新海誠監督のアニメ映画。私は台湾で観ました。

主人公・岩戸鈴芽(また象徴的な名前…!)と、閉じ師・宗像草太の救世譚、になるのかな。閉じ師というのは、日本全国で地震を未然に防いで旅をする人。地震の発生源である「ミミズ」(地下の巨大な力)は、廃墟にある扉から出てくるとされていて、その扉を探しては閉じて回っているんですね。で、何の因果か「閉じ師」に巻き込まれていく鈴芽。

冒頭からもはや盤石な空の美しさ。からの、草太と廃墟とミミズ出現でオイオイ展開早いな!と思ったらタイトルがドーン!そういうことか!かっこよ!

しかしせっかく草太がイケメンなのにほとんどイスなんだけど(詳しくは観てね!)、ここで私は不安になりました、イスに恋する物語に没入できるか?(笑)いやそこは新海監督、走るイスが目撃されまくってSNSでバズるとこなんて笑っちゃうけど、それにしてもイスて…。

ほんで大臣は結局何者なの?いちおう地震を抑える要石の役割をしていた神さまってことでいいんですよね?草太にその役割を引き継いだっていうけど(っていうかほとんど押しつけやん)、それにしては「オマエ、邪魔」ってひどくないか?しかも人間にそんな簡単に引き継いでいいの?そして大臣が扉を開けてるのか、それとも開きそうな扉を教えてくれてるのか、何なの?アイツは最後までようわからんかった。しかもサダイジンとはじめめっちゃケンカしてるのに、結局仲いいの?やっぱりようわからん。

でも最後、パラレルワールドにいる二人がほんのひととき、時間や空間を超越するシーンは感動的でした。これぞ新海誠!!

しかし天災を題材にしてきた新海監督、今回は地震、ということは否が応でも思い出す311。実際、鈴芽の実家が東北で、母親を亡くしていて…。う~ん、これを扱うのはまだ早くないか?いやアニメならギリギリか?絶対賛否両論になるだろうに、このギリギリのラインに挑戦した新海監督、でもこれは、物語の力を信じている人が作った映画だということだけはハッキリとわかる。

ああいう事故や事件に遭った人は、心のどこかで時間が止まってしまうんですよね。また次の新しい時間へと歩き出すためための何かを、新海誠監督は鈴芽にあげたかったんでしょう。だって鈴芽の最後のセリフが、「行ってきます」なんですから!

しかし新海監督、もしかして次に題材にするのはパンデミックじゃないだろうか。どんなものを作るのか、今から楽しみ。


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