日本は第二次世界大戦後に敗戦から立ち直り、急速に発展したことによって経済大国になったと思っている人が多いと思います。
それでは、第二次世界大戦前や戦中には、日本はどのくらいの経済規模だったのでしょうか。当時の主要国の国民総生産(当時は国内総生産ではなく国民総生産が指標として使われていました)と比べてみることにします。
下のグラフは、第二次世界大戦が終わった昭和20年までの10年の間の、当時の主要国である日本を含めた7カ国の国民総生産です。
資料出所:OECD
現在と同じように、米国が圧倒的な1位で、昭和16年以降のデータが不明となっていますがソ連が2位になっています。日本は昭和15年にフランスを経済規模で抜かし、英国とドイツに次いで5位となっていました。
したがって、日本は既に経済大国になっていたと言っていいのではないでしょうか。そして、昭和18年に国民総生産が最も多くなっています。戦争需要があったことも影響していますが、昭和18年までは経済成長をしていました。
日中戦争は昭和12年、大東亜戦争は昭和16年に始まっています。しかし、戦争が始まっても経済成長をしていたことが分かります。
戦争が終わるまでは、日本は戦争一色で経済活動も滞っていたと思っていましたが、昭和18年まではそんなことはなかったようです。そのような状況になったのは、戦況が悪化してきた昭和19年からのようです。
また、昭和18年の途中までは、一般の人には戦争による悲壮感はほとんどありませんでした。昭和18年の暮れになると、戦況が芳しくないことの影響が出始めてきます。但し、東京などの都市部と地方の田舎では切迫感にかなり差があり、田舎はのどかな雰囲気のままだったようです。
昭和19年は、成長し続けていた国民総生産も減少に転じました。この年から印刷物がカラーから白黒になり紙の質も悪くなるなど、戦争の影響が色濃く出るようになってきます。それまで学童疎開は任意でしたが、この年に国が学童疎開の実施を勧奨して集団疎開が始まりました。
実際には、多くの人が思い描いている戦争中の悲壮感漂う暗い状況は、昭和19年途中から終戦までの1年半くらいのことだったようです。
日本は戦後に奇跡的な復興を遂げたことで、経済大国になったというのは確かだと思います。しかし、戦前は小国で戦後にいきなり発展したということではなく、戦前には既に世界第5位の経済大国だっという下地があったのです。
他にも、戦前や戦中の日本について、事実とは異なる認識を持っていることは少なくないと思います。
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