王道日本:佐野雄二 -3ページ目

特A級の戦犯は米内光政(2)

引き続き、「特A級の戦犯は米内光政(2)」を書かせていただく。日中戦争の始まりとなった第2次上海事変の後、首都・南京の空爆を指示したのは米内光政海相であった。蒋介石との和解工作・トラウトマン工作をつぶしたのも米内であり、特高戦術を推進したのも米内である。さらに続けると、



◎敗戦濃厚となって、ソ連にアメリカとの仲介を依頼することを強く主張したのも米内光政・海相である。佐藤尚武・駐ソ大使は、「ソ連を味方にして有利な講和を図ろうとするのは幻想に過ぎない」と当初から報告していた。しかし、1945511日からの最高戦争会議、さらには622日の御前会議で米内の意見が通り、近衛元首相を特使としてソ連に派遣している。しかし、まったく相手にされなかった。常識的に見て、アメリカと共同してドイツと戦い、4月には日ソ不可侵条約の更新拒否を通告してきたソ連が、日本の側に立って仲介すると考える方がおかしいのである。


◎ソ連に仲介を依頼する前、米内は奇怪な行動に出ている。ソ連大使館に使者を送り、残存軍艦・長門、巡洋艦・利根、空母・鳳翔および駆逐艦5隻と引き換えに、ソ連の飛行機とガソリンが欲しいと申し込んでいた。鈴木首相にも東郷外相にも秘密にして行われたこの行為は、売国奴と言われても仕方のないものだった。こうした米内の一連の行動がソ連に弱みを見せ、ソ連の「日本叩き」精神に火をつけたことは容易に理解できるところである。

◎ソ連に和平交渉の仲介を頼んだ件については「他に方法がなかった」とする説があるが、まったくの誤りである。当時、日本共産党は「天皇制打倒」を主張していたが、その主張はソ連共産党・コミンテルンの指導にもとづくものである。つまり米内を筆頭とする当時の戦争指導層は、天皇制による国体護持を和平の至上命題としながら、その打倒を主張するソ連に仲介を頼むという間抜けぶりを示していたのである。

◎ちなみに日本を心底憎んでいたF.ルーズベルト大統領は1945420日に急死し、その後に日本にとって最大の和平のチャンスが訪れた。

─トルーマン副大統領が大統領になると、無条件降伏の方針に、早速変更が加えられた。ドイツが無条件降伏した翌日の58日に対日声明を出して、無条件降伏とは日本軍隊の無条件降伏をいうので、日本国民の滅亡や奴隷化を意味するものではないと明らかにした。しかし、日本の戦争指導層は、これを軍民離間の謀略として、無視してしまった。


大統領の放送に続いて、対日降伏勧告放送が短波放送で流れた。これは84日まで14回にわたって続けられ、具体的に和平条件を提示した。・・722日の放送では対日政策の根源は大西洋憲章とカイロ宣言であるが、前者は領土拡大を求めず、各国民をして政治形態を自ら選択することを許すものだと説いた。これはポツダム宣言より緩和な条件である。


・・トルーマン声明以前の4月から、スイスのベルンでは日本公使館付海軍武官・藤村義朗中佐が米戦略情報部の欧州部長アレン・ダレスのいわゆるダレス機関と接触していた。米国務省では「日米直接和平の交渉をダレスの線で始めて差し支えない」としていた(筆者:この時こそ和平の最大のチャンスであったろう!)。

藤村は笠信太郎らと協議し、暗号電報を作戦緊急電として海軍大臣(米内)と軍令部総長あてに送った。ところが東京から返事が来ない。520日までに7通送り、やっと来た返事は米内海相ではなく軍務局長の名で「陸海軍を離間しようとする敵側の謀略のように思える節があるから注意せられたい」という見当外れのものであった。

藤村は615日の第21電まで電報を送り続けた。公けに交渉する権限の授与を懇請するとともに、ヨーロッパの米ソ両軍が極東へ移動していることを伝えた。日本軍がいかに力んでも「絶対に見込がない」と強調した。

ダレスとは和平条件について話し合った。ダレスは、公式の返答はできぬが、私人の見解という条件付きで、天皇地位の保全は可能性があるが、朝鮮・台湾はダメだろうとの感触を与えた。

 

 621日にやっと米内の回答電報が到着した。「貴趣旨はよく分かった。一件書類は外務大臣の方へまわしたから、そちらと緊密に提携し、善処されたし」というもので、散々待たせたあげく、海軍は手を引き、外務省にたらい回しにしたのである。

さらに米内のひどいのは、米内の腹心だった高木惣吉少将が、自らスイスに行き、和平打診をしたいと申し出たが、却下している。要するに米内は和平交渉を進めたくなかったのである。

