201212月から民主党政権から自民党政権に変わって、金融緩和策を実施して貨幣供給量を増やしてきたことにより、円の為替レートは安くなってきています。ここ数日でも円安が進み、1ドル106円台になっています。

 

リーマンショック前は1ドル110円でしたし、20076月には124円台のこともありました。バブル崩壊期の1991年には134円台でしたので、現在の106円というのは、そのときに比べれば相当な円高です。

 

年次のドル/円の為替レートの年次推移をみると、1990年は1ドル144円台で、その後急激に円高が進み、それからは110130円の範囲で上下していました。2008年から再度円高が進み2011年には1ドル80円を下回り、その後は円高基調になっています。


為替レート年次推移

 

円高や円安というのは相対的なものですので、どの時点と比べるかによって円高にもなり円安にもなります。現在の1ドル106円というのも、2011年に比べると円高ですが、2007年に比べれば円安となります。

 

マスコミでは、円安になって輸入価格が上がり、それによって価格が上がっているものが増えていると報じています。しかし、2011年や2012年の頃は1ドル80円を下回っていましたので、輸入価格が下がり、その恩恵を受けていたということになります。でも、そのようなときは為替レートによって恩恵を受けていることはほとんど報じていません。

 

1990年代後半から2000年代前半の為替レートからすると、1ドル120円になってもおかしくないと思います。その頃は輸入する原材料の高騰などが問題になっていたでしょうか?


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