王道日本:佐野雄二 -2ページ目

おごれる安倍政権、女性の社会進出

安倍政権の支持率が落ちてきている。その大きな理由は、集団的自衛権行使容認の憲法解釈の変更にあるとの指摘が多い。

しかにこれまでと違う憲法解釈をするのだから、もう少し国会審議や国民世論を重視して、丁寧に時間をかけるなどの配慮は必要だったろう。


 しかし、この問題や対中姿勢を除けば、安倍政権は本当に保守なのか?と疑問符がつくことが多い。

 その一つが女性の活用策である。先日、閣議決定した新成長戦略の「日本再興戦略改訂版」では、学童保育について、2019年度末までに約30万人の受け皿をつくるという。これは育児と仕事との両立を図るために、待機児童の最小化を図るものである。



他にも、上場企業には、女性役員数の向上を掲げさせ、有価証券報告書に比率を記載することを義務づけた。

一方では専業主婦や非正規のパート雇用を望む主婦を減少させようと、配偶者控除の見直しや社会保険の扶養控除制限の見直しをしようとしている。


安倍総理は、育児があっても正社員並みに仕事をすることが女性を輝かせる道だと信じ込んでいる節がある。

 そういう生き方があることを否定しないが、女性の社会進出を語る場合、忘れてならないのが「子供を犠牲にしない」という視点である。

 「三つ子の魂百まで」という言葉があるように、3歳前の乳幼児には母親のスキンシップや豊かな愛情は不可欠である。

また、人間の脳は小学校低学年の10歳までにほぼつくられる。逆にいえば、その年齢までは、母親が豊かな愛情をもって子育てに充分な時間を割くことが重要である。それは男女不平等というわけではなく、父親の愛情では代替できないからである。

 

13年度版の男女共同参画白書によれば、女性の就業希望者約303万人のうち、正規雇用を望んでいるのは17.1%であり、71.9%は非正規雇用で良いと言っていた。理由は「育児や家事をキチンとしたい」、「介護があるから」というもので、現実の母親は、正規雇用での企業戦士よりは、家庭と子育てを重視して行きたいという想いを明白にしてきているのである。


「家庭を大切にする」という言葉は、「子育てを重視する」という言葉とほぼ同義である。子供にとっては母親の豊かな愛情こそが安らぎの環境であり、健全な成長のエネルギー源である。それを忘れた女性の社会進出では、どれほど子供の数が増えたり、GDPが上がっても、国家としては劣化し、3流国に落ちることを指摘しておきたい。



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戦後の国際秩序を破壊する中国

中国政府による新疆ウイグル自治区への支配に対し、ウイグル族の反発から何度もの暴動、反逆事件が起きている。


中国共産党は、これをアメリカへの9.11テロとだぶらせる意図で「ウイグル族によるテロ」とレッテル貼りをしている。しかし、中共による新疆ウイグル自治区やチベットへの支配こそ、戦後の国際秩序を破壊するものである。



 というのは「戦後の国際秩序」は、戦前のイギリスを筆頭とする列強国の「他民族への武力による植民地支配」から脱して、国際連合やGATT、IMF、世界銀行などによる支配へと変わっていった。


そこにはもちろん、戦後世界をリードしたアメリカの方針があったが、日本が先の大戦で欧米の植民地支配に対抗して「アジアの解放」を叫びながら死力を尽くして戦った成果も生かされていた。


いわば最大の戦勝国アメリカの方針と最大の敗戦国・日本の貢献で、「他民族や他国への武力による植民地支配を否定し、国際機関と国際法を尊重する戦後の国際秩序」が形成されてきたのである。

そのことは戦争で敗れたとはいえ、日本が「アジアの解放」を戦ったお蔭でビルマ(現ミャンマー)、インドネシア、フィリピン、インドなどが次々と列強国から独立できたことを知れば充分であろう。



その戦後秩序を中国は否定する。中国のやっている新疆ウイグル自治区への武力による支配、チベットへの武力による支配は、明らかに「他民族への武力による支配」であり、戦後の国際秩序を破壊するものである。