スイスでは海軍と別個に陸軍も動いていた。日本公使館付武官・岡本清豪中将、加瀬俊一公使らによるもので、参謀本部を通じて和平を図ろうとするものだった。スェーデン人ベル・ジャコブソンを介してダレスとその機関員に、日本の希望条件として天皇の安泰、憲法の不変、満州の国際管理、朝鮮・台湾の日本保持を伝えた。

ダレス側は天皇と帝国組織の維持について米国政府は反対ではないが、他国の反対もあるのでコミットできない。しかし日本が早期に降伏すれば、それを維持し得るだろうとの了解は述べ得るとした。憲法は改正されるべきだとされた。朝鮮・台湾については論評を加えないとした。その上でダレスはジャコブソンに対して、ありうべきソ連の参戦前に交渉に入らなければ失敗に帰することを、岡本らに伝達するよう特に依頼した。

これらの情報は参謀総長、外務大臣あて伝えられた。特に「ソ連の参戦前の交渉は重大なポイント」と意識して繰り返し伝えられたが、相当遅れて返ってきた返電の内容は「和平工作は本土も手を打っているからスイスでの工作は必要なし」というものであった。間抜けな東郷外相は、すでに動き出していた対ソ仲介の線を大切にするため、他の動きを抑制する方針をとっていたのである。何というノー天気ぶりか。

◎ポツダム宣言が出された時も米内は海相であったが、「声明は先に出した方に弱みがある。チャーチルは没落するし、米国は孤立に陥入りつつある。政府は黙殺で行く。あせる必要はない」と高木惣吉少将に語っている(以上、三村文男著『米内光政と山本五十六は愚将だった』より)。あきれた無神経ぶりである。

 その米内光政は何故か東京裁判で訴追を逃れている。米内にスパイ説がある所以であるが、スパイであろうとなかろうと、これだけ日本を戦争に引き込み、損害を大きくする行動が重なっているのに、誰一人、米内の不自然さ、判断ミス、洞察力の無さを指摘せず、排除をしようとしなかったことは、当時の戦争指導層全体の罪である。米内は特A級の戦犯であると同時に、他の戦争指導層も、あらためてA級戦犯であると言わざるを得ないのである。

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特A級の戦犯は米内光政(1)

大分、メルマガの間が空いてしまった。安倍政権は様々な問題ある政策を進めようとしているが、何分、衆参で多数を握っているので政局にならない。TPPが決まったり、消費税が実際に増税されれば、反発が強くなり、政局になると思われるので、今回は戦争責任について述べたい。

なお、本稿は、三村文男著『米内光政と山本五十六は愚将だった』(テーミス社)より抜粋させていただく。

日中開戦の責任については「蒋介石と和解すべし」とした石原莞爾の進言を無視し、第2次上海事変の後、「事後、国民政府を対(相)手とせず」といって日中戦争にはまっていった当時の近衛首相に大きな責任がある。彼以外では米内光政と山本五十六が特A級の戦犯である。そのうち米内の罪状は極めて多いので、以下に列挙すると、


◎米内光政・海相こそ、日中戦争を泥沼にはめた最大の戦犯である。彼は「事後、国民政府を対(相)手とせず」とした近衛声明の最大の推進者であり、トラウトマン工作をつぶした張本人である。

トラウトマン工作とは第2次上海事変の後、南京攻略の直前に進めていた和平工作である。駐中国ドイツ大使トラウトマンが「この戦争は蒋政権を弱体化し、中共とソ連を利するのみ」とのドイツ外相の判断にもとづいて仲介の労をとった。その第1次工作で日本側は、「北支と上海の非武装」を掲げ、蒋介石はそれに「北支の宗主権、領土保全権、行政権を変更しないこと」を追加し、日本側条件を受諾する意思のあることを表明した。


しかし、並行して首都南京に迫っていた日本軍は、独自に進撃命令を出してしまい、短期間で南京を攻略してしまう。首都を制圧して優位に立ったと見た日本政府は、蒋介石との和解の条件をつり上げ、先の条件に加えて満州国承認、北支に日満支3国の新しい機関を設置し、内蒙古に防共自治政府を樹立する。中支に非武装地帯を設置する等々、著しく主権を損なう内容とした。

そのつり上げられた条件に蒋側が、「範囲が広すぎるので、その性質と内容を具体的に確定してほしい」と返してきたことを捉えて、米内と杉山元・陸相、広田弘毅・外相は「もはや交渉は無用、蒋政権を否定し、新しい政権をつくる」と戦争拡大路線に走ってしまった。米内など、和解交渉の継続を主張した参謀本部次長の多田駿(はやお)中将に対して、「参謀本部が辞めるか、内閣が辞めるか、どちらかだ」と圧力をかけてまで戦争拡大路線を主張した。

