ミンミン蟬鳴く蟬時雨の中

徒歩14分の近所の中学校まで

参院選の投票に行ってきました。

 

投票済証明書(2005年参院選)

 

そのあと

国民健康保険と電気代を納めて

タワーレコード・オンラインからの

荷物を引き取り

普段使いの方のディスカウント・スーパー

OKに立ち寄って買い物を済ませ

帰宅したら汗だくでしたがな。

 

 

ところで

コンビニに行く途中で見かけた

こちらのこんもり。

 

赤芽柏の木(2005.7.20)

 

赤い蕊が目にとまりました。

 

赤芽柏の雌花(2025.7.20)

 

見覚えがあったので

帰宅後に調べたところ

以前取り上げたことのある

赤芽柏だと分かった次第です。

 

これまで2回ほど取り上げましたが

 

 

 

ここまで真っ赤な柱頭は

初めて見ました。

 

ちなみに

赤芽柏の名前の由来は

雌花の柱頭が赤いからではなく

新芽が赤いことに由来します。

 

パイオニア植物なので

そこらじゅうで見かけますが

雌花を見かけることは

珍しい気がしますね。

 

 

赤芽柏は赤芽檞とも書き

Wikipedia によれば

和名の別名は

五菜葉[ごさいば]だそうで

庭木図鑑 植木ぺディアにある別名

「ゴサバ」も同じ漢字を

当てるんでしょう。

 

庭木図鑑 植木ぺディアにある別名

「サイモリバ」は

Wikipedia に書かれていた

五菜葉の由来からして

漢字表記は「菜盛葉」だと思います。

 

万葉集にも出てくる古名として

楸[ひさぎ]、久木

というのがあって

比佐木とも書くようです。

 

ただし

木大角豆[きささげ]も

楸という字を

あてるようですけど。

 

庭木図鑑 植木ぺディアにある

もうひとつの別名「アズサ」は

AIによる概要によれば

「楸」が変化したものだそうですが

楸がどう変化したら梓になるのか

まったく分かりません。

 

 

英名は

Japanese Mallotus だそうで

これは学名の

Mallotus japonicus

そのまま流用したものですね。

 

属名の Mallotus は

AIによる概要によれば

ギリシャ語で

「長軟毛がある」という意味の

mallotos に由来するのだとか。

 

AIが根拠とした

福田龍株式会社の記事を見ると

果実に白色の長い腺毛が生えることに

由来すると書かれています。

 

そちらよりも

以下の記事の説明の方が

直感的に分かりやすいかと。

 

 

上掲 ZUKAN の記事に

上ではふれていない和名の別名が

たくさん載ってますけど

「ショウグンボク」と

「サイコロバ」は

由来の見当がつきません。

 

AIによる概要によれば

樹皮を胃腸薬で用いる際に

「将軍木皮」と呼ばれていた

とのことですけど

なぜそこで「将軍」と付くのかは

以前として謎ですね。

 

「サイコロバ」の「サイ」は

「菜」なんでしょうけど

「コロ」とはどういう意味なのか。

 

「転がす」から来てるのかなあ。

 

 

投票に行ったという

日常報告記事から

赤芽柏にこだわってしまい

思わぬ長文となりました。

 

ご容赦くださいませ。m(_ _)m

前回のブログ

ガブリエル・フォーレは

近代音楽だから

古楽演奏を求めるのは野暮

というようなことを書きました。

(「野暮」とは書いてないけどw)

 

それでも

古楽テイストを求めてしまうのが

古楽沼にハマった人間の

性[さが]でして

今回のCDを買ったのは

そういう性のためです。(^^ゞ

 

《フォーレ:レクイエム(1888年初演版)》

(ナクソス・ジャパン

 NYCX-10496、2024.11.1)

 

リリース年月日は

タワーレコード・オンラインに

拠りました。

 

原盤レーベルは

ベルギーのリチェルカール

(RICERCAR)です。

 

演奏は

ティボー・レナールツ指揮

ナミュール室内合唱団と

ミレニアム・オーケストラ。

 

