに小さな引き出しがついたこと、
ドレッシングテーブルが流行したことがあげられます。
また、湾曲した脚の家具が作られるようになりました。
アン王女時代には、カブリオールレッグ(cabriole leg)が登場するなど、
家具も優雅さと快適さを兼ね備える時代となります。
インテリアも大きな高窓や広い玄関口が作られるなど、豪華になり、
それに見合う背の高い家具が発達しました。
この頃から、ペディメント(pediment)、コーニス(cornice)などの意匠が流行します。
1710-20年のデザインは精巧で機能的、かつ魅力的であり、
それがこの後の家具の黄金期、ジョージアン期へとつながっていきます。
オークの時代
イギリスの家具は、使用される木材の種類が、
時代区分名とされるのが一般的です。
以下の4つに分けられます。
①オークの時代 (1500-1660)
②ウォルナットの時代 (1660-1720)
③マホガニーの時代 (1720-1770)
④サテンウッドの時代 (1770-1800年代)
家具の変遷は、当時の家具産業の発展のみならず、政治経済、
国内外の社会情勢とも深く関わっています。
密接に関係があった当時の君主と様式、
その材料の特徴を順にみていきたいと思います。
オークの時代
君主 年代 様式
ヘンリー7世 1485-1509 チューダー期
ヘンリー8世 1509-1547 ゴシック
エドワード6世 1547-1553 教会様式
メアリー1世 1553-1558 ルネッサンスデザイン
エリザベス1世 1558-1603 エリザベス期
ルネッサンス
ジェームズ1世 1603-1625 スチュワート期
ジャコビアン
チャールズ1世 1625-1649 ルネッサンス古典主義
ダッチの影響
共和制時代 1649-1660 ピューリタン様式
15世紀末から16世紀初めまでは、家具は数も少なく、実用性重視でした。
また、この辺りまでは、高い技術を持つ職人のほとんどは
教会関係の仕事しかしておらず、ゴシック様式のモチーフが多かったようです。
オーク材を主に使用した家具が大半でしたが、
地方産家具にはアッシュ、エルム、ビーチなど手近な木材が使用されていました。
その後、イタリア様式が紹介され、ルネッサンスデザインが浸透します。
浅浮き彫りが施され、テンペラ(ジェッソー)等の塗装、金メッキ、
ビーチ、アッシュ、メイプル等によるインレイ、骨、象牙、真珠等を
使った装飾が施されるようになります。
エリザベス1世時代には、イギリス国内も安定し、家具はさらに装飾的、
かつ使途や種類も増えていきます。
技術的な進歩もあって、例えば、引き出しの接合法など、
家具の造りも発展しました。
17世紀、ジャコビアン時代に入り、凝った彫刻が施され、より豪華になります。
チャールズ1世時代、使用される材料も世界中から集められ、
ウォルナット材も多く使われるようになります。
デザインや加工技術も大いに発展しました。
共和政時代になると、一転して、芸術的センスは必要とされず、
装飾を施さない機能本位の質素なものになりました。
ネストテーブルの修復
アンティーク家具は、一つ一つ、それぞれの歴史を積み重ねながら、今にいたっています。
モノが大切に扱われていた時代から、長い年月を経ている間に、残念ながらダメージを受け、修復が必要になることもあります。
当店では、アンティーク家具のオリジナルのよさを大切にした修復(restoration)を追求しながら、なるべくお客様のご要望に沿った修復を心がけています。
家具の材料である木材は、種類や育った環境などによって、ねじれや伸縮がおきたり、使用されている環境によって、表面の木色や状態が変化しています。
一つ一つのアイテムごとに、修復の部分は異なり、その修復すべきポイントによって、手段も全く異なります。
実際に、どのように修復が行われるのか、ブログでご紹介していきたいと思います。
今回は、ウォールナット材のネストテーブルの補修について、ご紹介いたします。
当店の工房にて、修復を待つウォールナット材のネストテーブルです。
天板のモール部分に欠損が見受けられます。
欠損部は約1cmほどだったので、共材で埋めるのが一番美しく仕上がるようです。
天板の欠損したモール部に共材を付け、圧着します。
しっかりと着いたら、大まかに全体的なシルエットを整えます。
当時の職人の手で彫られた、オリジナルの彫刻部。
オリジナルの彫刻に合わせ、修復士(restorer)が慎重に手で削り出してゆきます。
仕上げに、色合わせに配慮しながら、塗装を施します。
オリジナルの風合いを活かし、全体的なバランスをみながら、完成させます。










































































