おごる安倍政権は久しからず・その2 | 王道日本:佐野雄二

おごる安倍政権は久しからず・その2

来年度予算案が閣議決定された。予算規模は96兆円を超えるが、増えたのは公共事業費と防衛費、減ったのは沖縄振興予算である。


古い自民党は何かというと公共事業費を乱発して「コンクリートから人へ」と批判されたが、逆戻りの感がある。


 これまでの安倍政権を見ていて、確かに「安倍1強・多弱」であり、「安倍派にあらずんば人にあらず」の勢いであるが、一方では、あちこちにほころびが見え始めている。


滋賀、沖縄、佐賀と続いた知事選での自民系の敗北は、安倍政治の欠陥点を明らかにしている。


滋賀県は「卒原発」を掲げていた嘉田知事の地元であったし、沖縄は普天間基地の辺野古移設に県民がノーを突きつけた結果である。佐賀県知事選では、JA全中(農協中央会)の弱体化を狙う安倍政権が農協の反撃にあった。

安倍政権の農業改革案は、JA全中を弱体化させてTPPを進めようと言うのが本音だから、敗北は好ましいものである。


 一方では、菅官房長官は、「次の参院選後も憲法改正は難しく、依然として経済優先が課題である」と発言した。


せっかく衆院選で大勝したのだから憲法改正に向かうのかと思ったら、そうではなく参院選後も経済優先の政治を続けるという。

それはアベノミクスというバブル政策を続け、中国や韓国と「新自由主義的な」融和政策を進めることの意思表示でもある。


 また、安倍総理は15日、日韓議員連盟の徐清源会長らの表敬を受け、「慰安婦問題は心が痛む。河野談話は否定しない」と述べた。


一体、安倍総理は吉田清治のねつ造本・報道や朝日新聞の誤報報道に目を通していないのか。


 これら一連の流れを見ると、安倍政権はかっての平家政権とよく似ている。それまでの朝廷独裁・お公家政治から、初めて武士として太政大臣に任ぜられた平清盛は、当初こそ期待を集め、「平氏にあらずんば人にあらず」と権勢をほしいままにした。


しかし、独裁的であり、中身的には従来の「公家政治」を踏襲し出したことから、貴族や武士の反発を受け、最後は熱病に倒れる。

死後は折からの飢饉に遭い、源頼朝軍に敗北して平家一族は終わる。日本がお公家政治から自立した武家政権に移行する間の、「あだ花」のような政権であった。


 安倍政権が誕生して半年ほど経った頃、私はメルマガで「安倍政権は久しからず」と書いた。それは「安倍政権は平家政権のようなもの」という推定であったが、今はそれが確信に変わっている。


願うらくは、次の参院選で「真の武士政権」が出現することである。その勢力が現れれば、日本の未来は明るいものとなるのだが・・・。

 

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