◎米内は第2次上海事変が起こった時、渋る陸軍を引きずる形で戦力を増強し、さらには南京攻略のため、海相として南京空爆の指示をだした。それは国際的に「無差別爆撃」と批判を浴びたが、戦火を中国奥深くまで広めた張本人こそ米内光政である。ちなみに、この無差別爆撃をやったために、日本は東京大空襲などの無差別爆撃を受けたのだと指摘する識者は多い。自業自得の考えである。

◎アメリカとの開戦直前の19411129日、昭和天皇が重臣8人に意見を求めたのに対して、米内は「俗語を使いまして恐れいりますが、ジリ貧を避けんとしてドカ貧にならないよう十分にご注意願いたいと思います」とだけ発言している。

しかし、その2年前、平沼騏一郎内閣の海相時代、石渡荘太郎蔵相から「日独伊の海軍が英米仏ソの海軍と戦って、我に利がありますか」と聞かれ、米内は「勝てる見込みはありません。大体日本の海軍は米英を向こうにまわして戦争するように建造されておりません」と答えている。

なぜ直前の会議で、その旨を天皇にはっきりと告げなかったのか?石渡には本音を伝えておきながら、肝心の直前の情勢分析の時に正しい情報を告げなかった罪は大きい。

◎また、アメリカとの戦争となった後に、特攻戦術を推進したのも米内海相である。レイテ沖海戦で初めて神風特攻隊を投入したのは大西瀧治郎中将であるが、大西をその部署に任命したのが米内である。米内の部下には「特攻隊をこれ以上続けるべきではない」と主張した次官がいたが、それを更迭してまで続けたのが米内であった。


◎東南アジアから鉱物資源や食糧を運搬する商船をまったく護衛せず、何隻も沈没させられたのも米内・海軍の責任といって良いだろう。

米内の罪はまだまだあるので、2回に分けて書きたい。米内にはスパイ説があるが、スパイであろうとなかろうと、これだけ日本を戦争に引き込み、損害を大きくする行動が重なっているのに、誰一人、米内の不自然さ、判断ミス、洞察力の無さを指摘せず、排除をしようとしなかったことは、当時の戦争指導層全体の罪である。

米内は特A級の戦犯であると同時に、彼を容認した他の戦争指導層もA級戦犯であると言わざるを得ないのである。

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自民党も民主党も、サプライ・サイドの政党

経済学の中に「サプライサイド経済学」というのがある。マクロ経済学の1派で、「経済成長は供給力を強化することで達成できる」という考えを持つ。

この学派は供給力の強化のため、次のような政策をとる。


 民間投資を活性化するための企業減税 

 貯蓄を増加させて民間投資を活性化させ、消費を拡大するような家計減税

 民間投資を阻害する規制の緩和・撤廃 

 財政投資から民間投資へのシフトを目的にした「小さな政府化」


─これらの政策を見ると、新自由主義の政策に等しい。日本では中曽根内閣、橋本内閣、小泉内閣が、このサプライサイド経済学の政策を実行してきた。中身は大企業の活動を拡大するための「新自由主義経済」で、サプライサイド経済学というのは、名前を変えて実体を分からなくしたものという印象が強い。現在の内閣にあって、この政策を強力に主張するのは竹中平蔵氏で、安倍内閣自体がこの系統にある。



この主張の前提として「生産したものはすべて需要される。供給が増えれば需要は自動的に創出される」というセイの法則がある。しかし、高度成長期ならともかく、成熟した社会にあっては、すでに生活上の必要性を満たすモノは充分にあるので、供給を増やしたからといって需要が増えることはない。彼らの主張の前提が、すでに崩れていると指摘する識者は多い。


その主張はともかく、存在基盤としては自民党も民主党も「サプライサイド」である。意外に思うかも知れないが、自民党は中曽根内閣以来、新自由主義の政策をとってきた。それは大企業重視(サプライサイド)の政策で、間接金融から直接金融への転換、証券市場の拡大、規制緩和、企業減税、弱者救済よりは「小さな政府化」を目指してきた。


その利益の代弁するところは大企業の経営者であり、株主であった。大企業が潤えば、そのおこぼれが中小企業や国民全体にも回るという考えでもある。
 

一方、民主党も大企業の労組や官公労・自治労などの大労組を存在基盤としており、それ自体、サプライサイドである。みんなの党や日本維新の会も新自由主義の政策であり、サプライサイドであると言えよう。



 つまり日本にはデマンドサイド(需要者=消費者)や、中小企業・自営業者の利益を代弁する保守政党は存在しないことに気がつく。ここで消費者サイドに立った主張とは、典型的には「食の安全重視」や「脱原発」がこれに当たる。

