成田雅子さんの絵本。成田さんの作品は、はじめて読みました。


突然いなくなった飼い猫・三郎をさがして、麻美は「いちょうやしき」にたどり着きます。三郎…のような直立歩行の猫がいて、その猫は、絵を描くのが好きだという。この三郎は、麻美の知ってる三郎なのか…というお話。


絵にとても雰囲気があって、猫の表情なんかすごくよかった。三郎が、麻美の知ってる三郎というものを、ことごとく裏切っていくんだけど、それがまた猫っぽいと私は思う。


どうやらいちょうやしきで、三郎は、清次郎という青年と暮らしているらしい。「三郎くんは、このやしきでしずかに絵をかく生活が、とても気に入っているようですよ。」「三郎くんは、だれのものでもないですよ。」ふーん、三郎と清次郎、さてはデキとるな。今はホラ、獣人BLも多いしね!


麻美が、清次郎とのやりとりや、三郎の絵を鑑賞することを通して、「まいにちいっしょにいたのに、あたし、三郎のこと、なにも知らなかった。ごめんね。」というくだりは感動的でした。麻美はきっと、美しい人になる、そんな予感がします。





●面白かった絵本(隠居の本棚より)
 
 
『ちいさなねこ』(石井桃子、横内じょう・著)
 
『Professor Crocodile』(Giovanna Zoboli・著, Mariachiara Di Giorgio・イラスト)
 
『ぶす』(内田麟太郎、長谷川義史・著)
 
『よあけまで』(曹 文軒・著, 和歌山 静子・イラスト)
 
『ちいさいおうち』(バージニア・リー・バートン・著)
 
 
『ぼくがラーメンたべてるとき』(長谷川義史・著)
 
 
『どこいったん』(ジョン・クラッセン・著、長谷川義史・訳)


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