また、国際司法裁判所への提訴を拒否しながらの尖閣諸島の領有権主張や、尖閣上空を含む防空識別圏の一方的設定、フィリピン領有の南沙諸島への侵略行為、ベトナム領有の西沙諸島への侵略行為なども「他民族や他国への武力支配を否定し、国際機関と国際法を尊重する戦後の国際秩序」を破壊するものである。


中国は日本の政治家が靖国神社を参拝したら、ただちに「戦後国際秩序の否定である」と言って日本を非難する。しかし、戦争で負けたのだから戦争指導層がA級戦犯で処刑されるのはやむを得ないとして、日本人が「不当である」と主張するのは、「敗者が侵略者であり、虐殺者であった」とする東京裁判によるレッテル貼りである。


逆に「国際紛争は国際機関や国際法で処理し、武力で他民族を植民地化したり、支配しない」という戦後の国際秩序の多大なる寄与者であることを、日本はもっと主張すべきなのである。


若者よ、AKBやサッカーに浮かれる時は終わったのだ!



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中国への対処の仕方

安倍首相は、シンガポールで開かれているアジア安全保障会議で講演し、中国への批判をにじませた講演をした。

それに対し、中国代表が「積極的平和主義と言うが、先の戦争では何百万人もの中国、韓国、アジアの人々が日本軍に殺された。その魂にどんな姿勢を示すのか」と質問した。


 中国は、当初は国防相の参加を打診されたが応じなかった。だが、安倍首相の出席を知り、閣僚級で弁の立つ人物を送り込んで、質問させたという。


 このやりとりは結構なことである。日本は当分、様々な場面で中国をけん制する発言と行動を強め、アジアを中国の好き勝手にはさせないというメッセージを送るべきである。

 中国側の質問に答えて言えば、韓国人について日本軍が殺したというのは一人もいない。なぜなら、当時、韓国人は日本軍の一員として戦ったからである。


また、中国とは戦争となったが、戦ったのは蒋介石軍であって、共産党軍とは一度も戦っていない。逆に中国共産党・情報部長の藩漢年という人物を通じて蒋介石軍の情報提供を受けており、共産党と日本軍とは極めて友好的な関係にあった(謝幼田著『抗日戦争中、中国共産党は何をしたか』より)


また、盧溝橋事件、第2次上海事変は、中共が日本軍と蒋介石軍を戦わせるために陰謀を仕組んだものであり、批難されるべきは中国共産党である。もちろん、その前に鉄道守備の名目での派兵など、日本側の侵略行為はあった。その点は謝るが、何度もの停戦協定を破って戦争を仕掛けてきたのは、国民党軍に潜った共産党員であった。

さらにアジアの国々を戦地としたのは、列強国からの植民地解放を目指したからである。日本が石油禁輸で南下せざるを得なかったことが発端であるが、当時、日本とタイ以外のアジアの国は、中国を含めて、すべて列強国の()植民地だった。日本はアメリカとの戦争には負けたが、アジアの植民地解放には大きく貢献したと考えている。


ちなみに中国との戦いにおいて、南京攻略後、日本は蒋介石軍に「損害賠償を含む和平交渉(2次トラウトマン工作)」を行ない、蒋介石は大筋、その条件の受諾を内定していた(中村あきら著『大東亜戦争への道』P461462より)

その返答が遅れたため、日本は「国民政府を対手とせず」と戦争に突き進んでしまったが、条件をつり上げず、もう少し慎重に時間をかけていれば、全面戦争を回避できたのに残念である。

その中で、南京攻略後に「損害賠償に応じる」と蒋介石が内定したことは、第2次上海事変が中国軍によるものであり、同時に南京大虐殺が無かった証拠である。もし、大虐殺が行われていたら、蒋介石軍はそれを世界に宣伝し、日本は国際的非難を浴びて窮地に陥り、とても戦争どころではなかったろう。

―以上の事実を、中国側の日本批判がある度に、堂々と主張する。特に中国共産党が漢奸(売国奴)行為を働いて蒋介石軍の弱体化を図り、政権を手に入れたことは、共産党の致命的欠陥であり、政権の正当性をゆるがすものである。