また、中小企業・自営業者(農業者を含む)の側に立った政策とは、①反TPP、②反消費税、③年金一元化への反対 ④脱原発―などである。


TPPは農業を壊滅させるし、消費税は人件費割合が多く、価格に転嫁できない中小企業に不利であり、税率を上げれば「消費税倒産」が激増する。一方、輸出免税で還付される大企業には有利な税である。


また民主党の年金一元化は、自営業者にとって事業主負担分も自分で払うことになる。単純に倍以上の負担で、賛同する自営業者はほとんどいないだろう。


これら、依って立つ基盤を見ると、民主党は2度と自民党に代わる政党にはなれないだろう。大労組があるから選挙での票はそこそこ獲るが、日本の保守である中小企業・自営業者の利益を代弁するところがほとんど無いからである。

 

日本の雇用の6割は、中小・自営業者がまかなうだけでなく、農業や地域密着型の経営で日本の地域文化の良さを守っているのも中小・自営業者である。

その意味で中小・自営業者の利益を代弁し、「食の安全」や「脱原発」など消費者の気持ちも代弁する保守新党の登場が望まれる次第である。


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古い自民党体質の安倍政権

政権交代後の自民党・安倍政権の政策を見ていると、明らかに大企業優先の政策が目立つ。TPP参加、消費税増税に伴う法人・復興税の前倒し廃止、原発輸出、国土強靭化などである。


TPP参加は、多国籍化した大企業の利益を第1にして、対米従属を深めながら、農業や医療を売り渡そうとするものである。東大教授・鈴木宣弘著『食の戦争』によれば、前政権の経済連携プロジェクトチームの事務局長は、TPPに関して「日本が主権を主張するのは50年早い」とのたまわったそうである。


この「国家主権を放棄してでもアメリカ経済圏に入るのだ」という想いは、安倍政権になってさらに強くなっている。しかし、当のアメリカ自身、TPPの情報は国会議員にさえ詳しくは知らされず、ごく少数の巨大多国籍企業のメンバーだけの秘密とされている。つまり多国籍企業の方針にもとづいてTPPが進められ、アメリカも日本も従うという構図である。


このTPPは本当に問題が多過ぎの協定で、アメリカはコメと小麦とトウモロコシの穀物3品目について、1兆円もの輸出補助金を使って安く輸出し、穀物市場をほぼ独占してきた。おかげで2008年の世界食糧危機の時には、ハイチでは死者が出るほどになっている。


ハイチは元々、米を主食としていたが、アメリカの食糧戦略のもと、関税を極端に下げさせられ、国内のコメ生産が大幅に縮小してしまった。世界の食糧生産を独占的にして他国に依存すると、わずかなことで食糧が高騰し、その国の国民の食べ物が手に入らなくなる。


アメリカは元々、食糧を「武器」と考えており、「家畜のエサを含めてアメリカから供給すれば、その国(特に日本)をコントロールできる」と考えてきた。「軍事・エネルギー・食糧・金融・情報通信」は国の独立性に係わる重要産業であるが、そのことを安倍政権は全く分かっていない。


また、消費税の増税を決めながら、法人・復興税の1年前倒しでの廃止をしようというのも明らかな大企業優遇である。消費税は逆進性のみならず、「人件費課税であり、担税力が無くとも納税する」という3大欠点をもつ。人権費割合が多く、価格に転嫁できない中小企業・自営業者は大きな打撃を受け、「消費税倒産」が増えることになる。

未だ安全域に入っていない原発事故や汚染水処理を横目に見ながら、原発輸出や再稼働にやっきになるのも電力業界という大企業優遇の際たるものである。

先日、安倍総理は福島原発を視察したが、行った先で「(汚染水が安全に囲われている)0.3K㎡とは何処か?」と質問したそうである。こうした厚顔無知でなければ総理が務まらないというのではなかろうが、嘆かわしい限りである。


その他、アベノミクスで株価が上がることを異常に喜んだり、国土強靭化法に腐心するのも大企業優遇の一環である。段々、「古い自民党」と変わらなくなってきたというか、そのバラマキ体質を含めて、「民主党政権と似てきた。少なくとも大差はない」と思うのは私だけだろうか?

