花と葉っぱとアンティーク
都立大学駅からすぐのフラワーショップ「フルール・ルポゼ 」さん。
ちょっとテラスっぽくなった店先がとても可愛らしいお店。
パンカーダの軒先に吊ったハンギングや、新鮮な切り花などは
よくご協力をいただいてます。
スタッフの渡辺さんからお話をうかがいました。
「とにかく新鮮で良いものを仕入れるよう努力してます。
お花の傾向としてはグリーン&ホワイトが好きなので、
白い花を多めに仕入れます。それに淡い色も多いですね。
ご予約いただければ、そのお客様のために
新鮮なお花を仕入れてアレンジメントや花束をおつくりします。
お気軽にご相談下さい!」
今の季節はクリスマス用のリースやアレンジメントがお店に溢れていました。
綿花や枝物など、こだわりのアイテムも。
以前にもご説明したことがあるかとは思いますが、
ブラウン系になりがちな英国アンティーク家具に、生き生きとした
グリーンはとても良く映えます。
100年近くたって、いまなお呼吸を続ける家具の木材と、
今まさに生きている植物たちが、まるで会話をしているよう。
アンティーク家具の傍にグリーン、お勧めです。
(2011.1月にフルール・ルポゼは閉店されたそうです。
とてもとても残念ですが、また再開されたら、通いたいです。)
ストリンギング(stringing)
ストリンギング(stringing)とは、線象嵌ともいい、
細い線状に象嵌していく装飾法のことです。
家具の本体に線状の溝を彫って、はめ込んでいきます。
マーケットリー、パーケットリー、クォータリングなどと併用して、
家具の意匠の装飾部を引き立てたり、
ストリンギングだけのシンプルな装飾に使われたり、いろいろです。
サテンウッド(satenwood)、ひいらぎ(holly)、黒檀(ebony)といった木材や、
真鍮(brass)などの金属を用います。
ストリンギングが施されている家具は、どこか上品さがあります。
パンカーダにもたくさんのストリンギング家具がございますので、
ぜひ見比べてみてください。
クォータリング(quartering)
クォータリング(quartering)とは、四分法ともいい、
寄木張り(veneer)のバリエーションの一つで、イギリスには17世紀に伝わり、
1720年代まで流行しました。
木材を木目に逆らって、薄く切断したものを合わせると、
扇形になるため、寄木張りはもともと扇模様(faneer)と呼ばれていました。
木目にそって切断したものは、18世紀に流行しました。
寄木張りに適している木材は、フランスやスペインから
輸入されたウォールナット、きばなふじ(sapwood)だそうです。
同じ木材から切断した薄い化粧板4枚はほぼ等しい柄になります。
17-18世紀当時、熟練した職人でも、のこぎりの厚さもあって、
化粧板の厚みは、約0.16~0.3cm位でした。
1インチ(約2.5cm)の板から、なんとか4枚取れる程度だったそうです。
木のこぶや節、あるいは木によっては若木や異物が中に入っていることがあり、
そこを切断すると、思いがけず、素晴らしい化粧板ができることもあります。
一つの木材から4枚の化粧板を作り、その4枚の左下隅を合わせて、
四角形に並べると、木目の模様がシンメトリーになります。
この技法、イギリス全土で活用され、今でも地方産の家具に使われています。
クォータリングは、線象嵌(ストリンギング)、クロスバンディング、
モールディングと併用され、様々なモチーフで家具を彩りました。
ウォールナットの美しさは、独特の木目と古艶。
自然が創りだす芸術的な模様は、人為的には創りえない趣があります。
その魅力を最大限に引き出し、美しい家具に仕上げていた匠の仕事ぶり。
アンティーク家具は、永いときを経て、自然と人間とのコラボレーションを
今に伝えてくれているのかもしれません。
アンティーク・スタイリング アップ致しました。
毎日暮らす街並みも、実は少しづつ変わっているもの。
それに気づいた時が、嬉しい驚きであったならば、暮らしはもっと楽しくなります。
今回はそんな体験をしたひとのおはなし。
アンティーク・スタイリング 。
貴方に少しでも楽しさと驚きをお届けできれば・・・。
エナメルステンドグラス ②絵の具
ステンドグラス用の絵の具は、透明なグラスフラックス(媒溶剤)と、
鉄または銅の不透明な金属酸化物で作られています。
粉末状で、水、酢、油と混ぜて使い、用途に合わせて層状に重ね塗りをします。
絵の具をガラス上に一時的にのせておく時には、水と混ぜたアラビアゴムや、
油と混ぜたヴェネツィアン・テレビン油などの結合剤を使います。
絵の具は、さまざまな結合剤を使う場合でも、
塗るごとにファイアリング(火入れ)する場合でも、薄い層にして重ねていきます。
最終的に絵の具を付着させるまでに、いろいろなブラシ、スティック、