これらを何度か言えば中国は、「もう日本の批判をしないから、我々の過去を言うのは止めてくれ」と持ちかけてくる。そのような状態に持ち込んでこそ、日本とアジアの平和が保たれるし、歴史の真実も明らかになる。それが中国の横暴を許さず、武力対決を回避する最善の道と考える。

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集団的自衛権の容認は時代の要請

 安倍首相がめざす集団的自衛権の行使容認に関する議論がかまびすしい。本メルマガでも以前に述べたが、あらためて整理すると、


最も重要なことは、日本の安全保障をいかに確保するかである。中国の様々な行動が現実的な脅威として差し迫って来ている中で、「日本には憲法9条があります。だからあなた方も尖閣や沖縄に攻め込まないで下さい」というだけで、平和が守れるのかがポイントである。


本来なら憲法改正すべきなのは誰でも分かっている。9条を条文どおり読めば、自衛隊さえ違憲としか読めない。しかし、第96条に規定される改正要件が、あまりにも厳しいため、改正できない。戦後69年経つが、一度も1つの政党が「衆参各議院の3分の2以上」を確保したことがない。改正の発議要件をクリアした後にも、「国民投票で過半数を必要」という高いハードルがある。


なぜこのような高いハードルがあるのかというと、アメリカの占領下、日本とドイツについては、一切の軍事力を奪って「二度と列強国に敵対しないように」硬性の憲法をつくったからである。

最近の中国の行動は、フィリピンやベトナムとの領有権争いを見ても、国際ルールをまったく無視するものである。そのような国と隣接して生きて行くためには、もちろん外交力が重要だが、抑止力としての軍事力も必要である。それだけでもダメで、日米安保の強化がどうしても必要である。


中国は日本単独ではなめてかかってくるが、背後にアメリカが控えているとなると自制する。残念ながらそれが現実の力関係で、そのために日米同盟関係の強化が必要となる。その同盟関係を強固にするのが集団的自衛権なのである。

仮に尖閣諸島が中国に攻められたとして、米軍が出動すれば、それは集団的自衛権の行使である。アメリカが日本のために集団的自衛権を行使するのに、日本はアメリカが攻められても行動しない。これでは「安保ただ乗り」で、どこの国からも信用されないし、守ってくれない。


かっては基地を提供し、駐留経費を負担していれば良かったが、アメリカの財政難で、日本にも軍事的な協力を求めるようになってきた。集団的自衛権の行使容認は、このような時代的要請から生まれている。


ちなみに、「9条を改正したら戦争に突き進む」という議論がある。この少女趣味の議論に対しては、「では9条を守っていたら、中国は尖閣を取りに来ないのですか?北朝鮮は核開発やミサイル発射を止めるのですか?」と問うことをお勧めする。

どんなに理想が素晴らしくとも、その理想を願っているだけでは自分達の国が守れない。これを機会に、憲法改正論がさらに高まることを望むものである。

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オバマ訪日の成果を考える

先日、オバマ大統領が来日し、日米共同声明において、尖閣諸島を日米安保の防衛義務対象にすると明記した。TPPについては最終合意には至らず、甘利担当相が粘り強い交渉をしたことから、日本側で評価する声が多い。


 しかし、本当にそうだろうか。

オバマは、訪日前から、尖閣諸島の防衛義務を明記する代わりに、TPPでは日本側に一方的に譲歩させる戦略であった。その戦略は一気には行かなかったが、共同声明には「前進する道筋を特定した」と明記させられたのだから、今後、時間がかかってもアメリカの意向を通すという話に大筋の変更はない。

日本の文化は農耕文化が基礎にある。「額に汗して働く」ことを美徳とし、「種を植え、水をやらねば実はならない」と教え、「地に足がついた思考」を称賛する。昔からの地域でのお祭りは農耕に関連したものが圧倒的に多いし、皇室の催事も農耕に関連したものが多い。そもそも日本建国のために天孫ニニギが地上に降臨した際、稲穂をもって来たというほど、農業が国の基本にあることを示す事例は多い。