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敗戦で得た「3つの解放」

2020年の東京オリンピック開催が決まった。それまでに原発の汚染水、除染、核廃棄物処理などが片付いて、被災地の方々もともに楽しめるようにしてもらいたいものである。仮にも東京から250Km離れているから安全だという感覚では、国民全体が一体感をもって楽しむわけにはいかないだろう。


話は変わるが、歴史認識の総括として、日本は先の戦争で「3つの開放」を得ることができたという話をしたい。

その一つは多くの保守系論客が指摘するように、欧米列強の植民地からのアジアの開放である。これは日露戦争での勝利が大きいが、それまでアジア人は、欧米の白人種には逆立ちしてもかなわないと、欧米の植民地に甘んじていた。それが日本の勝利で、「勇気を出して闘えば我々でも白人に勝つことができる」という事実を知った。


太平洋戦争では負けはしたが、それを契機とする独立運動の活発化により、アジアやアフリカの植民地国が次々と独立していったことは、日本が戦い抜いた結果である。もし日本が日露戦争や第2次世界大戦を戦わなかったら、それらの国は今でも欧米の植民地だったはずである。

2は、敗戦によって武装解除され、天皇崇拝・軍事優先の国家体制から解放されたことである。

日本が戦争に勝っていたら、天皇崇拝の絶対主義は残り、不完全な議会制民主主義であったろう。その点で、敗戦によるGHQ支配が、西洋型市民革命の役割を果たし、天皇崇拝の軍事優先体制から解放されたことは、国民として感謝すべきと考える。

もちろん武士道精神などの日本的価値観が否定されたという「負の側面」はあったとしても、それは今後、日本人の力でバランス良く立て直して行けば良いと考える。

3は、東亜の盟主の座からの解放である。日本は戦争に負けて満州や朝鮮を失ったが、それらを今でも維持していたら大変な負担であったろう。戦前、日本には「脱アジア」を説いた福沢諭吉の「脱亜論」もあったが、全体としては「大東亜共栄圏」や「東亜連盟」の思想が優勢であった。その思想と現実的な利害で日韓併合や満州国建国に向かったが、持ち出しの方が多かった。


それだけでなく、東アジアには絶えず列強の関与があり、その中でまとめて行くには荷が重く、背伸びし過ぎの面があった。それが戦争に負けることによって「脱アジア」を果たすことが出来、高度成長も為すことができたことを考えると、肩の荷が降りてホッとした面がある。つまり日本が東アジアの盟主としての責任から解放されたのが先の敗戦だったのである。


逆にアジアの盟主の立場を引き受けたのがアメリカである。アメリカが蒋介石を支援したことで日中戦争が激烈となり、互いに泥沼の戦いにはまって共産党の拡大に力を貸した。

アメリカがヤルタ会談でソ連を対日参戦させたお蔭で、ソ連は大っぴらに中国共産党を支援することができ、中共は政権を獲ることができた。朝鮮戦争もソ連参戦や中国共産党の参戦が大きくしたのであり、その意味で戦後の東アジア情勢はおしなべてアメリカの行為の結果である。

この地域の難しさは共産主義だけでなく、それぞれの民族性にある。

自己反省と努力をせず、絶えず強い者につく事大主義と、被害者意識・対抗心だけで事にあたる朝鮮民族。

条約はあって無きが如し、歴史ねつ造で不潔、スキあらば何でも攻撃材料に使って上に立とうとする厚顔無恥の中国など、とても一筋縄ではいかない。

EUのように大ローマ帝国の基盤があり、言語と宗教が同じならともかく、東アジアではそれぞれが違う。ヒトを信じやすく、善良で潔癖、性善説の多い日本人の手に余るのである。


アジアをまとめて行くには「説得だけでなく、力による強制」の面が必要であり、その対応はアメリカには可能である。日本はアメリカを盟主として立てることで、アジアの平和と安定を守るのが賢明である。


「負けるが勝ち」という言葉があるが、日本は負けたお蔭で、3つの解放を得ることができた。そのことを自覚しつつ、日本の再建に向かうべきものと考える。

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なぜ、A級戦犯を分祀すべきなのか?

先日、「靖国神社はA級戦犯を分祀すべき!」と書いたら、複数の方から批判のメールをいただいた。これは先の大戦の総括に係わることなので、あらためて説明させていただくと、


先の大戦において、東京裁判では「侵略」とされた1931年の満州事変や翌年の満州国建国は、侵略ではない。

満州事変は、日露戦争で勝利して獲得した満州鉄道経営権や森林伐採権、鉱山採掘権などを、張学良軍は否定してきた。辛亥革命後は条約を引き継がないというソ連共産党の解釈、蒋介石軍の意向を受けてのものであるが、その反日活動に対する自衛戦争として起こしたものである。


また満州国は、満州を祖先の故郷とする清朝最後の皇帝・溥儀を擁立しての建国であるから筋が通っている。仮に傀儡政権であったとしても、独立当初はどこも先進国の力を借りるので、傀儡だからダメとはならないのである。


日本側で問題があったのは、満州国建国後の1933年の塘沽(たんくー)停戦協定以降、華北(北支)分離工作をしてシナ側に軍を増強していったり、親日の傀儡政権をつくろうとして介入を深めていったことである。