その他の道具を使って、絵の具を塗ったりはがしたりします。
その後、ガラスを摂氏約680度にした焼き窯(Kiln)で焼きます。
この温度にするとグラスフラックスがベースのガラス上で溶けると共に、
ベースのガラスも柔らかくなるので、
不透明な金属酸化物の絵の具が定着するのです。
14世紀はじめ、シルバーステインという革新的な技術が導入されました。
シルバーステインでは、不透明な展色剤の銀酸化物を
ふつうガラスの裏側に塗って焼きます。
ファイアリングすると銀イオンがガラスに入り込み、定着。
銀イオンは、ガラス絵の具やエナメルのようにガラス表面に溶け出さず、
ガラス内部にとどまります。
ファイアリング後、不透明な展色剤を取り除くと、透明な黄色が現れます。
ガラスとシルバーステインの組み合わせ、塗る回数、
焼き窯の温度を変えることで、うすい黄色から濃い赤色まで
作り出せるようになりました。
17世紀中ごろからは、グラス・エナメルが多く使われるようになりました。
濃い色の粉末状ガラスのエナメルは、最も光を通さない絵の具です。
20世紀には、絵の具の改良によって、
素晴らしいモチーフの作品がたくさん出てきたのですね。
当店にあるステンドグラスも、花や鳥などモチーフも様々、
透過光によって映し出される色味と輝きは、柔らかさと温かみが添えられ、
ずっと観ていても見飽きません。
日の短かくなった今日この頃、日光による幻想的な光の世界に
浸ってみるのもよいのではないでしょうか。
パーケットリー(parquetry)
パーケットリー(parquetry)とは、上下左右対称なモチーフや
直線や円などの幾何学的模様の寄木細工のことです。
製作法は全く違いますが、箱根の寄せ木細工に意匠は似ています。
パーケットリーは、自然界の非対称な曲線を主体とした
花模様などのマーケットリーとは異なり、精緻さが追求されるため、
製作はとても困難であったと思われます。
基本的は描き方は、先日ご紹介したマーケットリーと同じで、
パーケットリーはコントラストが強調される色の木片を、
パターンが同じになるように重ね合わせて切り、張り合わせてモチーフを作ります。
パーケットリーも、型紙にのり(膠)で貼り付けた薄い木材を何枚か重ね、
それを糸のこで切り抜いてから組み合わせて創られています。
自然の木材にも、白、黄色、薄茶色、焦げ茶色、赤、黒と様々な色があります。
紫檀(rosewood)、白檀(sandalwood)、オレンジ (orange)、
シトロン( citron )、マホガニー( mahogany )、ツゲ( boxwood )、
ヒイラギ( holly )、カエデ( maple )、黒檀( ebony )、くり(chestnut)、
なし(pear)などが使われました。
木材の持つ自然な色身を生かす以外にも、
木材を染料(花の赤やピンク、葉の緑)で染めて使用することもありました。
パーケットリーは、左右対称の渦巻き紋様を精緻に切るなど、
高度な技術を要するので、美しいパターンを繰り返すモチーフは
熟練した職人による素晴らしい匠の仕事なのかもしれません。
素晴らしいパーケットリーがたくさんございます。
ぜひご覧いただければと思います。
マーケットリー(marquetry)
マーケットリー(marquetry)は、寄木張り(veneer)のバリエーションの一つで、
植物や動物、花や楽器など絵画的意匠を指します。
幾何学的な意匠のパーケットリー(parquetry)と呼ばれます。
寄木張りは、もともとはイタリアで始まり、
イギリスには1625-1650頃から登場していましたが、流行したのは1690年代。
ウィリアム&メアリーの共同統治時代(1689-1702)、
オランダ人王となったことによる大陸の影響は生活様式にも及び、
寄木張りもその頃に伝わりました。
マーケットリーは、様々な薄い木板を組み合わせたり、
木板のキャンバスに模様の型をくり抜き、
そこに色や種類の違う別の木板をはめ込み、花や様々な模様を作り出し、
そのシートを家具本体に貼付けることで描きます。
【マーケットリーの製作工程】
色や種類の違う木材を薄い木板にします。
それを全て、紙を一枚ずつ挟みながら重ね、のりで張り合わせます。
細工に使用しない木片で、サンドイッチし、その上に図案の紙を貼ります。
次に木材に対して直角に糸の子をあてて、模様を切ります。
切り終わったら、木片を離し、水と薄い刃のナイフで間の紙をはがしていきます。
3色の木を使えば、、3枚のパネルができ、同じ形の薄い木板が3枚できます。
それを下地材に張っていくと、マーケットリーを作れます。
キャンバスとなる木板にモチーフを描き、それを家具にはめ込めば完成です。
キャンバス材として、もっともよく使われたのはウォールナット材です。
マーケットリーのモチーフは、花柄とアラベスク柄の2種類が代表的。
