【映画】プリティウーマン
7本目。原題:Pretty Woman監督:ゲイリー・マーシャルキャスト:ジュリア・ロバーツ、リチャード・ギアハリウッドの娼婦ビビアンは偶然知り合ったウォール街の実業家エドワードに1晩買われる。ビビアンに興味を持ったエドワードは1週間の契約を結ぶ。エドワードにとってはほんの気まぐれ、ビビアンにとっては最高のお客。その2人がいつしか惹かれ合い……。軽妙なタッチで綴ったシンデレラ・ストーリー。娼婦から淑女まで、ジュリア・ロバーツの変身ぶりも見どころ。~映画.com~1990年アメリカ映画。最近SNSにこの映画の断片がよく流れてきて、久しぶりに観てみようかとアマプラで鑑賞。遠い昔、学生だった頃に観たきりです。あの頃はお金持ちのエドワードが何の仕事をしているのか、ストーリーを追っていてもよく意味がわからなかったけれど、投資家の一種で企業買収して売って利益を出すハゲタカファンド的な会社の経営者だということがわかりました。それで専属の弁護士を雇うのも意味がわかりました。ジュリア・ロバーツは典型的な美人顔ではないけれど、笑顔がとても魅力的で、手足が長くて背が高くて、カクテルドレスを着て男性と同じくらいの背の高さで歩く姿がとてもかっこいいなと思いました。最後の場面で、大学時代に映画好きだった先生が授業中に小ネタで話してくれたことを思い出しました。ハリウッド映画の多くの監督が昔から心を砕いてきたのが「女性が相手の男性に心を許すとき」のシーンの演出。それを「女性が髪をほどく瞬間」の場面で表すのだそうです。ハリウッド映画の演出哲学に「Show, don't tell(語るな、見せよ)」というのがあります。二人きりの時に、言葉であれこれ相手に伝えるよりも、それまできりっとまとめていた髪の毛を彼の前でほどく。さっと長い髪が広がる瞬間の髪の動き、その時の女性の仕草、それらは女性が「相手を受け入れる」というメッセージを視覚的に伝える力があるのです。この映画でもラストシーンで、エドワードがバラの花を持って彼女を迎えに来た時、ヴィヴィアンは後ろにまとめていた長い豊かな髪の毛をさーっと解いて、満面の笑顔でエドワードを迎えるのですね。これ、同じくリチャードギアが出ている「愛と青春の旅立ち」のラストでも使用されている演出です。女子が多かった英文科での授業、先生が「みなさんも将来、ここぞ!という時にはこの演出を使うといいですよ。はらはらと風に広がり、なびく長い髪にお相手の男性はときめきますよ。(笑)」と冗談を言ってみえたなあ、髪は女性の武器なんだなあと思ったことも思い出しました。35年も前の映画です。ジュリア・ロバーツはいまでもとても魅力的な女優さんだと思います。この作品、当時は「現代のマイフェアレディー」と言われていたシンデレラストーリーです。今見ても素敵な作品でしたが、演出部分で気になったことがありました。エドワードがヴィヴィアンをオペラに連れていく場面があるのですが、その演目が「椿姫」なんです。高級娼婦が主人公の物語です。何もそんなの見せなくてもいいのに、って思った。あとヴィヴィアンは子供の頃、「白馬に乗った王子さまが迎えに来てくれるのを夢にみていた」と彼に語るシーンがあります。ラストでエドワードが彼女を迎えに行くシーン・・、白馬の王子さまをなぞるように白のストレッチリムジンの天井から身体を乗り出している姿がなんか興ざめでした。💦