その農業への就労人数が年間10万人単位で減り、平均年齢も66歳超と高齢化するなど、危機に瀕している。本来なら農業希望者の若者を大々的につのって教育し、農業後継者の育成に力をいれるべきである。しかし、その対策は極めて弱く、一方ではTPPを進めるというのだから、農業弱体化は必至となる。

安倍総理は「保守」のはずだが、保守とは国の基本、日本文化の根源を何より大事にするはずである。また、国内の雇用と食糧安保も重視するのが、保守のはずである。


しかし、それらは重要5品目の関税を一定に守れば維持できると考え、対中国と成長戦略を重視した。


愚かなことである。対中国などというのは、日本をTPPに参加させたいためのプロパガンダである。

中国が問題なのは、関税の額や取引のルールだけではない。彼らが行なう反日教育や反日テレビ、歴史認識の強要が問題なのであり、それが改善されない限り、反日が止むことはない。

また、食糧安保は、たんに量だけではない。TPP参加による「食の安全軽視」が問題なのである。


先日、テレビで「若年性アルツハイマー」が取り上げられていた。BSE(狂牛病)にかかった牛は脳がスカスカになるが、人間でも脳がスカスカになるのがアルツハイマーである。日本では1980年代後半からアルツハイマーが増えているが、その傾向と狂牛病の発生に関連性は無いのか。


あるいはフランスの生物学者の研究で、遺伝子組み換え食品を食べ続けたラットは明らかにガン・腫瘍の発生、寿命短縮などが見られた。その警告があっても日本政府はアメリカに配慮して、見ぬふりであるが、TPPでは歯止めが無くなってしまう。


TPPに入れば食の安全が犯され、医薬品の認定などに日本人の安全を考慮した歯止めが無くなってしまう。

外国の市場を当てにした成長戦略は近隣窮乏化策であることを知れば、今一度立ち止まって、TPPを考えるべきなのである。

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歴史問題での反撃を如何にするか?

メルマガが大分、空いてしまった。対中国、対韓国、対TPPへの安倍政権の対応を見て、今の方向では日本の再建は困難であろうとの想いから、時間が経つのを待つしかないという心境であった。


 特に従軍慰安婦問題、歴史認識については、中国・韓国・アメリカが共同戦線を張ってくるので、当方でも知識と知恵と戦略が必要である。戦略が無く、ただやみくもに猪突猛進するだけでは、残念ながら勝ち目はない。

こちらは国際的に弱者であり、少数者であることを自覚して、「小が大に勝つ」ための戦略が必要なのである。


特に歴史認識では中国が悪質でしつこい。中国は歴史問題で日本に贖罪意識を植えつけ、アジアの覇者を維持すると同時に、日米韓を離間させることで、アメリカおよび日本の弱体化を図ろうとしている。そのためには韓国を味方につけることが得策と、従軍慰安婦問題でも、安重根の記念館建設にもすぐに対応した。

だから敵の親玉は中国であるという認識が必要で、その敵と戦うためにどの国を味方につけるか考えるべきである。

中国は、戦略的で資金力もあり、執念深いから相当に「いやらしい相手」である。この国と情報戦争を戦うにあたっては、安倍政権のような「新自由主義」ではダメである。


新自由主義は必然的に「経済至上主義」である。経済のためには国家の誇りやプライドも一部は捨て去って、「政治的には付き合いたくないが、相手の経済規模が大きいから仲良くする」という「商売至上主義」を内包する。


情報戦争を戦うには、それらの誘惑を絶って、「市場としての中国など無くとも日本は食っていける。観光客も中国からは来なくて良い」というぐらいの覚悟が必要となる。

中国と交流が途絶えた場合、困るのはレア・アースであるが、それはアメリカに介在してもらって輸入する、という想定も必要である。

そうした観点でみると、月刊『正論5月号』に「ナチスはどっちだ!」という有馬哲夫氏の論文と、「朝鮮戦争こそ歴史戦争の主戦場たるべきだ」という樋口恒晴氏の論文が傑出している。


特に朝鮮戦争は、中国共産党と北朝鮮が、アメリカを筆頭とする国連軍と戦った。日本も韓国のために後方支援を行なったのだから、米韓だけでなく、国連をも味方につけて中国を批判することができる。「攻撃は最大の防御」であるから、こちらが攻撃できる歴史カードをもって戦う必要があるのである。



