落語会
9月も後半になれば外出もしやすくなるだろうと、暫く前にチケットを取ってありました。まだ蒸し暑さが残りますが、昨日は久しぶりに落語会へ~。会場は能楽堂の舞台で松の木の絵を背景にした立派なしつらいで、前から3列目と目線もちょうどいい感じの席でした。一番面白かったのは、塩鯛さんの「生け簀の中の鯛同士の会話」を描写した「鯛」という演目です。どうやったら料理人の目から逃れ、生け簀の中で生き延びることができるか?という鯛にとっては生死にかかわるテーマを鯛の先輩と後輩が話す内容です。最後は人情噺的なしんみりとした気持ちで終わります。この題目、もう古典のようになりつつあるそうですが、文枝さんが創られた話とのこと。この噺、大好きになりました。ぜひまた聴いてみたい!米團治さんはいつもマクラのところで父・米朝さんのことを話されます。世襲制が多い古典芸能の世界で、それとは違う落語の世界で人間国宝の息子に生まれてしまったご自身のことをいつも面白おかしく話されています。後ろの席の方が「お父さんに似てきたなあ」って感慨深く仰っているのが聞こえてきましたが、声色とか動画でしか知らない米朝さんに似ておられると私も思いました。「掛け取り」はモーツアルトの生まれ変わりを自称されている米團治さんご本人ならではのクラシック音楽のネタがいっぱいあって、また開催地の大津市にあわせて琵琶湖八景ネタも出してくれて、その情報量のすごさに圧倒されました。以前、三重の鈴鹿で米團治さんの落語を聴いたときはちゃんと三重県ネタを揃えて披露してくれたことを思い出しましたがあれだけの大量データを暗記して一気に流れるように話されるところ、本当にすごいです。