停戦協定は、通常であれば境界線から互いに1Kmを非武装地帯とするなど、公平に取り決めるが、塘沽協定は、非武装地帯をすべてシナ側に設けた。その非武装地帯を利用して傀儡政権づくりを進めていったのが華北分離工作なのである。

それは明らかに侵略的行為であり、反日活動を激化させた。それが中国共産党の拡大につながり、彼らの「トロイの木馬作戦や漁夫の利作戦」によって日本軍への挑発が続き、盧溝橋事件や第2次上海事変、シナ事変と拡大していったのである。

日本は満州国建国の時から、「西洋覇道政治に対する東洋王道政治」を唱え、日満の連合を訴えていた。いわゆる大東亜共栄圏や東亜連盟の思想である。

しかし、そうした理想とは別に停戦協定のやり方や華北分離工作を見ると、覇道政治そのものであり、とても相手国の立場やシナ民族の独立性を考えた共栄圏の希求とはいえなかった。


その頃、シナと戦いになり、長引けば必ず米ソの介入があり、それは「必ず日本の命取りになる」と予測していたのは石原莞爾である。彼は193611月、北支を視察した際に、ただ一人、蒋介石と面談し、日本のシナからの全面撤退と相互に内政干渉しないことなどを条件に、満州国の容認に「全面的に賛成」との同意を得ている(勝岡寛次著『抹殺された大東亜戦争』P320)。


石原はシナ事変勃発後、直接、近衛首相と掛け合ってそのことを話したが、近衛は「軍の統制がとれない」として結局は動かなかった。その対応が大きな岐路であり、当時の日本にあって大局観をもって戦略を立てることが出来た人物は、石原以外いなかったことになる。

先般は石原の「戦争責任」を述べたが、あらためて関連の文献を読むと、彼は当時において卓越した戦略家であり、「食糧の現地調達論」を除き、高度に適切な判断力を持っていたことは間違いがない。

なぜ、日本は満州国だけで満足しなかったのか?

日米戦争は、確かにアメリカのルーズベルト大統領が日本に先制攻撃をさせようと、金融封鎖や石油禁輸で追い込んで行くが、その大元は「蒋介石支援」である。だから蒋介石とシナ全面撤退、満州国承認(不問)などで合意できれば、日米戦争には至らなかったのである。


そうした反省と、もう1つ、なぜ日本はもっと早く降伏できなかったのか?

仮に戦争が自衛のものでやむを得なかったとしても、降伏の決断がグズグズして遅すぎる。

本来なら特攻隊を組織的に出した段階で、帰りの燃料が無いのだから、戦争遂行能力が無いと判断して白旗を掲げるべきだった。もともと石油が止められて戦争遂行は、もって30ヶ月と言われた敗戦必至の戦いである。

私が「A級戦犯を分祀すべき」というのは、彼らは罪名は「平和に関する罪」とかの事後法によるものだが、顔ぶれは皆、戦争の指導層である。だから、華北分離工作などで反日活動を激化させ、蒋介石との和平を結ぶ努力を怠った(満州だけでなく、シナへの権益にこだわった)件、

敗戦を認めて白旗を掲げるのが遅れたお蔭で、東京大空襲や沖縄決戦、原爆投下という民族抹殺の危機に遭遇した責任問題は、国の指導層にもあると言わざるを得ないのである。

彼ら指導層は、それまで日清・日露と勝ち続けてきたために、負け方を知らなかった。それが判断を遅らせて被害を大きくした面はいなめない。A級戦犯分祀論は、そうした指導層にケジメとして、「戦争大敗の責任を問う」という意味があるのである。

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靖国神社はA級戦犯の分祀を!

前回のメルマガで、安倍総理が靖国神社を参拝しないことを批判した。今回は毎年繰り返される論争に終止符を打つために、靖国神社からA級戦犯を分祀することを提言したい。


こういうと、(1)A級戦犯とは東京裁判における「平和に対する罪」で、事後法によるものであるから復讐以上の意味はない。

(2)戦後、関係11ヶ国の同意を得てA級戦犯もすべて赦免・釈放されているので、合祀に問題はない─という声があるのは承知している。


しかし、それで押し切れれば良いのだが、結局は「重要閣僚は参拝しないし、天皇家も参拝しない」という状態が続くだけである。それでは何も進歩がなく、靖国正常化の点からも大いに問題である。


天皇の「参拝拒否」の意向がハッキリした後も靖国神社が分祀を拒むのは、

(1) 中・韓は、A級を分祀すると、次にはB級C級も分祀せよと言ってくる。

(2) そもそも魂はロウソクの火のようなもので、ロウソクの火をいくら分けようと元の火が残るように、魂も元が残るから分けられない.。


─とする。しかし、この論理は明らかにおかしい。

なぜなら(1)は、「分祀はできるが、やればB級C級にも及ぶから、政治判断として出来ない」と言っているのであり、(2)と矛盾する。

さらに(2)は魂そのものを分かっていない発言である。一体誰が、このような「魂論」を最初に言ったのか?(誰か知っていたら出典を教えてほしい)。

(2)の捉え方は「元の大神」やそれに準ずる「最高位の魂」については言えることである。なぜならすべてのヒトや動物などの「魂」は皆、元の大神の分け御魂(みたま)であるからである。

