マーケットリー(marquetry) | 東京の高級アンティーク家具店パンカーダのブログ
2010-11-22 11:00:00

マーケットリー(marquetry)

テーマ:アンティーク豆知識

マーケットリー(marquetry)は、寄木張り(veneer)のバリエーションの一つで、

植物や動物、花や楽器など絵画的意匠を指します。

幾何学的な意匠のパーケットリー(parquetry)と呼ばれます。


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寄木張りは、もともとはイタリアで始まり、

イギリスには1625-1650頃から登場していましたが、流行したのは1690年代。


ウィリアム&メアリーの共同統治時代(1689-1702)、

オランダ人王となったことによる大陸の影響は生活様式にも及び、

寄木張りもその頃に伝わりました。


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マーケットリーは、様々な薄い木板を組み合わせたり、

木板のキャンバスに模様の型をくり抜き、

そこに色や種類の違う別の木板をはめ込み、花や様々な模様を作り出し、

そのシートを家具本体に貼付けることで描きます。


【マーケットリーの製作工程】


色や種類の違う木材を薄い木板にします。
それを全て、紙を一枚ずつ挟みながら重ね、のりで張り合わせます。


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細工に使用しない木片で、サンドイッチし、その上に図案の紙を貼ります。
次に木材に対して直角に糸の子をあてて、模様を切ります。


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切り終わったら、木片を離し、水と薄い刃のナイフで間の紙をはがしていきます。
3色の木を使えば、、3枚のパネルができ、同じ形の薄い木板が3枚できます。
それを下地材に張っていくと、マーケットリーを作れます。

キャンバスとなる木板にモチーフを描き、それを家具にはめ込めば完成です。


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キャンバス材として、もっともよく使われたのはウォールナット材です。


マーケットリーのモチーフは、花柄とアラベスク柄の2種類が代表的。
他に、アーカンサスの葉の渦巻き模様、蔓、花、

鳥類(鷲など)の柄などがあります。


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マーケットリーのモチーフには、多種類の木材が使われましたが、

特別な色を出すために染めることもあったようです。

そのままの状態で使ったり、ときには、花や葉の色に変化をつけるため

焼けた熱い砂の中に木片を埋めて焦がすこともありました。


濃い色から薄い色に変化するグラデュエーションを付けため、

徐々に引き出して、焦げ色をつけるというテクニックも使われました。

花びらの芯から周辺までの色の変化を表現するのに

このテクニックがよく用いられます。


さらに花弁や葉らしくみせるために、パネルを貼り付けるとき、

のこぎりで切れ込みを入れて、のりで表面が盛り上がるようにアクセントを

つけたりするテクニックもあります。


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ローズウッド(rosewood)、白檀(Sandalwood)、オレンジ(orange)、

シトロン(citron)などは、自然な色合いのまま使われることが多かったようです。

一方明るい色は、一番明るいセイヨウヒイラギ(holly)、

つげ(Japanese box)、アカシア(acacia)、大カエデ(sycamore)などがあります。


マーケットリーの美しさ・精緻さは、機能的・実用的である「家具」を

鑑賞すべき「美術品」にしているといってよいでしょう。


当店にも素晴らしいマーケットリーを施された家具がございますので、

ぜひ、モチーフの多様性、手仕事の素晴らしさを観にいらしてください。

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