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靖国参拝問題をどう捉えるかーその3

新年早々、引き続いて靖国参拝問題を取り上げる。私自身は政策的な「A級戦犯分祀論者」であるが、国のために闘った先達のお墓詣りをすることもかなわないというのは、国を想う1人として情けない。


しかし、日本が避けられた戦争に突入し、いたずらに降伏を長引かせて被害を大きくした戦犯は明らかに存在する。海軍の米内光政や山本五十六である。うち米内については、すでに述べたので、山本について述べると、彼の戦いで有名なのは真珠湾攻撃とミッドウェー海戦である。


日本はアメリカに石油や鉄を止められて対米戦に向かわざるを得なくなったが、その場合、攻撃の焦点は、原油や鉄などの産出するインドネシア(当時はオランダの植民地)である。


ハワイを攻略して占領しても、原油が取れるわけではないから、日本にとってのメリットは最初から、あまりなかったのである。


山本は、それ以前には「アメリカと闘っても勝てない」と言っていたのに、いつの間にか「やれと言われれば半年や1年は暴れて見せます」と言い、直前には「ハワイ奇襲をしないなら司令長官を止める」とまで言って、真珠湾攻撃をごり押しした。

しかし、やることは中途半端で、山本はハワイにあった重油タンクや修理ドッグへの攻撃を指示しなかった。また空母は出払っていて1隻も無く、置いてあった戦艦の大半は、修理してその後の戦いに復帰している。つまり、奇襲の戦略的成果はほとんどなく、「日本は正式な宣戦布告なしに奇襲する卑怯者の国」として、アメリカ人を怒らせただけの結果に終わっている。


さらにミッドウェー海戦での戦い方は目に余る。山本は海軍の戦力を喪失するために、この海戦を戦ったのかという疑いさえある。彼は海戦の前4日間も芸者・可合千代子と連泊し、海戦の最中は、大軍を率いてはるか後方に鎮座しながら、賭け将棋をしていた。部下が自軍の戦艦沈没を告げても将棋を止めなかったという。

山本が意味もなく後方に同行したおかげで、前方の戦闘能力や防衛能力が著しく劣り、まともな陣形を組めず、結果、ミッドウェーでは大切な空母を4隻も失なった。この戦いで、海軍の主力部隊を失なった日本は、敗北への道を決定的にしたのである。


さらに山本は、通常行なう反省会をまったく行わず、大本営・陸軍部にさえ、大敗の事実を伝えず、あたかも勝利したかのように公表した。ために陸軍は、敵の空母がすでにいないものとして作戦を立て、レイテ沖などで大敗・餓死する結果となった。この山本の行動を調べれば調べるほど腹が立つ。


FD.ルーズベルト大統領の義息であったカーチス・D・ドールが書いた『操られたルーズベルト』によれば、大統領は真珠湾奇襲の前日の朝食時、「私は戦争をつくる。明日、戦争が起こる」と言っていた。また、陸軍長官スティムソンは、「いかに損失を少なくして、最初の一撃を日本に撃たせるかだ」と当時の日記に書いている。

これらを知れば、アメリカ中枢は、日本を戦争に追い込むために石油禁輸や経済封鎖をしただけでなく、山本を操って真珠湾攻撃をさえ計画したのかと思えてくる。


山本はバクチと芸者に夢中になっていたが、一体、そのお金はどこから得ていたのか?軍人の給料で芸者遊びやバクチ趣味を続けるのは不可能である。


いずれにしろ山本は、米内以上に「超・特A級戦犯」である。靖国参拝を行なうにしても、それらの歴史検証を並行して行なうことが重要と考える。それが「歴史検証主義、真実探究主義」の歩む道で、「歴史隠ぺい主義・書き換え主義・ねつ造主義」との大きな相違である。


ちなみに先日、NHKで山本五十六をヒーローであるかのごとく好意的に取り上げていたが、それ自体、歴史隠ぺい主義に毒されたNHKの体質が表れていると言えよう。敵は国外のみならず、国内にも多いのである。


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秘密保護法案は、指定件数の制限を!