しかし一旦、ヒトや動物に転生した後は、1個の独立した魂として輪廻転生する。靖国神社の「魂論」はそのことが分かっていない「江戸時代や中世の方便としての魂論」である。きっと靖国神社は輪廻転生も理解できないであろう。

政治的にはA級戦犯を分けることで中国と韓国を分離することができる。なぜなら中国はA級のみを問題としており、韓国はB・C級も問題としているからである。

中国は「抗日戦争を戦った」というのが共産党の存在価値であるから、今後も反日教育や反日ドラマを止めないだろうが、韓国は「日米韓の同盟関係」への配慮と、やり方次第で「いずれ泣きついてくる」から対応を分けた方が良いのである。


さらにA級とB・C級を分けて、A級のみを分祀することは、「敗戦の責任者」を明確にする意義がある。

先の戦争への経緯をたどると、開戦に至るのは止むを得なかったとして、何故もっと早く降伏の意思をはっきり示さなかったのかという悔いが残る。その意思表示が遅れたことによる大敗の責任を、国家指導層であったA級戦犯に負ってもらうために分祀するのである。

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米中韓のポチ保守、安倍内閣

 安倍総理が815日に靖国神社に参拝しなかったことで、安倍氏を支持してきた保守層も、「何だ、これまでの旧自民党政権と何も変わらないじゃないか」との批判が出ている。


 さもありなん。つい半年前、衆院予算員会で、首相は「第1次安倍内閣で参拝できなかったことは痛恨の極みだ」と語った。その舌の根も乾かぬうちに、玉ぐし料だけ届けるというのでは明らかな裏切りである。


 なぜ、首相らの靖国参拝が必要かというと、たとえば尖閣諸島で中国軍が実力行使し、自衛隊と衝突する事態になって自衛官が複数名、死ぬとする。その場合、死んだ自衛官は靖国神社に祀られるのが当然だろう。

 しかし、祀られても天皇陛下も重要内閣も参拝しない靖国では、価値が半減以下になる。死んで祀られても国のトップが参拝しないとなれば、いくら憲法改正して「国防軍だ、集団的自衛権だ」と言っても、国のために命を捧げようという気にはならないのである。


「何だ。米中韓から文句を言われれば、引き下がるだけのポチか」となって、志気が全く上がらないから、お盆の時ぐらい参拝すべきなのである。

 結局、安倍氏は2つの圧力に屈したのだろう。

1つはアメリカ・オバマ大統領。オバマは韓国の朴大統領には米議会で演説させるなど、明らかに中韓寄りの姿勢を示す。安倍首相には「右翼ナショナリスト」のレッテルを貼る米マスコミも多い。完全に宣伝戦・説明能力で負けている。


もう一つは、中国や韓国との経済取引を優先する財界の圧力である。結局、TPP参加も含めて経済至上主義者の政治では、「商人国家」は出来ても「誇りの持てる国」はつくれない。だから歴史認識や慰安婦問題でのまともな反論が出来ないのである。

しかし、西岡力・東京基督教大学教授の『よくわかる慰安婦問題』(草思社)を読んで、「日本の外務官僚は本当に劣化したなあ」と思う。国連でクマラスワミ報告書が提出された時のみならず、アメリカで次々と慰安婦像がつくられているのに対しても、国連で北朝鮮が慰安婦で日本批判をしても「人数が20万人では多すぎる。すでに謝罪している」としか言わないのである。


以前は「日本は政治家がダメでも官僚がしっかりしているから」と言われた時期があったが、もう彼らに日本精神や武士道精神は無くなったと見た方が良い。


日本の再建は容易ではないところまで来ているが、しかし、「必要は発明の母」である。誰しもが日本の米中韓へのポチぶり、慰安婦問題での政治家や外務官僚の怠慢ぶりに怒りを覚えるほどにならないと、解決策も出てこないのかも知れない。


その意味ではピンチはチャンスである。

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「アジア非核化会議」の立ち上げを!

