日本政府の借金は、平成26年度末には1,144兆円となると財務省は見込んでいます。そのうち国債は886兆円になると見込まれています。

 

そして国債には色々なものがあり、発行目的、償還期間、利払い方式などによって、様々な種類に分けられます。今回の記事では、国債の種類について紹介していきます。

 

 

発行目的による分類

歳入債(普通国債)

当年度の歳出を賄うために発行する新規財源債、国債の償還資金を調達するために発行する借換債、東日本大震災からの復興のために発行す る復興債などがあります。道路・住宅・港湾等の社会資本建設のための建設国債、歳入の不足を補う赤字国債(特例国債)という分類もあります。国債の約9割が歳入債となっています。

 

財政投融資特別会計国債(財投債)

財政融資資金を調達するために発行される国債で す。財政投融資とは、国が特殊法人等に対して有償資金を供給し、それを原資として行った事業からの回収金等によって資金を返済するという手法により行われ る投資および融資の活動です。償還や利払いが、税金ではなく財政融資資金の資金回収金などによって賄われています。一般政府の債務には分類されていませ ん。

 

繰延債

財政資金の支出に代えて国債を発行することによって、償還日まで支出を繰り延べるために発行します。交付国債、出資・拠出国債などがあります。

 

融通債

短期国債のうち、国庫の日々の資金繰りを賄うための資金を調達するために発行される国債です。



国債の種類別内訳(平成26年度末見込)   単位:億円
国債内訳
資料出所:財務省

 

償還期間による分類

超長期国債

15年(変動利付国債)、20年(利付債)、30年(利付債)、40(利付債)があります。

 

長期国債

10年(利付債、個人向け国債、物価連動国債)があります。

 

中期国債

2年(利付債)、3年(利付債、割引国債)、5年(利付債、割引国債、個人向け国債)があります。

 

短期国債

6か月(割引国債)、1年(割引国債)があります。

 

国庫短期証券

60日(割引国債)があります。

 

 

利払い方式による分類

固定利付債

半年毎に支払われる利子が一定になっています。償還期間は、2年、5年、10年、20年、30年、40年のものがあります。個人向けとして、償還期間が3年のものもあります。国債のほとんどが、この固定利付債となっていますので、国債の金利が上昇しても既に発行済みの国債の利息はあまり増えません。

 

変動利付債

半年毎に支払われる利子の額が市場金利によって毎回見直されます。償還期間は15年です。個人向けには償還期間が10年のものもあります。

 

物価連動債

元金額と利子額が物価動向に連動して増減します。物価の動向によっては満期時に元本割れすることがあります。

 

割引国債

利子の支払いがなく、償還期限までの利子相当分をあらかじめ額面金額から差し引いた価格で発行されます。満期時には額面金額で償還されます。


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