Anna Prohaska: Enchanted Forest

(独 Archiv: 479 0077、2013.3.12)

 

リリース月日は

タワーレコード・オンラインに

拠りました。

 

演奏は

ソプラノのアンナ・プロハスカと

ジョナサン・コーエン指揮

アンサンブル・アルカンジェロで

曲によって

テノールのサミュエル・ボーデン

トーマス・ウォーカー

バスのアシュリー・リッチェス

といった面々が加わります。

 

録音は2012年4月と9月で

4月がロンドンの

ハックニー教区セント・ジョン教会

9月がやはりロンドンにある

オール・ハロウズの教会にて

行なわれました。

 

 

原題は

Enchanted Forest

直訳すれば

《魔法をかけられた森》

となります。

 

タワーレコード・オンラインの

商品ページの「収録内容」では

《魅惑の森〜バロック・アリア集》

と訳されていましたので

そちらに合わせました。

 

そういう邦題の日本流通盤が

出ているのかどうかは不詳です。

 

 

こちらのCDは

夏期講習で立川に行った際

当地のディスクユニオンで

見つけたものです。

 

知らないアーティストでしたが

ジャケ裏を見てみると

ヴィヴァルディ、ヘンデル

パーセル、カヴァッリ

モンテヴェルディという

バロック音楽でお馴染みの名前を

確認できましたので

パーセルとヴィヴァルディに惹かれ

不見転で買ってみた次第。

 

 

昨日の晩、

アルコール抜きの晩酌の際に

聴いてみたんですが

バロック・オペラのアリアを

コロラトゥーラを駆使して

歌いあげているんですけど

やや線が細いという感じ。

 

例えばヴィヴァルディなら

自分が聴いた範囲で

ということになりますが

チェチーリア・バルトリや

レア・デザンドレなどと

どうしても比べてしまい

その両者に比べたら

線の細さは否めないんですね。

 

本盤に収録されている

ヴィヴァルディの歌劇

《貞節なニンフ(忠実なニンフ)》

RV.714 からのアリア

〈苦悩する魂〉のPVが

アップされていましたので

下に貼り付けておきます。

 

 

例によって

「動画を再生できません」

と出るので

アドレスも貼っておきます。

 

 

なんだか不思議な演出ですけど

それはともかく。

 

プロハスカの声の迫力が

バルトリに及ばないとはいえ

不思議と透き通っているというか

押しの強さにつながるような

雑味? があまり感じられず

繊細だと感じる人がいても

一概に否定できません。

 

まさにニンフの声とでもいうべきか。

 

ここらへんは

個々人の趣味の範疇に

属するでしょうが

何度も聴いて

聴き慣れると

評価や印象も

変わるんですよね

これがまた。( ̄▽ ̄)

 

 

ヴィヴァルディはともかく

パーセルのように

半音階的な下降音を駆使する

メランコリックな曲には

声がぴったりと合っている

という気がします。

 

本盤収録の曲であれば

歌劇《妖精の女王》Z.629 のアリア

〈おお私は泣きたい(嘆きの歌)〉なぞは

絶品ですね。

 

パーセルは他に

《妖精の女王》から

〈ごらん夜の女神もここに〉と

聖セシリアの祝日のためのオード

《高らかに歌え》Z.334 の

テノールとバスが加わる

〈聴け、柔しき竪琴の用意は整いて〉が

歌われています。

 

 

パーセルだと他にも

《妖精の女王》からは

ホーンパイプ ニ短調とト短調

《アテネのタイモン》から

カーテン・チューンという

3曲の器楽曲が

セレクトされています。

 

パーセルのみ

器楽曲が演奏されている

というのも不思議ながら

カーテン・チューンの

こんなにゆっくりとした演奏は

初めて聴きました。

 

これはこれで悪くないですね。

 

 

器楽曲といえば

アルカンジェロのメンバーを

ライナー小冊子で見ていたら

リュート奏者として

トマス・ダンフォードの名前が

目にとまりました。

 

おお、こんなところにも(笑)

 

馴染みの名前を見つけると

一気に親しみが湧きます。

 

 

モンテヴェルディは

マドリガーレ集・第8巻

《愛と戦いのマドリガーレ》から

〈ニンフの嘆き〉が

セレクトされています。

 