他に、アーカンサスの葉の渦巻き模様、蔓、花、
鳥類(鷲など)の柄などがあります。
マーケットリーのモチーフには、多種類の木材が使われましたが、
特別な色を出すために染めることもあったようです。
そのままの状態で使ったり、ときには、花や葉の色に変化をつけるため
焼けた熱い砂の中に木片を埋めて焦がすこともありました。
濃い色から薄い色に変化するグラデュエーションを付けため、
徐々に引き出して、焦げ色をつけるというテクニックも使われました。
花びらの芯から周辺までの色の変化を表現するのに
このテクニックがよく用いられます。
さらに花弁や葉らしくみせるために、パネルを貼り付けるとき、
のこぎりで切れ込みを入れて、のりで表面が盛り上がるようにアクセントを
つけたりするテクニックもあります。
ローズウッド(rosewood)、白檀(Sandalwood)、オレンジ(orange)、
シトロン(citron)などは、自然な色合いのまま使われることが多かったようです。
一方明るい色は、一番明るいセイヨウヒイラギ(holly)、
つげ(Japanese box)、アカシア(acacia)、大カエデ(sycamore)などがあります。
マーケットリーの美しさ・精緻さは、機能的・実用的である「家具」を
鑑賞すべき「美術品」にしているといってよいでしょう。
当店にも素晴らしいマーケットリーを施された家具がございますので、
ぜひ、モチーフの多様性、手仕事の素晴らしさを観にいらしてください。
イギリスの動物たち
「・・・なんて田舎なんだ!」
そう、イギリスの首都、ロンドンですらちょっと車で走れば、そこここに羊や馬。
今回ロンドン郊外の住宅街にあるホテルに泊まりましたが、
夕食の帰りには道や庭をうろつくキツネに遭遇。
少し大きな公園に行けば、そこはリスの天国です。
イギリス南部の街。
いっとき車を停めていたら、道端の開店準備中のレストランからはラブラドールが。
外に出ないようにでしょうか、戸口に置かれたスツールの隙間から顔を覗かせて。
ご主人さまはお店のお掃除中のよう。
早くお散歩にいきたいのかな。
ここで、イギリスで発見した動物アイテムをご紹介します。
ロンドン中心部のおしゃれなカフェ。
座った席の後ろに潜む陶器のひつじ。
丸い目がたまりません。。。。
やはりロンドンのホテル。
泊まった部屋のバスルームにはアメニティに混じってアヒルが!
毎日疲れきって、シャワーですませていましたが、
その日は久々に浴槽にお湯を溜めてしまいました・・・。
今回買付て、コンテナでくる予定のスタッフォードシャードッグ。
銘はありませんが、とにかく年代が古い!推定1860年代。
なかなか個性的な顔立ちですが、一度はまってしまったら
抜けられないような魅力がありそうです。
ちなみに真鍮製のカエルも入荷予定。
上下にカパッと開きます。小物入れ、でしょうか?
イギリスは日本よりも人口が少なく、全体的に本当に緑が多いように思います。
そしてその分、動物たちと人間の距離がとても近い。
そんな環境が育んだ、愛らしい動物アイテム。
今後も充実させたいと、密かにたくらんでおります・・・。
インレイ(Inlay) 象嵌細工
インレイ(Inlay)とは、象嵌細工のこと。
象は「かたどる」、嵌は「はめる」と言う意味です。
象嵌本来の意味は、一つの素材に異質の素材を嵌め込むと言う意味で、
金工象嵌、木工象嵌、陶象嵌等があります。
アンティーク家具のインレイといえば、木工象嵌細工が多く、
家具の表面に模様を彫って、他の素材をはめ込んで、
装飾を施したもののことを指します。
ただし、次回ご紹介する、マーケットリー(marquetry)などが施された家具も、
インレイド(Inlaid)という表示がなされることが多く、インレイだから、
彫りこんであるもののことと断定できないようです。
インレイの素材には、果樹(fruitwood)やぶな(beech)、とねりこ(ash)、
ひいらぎ(holly)、かえで(maple)などのほか、象牙(ivory)や、骨(born)、
真珠貝(pearl oysters)などの貝殻(shell)、金属(metal)も
インレイの材料となっていたようです。
インレイは、17世紀以前、主に中世頃の装飾方法とされ、
ナイフなどで切り込みをいれ、他の素材を埋め込むため、
複雑な意匠を表現するにはたいへんな技術が必要でした。
貝殻がはめ込まれたインレイは、角度によって輝き方が違うので、神秘的。
最近まで、奈良国立博物館で「正倉院展」で、
「螺鈿紫檀五弦琵琶」が公開されていました。
木地に直接文様形を彫って貝片を埋め込んでいるそうです。
昔の熟練した職人さんの手仕事の素晴らしさは、
日本も英国も変わらないのではないでしょうね。



















