自民・公明両党が特定秘密保護法案を126日の会期末までに成立させるため、委員会で強行採決させる流れである。


この法律は、そもそも米国から防衛情報をもらうのに、情報漏えいを規制する法がなければならないというところから始まった。その点を含めて、国家には容易に国民に明かせない情報があり、秘密保護の制度が無ければならないという考えは、反対派の諸兄にも異論はないだろう。


しかし、たしかに問題のある法案で、この法案ができると、官僚は何でも「極秘」にする。国益を害さない、あるいは国民に周知させた方が良い情報まで「極秘」扱いにする可能性が高い。現在でも政府が隠している「特別管理秘密」は、41万件もある。それが今後は急速に増えることは容易に想像できることである。

安易な「極秘」指定を避けるため、野党にも「第3者によるチェック」を主張する声がある。しかし、誰が「独立して客観的に判断できる第3者」なのか?

学者や評論家にそれを期待するのは、ほぼ困難である。お友達の御用学者や太鼓持ちの評論家が集められるのが見えているからである。


では、どうするか。「特別管理秘密」の上限を、今の半分以下の10万件とか20万件と定め、それを超えないよう官僚達にチェックさせれば良いと考える。アメリカなど外国からもらった情報は別にするとして、情報を極秘にした経緯は官僚が一番よく知っている。だから、彼らに件数の管理をさせ、超える場合には、既存の極秘情報を公開する。10件を極秘にするなら、既存の10件を公開させるのである。

そうすることで安易な秘密指定をさけ、あるいは常時、官僚に極秘情報の見直しをさせることができる。官僚の自己保身に対しての抑止力になるのである。

また、秘密指定の有効期間が60年では長すぎる。30年で原則・公開対象とし、それを超える場合にも、全体で50年が良いところだろう。


何故かというと、社会的事件への判別がつく15歳の時の案件が秘密に指定され、60年後に解除されるとして、その時は75歳である。それでは公開されたからといって何の感動も怒りも生じない。それが50年後の65歳であるなら、まだ、政治的に現役という方は多いはずである。


国民的に賛否の分かれる法案であるが、衆参両院で自公支配が続く中では、今以上の修正は困難であろう。小選挙区制は振れが大きい。民主党政権の反動での多数獲得とはいえ、あらためて「参議院は不要」を印象づける国会審議ではある。

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中国の防空識別圏とTPP

中国が尖閣諸島の上空を含む空域に防空識別圏を設定したことにつき、アメリカ国務省は、米国の民間機がそこを飛行する場合、中国に飛行計画などを事前通知することも容認する考えを示した。

米ニューヨーク・タイムズ(電子版)によれば、予期せぬ事故や対立で乗客に危険を及ぼしかねないとの判断から、29日に方針が固まったという。


 日本は民間航空会社に対して、飛行計画を事前に出さないよう要請しており、この方針は日本と明らかに異なるものである。先日、グアム島からアメリカの爆撃機が、中国新設の防空識別圏のうち、日本側との境界をなめるように飛行した。拍手喝采した読者が多かったと思うが、その対応と今回の米国・民間機の届け出容認とは、随分、違うものである。しかし、アメリカのこれまでの行動を見ると理解できるものではある。


 なぜならアメリカ政府は、歴史的に社会主義国を容認するだけでなく、支援してきた。戦前においては対独戦を戦うソ連に対し、膨大な軍事援助を与えてきたし、ヤルタ会談においても、ソ連が対日参戦するなら満州の権益や南樺太、千島列島を与えると高額な報酬を約束してソ連を参戦させた。

日本の敗戦後は、蒋介石に「中国共産党と連合政府を組まなければ支援しない」と圧力をかけていたし、共産党政府を「唯一の正当な中国政府」として国連の常任理事国にさせたのもアメリカである。

その後も最恵国待遇を与えるなど、何かにつけ中国に対して便宜を図ってきたのがアメリカである。


今回の中国による防空識別圏の設定に関しても、その時期がTPPの最終調整や沖縄海兵隊の辺野古沖移転申請の時期と重なることから、アメリカ支配層や多国籍企業群が、それらで日本に圧力をかけるために関与しているのかなと考えていた。だから米軍が爆撃機を飛ばしたことに意外だったのだが、今回の「民間機については中国の顔を立てる」というアメリカの判断があって、妙に納得した次第である。

もちろん直接、領土問題を抱える日本と米国では、対応が違ってくるのはやむを得ない。いずれにしろ中国の一方的な行動でアメリカの力を必要とするからといって、TPPや普天間基地移転で大幅譲歩することのないよう留意していただきたいものである。

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韓国の反日路線の大元は?