この曲は

最初と最後が

テノール2、バス1の男声合唱で歌われ

第2楽章がソプラノ中心で

男声合唱が添えられる

というスタイルです。

 

こちらもPVがありましたので

貼り付けておきましょう。

 

 

例によって(以下同文)

 

 

これも

曲の世界を誤解しそうなくらい

ホラー・テイストの

とんがった

不思議な演出ですねえ。

 

 

それはともかく

モンテヴェルディの曲が終わり

しばらく無音状態が続いた後

ソプラノ二重唱の

短い曲が歌われます。

 

曲名はライナーには載っておらず

ネットでトラック名を取得しても

タイトルが表示されません。

 

プロハスカのCDでは他にも

隠しトラックがあるものがあると

どこかで読んだ気がするんですけど

どこだったか…… (^^;ゞ

 

ところが

上にもリンクを貼った

タワーレコード・オンラインの

商品紹介ページの「収録内容」を

ふと見てみたら

トーマス・モーリー:『スイート・ニンフ』

と書かれてまして

灯台下暗しとは、このことかと。

 

トマス・モーリー

ルネサンス末期の

イギリスの音楽家で

同曲の原題は、検索したら

Sweet nymph, come to thy lover

だと、すぐ分かりました。

 

ヴィヴァルディの歌劇

《貞節なニンフ(忠実なニンフ)》

RV.714 からのアリアに始まって

モンテヴェルディのマドリガーレ

〈ニンフの嘆き〉で終えた上に

さらにモーリーの

〈優しいニンフ〉を加える

という構成。

 

どんだけ枠組みを作ったら気が済むんや

という感じですね。( ̄▽ ̄)

 

 

ところで

アンナ・プロハスカの歌は

今回初めて聴いたものとばかり

思ってたんですけど

今回の記事を書くため

いろいろと検索していて

他の歌い手との共演盤が2枚

手もとにあることに

気づかされました。(^^;ゞ

 

そちらについては

また機会がありましたら。

 

 

本盤のトレーラーがあったので

以下に貼り付けておきます。

 

 

例によって(以下同文)

 

 

記事を書くときは

「動画を再生できません」

と表示されていても

アップすると問題ない場合が

あるんですけど

まあ、お約束ということで。

 

こちら↓はドイツ語版のトレーラー。

 

 

なお、本盤には

筒状タイプのハコが

スリップ・ケースとして

ついていますした。

 

Anna Prohaska: Enchanted Forest(ハコ)

 

海外盤では珍しいですね。

(たまにありますけど)

昨日、取り上げた百日紅

千日紅という別名も

持ってるようですけど

一般に千日紅といえば

草本類のこちらですね。

 

白い千日紅(その1)

(2025年7月30日撮影。以下同じ)

 

先月末に

かかりつけのクリニックから

れんげ食堂 Toshu に向かう途中

咲いているのを見かけました。

 

こちらは

園芸ネットで紹介されている

ラスベガスホワイト

という品種かと思いますが

その他にも白い品種として

ネオンホワイトとか

オードリーホワイト、さらに

スプレーオードリーホワイトなど

いろいろヒットするので

素人にはよく分かりません。(^^ゞ

 

和名の別名は千日草で

白花ならこちらで呼ぶべきかも。

 

 

英名は Globe amaranth で

アマランスはアマランサスのことですが

Wikipedia によれば

ギリシャ語で「萎れることのない花」

という意味だとか。

 

つまり

千日紅という名の由来にもなった

花の色が長持ちすることから

萎れることのない花である

アマランスと同一視され

花序の形状にちなんで

グローブと付けられたものかと。

 

 

英名には

Bachelor's button

(独身男性のボタン)

という別名もあるようですが

手元の辞書によれば

こちらは主として

矢車菊を指すようです。

 

以前、当ブログで

千日紅を取り上げた際

この英名にふれて

由来は何なのかと

書いたことがあります。

 

 

その時は分からなかったんですが

今回は、AIによる概要で

リンクが貼られていた

25ans[ヴァンサンカン]の記事を

読むことができました。

 

 