15日の終戦記念日が過ぎ、相変わらず中国・韓国政府による「靖国参拝」への批判が猛々しい。


日本では「お盆には先祖のお墓詣り」が何百年も続く伝統である。それは仏教と古神道における先祖供養の儀式が融合したもので、江戸時代の檀家制度により定着化した。


靖国神社は、軍神(ヒトは死して神=魂になる)をまつる神社で、たとえ負けた戦いであっても、国のために命を奉げた英霊に対して敬意を表するのは日本人として、特に政治家であれば当たり前である。それはアメリカの政治家がアーリントン墓地を表敬するのと何ら変わらない。


「靖国神社には先の戦争の英雄が祀られているからダメなのだ」という声もあるが、別に英雄だから祀っているわけではない。日本は靖国神社にA級戦犯などを祀ることについて、当時の連合国に了解を得ている。だから連合国ではなかった中国共産党や韓国の了解は得る必要がないのである。


堅いことを言うと、中国は社会主義国である。社会主義というのは無神論で、神はいないと考えるから、神だとか魂などの概念が分からない。だから「死は全てを水に流す」ということも分からない。

いずれにしろ終戦記念日になると、「先の戦争は侵略であったか無かったか」という議論が毎年続く。だから日本人も、もっと明確に日本の立場を主張しないといけないが、それをしたとしても、中国は納得すまい。


彼らは「靖国反対」にしろ「侵略や虐殺を認めろ」という主張にしろ、政治カードとして言っており、そのカードを手放すことは絶対にしない。そう言い続けることで日本から援助や技術協力を引き出したり、国際社会で被害者顔ができ、優位に立てるからである。


だから日中で戦争の経緯につき共同の理解を得るというのは不可能で、言うとしたらアメリカの同意を得るような形で言わなければならない。なぜなら歴史問題についてはアメリカがレフリーの立場にいるからである。

それらを踏まえて、「アジア非核化会議」を関係国に呼びかける。アジアで核兵器を持つのは北朝鮮、中国、インドである。このうちインドを「核の先制攻撃をしない。周辺国との合意により段階的に減らして行く」という条件で取り込めれば、残るは中国と北朝鮮だけである。


中国は絶対入ってこないだろうが、そのことで「覇権国家、現代において侵略の可能性のある国」を際立たせることができる。「日本の先の大戦が侵略であったか否か」という過去の議論から、「未来において侵略の危険性のある国はどこか?」という議論へと転換できるのである。


主張する以上、アメリカの核も日本国内には置かないことは確認する。これは唯一の被爆国としての立場を生かせ、平和国家日本を主張できるし、核を持たない国は皆、望むから、ぜひお勧めである。

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集団的自衛権の議論は不要

参院選で大勝した安倍内閣が内閣法制局長官に集団的自衛権容認派の小松一郎駐仏大使を起用することを決定した。


集団的自衛権は◎公海上での米軍艦船の防護 ◎米国を狙った弾道ミサイルの迎撃 ◎国連平和維持活動などでの武器使用 ◎多国籍軍などへの後方支援─の「4類型」に分類される。その定義づけの事務作業に深くかかわったのが小松氏である。

そのうち「米艦防護」と「ミサイル迎撃」は集団的自衛権の行使に該当し、現行憲法上、許されないというのがこれまでの解釈である。

しかし、安倍総理は就任前から「憲法改正」を重要政策に掲げている。その改正の可能性が参院選の勝利で、ほぼ手中(参院での3分の2は無いが、多数派工作で不可能ではない)にしたのに、今さら「解釈改憲をして集団的自衛権を行使できるようにしよう」とするのはマイナスである。

今の憲法は、第91項で「武力の行使は国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する」といい、第2項で「前項の目的を達するため、陸海空その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」とする。

これは文字通り読めば、「日本は個別的自衛権さえ放棄し、自衛隊は違憲である」としか読めない。


仮に中国が尖閣諸島を武力で獲りに来て、これに自衛隊が反撃すれば、中国は必ず「日本は憲法違反をした」と国際社会で言いふらす。だから「早く憲法改正しよう」と国民の多数が自民党を支持したのである。

つまり急ぐべきは個別的自衛権さえ放棄したかのような憲法の改正であり、集団的自衛権ではない。安倍内閣はアメリカとの同盟関係の証(あかし〉として、集団的自衛権をとらえるが、米軍はこれまでの自衛隊の協力ぶりで充分と捉えている面がある。元々、日米安保の始まりの時から「片務契約はおかしい」と日本が持ちだしていたが、アメリカが「片務契約で構わない」としてきた経緯がある。


現実的にもアメリカを相手に戦争をしようなどという国は地球上には存在しない。あるとしたら在日米軍の基地を狙ったミサイル攻撃であるが、これは明らかに個別的自衛権の範囲である。

憲法改正したからといって、すぐに「侵略戦争」に結びつけるのは中国の言い分である。中国は今のままの憲法の方が「思い通りに日本を操作しやすい」から、日本の憲法改正に反対する。だから日本は「自分の国は自分達で守る普通の国になる。その上での日米安保である」と主張して、王道を歩めば良いのである。

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