韓国の朴槿明恵(パククネ)大統領がイギリスBBC放送とフランス・フィガロ紙のインタビューで、日本政府の歴史認識や慰安婦問題への対応を批判した。「慰安婦問題が解決されず、日本の一部の指導者が歴史認識を変えないなら日韓首脳会談はしない方がましだ」との主張である。

 この国はどこまでしつこいのか。外務省は最近やっと海外広報予算を増やし、この問題への対外発信につとめだしたようだが、あまりにもなまぬるい。しかし、外務省だけを責められない。


 韓国の宣伝のお蔭で、米下院(07年)、オランダ下院、カナダ下院、EU議会、韓国国会、台湾立法院、さらには国連人権委員会でと、日本の従軍慰安婦制度は「性奴隷」であったと批難する決議がなされている。

その根拠は河野談話と村山談話だというのだから官僚は動けない。政治がしっかりして、国会議員や政党が「再調査委員会」をつくってあらためて事実を確認し、その上で新たな見解を出さないと、ダメなのである。

 中々厳しい環境であるが、やりようがないわけではない。大元は韓国での慰安婦募集が強制ではなかったこと、慰安婦には相当の報酬が与えられて自由もあり、性奴隷ではなかったことなどを粘り強く言い続けるのである。当時は売春制度は合法であり、一般婦女子の人権と安全を守るために、プロの娼婦を募集したのが従軍慰安婦制度であったと言い続けることである。

 国内の体制を整えて、実証的な再調査をした上でそれを公表し、明確に誤りであることを主張し続けていくことである。日本の名誉がかかっているのだから、引き下がってはいけないのである。


 ここで注意すべきはアメリカである。なぜなら韓国とこの問題でもめると、必ず「河野談話は変えるな。韓国とは同盟国だから仲良くやってくれ」と言ってくる。レフリーが一方のみに味方するようなもので、対米従属の安倍政権としては、つい黙ってしまうという状況である。

しかし、よく考えると韓国が反日路線を歩み出した大元の原因はアメリカにある。戦後、アメリカは韓国を3年ほど占領し、その後に李承晩が大統領になった。この李承晩こそ反共のみならず反日路線を突っ走り、韓国に反日教育を施した張本人である。そして反日であることを確認して大統領にならせたのがアメリカなのである。


池間哲郎氏の『日本はなぜアジアの国々から愛されるのか』(育鵬社)によれば、戦前に日本統治となっていたパラオは戦後、アメリカ統治となって、徹底的な日本叩き教育が行われた。浸透していた日本文化の徹底的な破壊、二宮尊徳像や神社の破壊。「日本は残虐、日本は悪魔、日本人はパラオ人を虐殺した」と。しかしパラオ人は誰も信用しなかった。特に日本統治時代を経験した年長者は「何を言いやがる。日本は素晴らしい。日本統治時代が一番よかった」と反論した。今でもパラオの人々は「何があっても日本を愛している」と言ってくれるそうである。

この「日本は残虐」という教育は、日本でも実施された。つまり戦後にアメリカ統治となった国では「日本=敗者=侵略者=虐殺者」の東京裁判史観の植え付けを行なったから、韓国でも当然に行なったと推定できる。それが直接か李承晩を通じての間接かは不明であるが。


いわば韓国が反日路線をとることについて、アメリカは「マッチ・ポンプ」の立場にある。しかし、正面突破路線では外圧が強いから、あくまで戦略をもって、頭を充分に働かせて戦うのである。そうすれば、いずれ泣きついてくるのは間違いがない。

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