この記事によれば

「好きな人ができた独身男性が、

 洋服にヤグルマソウを襟元につける

 習慣があったことから」

と説明されていますけど

そうなると千日紅は

どうなるんでしょうね。( ̄▽ ̄)

 

 

学名は

Gomphrena globosa

リンネによる命名です。

 

属名は

季節の花300」によれば

鶏頭の一種を指すギリシャ語の

gromphaena に由来するそうで

この属名そのままに

ゴンフレナ

と呼ばれることもあります。

 

種小名は「球形の」という意味。

 

 

花序の白い部分は苞にあたり

実際の花はそれに隠れている

黄色い部分ですが

アップで撮った写真に

幸いにも写り込んでました。

 

白い千日紅(花序アップ)

 

目を凝らさなければ

分からないかと思いますが

アップしておきます。

 

 

百日紅と千日紅は

夏を代表する草木ですけど

今年のように(あるいは年々)

こう暑くなってくると

真っ赤っかの品種より

桃色や白色の方が

涼味が感じられますね。

 

白い千日紅(その2)

 

特に夜ともなれば

そして螢光灯で照らされていると

何ともいえぬ風情を

感じてしまうのでした。

本日から3日間

自宅警備員となります。

 

残念ながら

週明けまでに

済ませなくてはならない

レポートの採点があって

のんびりお盆休み

読書に勤しんだり

CDを聴いたり

DVDを観たり

というわけには

いかないのでした。

 

 

さて、先日来から

最寄り駅そばのマンションの庭に

桃色の百日紅が咲いているのを

目にしていたのですが

体温に迫ろうかという日中は

撮影するために立ち止まる気にもならず。

 

先日の木曜日は曇り空で

ちょっと気温が落ち着いていたため

ようやく撮る気になった次第。

 

桃色の百日紅

(2025年8月7日撮影。以下同じ)

 

当ブログでは

赤や白の百日紅を

取り上げたことがあります。

 

 

 

 

桃色のも

最寄り駅そばであれば

以前から目にしているはずなのに

今回初めて目にとまりました。(^^ゞ

 

 

目の前まで枝が下りていて

花弁の様子を撮ることもできました。

 

桃色の百日紅・雄蕊

 

黄色い葯[やく]が目立ちますが

これは仮雄蕊で

虫をおびき寄せる働きをするだけで

生殖能力はないのだとか。

 

実際に生殖能力があるのは

周辺部の長い6本の方だと

庭木図鑑 植木ぺディア

書いてありましたけど

よくよく目を凝らさなければ

上の写真では分かりにくいですね。

 

というわけで

雄蕊の部分を拡大して

ガイドライン代わりに

青いマーカーを引いてみました。

 

桃色の百日紅・雄蕊(アップ)

 

よけい分かりにくくなってたら

ごめんなんさい。m(_ _)m

 

それにしても

じゃあ雌蕊はどこに

とか思っちゃいますね。( ̄▽ ̄)

 

 

英名は Crape myrtle で

マートルは、手元の辞書によれば

フトモモ科の低木を指し

特に銀梅花を意味するそうです。

 

クレープは

しわしわな花弁の形状に

由来するものでしょう。

 

 

銀梅花は以前

取り上げたことがあります。

 

 

今年の夏休み前は

レギュラー授業が町田で

隔週で通ってたんですけど

ついに見ること能わず。

 

伐採されたのか、それとも

タイミングが合わなかっただけなのか

よく分かりません。

 

 

それはともかく

百日紅の学名は

Lagerstroemia indica

AIによる概要によれば

属名はスウェーデンの植物学者

Magnus von Lagerström に

由来するものだそうです。

 

こちらの記事によれば

 

 

東インド会社に勤務していた

ラーゲルストロームが

当地で入手した植物を

友人のリンネに献上したことに

由来するのだとか。

 

種小名のインディカは

東インド会社がある土地に

由来するんでしょうね。

 

 

上にリンクを貼った

「杉並の自然学」の記事に

黄色い葯も、そうでない方の葯も

どちらも生殖の役割を持つ

と書かれていて、びっくり。

 

矢追義人『ミクロの自然探検』

(文一総合出版、2011)に拠るものだと

ちゃんと根拠が示されているので

間違いではありますまい。

 

研究は日々進んでおり

事実は日々更新される

というわけですな。