おごれる安倍政権、女性の社会進出 | 王道日本:佐野雄二

おごれる安倍政権、女性の社会進出

安倍政権の支持率が落ちてきている。その大きな理由は、集団的自衛権行使容認の憲法解釈の変更にあるとの指摘が多い。

しかにこれまでと違う憲法解釈をするのだから、もう少し国会審議や国民世論を重視して、丁寧に時間をかけるなどの配慮は必要だったろう。


 しかし、この問題や対中姿勢を除けば、安倍政権は本当に保守なのか?と疑問符がつくことが多い。

 その一つが女性の活用策である。先日、閣議決定した新成長戦略の「日本再興戦略改訂版」では、学童保育について、2019年度末までに約30万人の受け皿をつくるという。これは育児と仕事との両立を図るために、待機児童の最小化を図るものである。



他にも、上場企業には、女性役員数の向上を掲げさせ、有価証券報告書に比率を記載することを義務づけた。

一方では専業主婦や非正規のパート雇用を望む主婦を減少させようと、配偶者控除の見直しや社会保険の扶養控除制限の見直しをしようとしている。


安倍総理は、育児があっても正社員並みに仕事をすることが女性を輝かせる道だと信じ込んでいる節がある。

 そういう生き方があることを否定しないが、女性の社会進出を語る場合、忘れてならないのが「子供を犠牲にしない」という視点である。

 「三つ子の魂百まで」という言葉があるように、3歳前の乳幼児には母親のスキンシップや豊かな愛情は不可欠である。

また、人間の脳は小学校低学年の10歳までにほぼつくられる。逆にいえば、その年齢までは、母親が豊かな愛情をもって子育てに充分な時間を割くことが重要である。それは男女不平等というわけではなく、父親の愛情では代替できないからである。

 

13年度版の男女共同参画白書によれば、女性の就業希望者約303万人のうち、正規雇用を望んでいるのは17.1%であり、71.9%は非正規雇用で良いと言っていた。理由は「育児や家事をキチンとしたい」、「介護があるから」というもので、現実の母親は、正規雇用での企業戦士よりは、家庭と子育てを重視して行きたいという想いを明白にしてきているのである。


「家庭を大切にする」という言葉は、「子育てを重視する」という言葉とほぼ同義である。子供にとっては母親の豊かな愛情こそが安らぎの環境であり、健全な成長のエネルギー源である。それを忘れた女性の社会進出では、どれほど子供の数が増えたり、GDPが上がっても、国家としては劣化し、3流国に落ちることを指摘しておきたい。



※ご意見をお聞かせ下さい。必ず本人が目を通しますが、返答は答えに窮するものもあり、省略させていただきます。下記へどうぞ

e-mail: y-sano@sage.ocn.ne.jp


※このメルマガの申込や停止をしたい方は、下記にて「登録の解除または申込」をお願いします。  http://ameblo.jp/ohdoh/