宮脇俊三・文、黒岩保美・絵の絵本。福音館書店から出てる、「たくさんのふしぎ傑作選」シリーズです。このシリーズ好き。
内容は、かつてJR東海道本線として使われていたローカル線・御殿場線の栄枯盛衰の歴史。
鉄ヲタにも、乗り鉄・音鉄・グッズ鉄といろいろあるけど、それでいうと私は歴史・物語に興味があるかもしれない。
国府津から沼津までのルートを決めるとき、箱根山が邪魔になる。当時の技術的な問題(熱海を通ると8キロもトンネルを掘らなければいけない)、世界情勢的な問題(海側を迂回すると敵の軍艦から砲撃を受ける恐れがある)などを鑑みた結果、急勾配ではあるが箱根山を北から回って御殿場を通るルートになったそうな。そして明治22年(1889年)に開業。
地上455Mの高さにある御殿場駅にたどり着くために、後押しの機関車をつけたり、貨物列車は2つに分けたり、特急は走りながら補機を切り離したり(なんじゃそのすご技!見たい!!)したんですって。工夫すごい。
そうして丹那トンネルが開通する昭和9年(1934年)まで、東海道本線として活躍。線路に歴史アリ、ですなぁ。
人が何か好きなものを語るとき、それに人格を持たせがち(パワーストーンを「この子」と呼んだり、人工衛星に「君は」と話し掛けたり)だと思うんだけど、この本はそのギリギリのところを踏みとどまって、鉄道に興味ない人がドン引きしないように冷静に書かれているところにも好感。
地元の私鉄の歴史とか調べたくなっちゃいますね。
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