録音は

2024年7月14〜15日と

同年同月16〜17日に

行なわれました。

 

前者は

ベルギーのへーフェルレーにある

イエズス会哲学研究所

後者は、やはりベルギーの

ナミュール・コンサートホールで

録音されたと記載されてますが

おそらくは《レクイエム》のみ

コンサートホールでの録音

ということかと思います。

 

 

収録楽曲は

 ジャン・ラシーヌの讃歌 作品11

 (本盤ではこういう訳題)

 祈り

 マドリガル 作品35

 ヴィレルヴィルの漁師たちのミサ

 アヴェ・ヴェルム・コルプス 作品65の1

 マリア・マーテル・グラツィエ 作品47の2 

 タントゥム・エルゴ 作品65の2

 レクイエム 作品48(1888年初演版)

で、《レクイエム》1888年版は世界初録音

となっております。

 

《祈り》と《レクイエム》以外は

前回ご紹介のオールディス盤に

収録されているもの。

 

 

《ヴィレルヴィルの漁師たちのミサ》は

アンドレ・メサジェとの共作で

オールディス盤だと

メサジェの部分を取り去った短縮版

(フォーレ作曲部分のみをまとめた

 フォーレ自身による再編版)の

《小ミサ》を収録してるんですけど

本盤では元々の形で収録されています。

 

伴奏楽器は

現代のリード・オルガン

(いわゆる足踏みオルガン)にあたる

ハーモニウム(ハルモニウム)を使用。

 

こういうところが

古楽沼にハマった人間の

琴線に触れるんですよね。( ̄▽ ̄)

 

 

《レクイエム》の1888年版というのは

マドレーヌ教会で教区民のために

1888年に演奏された際のもので

〈オッフェルトリウム〉と

〈リベラ・メ〉は、まだなく

器楽編成は独奏ヴァイオリンの他

ヴィオラ(6)、チェロ(4)

コントラバス(1)、オルガン(1)

ハープ(1)、ティンパニ(1)のみ。

 

(独奏ヴァイオリン以外の

 4人の奏者が violins & violas

 と表示されているんですが

 この4人は他の曲で

 ヴァイオリンに持ち替えている

 ということかと思います)

 

現在、一般的に演奏されるのは

1900年初演の第3稿だそうで

第2稿が演奏・録音されることも

あるそうですが

以前、聴いたことのある

ヘレヴェッヘ盤がそれですね。

 

 

本曲の演奏で使われている

パイプ・オルガンは

前回の記事でちょっと触れた

カヴァイエ=コル製造のものだとか

 

前回の記事では

 「カヴァイレ=コル」と

 書いちゃってますけど

 ライナー小冊子に掲載されている

 中西充弥の解説の表記は上記の通り)

 

このオルガンの音がいいのはもとより

ハープの音がはっきりくっきりと

ちゃんと聴こえるのが

嬉しい限りです。

 

 

1888年は

コナン・ドイルの

シャーロック・ホームズ第1作

『緋色の研究』が

刊行された年と同じ。

(初出は前年の年鑑誌ですけど)

 

というわけで

ちょっと親近感が

湧いたりするのと同時に

フォーレが近代の音楽家であることを

意識させられたりも

するのでした。

 

 

それはともかく

本盤は音の輪郭が

はっきりしていて

曖昧なところがありません。

 

それについては

オールディス盤も

そうでしたけど

古楽マニアの琴線にふれる点で

一頭地、抜けている感じが

個人的にはするのでした。

 

おススメの1枚です。

ジャン=クリストフ・グランジェ

『ミゼレーレ』の下巻で

 

J=C・グランジェ『ミゼレーレ』創元推理文庫

 

主役の1人で元刑事の

リオネル・カスダンが

アスンシオン福祉教育協会という

非営利団体経営のコロニーが開催する

少年聖歌隊のコンサートに

赴く場面が描かれます。

 

そのコンサートのプログラムに

4つの合唱作品が演目に上がっていて

そのうちのひとつ

ピアノ伴奏つきのペルゴレージ

《スターバト・マーテル》については

以前の記事で書いた通りです。

 

 

