昨日の記事で、中東やアフリカからの大量に流入してきているのは、難民だけでなく移民も含まれていると書きました。欧州まで辿り着いているのは、ブローカーにお金を払っている人達のようですので、実際には多くが移民のようです。

 

このような状況で、ドイツのメルケル首相が難民受け入れを歓迎すると発言しました。難民と思われる子供の遺体がトルコの海岸に漂着したニュースによって、他のEUの首脳も難民を受け入れと言わざるを得ない雰囲気になっていますが、実際にEU内ではドイツと他国には大きな温度差があるようです。

 

日本の反日マスコミはあまり伝えていませんが、多くの国からは難民や移民を受け入れることに反対の声が出ています。

 

ドイツは、ユダヤ人への迫害や虐殺を反省し、移民や難民に寛容な姿勢を取っていると言われています。それが、メルケル首相の難民受け入れを歓迎する発言の背景にあると考えられています。

 

しかし、ドイツという国はそんな温情があるような国ではありません。ドイツが移民や難民を受け入れようとしているのは、安い労働力を確保するという目的もあります。

 

ドイツは経済が好調で労働力不足の状態にあり、特にドイツ国内のグローバル企業はドイツ人よりも人件費が安い移民を雇うことで、より多くの利益が出せると考えています。しかし、移民や難民を大量に受け入れることは、ドイツの治安を悪化させ文化的摩擦を生み、ドイツ人の賃金を低下させることになるので、多くのドイツ人にとっては迷惑な話です。

 

一方、他のEU諸国は経済が不調で、失業率が高く労働力が余っています。そこに安い労働力が入ってくれば、更に景気が悪化してしまいます。

 

OECDに加盟しているEU各国の失業率のグラフを見てみると、ドイツだけが5%を下回っていて、ギリシャとスペインは20%を超えており、ポルトガルやイタリアなどは10%を超えています。

EU加盟国失業率

資料出所:OECD

 

失業率が高い国に外から安い労働力が流入したら、失業率は更に高くなるだけでなく、賃金も低下してしまいます。

 

移民や難民がドイツにだけ留まればいいのですが、実際にはそういうわけにはいきません。EU内の国に入ってしまえば、自由に他のEUの国へ移動することができます。従って他のEUの国からすると、ドイツに集まったりドイツを目指したりしていた移民や難民が、いつ自分の国に流れてくるのか不安で仕方ないのです。



また、ドイツを目指している移民や難民の通り道になっている国では、暴徒化して警官と衝突するなど、既に混乱が生じています。

 

ドイツ以外のEUの国からすると、移民や難民を歓迎するというメルケル首相の発言というのは、いい迷惑なのではないでしょうか。

 

 

反日の日本のマスコミは、日本も難民を受け入れるように世論を誘導したいみたいですが、仮に中東やアフリカからイスラム教徒の難民が日本に来ても、難民の人達は困ってしまいます。

 

彼らは日本語を話すことができず、日本にはイスラムのコミュニティがほとんどないので、日本に難民として来ても、その後の生活は厳しいものになります。難民のことを考えれば、自分達と慣習が近い同じイスラム教の国に行くのが、最も良い選択だと思います。

 

中東の中でも産油国でお金に余裕のある湾岸諸国は、財政的にも難民を受け入れる余裕があるはずです。しかし、これらの国はほとんど難民を受け入れていなく、なんとシリア難民の申請受理件数はたったの5です。サウジアラビアやオマーンは1人も受け付けていません。

 

このことはマスコミではほとんど報じられることがなく、私もナスタチウムさんのブログで初めて知りました。興味のある人は是非読んでみてください。

イスラム教徒が領土を拡大中! 難民には難民自身の文化地域に留まらせる対策を!

 

日本は国連の人道支援要請に対して財政支援をしていますが、湾岸諸国で日本より多い金額を拠出しているのはクウェートだけで、バーレーンやオマーンは全く財政支援を行っていません

 

CNNなどでは、シリアからの難民を受け入れようとしない湾岸諸国に批判が強まっていることを報じています。

 

湾岸諸国はシリアと同様にアラビア語を公用語としており、難民が言葉の問題で困ることはありません。また、サウジアラビアやカタールはシリアの反政府勢力への資金援助をするなど内戦に関与もしているため、内戦によって生じた難民を受け入れる義務があると指摘されています。

 

日本のマスコミも、シリア難民に関することについて、ある一面だけ切り取ってを伝えるのではなく色んな角度から伝えて全体像が理解できるような報道をして欲しいですね。まあ、日本の多くのマスコミにはジャーナリズムを持ち合わせていないので、難しいとは思いますが・・・


(関連記事)

○日本から戦争賠償金を取った国
○ヨーロッパの域外への主な輸出品は白人奴隷だった
○ヨーロッパは麻薬で貿易不均衡を解消した
○移民が日本を滅ぼすのか?
○ヨーロッパの移民政策から日本の移民受入を考える
○欧米の姑息な統治手法
○ヨーロッパ各国は自分達が過去にやったことを忘れている
○モザイク国家は紛争の宝庫

○移民受入がモザイク国家を生み出す
○移民受入は人口減による問題解決にならない
○日本の難民認定申請の実情


こちらをクリックしてください!