《スターバト・マーテル》は2曲目で

3曲目にはガブリエル・フォーレの

《ラシーヌの雅歌》作品11を

「歌とピアノ演奏用に編曲したもの」が

演奏されたと書かれていました。

 

《ラシーヌの雅歌》というのは

手元にあるCDを見てみたら

以前ご紹介したことのある

ケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団の

《ミゼレーレ》に入ってました。

 

クロウバリー指揮KKC《ミゼレーレ》

(ポリグラム POCL-1830、1998.6.1)

 

指揮はスティーヴン・クロウバリー

(クレオベリーとも)で

ジェイムズ・ヴィヴィアンの

オルガン伴奏で演奏されます。

 

ただ、こちらの録音は

以前にも書いたかと思いますが

マイクの位置の問題からか

耳遠い感じがされます。

 

なんだか

もやもやっと歌っている間に

曲が終わってしまう感じ。

 

 

そこで

もうちょっと

ちゃんとした録音で聴きたい

と思っていたところ

Amazon で当たりをつけていたら

新宿のディスクユニオンで

おそらく同じものを

より安く見つけたのが

こちらのディスクにです。

 

オールディス指揮《フォーレ:ラシーヌ雅歌 他》

(EMI ミュージック・ジャパン

 TOCE-14188、2008.10.22)

 

演奏は

ジョン・オールディス指揮

グループ・ヴォカール・ド・フランス。

 

録音は

1983年5月9〜11日

パリのサン・ジャン教会で

行なわれました。

 

ライナー小冊子には

Temple St. Jean, Paris

とあるだけですけど

こちらの教会でしょうか。

 

 

こちらは

ルター派のプロテスタント教会で

カヴァイレ=コル・ムタン

(オルガン製造者カヴァイレ=コル

およびその後継者ムタン)のオルガンが

有名なようです。

 

 

オールディス指揮盤は

驚くほど音が良くて

演奏の方も

フォーレの旋律は

これほど耽美的であったか

と思わせるものがありました。

 

ただ問題は、こちら

EMI CLASSICS BEST 100

という再発廉価盤の1枚ですが

再発廉価版あるあるで

歌詞対訳がついていないこと。

 

キャップ(タスキ、オビ)にも

その旨、記してありますが

ほとんどが

一般的な典礼で使われる

歌詞に則っているとはいえ

そうでない曲もあり

やっぱり歌詞は欲しい。

 

あと

曲によってはオルガンの他に

ピアノやハープが加わることも

あるんですけど

もちろん古楽器演奏ではなく。

 

19世後半から

20世紀初頭にかけての

いってみれば近代の曲なので

古楽器演奏ではなくとも

当時の聴き手と同じものを

聴くことができている

という可能性が高いわけでして

無茶振りではありますけれども。(^^ゞ

 

 

いずれにせよ

《ラシーヌ雅歌》

(本盤ではこの表記)が

どんな曲かを知るだけなら

本盤だけで充分かと思います。

 

少なくとも上掲の

ケンブリッジ・キングス・カレッジ盤よりは

キャップの惹句にいうところの

「天国的な美しさ」が

感じられました。

 

 

上にも書いた通り

グランジェの『ミゼレーレ』では

「歌とピアノ演奏用に編曲したもの」が

歌われたと書かれています。

 

そういう録音ないし動画があれば

良かったんだけどなあ

……と思って

試しに検索してみたら

見つかってしまったという。( ̄▽ ̄)

 

 

演奏は

エレーヌ・リシャルドゥー

(Hélène Rishardeau)指揮

イシャンゴ室内合唱団

(Chœur de Chambre Ishango)で

ピアノはエティエンヌ・ラッペ

(Etienne Rappe)です。

 

2013年9月1日

ベルギーのロワザンで開催された

音楽祭での録音(録画)です。

 

音質はやや悪いですけど

グランジェの『ミゼレーレ』も

こんな感じだったのかなあ

とイメージが広がる感じ。

 

というか

カスダンが寝落ちしてしまうのも

むべなるかな、と

思ったことでした。( ̄▽ ̄)